弦(絃)には弓の毛を当てた時に「初期的伸び」が有ります。
一般に「伸び」の大きさは、 「ガット」>「人工素材」>「金属」 芯弦(絃)に成って居ます。
速いパッセージを弾くのにはこの「伸び」が小さい方が弾き易いのは自明です。しかし「伸び」を上手に「跳ね返り」使って弾くと「伸び」が大きくても寧ろ「ハッキリした発音」に成ります。「アルテュール・グリュミオー」の弾き方がその代表です。
物質には固有振動数が有るので芯材に依って音質が変化するのは当然です。
「ドミナントやエヴァピラティ」は「伸び」が比較的小さく発音が俊敏で大音量、温度や湿度に音程が左右されない特徴が有ります。「エヴァピラティ」は「伸び」が「ドミナント」依も若干大きいのですが張力が高いが為「伸び」を感じにくい、同じ弾き方なら「音量が大きい」のです。
人工素材弦でも「伸び」が小さい弦(絃)も有ります。 【Corelli Alliance Vivace】 https://i-love-strings.com/?pid=13724191 「伸び」が小さいので「弦の自由振動」に任せないと「シャリシャリ」した音に成り勝ちですが上手く弾けば大音量で発音が俊敏、耐久性にも優れています。釣糸の素材である「呉羽工業」の「フロロカーボン」芯材です。
「残響」に関しては「伸び」が大きいと楽器の「胴鳴」、「伸び」が小さいと「弦自体」に成ります。「金属弦」が最も弦(絃)自体の残響が大きく成って居ます。
弦(絃)が傷んで来ると残響は小さく成って行きます。
ヴァイオリンは音が高いので金属弦(絃)は耳障りなのであまり好まれませんが、チェロでは音が低いので金属弦(絃)が主流です。
ヴァイオリンでも金属芯材を細く数を多くして柔らかくした弦(絃)も有ります。 【Helicore】 https://i-love-strings.com/?pid=13724003 ヴィオラでは愛用者が多いのですが、ヴァイオリンでは「音が単調」なのであまり好まれません。
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