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バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio | ヴァイオリン掲示板

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楽曲・楽譜 117 Comments
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バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年02月27日 22:50
投稿者:南社(ID:KGQ2lSM)
はずかしながら、大人の生徒さんから指摘されて気付いたんだけど、
バッハ無伴奏ソナタ1番Adagioの最後の音は全音符なんですね。
でも私が聴いているCDやレコードは全部2分音符+フェルマー他の長さで、全音符の長さで弾いている演奏は聞いたことが無い。
もしやと思ってガラミアン版のファクシミリを見ても全音符に間違い無い。
しかしネットでMIDIを検索してソースを見るとなんとこれは2分音符。

みなさんはどう弾いている?
最後の音が2分音符になっている楽譜ってある?
または、全音符で弾いている演奏ってあるの?
あったら是非教えてください。
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【ご参考】
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年02月28日 08:53
投稿者:うどん(ID:QXYzl5M)
バッハの時代、楽譜に書かれる音符は、音の始まりのみを表していて、どこで終わるか(消えるか)というのは楽譜に記されてません。音をどれだけ持続させるかは演奏者それぞれが判断することになります。
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年02月28日 21:36
投稿者:南社(ID:KGQ2lSM)
うどん 様

ご回答、ありがとうございます。
でも、指摘されたかたは超有名大学卒で楽譜のすみずみまでチェックされるかたなので、この回答で納得してくれるか心配です。

○ドン・くれメルさんが言ってたら信用してくれるのですが、有名なかたがこう言っていたなど、エビデンスを示すことは出来ますでしょうか?
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年02月28日 22:03
投稿者:うどん(ID:MXQVMZQ)
バッハの楽譜を持ってらっしゃるなら一目瞭然ではありませんか?
物理的に拍の最後まで持続させられない音がたくさんかかれていますよね。adagioにももちろんたくさんありますし、fugaもしかり。単発の和音にしても音が消えているだけで二分音符で弾いている、とも言えません。
こういう書き方はバイオリンに限らず、音の持続させられないチェンバロやリュート音楽にもあります。
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月01日 23:15
投稿者:南社(ID:KGQ2lSM)
うどん さん

> 物理的に拍の最後まで持続させられない音が
> たくさんかかれていますよね。

この曲の最後の音はG・D・A・E線の4本を使った和音ですが、少なくとも上の2本は物理的に拍の最後まで持続できるのに、いろんな人の演奏を聴いても全音符の長さで弾いていないので質問されているのです。
私も耳で覚えていたのか、2分音符と勘違いしていました。
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月01日 23:38
投稿者:みねやいせじ(ID:MkA1BVE)
気になって持っているCD全部調べてみたけど、
”2分音符”のように聞こえる弾き方している人、いませんでしたよ??
ギドンクレーメル2回目の録音も最後の音は全音符のように弾いていましたよ?


もしかして、メトロノームで計ってみて8分音符が8つ分無い、とかそういうコトを話しているの?
まあまさかそんなことはないと思いますが。。
そういう計算で言うと、パールマンなんて最後から2小節目は8分音符が10個分あるようなテンポになっていますけど 笑
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月03日 00:50
投稿者:南社(ID:KGQ2lSM)
みねやいせじ さん

聴かれたCDの演奏者、全部教えてくれませんか?

> もしかして、メトロノームで計ってみて8分音符が8つ分無い、
> とかそういうコトを話しているの?

感覚的には、Adagio最後の小節の全音符の長さが最初の小節(1小節目)の長さと同じくらい、あるいはフェルマータなので2小節目にかかるくらいあるかどうか、というレベルで考えていますが、そんなに長く弾いている演奏は聴いたことがありません。

> そういう計算で言うと、パールマンなんて最後から2小節目は
> 8分音符が10個分あるようなテンポになっていますけど 笑

父が持っていたOxford University Pressの無伴奏Vnの楽譜(Jan Hmbourg版)では、最後から2小節の4拍目は”allargando"と書いてあるけど。
だから徐々に遅くして8分音符が10個分あるようなテンポになってるんじゃない。でも、私が使っているガラミアン版の譜面にはそんな指示は無い。
パールマンはガラミアンの弟子なのにね。
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月03日 01:42
投稿者:みねやいせじ(ID:MkA1BVE)
>有名なかたがこう言っていたなど、エビデンスを示すことは出来ますでしょうか?

うどん氏がどういう根拠から
>バッハの時代、楽譜に書かれる音符は、音の始まりのみを表していて、どこで終わるか(消えるか)というのは楽譜に記されてません。

と言ったのかはわかりませんが、
私も同じ見解です。

「バッハ/無伴奏ヴァイオリン作品を弾く」
ヤープシュレーダー著 寺西 訳 春秋社

P.42
"バロック時代の記譜はおおよそのものでしかなく、それぞれの音の始まりしか示していない、ということを忘れないようにしましょう。そして、記譜された音符の長さは、解釈上の判断に応じて、自由に決めてゆけるのです。”


と書いてあります。
つまり、メトロノーム8つ分よりも実際に短く処理されていても、それはその演奏者の弾く全音符の”解釈”であって、”2分音符”だと思って弾いているわけではない、と思われます。

同じ本の
P.73には
”最後のト短調の和音は、たっぷりとしたアルペジオで奏して、最後は上声のGだけで終えなければなりません。重音で曲を終えることは、バッハの作曲の論理を破壊してしまうことにつながるのです。”

と、あります。
つまり、和音のバランスの問題だと私は考えます。
最後の和音をアルペジオで弾いても、低音のGは持続させることはできませんから、響きも減衰していきます。その中で上のG音(もしくは合わせてB音)だけが延々と残っているのは不自然だからではないかと。

バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータは、バッハ自身による浄書(ガラミアン版の後半についているもの)が現存する以上、それを第一に優先して参照すべきです。バッハ自身は"allargando"などという書き込みは一切していません。それはその版を校訂した人の個人的な解釈にすぎません。

気をつけなければならないのは、バッハの時代の概念と現代のソルフェージュの概念は一致しない、ということです。
Adagioの自筆譜を見れば、現代との違いをすでにたくさん見つけることができるでしょう。

例えば、

ト短調なのに、調号がフラット1つしかない。
臨時記号は、その音のみにしか有効ではない。

などなど。

これはどの文献からだかは忘れましたが、
全音符とは、具体的に4分音符4つ分の意味の場合もあるが、古くは、”全てに満ち足りる長さ”という意味で使われていた、というような話を読んだ記憶があります。

最後の音をどのような長さで弾こうとかまいませんが、短い=2分音符だ、 という浅はかな判断はいかがなものかと思いますよ。



参考までに聴いた音源

ヴィクトリア ムローヴァ
ヤープ シュレーダー
ルーシー ファンダール
フランソワフェルナンデス
シギスバルト クイケン
セルジウ ルカ
ギドンクレーメル
イツアク パールマン(個人的にあまり好きではないです)
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月03日 08:31
投稿者:通りすがり(ID:UWFxeXA)
ひさびさに、随分ためになる話だなあ。
[42553]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月04日 02:24
投稿者:南社(ID:KGQ2lSM)
私のスレにcatgutさんがいつも反応しないのは何故なんだろう。
私は怖いお姉さまじゃありませんよ。

通りすがり さん
ためになりましたでしょうか?

みねやいせじ  さま
私が良く聴いていたのはスークのレコードで、CDはグリュミオーとアモワイヤルを持っています。
アモワイヤルはテンポが遅いので、最後の小節は2拍(2分音符)にも足りないような感じですね。

探せば家にシェリングとミンツのカセットテープがあったと思います。
みねやいせじ様とはお互い全然違う演奏を聴いていたんですね。
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