二コラ・リュポ / Nicolas Lupot | ヴァイオリン製作者ライブラリ

フランスのストラディヴァリと呼ばれる、フランスで最高の製作者。

リュポの出現以前はフランスのヴァイオリン製作は遅れた価値観で製作を行っており、アマティを大雑把に解釈したような楽器が多かった。クレモナの黄金期以降は、フランスのみならずイタリアのヴァイオリン製作も凋落していたと言える。

そんな中、18世紀末頃から音楽が王侯貴族だけのものではなく、大衆にも届けられるようになり、スター演奏家が現れ始めた。その一人がジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティで、彼は大ホールでも十分な音量を持つストラディヴァリを愛用してその評判を高めた。すると、彼がブレイクしたパリを中心に、ストラディヴァリ・モデルのヴァイオリンの需要が急速に高まったのだ。

この流れの先頭を走ったのがこのリュポである。その作品には必然的にストラディヴァリの影響が濃く見られる。リュポの存在をきっかけに、その後フランスを中心にヴァイオリン製作のレベルが飛躍的に向上することになる。