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Fis-DurとGes-Dur | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 5 Comments
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Fis-DurとGes-Dur

投稿日時:2018年09月15日 09:32
投稿者:あじ(ID:kVhCcJA)
あじです。

川合左余子著『いまさら聞けないヴァイオリンの常識』の108ページの下の方に、以下の文がありました。

 (前略)
 以下は、異名同音調です。
 Fis-Durの場合、第2指から始めます。
 Ges-Durの場合、第3指から始めます。
 どちらの調でも出る音の高さは同じです。
 (後略)

この「音の高さは同じ」は正しいでしょうか?

ヘマン著『弦楽器のイントネーション』の31ページの内容からすると、Gesの方がFisより少し(ピタゴラスコンマ分)低いと思いますがいかがでしょうか?

自分的には、jackさんの以下の記事が正確だと思っていました。

 http://fstrings.com/board/index.asp?id=46172#46500

しかし、ちゃんとした本に上記内容が書いてあるので、自分の理解に自信がなくなりました。

識者のご意見をお伺いできれば、と思います。

#ピタゴラスコンマ=1200log_2{(9/8)*(256/243)^(-2)} ~ 23.46セント。また、ヘマンさんの20ページの純正律短2度が133セントになっていますが、112セントですよね?
[53478]

Re: Fis-DurとGes-Dur

投稿日時:2018年09月15日 16:16
投稿者:pochi(ID:aVkHQZA)
>この「音の高さは同じ」は正しいでしょうか?
---間違いです。

以下は、理屈抜きに習います。

ヴァイオリンの音程の取り方の原則は、
「♯は高め」「♭は低め」
と、1年目で習います。

2年目「ベートーヴェン メヌエット ト長調」で、AisとBが違う音である、と明確に習います。

音律がどうのこうの、何て理屈は、5歳の子供には、解りません。

========

ヴァイオリンの音程の取り方は、こちらに投稿してあります。
http://fstrings.com/board/index.asp?id=51303#51329
[53494]

Re: Fis-DurとGes-Dur

投稿日時:2018年10月08日 17:00
投稿者:あじ(ID:KUgnR2A)
Pochiさん、どうもありがとうございます。

やはり本が間違えているようですね(他の方からも何もないようですし)。

それにしても、この本やjackさんの記事にあるように(第一ポジションでは)、Fis-Durを2の指で、Fis-Durより低いGes-Durを3の指で始めんですよね!やはり、ヴァイオリンは難しい楽器のようですね。
[53575]

Re: Fis-DurとGes-Dur

投稿日時:2018年12月28日 13:11
投稿者:abeg(ID:NIUlUxY)
最初のFisとGesはどうやって見つけるのですか
[53576]

Re: Fis-DurとGes-Dur

投稿日時:2018年12月30日 04:58
投稿者:pochi(ID:EmRZcVc)
http://fstrings.com/board/index.asp?id=53477#53477
あじ氏、
>純正律短2度が133セントになっていますが、112セントですよね?
----純正律短二度は色々あります。
http://musica.art.coocan.jp/enharmonic.htm
http://www.niji.or.jp/home/ss1996/tech/psm.htm
多く使われるのは、16/15倍周波数比ですから、理論値は、約111.7セントで、あじ氏が正解です。増一度は更に狭いので、ヘマンの20ページの純正律短2度が133セントには、疑問があります。

===============
===============

http://fstrings.com/board/index.asp?id=53477#53575
abeg氏、
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[53478]

Re: Fis-DurとGes-Dur

投稿日時:2018年09月15日 16:16
投稿者:pochi(ID:aVkHQZA)
>この「音の高さは同じ」は正しいでしょうか?
---間違いです。

以下は、理屈抜きに習います。

ヴァイオリンの音程の取り方の原則は、
「♯は高め」「♭は低め」
と、1年目で習います。

2年目「ベートーヴェン メヌエット ト長調」で、AisとBが違う音である、と明確に習います。

音律がどうのこうの、何て理屈は、5歳の子供には、解りません。

========

ヴァイオリンの音程の取り方は、こちらに投稿してあります。
http://fstrings.com/board/index.asp?id=51303#51329
のリンク
http://fstrings.com/board/index.asp?id=51303#51329
にヴァイオリンの音程の取り方の基本が書いてあります。
GesやFisもありますよ。

======
【ファースト・ポジション】
■4の指
G線D、D線A、A線Eは、開放弦と同音ですから、ピッタリ合わせられます。音が吸い込まれる様に感じます。E線Hは少し難しいのですが、A-Eの幅で、E-Hを弾きます。重音で弾きたいのであれば、E線に対するA線Hを取り、そのオクターブでE線Hを弾きます。ピッタリ合わせて下さい。

■3の指
E線A、A線D、D線Gは響くので簡単です。G線Cは少し難しいのですが、3の指は全部同じ高さ、(E-Aの幅)=(A-Dの幅)=(D-Gの幅)=(G-Cの幅)です。全部同じ高さなので、慣れれば弾けます。ピアノよりも若干低めです。

■1の指
G線A、D線Eは、開放弦のオクターブ下なので響きます。A線HはE線との完全四度で弾けます。この(G-Aの幅)=(D-Eの幅)=(A-Hの幅)で、(E-Fisの幅)を弾きます。1の指の音も全部同じ高さです。結構高めです。

■2の指G線からH・Fis・Cis・Gis
1の指で取ったD線Eに対して完全四度の重音でG線Hを取ります。残りのFisCisGisはすべて同じ高さです。結構高めです。

■2の指G線からB・F・C・G
G線2オクターブにピッタリのE線Gが鳴らせます。この高さで、G・C・F・Bと弾きます。ピアノよりも低めです。

■1の指G線からAs・Es・B・F
2の指で取ったA線Cの完全四度上のE線Fを取ります。この高さで、As・Es・B・Fを弾きます。低めです。

■4の指G線からDes・As・Es・B
1の指で取ったA線Bのオクターブ上のE線Bを取ります。D線Esでもオクターブ上のA線Esが取れます。これも全部同じ高さで、Des・As・Es・Bが弾けます。結構低めです。

■3の指G線からCis・Gis・Dis・Ais
2の指で取ったFisやCisの完全四度下の重音で取ります。同じ高さでCis・Gis・Dis・Aisが弾けます。結構高めです。

■1の指G線からGis・Dis・Ais・Eis
3の指で取ったGis・Dis・Aisに対してオクターブ下です。全部同じ高さでEisも取れます。ベートーヴェンのメヌエットト長調でA線Aisが出てきます。結構高めです。

■3の指G線からCes・Ges・Des・As
既に取った1の指G線のAsに対して2オクターブのE線3の指Asを取ります。 導音が解れば、E線2の指Gを導音とする様に3の指でAsを取ります。
3の指の♭は全部同じ高さ、 (G-Cesの幅)=(D-Gesの幅)=(A-Desの幅)=(E-Asの幅) です。

【サード・ポジション】
■1の指
G線からC・G・D・Aに移動します。当たり前ですよね。

■4の指
G線からF・C・G・Dです。 G線に対する2オクターブ上のA線Gが取れますから、残りは全部同じ高さです。 響きますから、容易に取れます。

■3の指
G線EをE線との共鳴で取れます。G線からE・H・Fis・Cisが取れます。全部同じ高さです。結構高めです。 D線HをG線の5倍音で取ってしまうと低くなるので、注意が必要です。

■2の指
簡単です。G線からD・A・E・Hですね。全部同じ高さです。

■3の指を加筆 E線からC・F・B・Es
A線4指GをG開放弦の2オクターブの響きで取り、そのGに対して完全四度上のE線Cを重音で取ります。
C・F・B・Esは同じ高さで弾きます。 1の指のE線からA・D・G・Cに対して短三度(A-C)(D-F)(G-B)(C-Es)は全部同じ幅です。
結構低い音なのですが、低くなり過ぎない様に弾くのがポイントです。
======

メロディの音階を弾く時の基本として、ピタゴラス音律を更に極端に取る事が多いのが抜けています。
A-durを弾く場合、
「A-Hの幅」=「D-Eの幅」=「E-Fisの幅」≦「H-Cisの幅」≦「Fis-Gisの幅」

移動のドでは、ヴァイオリンの音程の取り方の原則、
ドレミファ/ソラシド
の組になっているので、「H-Cisの幅」≒「Fis-Gisの幅」としても良く、
長調の第3音と第7音は高めに取る、のが、ヴァイオリンの音程です。
パブロ・カザルス曰く、半音は全音の1/3と言っています。数学的ピタゴラス律では約44%になっています。

ヴァイオリンの音程は、更に「オクターブ伸張」を勘案する必要があります。
高い音はより高く、低い音はより低く、弾いた方が、正しい音程に聞こえるのが、人間の耳の特性です。

ピアノでは、レイルスバックカーブとして示されています。
http://78.media.tumblr.com/cee54fc842172c5844cc963d9abdfc9c/tumblr_nnmhd7vyTr1qdsqmfo1_500.jpg

ヴァイオリンの音程は、開放弦G・D・A・E迄は3/2周波数比で、弦楽合奏では時代によって、G-D、D-Aは、それを平均律にどれだけ近付けるか、狭くするか、1.96セントの幅で勘案します。A-E、E-HはEの3/2倍音としてよい、と思います。

Gは低くなり過ぎない様に注意が必要です。ミスっている例です。
https://youtu.be/9tfSH9Sm-Ek
「クレア・ホジキンズ」のGの調弦はホンの少し低めで、運弓のミスで更に低く成り過ぎて、言外にハイフェッツに指摘を受けています。耳の悪い人は、何処で指摘を受けたのか、解らないでしょう。尚、「クレア・ホジキンズ」は他の生徒とは立場と年齢が違い、ハイフェッツのアシスタントでした。

オクターブ伸張は、
「E線DはD線の4倍音で取ると低く聴こえる」
「E線のフラジオは、弦が新しくて正確な2倍音であっても、低めである」
明確に習います。

E線C・Cisは微妙です。ヴァイオリンのCは楽器自体が低めに響きを持っている事が多く、気を付けるべき音で、
「楽器の鳴りでCを弾くと低くなる」
これも習います。

しかし、一応、E線Cの根拠は、A線サードポジションでGの4倍音を取って、その完全四度上で、正しいE線Cとして良い、事になっています。

E線Cisは"Extensive Pythagoras"の関係もあり、高く取る事が多いと思います。

=====

純正律はメロディでは使わず、和声で使います。
完全五度(3/2)
完全四度(4/3)
完全八度(2/1)
大全音(9/8)
は、ピタゴラス律と同じです。

メロディと和声の音程の差が問題になるのは、長短三度と、オクターブの裏になる、短長六度です。

ピタゴラス音律の長三度は(9/8)^2=81/64
短三度は完全五度の裏ですから、(3/2)÷(81/64)

純正律の長三度は5/4(大全音+小全音)
純正律の短三度は6/5(完全五度と長三度の裏)
D線2の指をA線に合わせて、唸りが無く、F及びFisを取ると、純正律長短三度は容易に取れます。

長六度はオクターブと短三度の裏
短六度はオクターブと長三度の裏

=====

重音の音程の取り方の基本は、
①上の音をピタゴラスで弾き、下の音を純正で付ける
②下の音が開放弦とその偶数倍音なら、下の音に上の音を純正で付ける
③残響が少ない場所なら、どちらともピタゴラス音律で弾く
③'アルペジオも重音に準じて、残響の過多で取る音程が違い、残響の多い所では純正律で、少ない所ではピタゴラス律
④重音の次に同じ音のメロディが出て来る等、矛盾が出る場合、平均律っぽく弾いて誤魔化す

細かい所は違い、例外も沢山あるのですが、趣旨は、
へマン著「弦楽器のイントネーション」
https://www.amazon.co.jp/dp/4883952681
この本の解説みたいなものです。

疑問があれば、監修した海野義雄に問い合わせましょう。
https://ja-jp.facebook.com/mikio.unno
息子の幹雄に問い合わせれば何とかなるでしょう。

こちらも趣旨は同じです。
https://maki-music.net/weblec/ontei/

=====

短調は一般に3種類あるので、複雑ですが、短三度(第3音)を低めに取ります。
a-mollならCを低めに取り、FやGを低めに取る事が多いと思います。

更に、私のオリジナルです。
ヴァイオリン的短音階は、a-mollなら運指上、
AHCD/EFisGA
が基本形です。旋律的短音階の変形です。
旋律的短音階でGisで弾く場合は、高く取ると悲劇的な感じになります。
Fで弾いてFを低めに取ると、哀愁を帯びた感じになります。
F・GisでFを低く、Gisを高く弾くと、奇想的になります。
Hを低めに取ると、沈鬱な感じになります。
[53578]

Re: Fis-DurとGes-Dur

投稿日時:2018年12月30日 11:49
投稿者:pochi(ID:EmRZcVc)
http://fstrings.com/board/index.asp?id=53477
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
これを入れると、他のURLが貼れるバグがあります。直リンに成る様に改良して欲しいのですが、管理人yc氏に何らかの方針があるのでしょう。

========

基本的なピタゴラス音律と純正律の違いを投稿しておきましょう。

【ピタゴラス音律】
基音1に対して、
長二度は、五度と四度の差の9/8倍(周波数)音
長三度は、81/64倍(周波数)音←協和音には聴こえない
短三度は、五度の裏側なので、32/27倍(周波数)音←協和音には聴こえない
完全四度は、4/3倍(周波数)音
完全五度は、3/2倍(周波数)音
短六度は、128/81倍(周波数)音←協和音には聴こえない
長六度は、27/16倍(周波数)音←協和音には聴こえない
短七度は、16/9倍(周波数)音←協和音には聴こえない訳でもない
長七度は、243/128倍(周波数)音←協和音には聴こえない
完全八度(オクターブ)が、2倍音

長二度が常に、9/8倍(周波数)音(約204セント)、
短二度が常に、256/243倍(周波数)音(約90セント)
になっているのが特徴です。

全音-半音=♯・♭なので、♯や♭は、約114セント上・下となります。
約204セントの全音を、トノス
約90セントの狭い半音を、リンマ
約24セントの異名同音の差を、カンマ
と呼びます。リンマ+カンマが♯・♭です。

全音トノスは、リンマ+カンマ+リンマ になっています。

【純正律】
主音1倍音に対して、
短二度 16/15倍(周波数)音
長二度 9/8倍(周波数)音
短三度 6/5倍(周波数)音
長三度 5/4倍(周波数)音
完全四度 4/3倍(周波数)音
完全五度 3/2倍(周波数)音
短六度 8/5倍(周波数)音
長六度 5/3倍(周波数)音
短七度 9/5倍(周波数)音
長七度 15/8倍(周波数)音
完全八度(オクターブ) 2倍音

純正律は、
大全音(9/8倍周波数音)、
小全音(10/9倍周波数音)、
多くの場合の半音(16/15倍周波数音)
があります。

D線EをE線とのオクターブで合わせると、D-E間は大全音になります。
D線EをG線との長六度で合わせると、D-E間は小全音になります。

長調のスケールは、
大全音・小全音・半音・大全音・小全音・大全音・半音
短調は第六音から始まります。

以上、ヴァイオリンには、それぞれの音程に特有の音色があるので、その音色を明確に知っていれば、狂う事は有り得ません。

表情として「ワザと狂わせて弾く」
のと
「明確には音程が解っていない事」
は、全く別の事なので、間違えないで下さい。

例えばギトリスは、音が明確に解った上で、
https://youtu.be/9ySltMPoBfk?t=696
Cisをワザと低く取っています。

実は一発で音程が正確に弾ける人は居ません。←「ヤッシャ・ハイフェッツ」も言っています。
指の都合で狂ってしまうので、弾いた瞬間に微妙に調整して正しい音程を出しています。調整幅が大き過ぎると、幽霊の様に聴こえますから、その精度を上げる為に、ヴァイオリン弾きと言える人は、重音・アルペジオを含めた音階練習を、欠かしていません。

全部幽霊の様に聴こえる日本人女性有名演奏家で音大教授の名前を挙げる事も出来ます。そんな人には習わない事をおすすめします。「アンタのバラード?」とかいう、CDを聴いて、吃驚しました。

音痴は治癒が難しい感染症の一種なので、近付いてもイケない。特に師事してはならない。最初から、音色と音程が不可分である事が解っていない人は、ヴァイオリン弾きとは呼べません。音痴の騒音発生者です。

この掲示板の「あい氏」に至っては、練習時間の半分以上をスケールに費やしている筈です。四度の重音スケールとか指の入れ替えが非常に難しいのです。

十度は誰でも苦しい。
https://youtu.be/YkKWEW6VOcQ?t=2269
「エリック・フリードマン」が「手が疲れてもう弾けない」
と言っています。