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弦楽器教育メソッド・教本の開発等について | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 6 Comments
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弦楽器教育メソッド・教本の開発等について

投稿日時:2006年12月09日 21:16
投稿者:nagano(ID:IRBJhJM)
プロとしてまたは教育者としてご活躍されている皆様に伺いしたいことがあります。国内で主に使用されている著名な「バイオリン教本(白本、篠崎教本、鈴木)」をみると、どれも発行年が古いものばかり。優れた教本であるからこそ「生き残ってきた」ことは理解できます。しかしながら、発行年当時とは、環境も現在とは異なっています。もはやわが国もいろいろな方面でお世辞にもアジアすらけん引しているとは言いにくくなってきた昨今ではありますが、どうなんでしょうか。私は大人になってからバイオリンを始めたものですし、プロではありませんので、生意気なことは言えませんが、国内の学校教育ですら今改革が取りざたされているのに、この業界はとても「摩訶不思議」に思えます。「聖域」なんですかね。それとも「需要」が少ないので、仕方ないんですかね。また教育システムがその時点で確立しており、これ以上の良いものが開発・編集できないんでしょうか。何か批判めいた書き方になってしまいましたが、純粋な意味で「課題提起」としてお伺いできれば幸いです。
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Re: 弦楽器教育メソッド・教本の開発等について

投稿日時:2006年12月12日 07:20
投稿者:ある教師(ID:NIclEmc)
ひとえに、「自分がこのメソッドで習ったからそれしか教えられない」教師が多いのだと思います。
子供はバロックで十分、と思っていたり、自分の知らない音楽に乗り出そうという気力のない先生が多いのですよ。
どのメソッドも確かに扱っている曲は変わらない。技術も変わらない。その代わり、到達速度が今の時代はものすごい速いですね。昔はモーツアルトのコンチェルトは小学校高学年くらいと思っていたのが今は当たり前のように小学生が弾いています、完成度はぜんぜん低いから先生の言いなり演奏で、コピーばっかりですけどね。でもそういう先生の躾がいいと、コンクールで入賞できたりするんです。

クラシック業界はまだまだ閉鎖的で、コネ社会で、自由な音楽をやろうと思わせないような、一種去勢された感性が正統派と言われています。例えば音大生は、ポピュラーの曲をやったら下手になるからやめたほうがいい、なんて平気で言います。
不思議ですね。アニメソングでも、流行のポップスでも、音楽だと思いますが。
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Re: 弦楽器教育メソッド・教本の開発等について

投稿日時:2006年12月12日 22:40
投稿者:nagano(ID:OCQkAoE)
ある教師 さま

ありがとうございました。本当に素朴な質問だったんです。アジアを引っ張れる力があるうちに世界に誇れる教本、システムを開発・普及すれば、この分野でもわが国はきっともっともっと尊敬されたんではないかと思います。
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Re: 弦楽器教育メソッド・教本の開発等について

投稿日時:2006年12月13日 00:58
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:ECgVaCg)
  スズキメソッドは公文式と並んで海外(主として米国?)で高く評価されている(かどうかは兎も角)非常にポピュラーな日本発の教育システムのようです。 欧米在住の方、如何ですか?
(小生のいるところは発展途上なのでバヨリンどころではなさそうですが)
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Re: 弦楽器教育メソッド・教本の開発等について

投稿日時:2006年12月13日 03:01
投稿者:pochi(ID:IzM5QwA)
ヴァイオリン(クラシック音楽)の場合、新しい曲、新しい技術がありませんから、新しい教本が出ないのだと思います。

近年新しくなったのは、人工素材の絃位のものです。人工素材の絃は、線密度が略一定ですから、他の絃との共振で音程を取ることが多くなり、個性的な音程の取り方が少なくなったのではないかという議論がこの掲示板でも有りました。

ポピュラー音楽で仕事をすると、いい加減な弾き方をする事が多いので、下手になることも否定できません。オーケストラで弾くと下手になると言い切る人もいらっしゃいます。
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Re: 弦楽器教育メソッド・教本の開発等について

投稿日時:2006年12月13日 14:13
投稿者:TORU(ID:GBEwCRc)
「プロとしてまたは教育者」ではありませんが。
nagano氏に同感。
新しい音楽観が育たないから新しい教本が無いのだと思います。
教則本には、技術習得と同時に音楽観を育てる役割があるはずです。

以前も書いたことあるのですが
教則本に並ぶ曲はずいぶん偏っている。
バロックもロマンもあっていいけど
将来バルトークやベルクを弾くこと想定しているのでしょうか。
大体退屈な曲が多すぎる。
暗い、やたらせわしない、単純に甘い。
ポップスだって、スズキに比べれば遙かに
複雑な和声進行やリズムを持っている時代。
易しいけどスリリングな曲は探せばいくらでもあると思います。
本当に音楽性豊かな子から、バイオリンを捨ててしまいそうです。
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Re: 弦楽器教育メソッド・教本の開発等について

投稿日時:2006年12月15日 09:07
投稿者:ある教師(ID:JxlTY4k)
pochiさまの仰ることはもっともですが、新しい技術がないとは言い切れないような気がします。
モーツアルトの時代は、コンチェルトは小編成でよかった。今は編成が大きい曲を弾くようになり、音量を生かし音色を捨てる人もいるように思います。私の師匠の師匠は、大学の卒演がモーツアルトでしたが、オケと競演したそうですが、そのときはもっと音楽とお客さん、演奏家と聞く人の距離が近かったので、音量はあまり考えなかったそうです。
バイオリンの具体的な技術が発達していると上げられませんが、奏法自体は常に変化していると思います。弦が変わってきたことは大きな変化だと思います。
また、今の世界の主流派、というのは、かつての巨匠達とはちがう音を出しますよね。ジュリアード系、ロシア系、フランコベルギー系、そしてウイーン派など、歴史的に継続的に技術が伝統として残っている流派がありますが、そういう流派の教育を受けても、若い新しいバイオリニストは新しい音と表現を求めていますよね。という気がするだけでしょうか。弦が変わったのはその新しさの中でかなり重要な気がします。
スズキメソッドは、分かりやすいので、そして目に見えて上達が分かるので、アメリカ人がすきそうですね。ドイツでは、ホーマンがありますね、日本では3巻?くらいまでしか出てませんがもっとあります。ですが、それは「副教材」であって、それだけを頼りに練習していくわけではありません。ピアノで言うところのチェルニーみたいなものです。
TORUさま。ベルクやバルトークは、あまり弾かないと思います。。。結構マニアックかも。。。

普通にバイオリンを楽しんでやりたい人は、ザイツなどの面倒な曲をすっ飛ばして、やりたい曲をやればいい話です。
ピアノでいろんなメソッドが出てきているのは、いろんな作曲家の著作権が切れたことも影響していると思いますし、世の中のピアノ教師の多さから、教師も競争社会におかれており、独自色を出すために、いろんな教本を研究する方もいますし、それこそ、自分の先生が書いた本だから使う、という方もいますね。
おじいちゃんおばあちゃんがあこがれた楽器を、子供でなく孫に、ということで、電子ピアノも増えて、手が出しやすくなったこともあり、いろんな要望があって曲集が出ているというのも考えられます。
加えて、著名作曲家の著作権が切れ、ラヴェルなどの名曲が巷に出てそれを弾きこなすためにはどんな技術が必要か→ラヴェルがやっていたフランスのメソッドを取り入れる→全部やっていては時間が勿体無いので、そういうメソッドのおいしいところをとって新しい本にする。、ということもあると思います。
バイオリンは歴史の長い楽器ですが、クラシックはいつでも発展しているので、それに応じて、これから作られる曲もどんどん変わっていき、バイオリンの役目も、変わるのではないかな。
教育という点で、アジアを引っ張っていく、という話では、多分「好きな曲をバイオリンで弾ける」という点ではかなり貢献できますが、バイオリンの技術のほとんどが、手軽に身に付くものではないので、メソッドの開発や布教?といっても結局今まで使われているスズキや白本や篠崎に合流するのだと思います。
スズキ他の「教則本」には有名な曲が入っているので、単品で買うより安いですし。
対象年齢が異なる曲集を出す点では日本はがんばってると思います。バイオリンの先生も多いですから、大人からはじめた人はこういう曲、子供は分かりやすく歌が入った曲、などと、工夫していかないと生徒が離れてしまう。
他にもいろいろ書きたいですが、またの機会に。
オケやポピュラーでへたになる、というのは、そもそもオケやポピュラーの曲は練習しなくてもその場でやればおしまい、だと思うんですけどね。練習する時間が勿体無い。。。だからなおさらフレキシブルなほうがいいんですよね。きっと。

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