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学校の部活でヴァイオリンを始めた人達 | ヴァイオリン掲示板

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学校の部活でヴァイオリンを始めた人達

投稿日時:2017年06月01日 12:51
投稿者:pochi(ID:F2NXcyU)
大学オケを含めて、楽器経験者ではなく、騒音経験者、と思うのですが、何だか激しく勘違いしている人が多いと思います。
http://fstrings.com/board/index.asp?id=47964&t=2013

どうしてなのか、様々な角度からの御意見を賜りたく、質問を立てました。

宜しくお願いします。
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Re: 学校の部活でヴァイオリンを始めた人達

投稿日時:2017年06月01日 20:27
投稿者:じゅん(ID:OIWTkVI)
私がこんなことを言うのも何ですが。

学校の部活動は、専門家養成だの門人教育だのは基本的に考えておらず、「そこに居合わせた人々でどれくらいできるか」というのがそもそもです。「究極的には音楽そのものよりも音楽をしている人が大事」でもあります。指導する人で気の利いた人はできる限り音楽の指導と言う文脈から見ても筋が通っているように持っていこうとすると思いますが、そもそもが「誘われたので入った」だの「楽器を弾いている先輩がカッコ良く見えたので」だの「電子オルガンを弾いていたから音感は大丈夫だろう」だの、まともに音楽をしたければありえないような問題意識で入ってきている人たちで成り立っているのが学校の部活動です。オケの本道のような観点からすると、どうしたって限界はあります。

中学生・高校生にせよ、大学生にせよ、集団になると基本的には具体的な行動か大雑把な方針かしか全体としては理解できなくなります。音程・リズム・音色・ダイナミクス変化・(大雑把な)バランスくらいのところは中学生・高校生でも理解できますし、それはそれで時間をかけて習得しなければなりませんので、それだけで終わってしまう場合も多いでしょう。反対に、ニュアンス・発音・音色変化・アゴーギク・様式感・非和声音の処理・構築性のような、個々のスコアリーディングや経験値やしっかりとした音楽知識が必要とされるような部分は、下手をすると指導者自体が全くわかっていなかったりします。まともな意味で「音楽づくり」をするというよりは、技術的な部分を厳しく調教され、音楽の部分は曖昧模糊としたフィーリング任せ…と言う風になりやすいのが中学・高校の吹奏楽部の宿命でしょう。

こうした中だと、熱心な吹奏楽部ほど、言ったら「音楽のオママゴト」に不必要に長い練習時間と多大な体力消費を求められるという状態が続きます。まともに音楽をしたい才能ある生徒は最終的には吹奏楽に背を向けるでしょうし、そこまでではない生徒はこういう「音楽のオママゴト」こそが音楽であるという勘違いをして、卒業して人の親になり、自分の子供を吹奏楽部に入れ、コンクール至上主義を保護者の立場から後押ししたりします。あまり建設的なサイクルには思えません。

吹奏楽で扱える音楽の範囲も、広いようでいて狭いです。基本的にはロマン派以降、ジャズ・ラテン・ポピュラーなどもできるが、管楽器を多用した色彩的な表現とビートを効かせたアツい表現は得意技であるものの、弦楽器の音楽の要素は実はほとんど何一つできないと言っていいくらいです。吹奏楽部の生徒は、放っておけばこうした要素は何一つ音楽の要素と認知しないまま、大人になるわけです。

中高オーケストラや大学オーケストラの事情には私は疎いですが、吹奏楽部のこととして書いたようなことは、実はほとんど全て中高オーケストラにも当てはまりそうです。部活動である限り、オケ曲をそれなりに弾いたような感じにすることが中高オーケストラの至上命題です。「いや、オケの前に弦楽四重奏を経験すべきだろうし、その前に自分の楽器のレパートリーを一通りしっかり習って、基礎技術だの様式感だのを身につけないといけないんじゃ?」と言うような、音楽から見て真っ当なお話は通りません。

しかも、管楽器を常駐させるという方針を通常採る以上、曲は古いものでもイタリア歌劇の序曲、国民楽派の交響曲や交響詩にならざるを得ません。古典やバロックは学校オケではなかなかやりにくいでしょう。そうするとこれは、ひょっとするとオーケストラの皮をかぶった吹奏楽部のような選曲幅になってしまいます。「前のプルトがダブルカルテットをしっかり成立させて音楽の基本を作り上げ、コンミスは管楽器をもリードするつもりで弾く」などと言う芸当が…できているところもあるんでしょうか。

中高オケではそれでも教員と言う重しがかかりますが、大学オケの場合は自主運営であることが、幹部の勘違い・持ってはならない類のプライドの後押しをしそうです。オケではありませんが、大学の合唱部のリーダーあがり風情が(音大ではなく、旧帝大です)、専門家のような顔をして合唱指導者として報酬を得る立場に何とか潜り込み、東京オペラシティのバリバリの声楽家に対して「同業者」などと気安く口を利いている(しかし自分の合唱指導は凡庸そのものでした)のを見たことがあります。死ねと思いましたが、大学オケでも(特に卒業してからもオケに寄生している古株OBなどは)同様の勘違いをいくらでもできるでしょう。

吹奏楽にしても、オケにしても、アマチュアはアマチュアに過ぎず、きちんとした者になりたければ音楽全般に関してきちんとした教育を受け、必要なことを全て身につけ、真正のプロに認められて初めて一廉の音楽家と言う顔ができるはずで、そうじゃない人は音楽に対する謙虚さを失ってはならない。当たり前だと思うのですが、意外にそういう部分って、きちんと伝わっていない場合があると思います。柏木氏はそうした吹奏楽部と大学オケと言う環境の憐れな犠牲者…と言うには腹立たしいでしょうが、そうした環境の生んだ「すさまじい失敗作」と言えるでしょうか。
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Re: 学校の部活でヴァイオリンを始めた人達

投稿日時:2017年06月03日 08:18
投稿者:pochi(ID:QWJmM2A)
ヴァイオリン奏法の、最も初期的な敷居は、開放弦の全弓で安定した音を出す事です。

現代なら針式チューナーを使って、チューナーの針がブレない様に運弓する方法がありますが、古来からの方法は、
・弦と弓の接点
・弦の振幅
を見て、どちらとも安定する様に弾きます。

E線は見えにくいのですが、よく見れば見えます。他の弦は十分見えます。

最初は、中弓・先弓・元弓の1/3ずつでも良いので、弓幅を拡げて行き、60の速度で4拍、全弓運弓を出来る様にします。

よく考えてあるのが、スズキのきらきら星変奏曲ですね。

元弓ダウン1/3(1/2)弓でAAEEFisFis、Eが全弓、先弓からアップ1/3(1/2)弓でDDCisCiisHH、Aが全弓、以下同様で、逆弓も弾く。

最初にヴァイオリエーションがあり、
元弓ダウンアップ1/3(1/2)弓でAAAA、元弓からアップアップでAA先弓、アップダウンでEEEE、先弓からダウンダウンでEE、元弓ダウンアップ1/3(1/2)弓でFisFisFisFis、元弓からアップアップFisFisで先弓、以下同様で、逆弓。

ちょっと難しいのなら、蛙の歌もあります。

学校の部活で始めた人は、安定した全弓運弓は勿論、Fisが正確に弾ける人がまず、いません。交響曲なんて、悪い冗談かと思います。

全弓運弓する為には、ヴァイオリンの弓の竿は約74cm、弓の毛は70cm弱あります。これを一定の圧力で弾くのには、立って弾いて、体重移動を使う事が必然です。

ダウン先弓に行くと、人差指に力が掛かりますから、肘が若干上がります。アップ元弓なら、小指で弓圧を軽減しますから、肘が若干下がります。この動きがあるから、昔の弾き方では、体重移動と共に肘内回りになります。

初心者の先輩ではなく、本格的に弾ける人に習わないと、習得は永遠に不可能です。

//////

よく弾かれる、モーツァルトのディヴェルティメントK.136
youtu.be/PThRHMCO3H8
これで速度は120ちょっと位でしょうか?トロい演奏に聴こえます。本来Allegroなので138位ですよね。

新任指揮者による楽員に対するイジメがありまして
「皆さんお上手ですから、少し速めでも弾けるでしょう」
と、160以上で弾かせます。個々の楽員は弾けても、スラーの頭は発音ハッキリ、刻みと16分音符はスピッカートですから、160以上となると、合いません。
「K.136位は弾ける様にしましょうね」
と言って去っていきます。プロでも1発では崩壊直前ですから、アマチュアにはまず弾けません。

弾けなかったら、ベルリオーズ、チャイコフスキー、マーラー等、ロマン派交響曲は弾けません。私もプライドに掛けて、メチャメチャ練習したのですよ。

ヴァイオリンを中高で始めた人何て、当たっている音が1つも無い状態です。何にも感じないのか、不思議でならないのです。
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Re: 学校の部活でヴァイオリンを始めた人達

投稿日時:2017年06月03日 09:04
投稿者:じゅん(ID:OIWTkVI)
学校の部活でヴァイオリンを始めると、通常は自分の席に座って個人練習となり、立って弾くことは特に誰からも勧められないでしょう。
ヴァイオリンは発音機構がむき出しですが、そのために却って「どういう心算で弾いているか」と言う部分が想像しにくいでしょう。「弓を弦に載せて横にこすれば音が出る」と思いやすいでしょう。腕の回転だの、体重移動だの、ひじの内転だの、右手親指の重要性だの、右手小指への弓の重さだのは、学校の部活動でヴァイオリンを始めた人たちが自分で気づく可能性はまずないでしょう。だいたいの場合は、ビビッて弦の表面をかする程度の圧力でキコキコやるくらいが関の山で、響きがないから共鳴もよくわからず、音が当たったかどうかはチューナーで確認などということになってしまう場合すらあるでしょう。
私がかろうじて知っているところだと、生徒は音程に自信がなくなるとピアノに向かってピアノで弾いて音を確認するとか、チューナーで確認するとか、そういう事をしていました。そこの生徒は「共鳴」を知らず、「開放弦が時々弾いていないのに振動する、あれは何ですか?」と聞かれました。経験者がおらず、指導している先生がヴァイオリンを弾けず、外部の指導者を呼んでいないだと、こうしかならないのでしょう。
まずこういう人たちは、「当たった音」を知った方がいいでしょうし、「当たった音」と「抜けている音」、「響いた音」と「潰した音」と「かすった音」を識別できた方がいいでしょう。しかし、どれも知らなければ、何も感じようがなく、「ヴァイオリンって変な音しかしないんだね」「プロの人ってどうやってるんだろう」で終了、自分には手の届かない世界と思い込んで終了です。
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Re: 学校の部活でヴァイオリンを始めた人達

投稿日時:2017年06月03日 16:14
投稿者:ヒロ(ID:EldoaYU)
高校から始めた人で上手な方は数名存じております。
大学から始めた人は全滅です。

シューマン・ブラームスなど素人が手を出してはいけない曲というのがあるはずですが、いい助言者がいないのでしょう。

私が所属した学生オケでは初心者はバッハドッペルコンチェルト1楽章から始めました。無茶ですね。
他の学生オケでは初心者はアイネ・クライネ・ナハトムジークから始めるとか言ってましたが、これも無茶ですね。

開放弦のボーイング練習からカエルの歌とキラキラ星に賛成いたします。

私の場合、ヘンデルのソナタ終了後学生オケに参加しましたが、全くついていけずサボってばかりでした。
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Re: 学校の部活でヴァイオリンを始めた人達

投稿日時:2017年06月03日 20:24
投稿者:じゅん(ID:OIWTkVI)
申し遅れました。

開放弦のボーイング練習からカエルの歌とキラキラ星に私も賛成いたします。

初心者の意欲のために、曲らしきものをやらせるのはまあアリかも知れませんが、どう譲ってもアイネクライネナハトムジークはないでしょう。半分くらいは当たった音で弾けるような曲にしないと後の技術につながらないと思います。