[12734]
毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年05月29日 23:28
投稿者:プロ志向(ID:KRIXdRY)
毛替えのレベルの高低が、演奏に大きな影響を与えることは、シリアスなプレーヤーの間では常識です。どんな名弓でも毛替えのレベルが低ければ駄弓と化してしまいます。
そこで、この場では、毛替えの上手い楽器店・工房をお互いに推薦し合いましょう。
私は、名古屋に本店があり全国にいくつかの支店があるCを推薦します。毛のグレードは3段階から選べますが、最上級グレードのスペシャルだと消費税込み7,350円でかなり満足度の高い毛替えをしてくれます。細かい要望(好み)にもきちんと応えてくれます。もう少し料金が安ければありがたいのですが・・・。
そこで、この場では、毛替えの上手い楽器店・工房をお互いに推薦し合いましょう。
私は、名古屋に本店があり全国にいくつかの支店があるCを推薦します。毛のグレードは3段階から選べますが、最上級グレードのスペシャルだと消費税込み7,350円でかなり満足度の高い毛替えをしてくれます。細かい要望(好み)にもきちんと応えてくれます。もう少し料金が安ければありがたいのですが・・・。
ヴァイオリン掲示板に戻る
3 / 5 ページ [ 46コメント ]
[13048]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月10日 21:11
投稿者:ペルナンブーコ(ID:NGQDFwI)
弓の毛は短い方が良い、と書きましたが、どの程度の短さが良いか(短さの加減)について説明が不足しておりましたので、補足説明をします。
理想的な毛の短さは、湿度が50%のときに、ネジを完全に緩めたときに、少し張りがある状態です。このとき毛はリボン状態がほぐれるかどうかという状態になります。
この程度の短さであれば、湿度30%になっても、弓にダメージを与えるようなことはありません。もちろん、湿度30%になれば、毛が縮み、毛が張った状態にはなりますが、演奏ができるほど張った状態になるわけではありません。
逆に言うと、湿度30%になったときに、毛を緩めたままの状態で演奏できてしまうほど毛を短くするのは間違いということです。
あと、今私が書いた理想的な毛の長さは、毛替え直後(ただし毛が自然乾燥した後)の状態です。(毛替え作業では、毛を湿らせますので、その毛が自然乾燥するのは翌日です。)佐々木氏のホームページの画像の状態は、まさに毛替え直後における理想的な状態です。1週間ほど弾くと、この状態よりは多少毛が伸びて張りが弱くなります。あくまでも、湿度は50%の状態であって、それよりも湿度が低ければ、もう少し張った状態になります。
1週間ほど弾くと少し毛が伸びますが、腕の良い工房で精度の高い毛替えをした場合は、それほど伸びないものです。(厳密には、毛自体が伸びるというよりは、くさびの遊びが詰まることによる伸びです)
湿度が30%程度の乾燥状態で演奏する機会が多い人は、ほんの少しだけ長くしても良いとは思いますが、あくまでもほんの少し長くするだけで十分だと思います。
オールドの貴重な弓をお持ちの方も、ほんの少しだけ私が書いた理想状態よりも長めにしても良いと思いますが、これもあくまでもほんの少し長くするだけで十分でしょう。毛を短めにしただけでへたってしまうようなオ-ルド弓は、もはや、ただ古いだけの駄弓でしょう。
ちなみに、私は部屋の湿度を常に45~50%に保っています。
湿度25%の場所で公開演奏したことがありますが、たしかに、それぐらい乾燥すると多少毛が張った状態にはなりましたが、弓のネジを巻かずに演奏できるほど張った状態になったわけではありません。
逆に湿度が70%近い状態で公開演奏したこともありますが、毛を短くしておいて良かったと思いました。もし、毛を長めにしていたら、弓のバランスが狂ってものすごく弾きにくかっただろうと思います。
いずれにしても、私が書いた理想的な毛の長さ(短さ)にしておけば、一時的に湿度が30%を切っても、全然問題は生じません。
あと、毛の量を多めにしている人は、弓全体にかかるテンションを考慮して、私が書いた理想の短さよりも、ほんの少し長くした方が良いと思います。
私は、毛の量は少なめにしているので、私が書いた理想の短さよりもほんの少し短めに張ってもらうことが多いです。(特に高温湿潤な時期)
ちなみに、私も、Geiger1951氏と同じく、右手の親指は、巻き皮の中央あたりに置いています。フロッグと巻き皮の間に親指を置くよりも、巻き皮の中央あたりに親指を当てる方が、よりフレキシブルに親指の弾力性を活用できて良いと思います。
私の書いた理想的な毛の短さで、腕の良い工房で毛替えすると、1ランク上の弓に買い換えたのと同じくらい、プレイングアビリティーが向上します。ぜひお試し下さい。
理想的な毛の短さは、湿度が50%のときに、ネジを完全に緩めたときに、少し張りがある状態です。このとき毛はリボン状態がほぐれるかどうかという状態になります。
この程度の短さであれば、湿度30%になっても、弓にダメージを与えるようなことはありません。もちろん、湿度30%になれば、毛が縮み、毛が張った状態にはなりますが、演奏ができるほど張った状態になるわけではありません。
逆に言うと、湿度30%になったときに、毛を緩めたままの状態で演奏できてしまうほど毛を短くするのは間違いということです。
あと、今私が書いた理想的な毛の長さは、毛替え直後(ただし毛が自然乾燥した後)の状態です。(毛替え作業では、毛を湿らせますので、その毛が自然乾燥するのは翌日です。)佐々木氏のホームページの画像の状態は、まさに毛替え直後における理想的な状態です。1週間ほど弾くと、この状態よりは多少毛が伸びて張りが弱くなります。あくまでも、湿度は50%の状態であって、それよりも湿度が低ければ、もう少し張った状態になります。
1週間ほど弾くと少し毛が伸びますが、腕の良い工房で精度の高い毛替えをした場合は、それほど伸びないものです。(厳密には、毛自体が伸びるというよりは、くさびの遊びが詰まることによる伸びです)
湿度が30%程度の乾燥状態で演奏する機会が多い人は、ほんの少しだけ長くしても良いとは思いますが、あくまでもほんの少し長くするだけで十分だと思います。
オールドの貴重な弓をお持ちの方も、ほんの少しだけ私が書いた理想状態よりも長めにしても良いと思いますが、これもあくまでもほんの少し長くするだけで十分でしょう。毛を短めにしただけでへたってしまうようなオ-ルド弓は、もはや、ただ古いだけの駄弓でしょう。
ちなみに、私は部屋の湿度を常に45~50%に保っています。
湿度25%の場所で公開演奏したことがありますが、たしかに、それぐらい乾燥すると多少毛が張った状態にはなりましたが、弓のネジを巻かずに演奏できるほど張った状態になったわけではありません。
逆に湿度が70%近い状態で公開演奏したこともありますが、毛を短くしておいて良かったと思いました。もし、毛を長めにしていたら、弓のバランスが狂ってものすごく弾きにくかっただろうと思います。
いずれにしても、私が書いた理想的な毛の長さ(短さ)にしておけば、一時的に湿度が30%を切っても、全然問題は生じません。
あと、毛の量を多めにしている人は、弓全体にかかるテンションを考慮して、私が書いた理想の短さよりも、ほんの少し長くした方が良いと思います。
私は、毛の量は少なめにしているので、私が書いた理想の短さよりもほんの少し短めに張ってもらうことが多いです。(特に高温湿潤な時期)
ちなみに、私も、Geiger1951氏と同じく、右手の親指は、巻き皮の中央あたりに置いています。フロッグと巻き皮の間に親指を置くよりも、巻き皮の中央あたりに親指を当てる方が、よりフレキシブルに親指の弾力性を活用できて良いと思います。
私の書いた理想的な毛の短さで、腕の良い工房で毛替えすると、1ランク上の弓に買い換えたのと同じくらい、プレイングアビリティーが向上します。ぜひお試し下さい。
[13050]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月11日 00:20
投稿者:Geiger1951(ID:MiYQAQE)
[13048]
fc5335fa ペルナンブーコ さん書き込み
>>理想的な毛の短さは、湿度が50%のときに、ネジを完全に緩めたときに、少し張りがある状態です。このとき毛はリボン状態がほぐれるかどうかという状態になります。
********
綿密なご研究ほとほと感心します。常に湿度計を携帯しないと中々ここまでの調査は出来ませんね。私はずぼらなのでとてもここまでの気遣いはできません。とても敵いません。恐れ入りました。
++++
>>湿度30%になったときに、毛を緩めたままの状態で演奏できてしまうほど毛を短くするのは間違いということです。
*****
というご発言が正しいなら、以前のご発言
>>毛がちょっと張った状態だと弓に負担がかかるので良くない、などとくだらないことを言う職人もいますが、演奏中にはその100倍以上の圧力が断続的にかかっているわけですから、そんな些細なことは気にする必要はありません。
******
は撤回された、と了解します。
+++++
弓の毛が短いほうが演奏能力が向上する云々は私にはまだよく理解できませんが、バランスが狂うほど毛がのびる経験は一度だけあります。大ホールが中庭に面しており、霧が掛かっている山のなかの会場でした。
しかしそれで演奏できないようでは安定した仕事は覚束ない、と自分に言い聞かせました。
個人的感覚であるということで了解します。
どうもありがとうございました。
[13048]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月10日 21:11
投稿者:ペルナンブーコ(ID:NGQDFwI)
弓の毛は短い方が良い、と書きましたが、どの程度の短さが良いか(短さの加減)について説明が不足しておりましたので、補足説明をします。
理想的な毛の短さは、湿度が50%のときに、ネジを完全に緩めたときに、少し張りがある状態です。このとき毛はリボン状態がほぐれるかどうかという状態になります。
この程度の短さであれば、湿度30%になっても、弓にダメージを与えるようなことはありません。もちろん、湿度30%になれば、毛が縮み、毛が張った状態にはなりますが、演奏ができるほど張った状態になるわけではありません。
逆に言うと、湿度30%になったときに、毛を緩めたままの状態で演奏できてしまうほど毛を短くするのは間違いということです。
あと、今私が書いた理想的な毛の長さは、毛替え直後(ただし毛が自然乾燥した後)の状態です。(毛替え作業では、毛を湿らせますので、その毛が自然乾燥するのは翌日です。)佐々木氏のホームページの画像の状態は、まさに毛替え直後における理想的な状態です。1週間ほど弾くと、この状態よりは多少毛が伸びて張りが弱くなります。あくまでも、湿度は50%の状態であって、それよりも湿度が低ければ、もう少し張った状態になります。
1週間ほど弾くと少し毛が伸びますが、腕の良い工房で精度の高い毛替えをした場合は、それほど伸びないものです。(厳密には、毛自体が伸びるというよりは、くさびの遊びが詰まることによる伸びです)
湿度が30%程度の乾燥状態で演奏する機会が多い人は、ほんの少しだけ長くしても良いとは思いますが、あくまでもほんの少し長くするだけで十分だと思います。
オールドの貴重な弓をお持ちの方も、ほんの少しだけ私が書いた理想状態よりも長めにしても良いと思いますが、これもあくまでもほんの少し長くするだけで十分でしょう。毛を短めにしただけでへたってしまうようなオ-ルド弓は、もはや、ただ古いだけの駄弓でしょう。
ちなみに、私は部屋の湿度を常に45~50%に保っています。
湿度25%の場所で公開演奏したことがありますが、たしかに、それぐらい乾燥すると多少毛が張った状態にはなりましたが、弓のネジを巻かずに演奏できるほど張った状態になったわけではありません。
逆に湿度が70%近い状態で公開演奏したこともありますが、毛を短くしておいて良かったと思いました。もし、毛を長めにしていたら、弓のバランスが狂ってものすごく弾きにくかっただろうと思います。
いずれにしても、私が書いた理想的な毛の長さ(短さ)にしておけば、一時的に湿度が30%を切っても、全然問題は生じません。
あと、毛の量を多めにしている人は、弓全体にかかるテンションを考慮して、私が書いた理想の短さよりも、ほんの少し長くした方が良いと思います。
私は、毛の量は少なめにしているので、私が書いた理想の短さよりもほんの少し短めに張ってもらうことが多いです。(特に高温湿潤な時期)
ちなみに、私も、Geiger1951氏と同じく、右手の親指は、巻き皮の中央あたりに置いています。フロッグと巻き皮の間に親指を置くよりも、巻き皮の中央あたりに親指を当てる方が、よりフレキシブルに親指の弾力性を活用できて良いと思います。
私の書いた理想的な毛の短さで、腕の良い工房で毛替えすると、1ランク上の弓に買い換えたのと同じくらい、プレイングアビリティーが向上します。ぜひお試し下さい。
理想的な毛の短さは、湿度が50%のときに、ネジを完全に緩めたときに、少し張りがある状態です。このとき毛はリボン状態がほぐれるかどうかという状態になります。
この程度の短さであれば、湿度30%になっても、弓にダメージを与えるようなことはありません。もちろん、湿度30%になれば、毛が縮み、毛が張った状態にはなりますが、演奏ができるほど張った状態になるわけではありません。
逆に言うと、湿度30%になったときに、毛を緩めたままの状態で演奏できてしまうほど毛を短くするのは間違いということです。
あと、今私が書いた理想的な毛の長さは、毛替え直後(ただし毛が自然乾燥した後)の状態です。(毛替え作業では、毛を湿らせますので、その毛が自然乾燥するのは翌日です。)佐々木氏のホームページの画像の状態は、まさに毛替え直後における理想的な状態です。1週間ほど弾くと、この状態よりは多少毛が伸びて張りが弱くなります。あくまでも、湿度は50%の状態であって、それよりも湿度が低ければ、もう少し張った状態になります。
1週間ほど弾くと少し毛が伸びますが、腕の良い工房で精度の高い毛替えをした場合は、それほど伸びないものです。(厳密には、毛自体が伸びるというよりは、くさびの遊びが詰まることによる伸びです)
湿度が30%程度の乾燥状態で演奏する機会が多い人は、ほんの少しだけ長くしても良いとは思いますが、あくまでもほんの少し長くするだけで十分だと思います。
オールドの貴重な弓をお持ちの方も、ほんの少しだけ私が書いた理想状態よりも長めにしても良いと思いますが、これもあくまでもほんの少し長くするだけで十分でしょう。毛を短めにしただけでへたってしまうようなオ-ルド弓は、もはや、ただ古いだけの駄弓でしょう。
ちなみに、私は部屋の湿度を常に45~50%に保っています。
湿度25%の場所で公開演奏したことがありますが、たしかに、それぐらい乾燥すると多少毛が張った状態にはなりましたが、弓のネジを巻かずに演奏できるほど張った状態になったわけではありません。
逆に湿度が70%近い状態で公開演奏したこともありますが、毛を短くしておいて良かったと思いました。もし、毛を長めにしていたら、弓のバランスが狂ってものすごく弾きにくかっただろうと思います。
いずれにしても、私が書いた理想的な毛の長さ(短さ)にしておけば、一時的に湿度が30%を切っても、全然問題は生じません。
あと、毛の量を多めにしている人は、弓全体にかかるテンションを考慮して、私が書いた理想の短さよりも、ほんの少し長くした方が良いと思います。
私は、毛の量は少なめにしているので、私が書いた理想の短さよりもほんの少し短めに張ってもらうことが多いです。(特に高温湿潤な時期)
ちなみに、私も、Geiger1951氏と同じく、右手の親指は、巻き皮の中央あたりに置いています。フロッグと巻き皮の間に親指を置くよりも、巻き皮の中央あたりに親指を当てる方が、よりフレキシブルに親指の弾力性を活用できて良いと思います。
私の書いた理想的な毛の短さで、腕の良い工房で毛替えすると、1ランク上の弓に買い換えたのと同じくらい、プレイングアビリティーが向上します。ぜひお試し下さい。
>>理想的な毛の短さは、湿度が50%のときに、ネジを完全に緩めたときに、少し張りがある状態です。このとき毛はリボン状態がほぐれるかどうかという状態になります。
********
綿密なご研究ほとほと感心します。常に湿度計を携帯しないと中々ここまでの調査は出来ませんね。私はずぼらなのでとてもここまでの気遣いはできません。とても敵いません。恐れ入りました。
++++
>>湿度30%になったときに、毛を緩めたままの状態で演奏できてしまうほど毛を短くするのは間違いということです。
*****
というご発言が正しいなら、以前のご発言
>>毛がちょっと張った状態だと弓に負担がかかるので良くない、などとくだらないことを言う職人もいますが、演奏中にはその100倍以上の圧力が断続的にかかっているわけですから、そんな些細なことは気にする必要はありません。
******
は撤回された、と了解します。
+++++
弓の毛が短いほうが演奏能力が向上する云々は私にはまだよく理解できませんが、バランスが狂うほど毛がのびる経験は一度だけあります。大ホールが中庭に面しており、霧が掛かっている山のなかの会場でした。
しかしそれで演奏できないようでは安定した仕事は覚束ない、と自分に言い聞かせました。
個人的感覚であるということで了解します。
どうもありがとうございました。
[13058]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月11日 12:52
投稿者:ペルナンブーコ(ID:Q1RjgoA)
毛の長さと湿度の相関関係について補足説明をします。
湿度が50%から40%に下がるのと、40%から30%に下がるときでは、毛の縮み具合はだいぶ異なります。50%から40%に下がるときの方が、毛の縮み具合が多いのです。これは毛の含水率が影響していると思われます。
そのため、湿度が30%から20%に下がっても、あまり毛は縮みません。
このことから、湿度30%のときに、毛が張り過ぎない程度の長さに、毛替えのときに毛の長さを調整してもらえば良いということになります。
ヴァイオリンの弓だと、湿度50%のときに、弓のネジを完全に緩めたときに弓のスティック中央で毛とスティックの隙間が0.5~1ミリ程度張った状態が理想的です。この状態だと、少しだけ毛が張った状態で、リボン状態が保たれています。
手先の感覚が繊細な人であれば、毛の長さが1ミリ、2ミリ長いだけでも体感できます。鈍感な人でも、3から5ミリ毛が長いと(伸びると)明らかに弾きにくいはずです。こうした微妙な違いがわからない人は、右手の感覚がよほど鈍感だということで、弦楽器演奏には不適かもしれません。
毛が伸びて弾きにくい状態を、演奏技術でなんとか工夫して克服するのも悪くはないですが、そういう無駄な努力をするよりも、単純に、毛替えのときに毛を短めに張ってもらう方がはるかに建設的です。
湿度が50%から40%に下がるのと、40%から30%に下がるときでは、毛の縮み具合はだいぶ異なります。50%から40%に下がるときの方が、毛の縮み具合が多いのです。これは毛の含水率が影響していると思われます。
そのため、湿度が30%から20%に下がっても、あまり毛は縮みません。
このことから、湿度30%のときに、毛が張り過ぎない程度の長さに、毛替えのときに毛の長さを調整してもらえば良いということになります。
ヴァイオリンの弓だと、湿度50%のときに、弓のネジを完全に緩めたときに弓のスティック中央で毛とスティックの隙間が0.5~1ミリ程度張った状態が理想的です。この状態だと、少しだけ毛が張った状態で、リボン状態が保たれています。
手先の感覚が繊細な人であれば、毛の長さが1ミリ、2ミリ長いだけでも体感できます。鈍感な人でも、3から5ミリ毛が長いと(伸びると)明らかに弾きにくいはずです。こうした微妙な違いがわからない人は、右手の感覚がよほど鈍感だということで、弦楽器演奏には不適かもしれません。
毛が伸びて弾きにくい状態を、演奏技術でなんとか工夫して克服するのも悪くはないですが、そういう無駄な努力をするよりも、単純に、毛替えのときに毛を短めに張ってもらう方がはるかに建設的です。
[13061]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月11日 14:23
投稿者:pochi(ID:KXIQWGA)
[13058]
ペルナンブーコ氏[04/06/11 12:52:36]投稿、
+++++++++++++++++++++++
湿度が50%から40%に下がるのと、40%から30%に下がるときでは、毛の縮み具合はだいぶ異なります。50%から40%に下がるときの方が、毛の縮み具合が多いのです。これは毛の含水率が影響していると思われます。
+++++++++++++++++++++++
昔、超高級精密湿度計には、非常に細い人間の髪の毛が使われて居たと記憶して居ります。何でも、仏蘭西人女性のものが最も適して居るとか云って居た様に思います。仏蘭西人かどうかは、迷信だと思いますが、非常に細い髪の毛が湿度に対して伸び縮が敏感で有る事は、科学的に利用されて居た物で、かなりの信憑性が有りますね。私の分解修理した物の構造は、非常に簡単で、毛の伸び方と湿度は比例する様に造られて居た様に記憶して居ります。私の分解修理した物は、超高級品では無く、理科の実験室に有ったものです。
所で、人間と同じ、哺乳類の毛のである馬の尻尾の場合、毛が太いので、湿度に対する敏感さという点で少し劣るとは思いますが、「50%から40%に下がるのと、40%から30%に下がるときでは、毛の縮み具合はだいぶ異なります。」との御見解は、私の人間の髪の毛の経験則に反します。馬の毛の特殊要素として上記の御説が有るのか、其れとも松脂が付いているからなのか、非常に興味が有ります。
===========================
弓の毛が短過ぎて、張れなかった時、弓の雌螺子が動く溝の部分の大きさを大きくした経験が有ります。技術室のドリルを使って、注意深く孔を2mm程広げ、その部分の大きさが弓の雌螺子が動く部分の大きさに、完全に一致する様に彫刻刀で調整しただけです。難しい事では有りません。この作業で梅雨時でも問題無く毛が張れる様に成りました。私は、「フロッグと巻き皮のあいだの窪みに親指を置くタイプの奏法」ですが、親指をいい加減にもつので、巻皮との間を気にしません。寧ろ大きい方が親指の自由度が高く、好きな位です。
===========================
経験的に、「湿度50%のときに、弓のネジを完全に緩めたときに弓のスティック中央で毛とスティックの隙間が0.5~1ミリ程度張った状態」では、極度に乾燥した所で演奏した場合、弓の毛が張り過ぎに成ります。0ミリでも、弓を常に張った状態には成ります。この位が私は好きです。何故なら、数カ月演奏して居る間に毛が伸びて来て、矢張り弓の毛を張り切れ無い場合が有るからでっす。また、湿度が極端に低い場合でも、まず大丈夫です。
==========================
[13031]セイジ氏[04/06/10 0:44:58]投稿、
9月の異常乾燥で
常時、毛のテンションが高い状態(そのまま演奏できる状態)
となり、あわてて工房に持ち込みました。
その時は、先端部分に埋まっていた毛を引き出す手当てで
凌ぎましたが、
++++++++++++++++++++++++++
私は、即座に弓のスキュリュウを外し、弓の毛のテンションを無くしてから、工房に持ち込んだ経験があります。弓に取って、強過ぎるテンションで長時間置いておく事は、非常に悪いからです。
==========================
学生さんのトラ等して信州高原等のスキー小屋等の合宿等に、参加しなければ成らない事態に陥った場合は、スキュリューを最大限廻しても弓の毛が張れない事を想定し、「湿度50%のときに、弓のネジを完全に緩めたときに弓のスティック中央で毛とスティックの隙間が0.5~1ミリ程度張った状態」にして貰います。余り考えずに行ったので、朝霧が掛かって居るのに涼しくて気持ちが良く、窓を開け放ち、而、時代の限界、除湿器が無く、弓が強めに張れない経験が有ったのです。私は何とか誤魔化せましたが、弓の毛が殆ど張れず、困って居た学生さんが沢山いらっしゃいました。
==========================
と云う訳で、張り方の違う弓をもって置く方が宜しいかと、、、。緩めてもはりが強くなってしまった場合には、即座にスクリュウを抜いて弓の毛を竿にクルクルっと捲いてケイスに仕舞って置き、此れを使わず、2nd棒を使った方が宜しいかと、、、。
==========================
「フロッグと巻き皮のあいだの窪みに親指を置くタイプの奏法」だと、弓の持ち方、爪の長さ次第で、巻き皮が傷んで来る場合が有ります。皮巻が傷んだら、交換すれば終わりなのですが、楽器屋に腕を見縊られますので、傷めない様にしましょう。私のトカゲの皮巻は3年交換しなくても新品同様です。右手の親指は常に気を使って爪切りをして有りますし、弓を右手の親指を使ってしっかり持って弾きませんから。また、鉛筆の滑り止めのチューブを弓に入れるのは、大嫌いです。バランスが変わりますし、汗をかくとネチャネチャしますし、弓を持った気に成れません。
弓の毛替え職人の方々の御登場を待ちましょう。
[13058]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月11日 12:52
投稿者:ペルナンブーコ(ID:Q1RjgoA)
毛の長さと湿度の相関関係について補足説明をします。
湿度が50%から40%に下がるのと、40%から30%に下がるときでは、毛の縮み具合はだいぶ異なります。50%から40%に下がるときの方が、毛の縮み具合が多いのです。これは毛の含水率が影響していると思われます。
そのため、湿度が30%から20%に下がっても、あまり毛は縮みません。
このことから、湿度30%のときに、毛が張り過ぎない程度の長さに、毛替えのときに毛の長さを調整してもらえば良いということになります。
ヴァイオリンの弓だと、湿度50%のときに、弓のネジを完全に緩めたときに弓のスティック中央で毛とスティックの隙間が0.5~1ミリ程度張った状態が理想的です。この状態だと、少しだけ毛が張った状態で、リボン状態が保たれています。
手先の感覚が繊細な人であれば、毛の長さが1ミリ、2ミリ長いだけでも体感できます。鈍感な人でも、3から5ミリ毛が長いと(伸びると)明らかに弾きにくいはずです。こうした微妙な違いがわからない人は、右手の感覚がよほど鈍感だということで、弦楽器演奏には不適かもしれません。
毛が伸びて弾きにくい状態を、演奏技術でなんとか工夫して克服するのも悪くはないですが、そういう無駄な努力をするよりも、単純に、毛替えのときに毛を短めに張ってもらう方がはるかに建設的です。
湿度が50%から40%に下がるのと、40%から30%に下がるときでは、毛の縮み具合はだいぶ異なります。50%から40%に下がるときの方が、毛の縮み具合が多いのです。これは毛の含水率が影響していると思われます。
そのため、湿度が30%から20%に下がっても、あまり毛は縮みません。
このことから、湿度30%のときに、毛が張り過ぎない程度の長さに、毛替えのときに毛の長さを調整してもらえば良いということになります。
ヴァイオリンの弓だと、湿度50%のときに、弓のネジを完全に緩めたときに弓のスティック中央で毛とスティックの隙間が0.5~1ミリ程度張った状態が理想的です。この状態だと、少しだけ毛が張った状態で、リボン状態が保たれています。
手先の感覚が繊細な人であれば、毛の長さが1ミリ、2ミリ長いだけでも体感できます。鈍感な人でも、3から5ミリ毛が長いと(伸びると)明らかに弾きにくいはずです。こうした微妙な違いがわからない人は、右手の感覚がよほど鈍感だということで、弦楽器演奏には不適かもしれません。
毛が伸びて弾きにくい状態を、演奏技術でなんとか工夫して克服するのも悪くはないですが、そういう無駄な努力をするよりも、単純に、毛替えのときに毛を短めに張ってもらう方がはるかに建設的です。
+++++++++++++++++++++++
湿度が50%から40%に下がるのと、40%から30%に下がるときでは、毛の縮み具合はだいぶ異なります。50%から40%に下がるときの方が、毛の縮み具合が多いのです。これは毛の含水率が影響していると思われます。
+++++++++++++++++++++++
昔、超高級精密湿度計には、非常に細い人間の髪の毛が使われて居たと記憶して居ります。何でも、仏蘭西人女性のものが最も適して居るとか云って居た様に思います。仏蘭西人かどうかは、迷信だと思いますが、非常に細い髪の毛が湿度に対して伸び縮が敏感で有る事は、科学的に利用されて居た物で、かなりの信憑性が有りますね。私の分解修理した物の構造は、非常に簡単で、毛の伸び方と湿度は比例する様に造られて居た様に記憶して居ります。私の分解修理した物は、超高級品では無く、理科の実験室に有ったものです。
所で、人間と同じ、哺乳類の毛のである馬の尻尾の場合、毛が太いので、湿度に対する敏感さという点で少し劣るとは思いますが、「50%から40%に下がるのと、40%から30%に下がるときでは、毛の縮み具合はだいぶ異なります。」との御見解は、私の人間の髪の毛の経験則に反します。馬の毛の特殊要素として上記の御説が有るのか、其れとも松脂が付いているからなのか、非常に興味が有ります。
===========================
弓の毛が短過ぎて、張れなかった時、弓の雌螺子が動く溝の部分の大きさを大きくした経験が有ります。技術室のドリルを使って、注意深く孔を2mm程広げ、その部分の大きさが弓の雌螺子が動く部分の大きさに、完全に一致する様に彫刻刀で調整しただけです。難しい事では有りません。この作業で梅雨時でも問題無く毛が張れる様に成りました。私は、「フロッグと巻き皮のあいだの窪みに親指を置くタイプの奏法」ですが、親指をいい加減にもつので、巻皮との間を気にしません。寧ろ大きい方が親指の自由度が高く、好きな位です。
===========================
経験的に、「湿度50%のときに、弓のネジを完全に緩めたときに弓のスティック中央で毛とスティックの隙間が0.5~1ミリ程度張った状態」では、極度に乾燥した所で演奏した場合、弓の毛が張り過ぎに成ります。0ミリでも、弓を常に張った状態には成ります。この位が私は好きです。何故なら、数カ月演奏して居る間に毛が伸びて来て、矢張り弓の毛を張り切れ無い場合が有るからでっす。また、湿度が極端に低い場合でも、まず大丈夫です。
==========================
[13031]セイジ氏[04/06/10 0:44:58]投稿、
9月の異常乾燥で
常時、毛のテンションが高い状態(そのまま演奏できる状態)
となり、あわてて工房に持ち込みました。
その時は、先端部分に埋まっていた毛を引き出す手当てで
凌ぎましたが、
++++++++++++++++++++++++++
私は、即座に弓のスキュリュウを外し、弓の毛のテンションを無くしてから、工房に持ち込んだ経験があります。弓に取って、強過ぎるテンションで長時間置いておく事は、非常に悪いからです。
==========================
学生さんのトラ等して信州高原等のスキー小屋等の合宿等に、参加しなければ成らない事態に陥った場合は、スキュリューを最大限廻しても弓の毛が張れない事を想定し、「湿度50%のときに、弓のネジを完全に緩めたときに弓のスティック中央で毛とスティックの隙間が0.5~1ミリ程度張った状態」にして貰います。余り考えずに行ったので、朝霧が掛かって居るのに涼しくて気持ちが良く、窓を開け放ち、而、時代の限界、除湿器が無く、弓が強めに張れない経験が有ったのです。私は何とか誤魔化せましたが、弓の毛が殆ど張れず、困って居た学生さんが沢山いらっしゃいました。
==========================
と云う訳で、張り方の違う弓をもって置く方が宜しいかと、、、。緩めてもはりが強くなってしまった場合には、即座にスクリュウを抜いて弓の毛を竿にクルクルっと捲いてケイスに仕舞って置き、此れを使わず、2nd棒を使った方が宜しいかと、、、。
==========================
「フロッグと巻き皮のあいだの窪みに親指を置くタイプの奏法」だと、弓の持ち方、爪の長さ次第で、巻き皮が傷んで来る場合が有ります。皮巻が傷んだら、交換すれば終わりなのですが、楽器屋に腕を見縊られますので、傷めない様にしましょう。私のトカゲの皮巻は3年交換しなくても新品同様です。右手の親指は常に気を使って爪切りをして有りますし、弓を右手の親指を使ってしっかり持って弾きませんから。また、鉛筆の滑り止めのチューブを弓に入れるのは、大嫌いです。バランスが変わりますし、汗をかくとネチャネチャしますし、弓を持った気に成れません。
弓の毛替え職人の方々の御登場を待ちましょう。
[13079]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月11日 20:49
投稿者:Geiger1951(ID:MiYQAQE)
[13058]
8ecfe993 ペルナンブーコ 様
からむのも大人げ無いのでそろそ切り上げようと思うと
>> 手先の感覚が繊細な人であれば、毛の長さが1ミリ、2ミリ長いだけでも体感できます。鈍感な人でも、3から5ミリ毛が長いと(伸びると)明らかに弾きにくいはずです。こうした微妙な違いがわからない人は、右手の感覚がよほど鈍感だということで、弦楽器演奏には不適かもしれません。
****
まぁ所詮何をおっしゃってもご自由です。
ステージでは弓の毛が伸びたり縮んだりしますので大変ですよ。
「弦楽器演奏に向くとか向かない」とか
「ダメ職人の工房」
というような激越な形容詞は好きじゃないですね
さようなら…
[13058]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月11日 12:52
投稿者:ペルナンブーコ(ID:Q1RjgoA)
毛の長さと湿度の相関関係について補足説明をします。
湿度が50%から40%に下がるのと、40%から30%に下がるときでは、毛の縮み具合はだいぶ異なります。50%から40%に下がるときの方が、毛の縮み具合が多いのです。これは毛の含水率が影響していると思われます。
そのため、湿度が30%から20%に下がっても、あまり毛は縮みません。
このことから、湿度30%のときに、毛が張り過ぎない程度の長さに、毛替えのときに毛の長さを調整してもらえば良いということになります。
ヴァイオリンの弓だと、湿度50%のときに、弓のネジを完全に緩めたときに弓のスティック中央で毛とスティックの隙間が0.5~1ミリ程度張った状態が理想的です。この状態だと、少しだけ毛が張った状態で、リボン状態が保たれています。
手先の感覚が繊細な人であれば、毛の長さが1ミリ、2ミリ長いだけでも体感できます。鈍感な人でも、3から5ミリ毛が長いと(伸びると)明らかに弾きにくいはずです。こうした微妙な違いがわからない人は、右手の感覚がよほど鈍感だということで、弦楽器演奏には不適かもしれません。
毛が伸びて弾きにくい状態を、演奏技術でなんとか工夫して克服するのも悪くはないですが、そういう無駄な努力をするよりも、単純に、毛替えのときに毛を短めに張ってもらう方がはるかに建設的です。
湿度が50%から40%に下がるのと、40%から30%に下がるときでは、毛の縮み具合はだいぶ異なります。50%から40%に下がるときの方が、毛の縮み具合が多いのです。これは毛の含水率が影響していると思われます。
そのため、湿度が30%から20%に下がっても、あまり毛は縮みません。
このことから、湿度30%のときに、毛が張り過ぎない程度の長さに、毛替えのときに毛の長さを調整してもらえば良いということになります。
ヴァイオリンの弓だと、湿度50%のときに、弓のネジを完全に緩めたときに弓のスティック中央で毛とスティックの隙間が0.5~1ミリ程度張った状態が理想的です。この状態だと、少しだけ毛が張った状態で、リボン状態が保たれています。
手先の感覚が繊細な人であれば、毛の長さが1ミリ、2ミリ長いだけでも体感できます。鈍感な人でも、3から5ミリ毛が長いと(伸びると)明らかに弾きにくいはずです。こうした微妙な違いがわからない人は、右手の感覚がよほど鈍感だということで、弦楽器演奏には不適かもしれません。
毛が伸びて弾きにくい状態を、演奏技術でなんとか工夫して克服するのも悪くはないですが、そういう無駄な努力をするよりも、単純に、毛替えのときに毛を短めに張ってもらう方がはるかに建設的です。
からむのも大人げ無いのでそろそ切り上げようと思うと
>> 手先の感覚が繊細な人であれば、毛の長さが1ミリ、2ミリ長いだけでも体感できます。鈍感な人でも、3から5ミリ毛が長いと(伸びると)明らかに弾きにくいはずです。こうした微妙な違いがわからない人は、右手の感覚がよほど鈍感だということで、弦楽器演奏には不適かもしれません。
****
まぁ所詮何をおっしゃってもご自由です。
ステージでは弓の毛が伸びたり縮んだりしますので大変ですよ。
「弦楽器演奏に向くとか向かない」とか
「ダメ職人の工房」
というような激越な形容詞は好きじゃないですね
さようなら…
[13080]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月11日 21:21
投稿者:ペルナンブーコ(ID:NYAQKTE)
私の愛用している温度・湿度計は、最小目盛が、温度は1℃、湿度は2%の精密タイプです。日本国内で一般のお店で市販されている温度・湿度計としては最高レベルのものですが、値段は1個4,000円程度です。
自宅で使っている湿度計で、一度、自分が利用する工房の湿度を測ってみるといいですよ。工房の湿度がわかるだけでなく、工房に置いてある湿度計と自分の湿度計の「誤差」がわかります。工房の湿度計では50%なのに、自分の湿度計では55%というように、5%程度違っていることがあります。
私は、公開の場で演奏する予定が決まると、下見をかねて事前に演奏する場所の温度・湿度を計測しておきます。オフィスビルの中は、たいてい年中湿度が低いです。湿度が50%以上あることは稀で、たいてい湿度が40%ぐらいと乾燥しています。時期によっては30%台ということもあります。
あるオフィスビルの中で演奏したとき、気温が25℃、湿度が25%と異常に乾燥していたことがあります。本番の2時間前に演奏会場に入って練習していたら、だいぶ毛が短くなり、ネジを完全に緩めたときでも、弓の中央で、スティックと毛が2ミリくらい離れる状態になりました。でも、私の場合、毛の量を少なめにしているので、その状態で弓にかかるテンションは大したテンションではありません。
通常、演奏時には、弓の中央で毛とスティックが7ミリ程度離れた状態に毛を張りますが、そのテンションの強さや、実際に演奏中に弓にかかる力の大きさを考えると、「一時的に」2ミリ離れた状態になるくらいのことは、全く取るに足らないようなテンションです。
実力派の若手ソリストの中には、弓の中央で毛とスティックが9~10ミリ程度離れる状態にして(毛を強く張って)演奏している人がいます。有名どころでは、どちらも1970年代生まれですが、V(ロシア人)やS(アメリカ人)が典型的です。
ここまで毛を張った状態にすると、ぱっと見た感じでは、弓の反りが真っ直ぐに近い状態に見えます。それくらい強く張った状態で、駒の近くを、強い圧力をかけてグイグイと弾いていますが、彼らの貴重な「オールドフレンチボウ」は長期間、健康体を維持しています。
こうしたソリストが演奏中にかける弓への負荷は、上級のアマチュア奏者の1.5倍程度、中程度のアマチュア奏者の2倍以上でしょう。協奏曲などフルオケとの競演の際などは、瞬間的にはアマチュア奏者の3倍近くの負荷がかかっていることもあるでしょう。
弓というものは、落としたりぶつけたりすることには弱いですが、毛の伸び縮みによる「じわりとした負荷」や「演奏中の負荷」に対しては十分な抵抗力があります。
だから、「一時的に」空気が乾燥して、多少毛が縮んだとしても、弓の所有者が、「弓に負荷がかかってかわいそうだな~。」と思ったとしても、弓の方は「これくらい、へっちゃらサ!」と十分な余裕があるわけです。
乾燥して毛が多少張った状態を妙に心配する人に限って、演奏中は、平気でガリガリ、ギコギコとすごい圧力をかけて弾いたり、弓のスティックが弦にぶつかるような「良くない」弾き方をして、弓に悲鳴をあげさせている人がいます。
毛替えのときに毛を短めに張ってもらったことのない方は、ぜひ次回の毛替えのときには「毛は短めでお願いします。」と指定して下さい。ボウイングがよりスムーズによりシャープになり、演奏能力が向上するのを実感できるはずです。
湿度30%の環境で演奏したり、楽器を持ち運ぶ機会の多い人は、ほんの少し長めでも良いですが、そういう人は稀でしょうから、毛を完全に緩めたときに、毛とスティックの間が0.5~1ミリ程度張った状態になるように、毛替えしてもらって下さい。
毛を短めに張って下さい、と指定しても、きとんと短く張れない工房はダメ工房ですから、2度と行かないようにしましょう。
P.S.ずっと前のセイジ氏の投稿にあるように、毛を完全に緩めた状態で演奏できる状態になるほど毛が縮んでしまうのは、あまり良くありませんが、そうした状態も「一時的(数日程度)」であれば、全く問題ありません。佐々木氏もあれだけ強いポリシーを持ってホームページ上で持論を展開しているのだから、「これくらい毛が縮んだって、弓にとっては全然平気なのですから、心配無用です。この異常乾燥は一時的な天候によるものですから、このままお使い下さい。」とセイジ氏を「理論的に」「力強く」説得して欲しかったところですね。
佐々木氏は、ホームページ上では理路整然と偉そうに持論を展開している割には、実際にお客さんを前にすると、説得力のある説明ができない職人なのでしょうかね。そうだとすると情けない限りです。佐々木氏には、私のこの投稿を読んで、単なる机上の理論として展開するだけでなく、本当の自信をつけて実践してもらいたいものです。
さてさて、弓の毛が急激に縮んだときの応急処置としては、毛の全面にまんべんなく息を吹きかけると、縮みあがった毛を伸ばすことができます。その状態でケースに入れてしまえば、しばらくの間、毛が伸びた状態を維持できます。息をかけた後演奏した場合、空気が異常に乾燥していれば、2~3時間でまた縮んでしまいますが、ケースにしまう前に、また息を吹きかけてやれば、毛を伸ばせます。
霧吹きがあれば、演奏している部屋が異常乾燥していても、簡単に湿度を5~10%上げることができます。私は、異常乾燥が見込まれる場所で公開演奏する際には、霧吹きを持参しています。
いずれにしても、日本では、湿度が30%を切るような異常乾燥状態は、そう長くは続きませんので、あまり心配する必要はありません。ここまで理論と実践を噛み含めて説明しても、「毛が短めだと心配だ。」という人には、もはやかけるべき言葉はありません。
自宅で使っている湿度計で、一度、自分が利用する工房の湿度を測ってみるといいですよ。工房の湿度がわかるだけでなく、工房に置いてある湿度計と自分の湿度計の「誤差」がわかります。工房の湿度計では50%なのに、自分の湿度計では55%というように、5%程度違っていることがあります。
私は、公開の場で演奏する予定が決まると、下見をかねて事前に演奏する場所の温度・湿度を計測しておきます。オフィスビルの中は、たいてい年中湿度が低いです。湿度が50%以上あることは稀で、たいてい湿度が40%ぐらいと乾燥しています。時期によっては30%台ということもあります。
あるオフィスビルの中で演奏したとき、気温が25℃、湿度が25%と異常に乾燥していたことがあります。本番の2時間前に演奏会場に入って練習していたら、だいぶ毛が短くなり、ネジを完全に緩めたときでも、弓の中央で、スティックと毛が2ミリくらい離れる状態になりました。でも、私の場合、毛の量を少なめにしているので、その状態で弓にかかるテンションは大したテンションではありません。
通常、演奏時には、弓の中央で毛とスティックが7ミリ程度離れた状態に毛を張りますが、そのテンションの強さや、実際に演奏中に弓にかかる力の大きさを考えると、「一時的に」2ミリ離れた状態になるくらいのことは、全く取るに足らないようなテンションです。
実力派の若手ソリストの中には、弓の中央で毛とスティックが9~10ミリ程度離れる状態にして(毛を強く張って)演奏している人がいます。有名どころでは、どちらも1970年代生まれですが、V(ロシア人)やS(アメリカ人)が典型的です。
ここまで毛を張った状態にすると、ぱっと見た感じでは、弓の反りが真っ直ぐに近い状態に見えます。それくらい強く張った状態で、駒の近くを、強い圧力をかけてグイグイと弾いていますが、彼らの貴重な「オールドフレンチボウ」は長期間、健康体を維持しています。
こうしたソリストが演奏中にかける弓への負荷は、上級のアマチュア奏者の1.5倍程度、中程度のアマチュア奏者の2倍以上でしょう。協奏曲などフルオケとの競演の際などは、瞬間的にはアマチュア奏者の3倍近くの負荷がかかっていることもあるでしょう。
弓というものは、落としたりぶつけたりすることには弱いですが、毛の伸び縮みによる「じわりとした負荷」や「演奏中の負荷」に対しては十分な抵抗力があります。
だから、「一時的に」空気が乾燥して、多少毛が縮んだとしても、弓の所有者が、「弓に負荷がかかってかわいそうだな~。」と思ったとしても、弓の方は「これくらい、へっちゃらサ!」と十分な余裕があるわけです。
乾燥して毛が多少張った状態を妙に心配する人に限って、演奏中は、平気でガリガリ、ギコギコとすごい圧力をかけて弾いたり、弓のスティックが弦にぶつかるような「良くない」弾き方をして、弓に悲鳴をあげさせている人がいます。
毛替えのときに毛を短めに張ってもらったことのない方は、ぜひ次回の毛替えのときには「毛は短めでお願いします。」と指定して下さい。ボウイングがよりスムーズによりシャープになり、演奏能力が向上するのを実感できるはずです。
湿度30%の環境で演奏したり、楽器を持ち運ぶ機会の多い人は、ほんの少し長めでも良いですが、そういう人は稀でしょうから、毛を完全に緩めたときに、毛とスティックの間が0.5~1ミリ程度張った状態になるように、毛替えしてもらって下さい。
毛を短めに張って下さい、と指定しても、きとんと短く張れない工房はダメ工房ですから、2度と行かないようにしましょう。
P.S.ずっと前のセイジ氏の投稿にあるように、毛を完全に緩めた状態で演奏できる状態になるほど毛が縮んでしまうのは、あまり良くありませんが、そうした状態も「一時的(数日程度)」であれば、全く問題ありません。佐々木氏もあれだけ強いポリシーを持ってホームページ上で持論を展開しているのだから、「これくらい毛が縮んだって、弓にとっては全然平気なのですから、心配無用です。この異常乾燥は一時的な天候によるものですから、このままお使い下さい。」とセイジ氏を「理論的に」「力強く」説得して欲しかったところですね。
佐々木氏は、ホームページ上では理路整然と偉そうに持論を展開している割には、実際にお客さんを前にすると、説得力のある説明ができない職人なのでしょうかね。そうだとすると情けない限りです。佐々木氏には、私のこの投稿を読んで、単なる机上の理論として展開するだけでなく、本当の自信をつけて実践してもらいたいものです。
さてさて、弓の毛が急激に縮んだときの応急処置としては、毛の全面にまんべんなく息を吹きかけると、縮みあがった毛を伸ばすことができます。その状態でケースに入れてしまえば、しばらくの間、毛が伸びた状態を維持できます。息をかけた後演奏した場合、空気が異常に乾燥していれば、2~3時間でまた縮んでしまいますが、ケースにしまう前に、また息を吹きかけてやれば、毛を伸ばせます。
霧吹きがあれば、演奏している部屋が異常乾燥していても、簡単に湿度を5~10%上げることができます。私は、異常乾燥が見込まれる場所で公開演奏する際には、霧吹きを持参しています。
いずれにしても、日本では、湿度が30%を切るような異常乾燥状態は、そう長くは続きませんので、あまり心配する必要はありません。ここまで理論と実践を噛み含めて説明しても、「毛が短めだと心配だ。」という人には、もはやかけるべき言葉はありません。
[13098]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月11日 23:59
投稿者:pochi(ID:mAQTJUA)
[13080]
ペルナンブーコ氏
[04/06/11 21:21:57]投稿、
説得力の有る御説明、有難う御座居ます。大変参考になります。
私の使って居る弓の毛は、ペルナンブーコ氏の物依りも、湿度に敏感な様です。
間違いを少々指摘して置きます。
>毛の量を少なめにしているので、その状態で弓にかかるテンションは大したテンションではありません。
*****此れは、毛の量に関わらず同じです。理屈は御自分でお考え下さい。
毛替え職人擁護をします。
「毛を完全に緩めたときに、毛とスティックの間が0.5~1ミリ程度張った状態になるように、毛替え」するのは、技術的に非常に難しいのです。御自分で毛替えをすれば、解ります。
練習の観点から、
>乾燥して毛が多少張った状態を妙に心配する人に限って、演奏中は、平気でガリガリ、ギコギコとすごい圧力をかけて弾いたり、弓のスティックが弦にぶつかるような「良くない」弾き方をして、弓に悲鳴をあげさせている人がいます。
*****私は、演奏中には、平気でガリガリ、ギコギコとすごい圧力をかけて弾いたり、弓のスティックが弦にぶつかるような「良くない」弾き方を決して致しませんし、棒が絃にぶつかる様な良く無い弾き方もしません。勿論、練習中も棒が絃にぶつかる様な良く無い弾き方もしません。然し、「平気でガリガリ、ギコギコとすごい圧力をかけて弾いたり」します。私は、ホーミー奏法と名付けて実践して居ります。絃の基音の1オクターブ下の音を出します。此れを行うと、短期的弾き込みで何故か楽器が鳴る様に成るのです。柔な楽器だと、1年で確実にガラガラ声、ペラペラの音に弾き潰せますが、頑丈に造って有る楽器では、問題は起こりません。
V君やちゃんの様に、大変御上手であれば、あの様な弾き方で間違える事も無く、弾き通せますが、私の様な下手糞は、美しい音に聞こえるか?本当に大音量を出さずに大音量を出して居るかの様に錯覚させるか?と云う観点で弾きます。V君やCちゃんの楽器と比べたら、月と鼈の様な楽器しか所持して居ない私は、オールドフレンチを10mmも張って駒寄りを弾くと、20m以上離れ居ても、飛んでも無く汚く聞こえる音しか出せません。その分、saltato等の奏法の為に物凄い強弓を使って居ります。
毛の本数を指定し、楽器職人が行い易い完全に緩めた時に0mmを選択しているのです。楽器職人とて人間ですから、難しく時間の掛かる弓の毛替えを敢えて行うのを嫌います。亦、わたしの弓は反りが少し大きく、竿から毛迄の距離が0mmと雖も少しテンションが掛かって居る状態です。
「日本国内で一般のお店で市販されている温度・湿度計としては最高レベルのもの」のリンクを張って戴ければ、デザイン性を考慮して購入致しますので宜しくお願い致します。
大体、御意見の擦り合わせが出来た様に思います。
貴重な御意見、有難う御座居ました。
[13080]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月11日 21:21
投稿者:ペルナンブーコ(ID:NYAQKTE)
私の愛用している温度・湿度計は、最小目盛が、温度は1℃、湿度は2%の精密タイプです。日本国内で一般のお店で市販されている温度・湿度計としては最高レベルのものですが、値段は1個4,000円程度です。
自宅で使っている湿度計で、一度、自分が利用する工房の湿度を測ってみるといいですよ。工房の湿度がわかるだけでなく、工房に置いてある湿度計と自分の湿度計の「誤差」がわかります。工房の湿度計では50%なのに、自分の湿度計では55%というように、5%程度違っていることがあります。
私は、公開の場で演奏する予定が決まると、下見をかねて事前に演奏する場所の温度・湿度を計測しておきます。オフィスビルの中は、たいてい年中湿度が低いです。湿度が50%以上あることは稀で、たいてい湿度が40%ぐらいと乾燥しています。時期によっては30%台ということもあります。
あるオフィスビルの中で演奏したとき、気温が25℃、湿度が25%と異常に乾燥していたことがあります。本番の2時間前に演奏会場に入って練習していたら、だいぶ毛が短くなり、ネジを完全に緩めたときでも、弓の中央で、スティックと毛が2ミリくらい離れる状態になりました。でも、私の場合、毛の量を少なめにしているので、その状態で弓にかかるテンションは大したテンションではありません。
通常、演奏時には、弓の中央で毛とスティックが7ミリ程度離れた状態に毛を張りますが、そのテンションの強さや、実際に演奏中に弓にかかる力の大きさを考えると、「一時的に」2ミリ離れた状態になるくらいのことは、全く取るに足らないようなテンションです。
実力派の若手ソリストの中には、弓の中央で毛とスティックが9~10ミリ程度離れる状態にして(毛を強く張って)演奏している人がいます。有名どころでは、どちらも1970年代生まれですが、V(ロシア人)やS(アメリカ人)が典型的です。
ここまで毛を張った状態にすると、ぱっと見た感じでは、弓の反りが真っ直ぐに近い状態に見えます。それくらい強く張った状態で、駒の近くを、強い圧力をかけてグイグイと弾いていますが、彼らの貴重な「オールドフレンチボウ」は長期間、健康体を維持しています。
こうしたソリストが演奏中にかける弓への負荷は、上級のアマチュア奏者の1.5倍程度、中程度のアマチュア奏者の2倍以上でしょう。協奏曲などフルオケとの競演の際などは、瞬間的にはアマチュア奏者の3倍近くの負荷がかかっていることもあるでしょう。
弓というものは、落としたりぶつけたりすることには弱いですが、毛の伸び縮みによる「じわりとした負荷」や「演奏中の負荷」に対しては十分な抵抗力があります。
だから、「一時的に」空気が乾燥して、多少毛が縮んだとしても、弓の所有者が、「弓に負荷がかかってかわいそうだな~。」と思ったとしても、弓の方は「これくらい、へっちゃらサ!」と十分な余裕があるわけです。
乾燥して毛が多少張った状態を妙に心配する人に限って、演奏中は、平気でガリガリ、ギコギコとすごい圧力をかけて弾いたり、弓のスティックが弦にぶつかるような「良くない」弾き方をして、弓に悲鳴をあげさせている人がいます。
毛替えのときに毛を短めに張ってもらったことのない方は、ぜひ次回の毛替えのときには「毛は短めでお願いします。」と指定して下さい。ボウイングがよりスムーズによりシャープになり、演奏能力が向上するのを実感できるはずです。
湿度30%の環境で演奏したり、楽器を持ち運ぶ機会の多い人は、ほんの少し長めでも良いですが、そういう人は稀でしょうから、毛を完全に緩めたときに、毛とスティックの間が0.5~1ミリ程度張った状態になるように、毛替えしてもらって下さい。
毛を短めに張って下さい、と指定しても、きとんと短く張れない工房はダメ工房ですから、2度と行かないようにしましょう。
P.S.ずっと前のセイジ氏の投稿にあるように、毛を完全に緩めた状態で演奏できる状態になるほど毛が縮んでしまうのは、あまり良くありませんが、そうした状態も「一時的(数日程度)」であれば、全く問題ありません。佐々木氏もあれだけ強いポリシーを持ってホームページ上で持論を展開しているのだから、「これくらい毛が縮んだって、弓にとっては全然平気なのですから、心配無用です。この異常乾燥は一時的な天候によるものですから、このままお使い下さい。」とセイジ氏を「理論的に」「力強く」説得して欲しかったところですね。
佐々木氏は、ホームページ上では理路整然と偉そうに持論を展開している割には、実際にお客さんを前にすると、説得力のある説明ができない職人なのでしょうかね。そうだとすると情けない限りです。佐々木氏には、私のこの投稿を読んで、単なる机上の理論として展開するだけでなく、本当の自信をつけて実践してもらいたいものです。
さてさて、弓の毛が急激に縮んだときの応急処置としては、毛の全面にまんべんなく息を吹きかけると、縮みあがった毛を伸ばすことができます。その状態でケースに入れてしまえば、しばらくの間、毛が伸びた状態を維持できます。息をかけた後演奏した場合、空気が異常に乾燥していれば、2~3時間でまた縮んでしまいますが、ケースにしまう前に、また息を吹きかけてやれば、毛を伸ばせます。
霧吹きがあれば、演奏している部屋が異常乾燥していても、簡単に湿度を5~10%上げることができます。私は、異常乾燥が見込まれる場所で公開演奏する際には、霧吹きを持参しています。
いずれにしても、日本では、湿度が30%を切るような異常乾燥状態は、そう長くは続きませんので、あまり心配する必要はありません。ここまで理論と実践を噛み含めて説明しても、「毛が短めだと心配だ。」という人には、もはやかけるべき言葉はありません。
自宅で使っている湿度計で、一度、自分が利用する工房の湿度を測ってみるといいですよ。工房の湿度がわかるだけでなく、工房に置いてある湿度計と自分の湿度計の「誤差」がわかります。工房の湿度計では50%なのに、自分の湿度計では55%というように、5%程度違っていることがあります。
私は、公開の場で演奏する予定が決まると、下見をかねて事前に演奏する場所の温度・湿度を計測しておきます。オフィスビルの中は、たいてい年中湿度が低いです。湿度が50%以上あることは稀で、たいてい湿度が40%ぐらいと乾燥しています。時期によっては30%台ということもあります。
あるオフィスビルの中で演奏したとき、気温が25℃、湿度が25%と異常に乾燥していたことがあります。本番の2時間前に演奏会場に入って練習していたら、だいぶ毛が短くなり、ネジを完全に緩めたときでも、弓の中央で、スティックと毛が2ミリくらい離れる状態になりました。でも、私の場合、毛の量を少なめにしているので、その状態で弓にかかるテンションは大したテンションではありません。
通常、演奏時には、弓の中央で毛とスティックが7ミリ程度離れた状態に毛を張りますが、そのテンションの強さや、実際に演奏中に弓にかかる力の大きさを考えると、「一時的に」2ミリ離れた状態になるくらいのことは、全く取るに足らないようなテンションです。
実力派の若手ソリストの中には、弓の中央で毛とスティックが9~10ミリ程度離れる状態にして(毛を強く張って)演奏している人がいます。有名どころでは、どちらも1970年代生まれですが、V(ロシア人)やS(アメリカ人)が典型的です。
ここまで毛を張った状態にすると、ぱっと見た感じでは、弓の反りが真っ直ぐに近い状態に見えます。それくらい強く張った状態で、駒の近くを、強い圧力をかけてグイグイと弾いていますが、彼らの貴重な「オールドフレンチボウ」は長期間、健康体を維持しています。
こうしたソリストが演奏中にかける弓への負荷は、上級のアマチュア奏者の1.5倍程度、中程度のアマチュア奏者の2倍以上でしょう。協奏曲などフルオケとの競演の際などは、瞬間的にはアマチュア奏者の3倍近くの負荷がかかっていることもあるでしょう。
弓というものは、落としたりぶつけたりすることには弱いですが、毛の伸び縮みによる「じわりとした負荷」や「演奏中の負荷」に対しては十分な抵抗力があります。
だから、「一時的に」空気が乾燥して、多少毛が縮んだとしても、弓の所有者が、「弓に負荷がかかってかわいそうだな~。」と思ったとしても、弓の方は「これくらい、へっちゃらサ!」と十分な余裕があるわけです。
乾燥して毛が多少張った状態を妙に心配する人に限って、演奏中は、平気でガリガリ、ギコギコとすごい圧力をかけて弾いたり、弓のスティックが弦にぶつかるような「良くない」弾き方をして、弓に悲鳴をあげさせている人がいます。
毛替えのときに毛を短めに張ってもらったことのない方は、ぜひ次回の毛替えのときには「毛は短めでお願いします。」と指定して下さい。ボウイングがよりスムーズによりシャープになり、演奏能力が向上するのを実感できるはずです。
湿度30%の環境で演奏したり、楽器を持ち運ぶ機会の多い人は、ほんの少し長めでも良いですが、そういう人は稀でしょうから、毛を完全に緩めたときに、毛とスティックの間が0.5~1ミリ程度張った状態になるように、毛替えしてもらって下さい。
毛を短めに張って下さい、と指定しても、きとんと短く張れない工房はダメ工房ですから、2度と行かないようにしましょう。
P.S.ずっと前のセイジ氏の投稿にあるように、毛を完全に緩めた状態で演奏できる状態になるほど毛が縮んでしまうのは、あまり良くありませんが、そうした状態も「一時的(数日程度)」であれば、全く問題ありません。佐々木氏もあれだけ強いポリシーを持ってホームページ上で持論を展開しているのだから、「これくらい毛が縮んだって、弓にとっては全然平気なのですから、心配無用です。この異常乾燥は一時的な天候によるものですから、このままお使い下さい。」とセイジ氏を「理論的に」「力強く」説得して欲しかったところですね。
佐々木氏は、ホームページ上では理路整然と偉そうに持論を展開している割には、実際にお客さんを前にすると、説得力のある説明ができない職人なのでしょうかね。そうだとすると情けない限りです。佐々木氏には、私のこの投稿を読んで、単なる机上の理論として展開するだけでなく、本当の自信をつけて実践してもらいたいものです。
さてさて、弓の毛が急激に縮んだときの応急処置としては、毛の全面にまんべんなく息を吹きかけると、縮みあがった毛を伸ばすことができます。その状態でケースに入れてしまえば、しばらくの間、毛が伸びた状態を維持できます。息をかけた後演奏した場合、空気が異常に乾燥していれば、2~3時間でまた縮んでしまいますが、ケースにしまう前に、また息を吹きかけてやれば、毛を伸ばせます。
霧吹きがあれば、演奏している部屋が異常乾燥していても、簡単に湿度を5~10%上げることができます。私は、異常乾燥が見込まれる場所で公開演奏する際には、霧吹きを持参しています。
いずれにしても、日本では、湿度が30%を切るような異常乾燥状態は、そう長くは続きませんので、あまり心配する必要はありません。ここまで理論と実践を噛み含めて説明しても、「毛が短めだと心配だ。」という人には、もはやかけるべき言葉はありません。
[04/06/11 21:21:57]投稿、
説得力の有る御説明、有難う御座居ます。大変参考になります。
私の使って居る弓の毛は、ペルナンブーコ氏の物依りも、湿度に敏感な様です。
間違いを少々指摘して置きます。
>毛の量を少なめにしているので、その状態で弓にかかるテンションは大したテンションではありません。
*****此れは、毛の量に関わらず同じです。理屈は御自分でお考え下さい。
毛替え職人擁護をします。
「毛を完全に緩めたときに、毛とスティックの間が0.5~1ミリ程度張った状態になるように、毛替え」するのは、技術的に非常に難しいのです。御自分で毛替えをすれば、解ります。
練習の観点から、
>乾燥して毛が多少張った状態を妙に心配する人に限って、演奏中は、平気でガリガリ、ギコギコとすごい圧力をかけて弾いたり、弓のスティックが弦にぶつかるような「良くない」弾き方をして、弓に悲鳴をあげさせている人がいます。
*****私は、演奏中には、平気でガリガリ、ギコギコとすごい圧力をかけて弾いたり、弓のスティックが弦にぶつかるような「良くない」弾き方を決して致しませんし、棒が絃にぶつかる様な良く無い弾き方もしません。勿論、練習中も棒が絃にぶつかる様な良く無い弾き方もしません。然し、「平気でガリガリ、ギコギコとすごい圧力をかけて弾いたり」します。私は、ホーミー奏法と名付けて実践して居ります。絃の基音の1オクターブ下の音を出します。此れを行うと、短期的弾き込みで何故か楽器が鳴る様に成るのです。柔な楽器だと、1年で確実にガラガラ声、ペラペラの音に弾き潰せますが、頑丈に造って有る楽器では、問題は起こりません。
V君やちゃんの様に、大変御上手であれば、あの様な弾き方で間違える事も無く、弾き通せますが、私の様な下手糞は、美しい音に聞こえるか?本当に大音量を出さずに大音量を出して居るかの様に錯覚させるか?と云う観点で弾きます。V君やCちゃんの楽器と比べたら、月と鼈の様な楽器しか所持して居ない私は、オールドフレンチを10mmも張って駒寄りを弾くと、20m以上離れ居ても、飛んでも無く汚く聞こえる音しか出せません。その分、saltato等の奏法の為に物凄い強弓を使って居ります。
毛の本数を指定し、楽器職人が行い易い完全に緩めた時に0mmを選択しているのです。楽器職人とて人間ですから、難しく時間の掛かる弓の毛替えを敢えて行うのを嫌います。亦、わたしの弓は反りが少し大きく、竿から毛迄の距離が0mmと雖も少しテンションが掛かって居る状態です。
「日本国内で一般のお店で市販されている温度・湿度計としては最高レベルのもの」のリンクを張って戴ければ、デザイン性を考慮して購入致しますので宜しくお願い致します。
大体、御意見の擦り合わせが出来た様に思います。
貴重な御意見、有難う御座居ました。
[13120]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月12日 11:45
投稿者:ペルナンブーコ(ID:KBNEkjM)
pochiさんへ。下記のサイトをご覧下さい。
http://www.empex.co.jp/
私は、エンペックス気象計㈱のSuper EX 温度・湿度計を、自宅の各部屋に1つずつ、合計7個持っていますが、測定誤差が少ないので信頼できます。多くの弦楽器工房で採用されているのを実際に見て購入した次第です。
ロシア出身イスラエル在住のVe氏やV氏の師であるBr氏は、演奏中は、ものすごく強く毛を張って弾いています。アメリカのSh氏も大変貴重なフランソワ・トルテを弾くときに強く毛を張っています。彼らはみな美しい大音量を出しますが、彼らが演奏中に弓に与えている負荷は、我々アマチュアヴァイオリニストの2~3倍ではないかと思います。そして、彼らの演奏時間は、大半のアマチュアの2~3倍でしょうから、彼らの弓はものすごく酷使されていると言えるでしょう。
さらには世界中を飛行機で飛び回って演奏活動を続けているわけですから、気候の変化という点でも、我々アマチュアヴァイオリニストの弓よりも大きな負荷がかかっているでしょう。湿度20%台の乾燥地域から湿度60%を超える湿潤地域まで、あらゆる環境で演奏していると想像されます。
そういう条件で大音量で演奏するソリストに酷使されても「良い弓」は、100~200年以上使えるわけですから、「一時的に」毛がちょっと縮んだぐらいのことは大した問題ではないのです。
毛替え直後は多少張った状態の毛でも1~2週間弾くと、多少伸びます。毛替え直後は1ミリ張った状態でも、2週間もすると0.5ミリ程度になります。そして1~2ヶ月もすると0ミリくらいになるものです。だから、毛替え直後は0ミリにするよりは、1ミリ程度張った状態にする方が良いと思います。(弓の反り具合によって、ベストな毛の短さは、微妙に異なることを申し添えます。各自いろいろ試されることをお薦めします。)
最終的には、1ミリか0ミリかという問題は、pochiさんお得意の美意識の問題になってくるかも知れません。
あとは、自分が良く演奏する場所の気温・湿度などを勘案して、微調整することになるでしょう。乾燥した場所で演奏することが多いのなら、ほんの少しだけ長めにすれば安心でしょう。精密な温度・湿度計で計測することをお薦めします。
弦楽器を弾いている人で、自宅に温度計・湿度計のない人は、すぐに買いに行くことを強く促しておきます。有名デパート、東急ハンズ、ホームセンターに行けば、エムペックスの精密湿度計が容易に入手できます。あるいは、ネット通販でも入手できます。
毎日、温度計・湿度計を見るクセをつけると、温度計・湿度計がなくても、体感的に、その部屋の湿度がわかるようになってきます。(感度は多少アバウトですが)私は、温度に関しては±3度、湿度については±4%の誤差で温度・湿度を当てることができるようになりました。
木で作られた楽器を弾くのですから、精密温度・湿度計を購入して、みなさんも温度・湿度の管理意識を向上させましょう。
http://www.empex.co.jp/
私は、エンペックス気象計㈱のSuper EX 温度・湿度計を、自宅の各部屋に1つずつ、合計7個持っていますが、測定誤差が少ないので信頼できます。多くの弦楽器工房で採用されているのを実際に見て購入した次第です。
ロシア出身イスラエル在住のVe氏やV氏の師であるBr氏は、演奏中は、ものすごく強く毛を張って弾いています。アメリカのSh氏も大変貴重なフランソワ・トルテを弾くときに強く毛を張っています。彼らはみな美しい大音量を出しますが、彼らが演奏中に弓に与えている負荷は、我々アマチュアヴァイオリニストの2~3倍ではないかと思います。そして、彼らの演奏時間は、大半のアマチュアの2~3倍でしょうから、彼らの弓はものすごく酷使されていると言えるでしょう。
さらには世界中を飛行機で飛び回って演奏活動を続けているわけですから、気候の変化という点でも、我々アマチュアヴァイオリニストの弓よりも大きな負荷がかかっているでしょう。湿度20%台の乾燥地域から湿度60%を超える湿潤地域まで、あらゆる環境で演奏していると想像されます。
そういう条件で大音量で演奏するソリストに酷使されても「良い弓」は、100~200年以上使えるわけですから、「一時的に」毛がちょっと縮んだぐらいのことは大した問題ではないのです。
毛替え直後は多少張った状態の毛でも1~2週間弾くと、多少伸びます。毛替え直後は1ミリ張った状態でも、2週間もすると0.5ミリ程度になります。そして1~2ヶ月もすると0ミリくらいになるものです。だから、毛替え直後は0ミリにするよりは、1ミリ程度張った状態にする方が良いと思います。(弓の反り具合によって、ベストな毛の短さは、微妙に異なることを申し添えます。各自いろいろ試されることをお薦めします。)
最終的には、1ミリか0ミリかという問題は、pochiさんお得意の美意識の問題になってくるかも知れません。
あとは、自分が良く演奏する場所の気温・湿度などを勘案して、微調整することになるでしょう。乾燥した場所で演奏することが多いのなら、ほんの少しだけ長めにすれば安心でしょう。精密な温度・湿度計で計測することをお薦めします。
弦楽器を弾いている人で、自宅に温度計・湿度計のない人は、すぐに買いに行くことを強く促しておきます。有名デパート、東急ハンズ、ホームセンターに行けば、エムペックスの精密湿度計が容易に入手できます。あるいは、ネット通販でも入手できます。
毎日、温度計・湿度計を見るクセをつけると、温度計・湿度計がなくても、体感的に、その部屋の湿度がわかるようになってきます。(感度は多少アバウトですが)私は、温度に関しては±3度、湿度については±4%の誤差で温度・湿度を当てることができるようになりました。
木で作られた楽器を弾くのですから、精密温度・湿度計を購入して、みなさんも温度・湿度の管理意識を向上させましょう。
[13126]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月12日 19:49
投稿者:pochi(ID:QiA3h0A)
[13120]
ペルナンブーコ氏投稿の
http://www.empex.co.jp/
には、ヴァイオリンケースの中に入る物が有りませんね。
また、私はデジタルが嫌いです。
http://fstrings.com/board/board.asp?id=7119
で紹介した物
http://www2u.biglobe.ne.jp/~crecer/seihin/KYAROT.htm
は、58mmです。廻りが金色で、針の中央が同じ物だったら善かったので、友人に文句を云うとニヤニヤ笑って居ました。多分、1ケイス位取り寄せて規差を計ったんでしょう。そう云えば、工業用製品と殆ど狂いは有りません。彼は、自分の為にも他人の為にも決して高い買い物をしない人ですから、、、。
私はオブロン型ケイスを使って居るんですが、絃のストックをヴァイオリンの渦巻きのトコロに入れているので、此処に大きな温度湿度計を貼付けるわけには行かないのです。結局、彼が選んだ物が壱番良いのでしょうね。然程興味は有りませんが、「有ったら良いなあ」と気軽に云ったら、この手のマニアの彼、随分時間を掛けて差がして呉れたのだと思います。
トコロで、弓を竿が真直ぐに成る位張って演奏するスタイルですが、弓速を遅めにして駒寄りを弾いて大音量を出すのに適して居ますね。此れって名器で無いと出来ないのです。私の楽器では遠くで聴いても汚い音に成って仕舞います。此れを解決する為にテクニックや絃誤魔化す努力をして居るんですが、元来下手糞で、お金持ちでも無いので、無理でしょう。その分、弓速を上げます。此れをすると、大音量では無いけれど、妙に通る音に成って、観客は喜んで呉れるんです。弓を軽ーく持ってフニャフニャフニャと弾いて居るんですけれど、此れで充分2000人位のホールなら充分対応出来ます。
毛が伸び過ぎたら毛替えの指標にしていますので、楽器屋が張り易い様に張らせて居りますが、私の云う事を聞かない職人にはやり直しを命じるか、お金を払いませんから、大体気合いを入れて毛替えをして呉れます。毛替えをしてお金を払わ無かった事は枚挙に暇が有りません。大概、職人としての名誉に掛けてやり直してくれますけどね。「こんな毛ーの張り方、無茶苦茶やんけ、われ~!165本云うたや無い毛。ボサボサに張ったら、儂の可愛いマイケル君(弓の名前・今適当に作ったもの)が機嫌、損ねたら、どない曝す心算やねん、鼻から弓の毛入れて、頭の天辺から毛ー出して、脳味噌、掃除したろか?」なんて事は云った事が有りませんが、日本の工房なら張り直して呉れます。海外の楽器店では、大体、無料にして呉れます。
あの~、プロの奏者は、弓を何本か持って居て、普通、コンサート用と練習用に使い分けて居るんです。だから、コンサートの時だけ、あんなに強く張っても弓が潰れる事は、少ないのです。普段は、あんなに張りませんよ。第一、ホールでいつも練習する訳でも有りませんから、極限の大音量で練習するはずも有りません。小さな部屋では、自分自身の音が喧しくて手加減するのが普通です。ソリストの皆さんもコンサートが終わったら直ぐに弓の毛を緩めて居ますよ。
私の弓は強弓なので、フルオケ伴奏のシベリウスでも7~8mmで弾きます。普段は6mm位ですかね。機能的に優れた弓は1本しか持って居ないので弓を探して居ます。ボロ弓なら4~5本有るんですけれど、コンサートに使える様な代物では有りません。
私、絡むの、大好きなんです。マニアックな人と絡むと、面白い情報が沢山出て来ますしね。その必死に成った表現形も面白くて大好きです。亦、色々教えて下さいね。
それでは、、、。
[13120]
Re: 毛替えの上手い楽器店・工房
投稿日時:2004年06月12日 11:45
投稿者:ペルナンブーコ(ID:KBNEkjM)
pochiさんへ。下記のサイトをご覧下さい。
http://www.empex.co.jp/
私は、エンペックス気象計㈱のSuper EX 温度・湿度計を、自宅の各部屋に1つずつ、合計7個持っていますが、測定誤差が少ないので信頼できます。多くの弦楽器工房で採用されているのを実際に見て購入した次第です。
ロシア出身イスラエル在住のVe氏やV氏の師であるBr氏は、演奏中は、ものすごく強く毛を張って弾いています。アメリカのSh氏も大変貴重なフランソワ・トルテを弾くときに強く毛を張っています。彼らはみな美しい大音量を出しますが、彼らが演奏中に弓に与えている負荷は、我々アマチュアヴァイオリニストの2~3倍ではないかと思います。そして、彼らの演奏時間は、大半のアマチュアの2~3倍でしょうから、彼らの弓はものすごく酷使されていると言えるでしょう。
さらには世界中を飛行機で飛び回って演奏活動を続けているわけですから、気候の変化という点でも、我々アマチュアヴァイオリニストの弓よりも大きな負荷がかかっているでしょう。湿度20%台の乾燥地域から湿度60%を超える湿潤地域まで、あらゆる環境で演奏していると想像されます。
そういう条件で大音量で演奏するソリストに酷使されても「良い弓」は、100~200年以上使えるわけですから、「一時的に」毛がちょっと縮んだぐらいのことは大した問題ではないのです。
毛替え直後は多少張った状態の毛でも1~2週間弾くと、多少伸びます。毛替え直後は1ミリ張った状態でも、2週間もすると0.5ミリ程度になります。そして1~2ヶ月もすると0ミリくらいになるものです。だから、毛替え直後は0ミリにするよりは、1ミリ程度張った状態にする方が良いと思います。(弓の反り具合によって、ベストな毛の短さは、微妙に異なることを申し添えます。各自いろいろ試されることをお薦めします。)
最終的には、1ミリか0ミリかという問題は、pochiさんお得意の美意識の問題になってくるかも知れません。
あとは、自分が良く演奏する場所の気温・湿度などを勘案して、微調整することになるでしょう。乾燥した場所で演奏することが多いのなら、ほんの少しだけ長めにすれば安心でしょう。精密な温度・湿度計で計測することをお薦めします。
弦楽器を弾いている人で、自宅に温度計・湿度計のない人は、すぐに買いに行くことを強く促しておきます。有名デパート、東急ハンズ、ホームセンターに行けば、エムペックスの精密湿度計が容易に入手できます。あるいは、ネット通販でも入手できます。
毎日、温度計・湿度計を見るクセをつけると、温度計・湿度計がなくても、体感的に、その部屋の湿度がわかるようになってきます。(感度は多少アバウトですが)私は、温度に関しては±3度、湿度については±4%の誤差で温度・湿度を当てることができるようになりました。
木で作られた楽器を弾くのですから、精密温度・湿度計を購入して、みなさんも温度・湿度の管理意識を向上させましょう。
http://www.empex.co.jp/
私は、エンペックス気象計㈱のSuper EX 温度・湿度計を、自宅の各部屋に1つずつ、合計7個持っていますが、測定誤差が少ないので信頼できます。多くの弦楽器工房で採用されているのを実際に見て購入した次第です。
ロシア出身イスラエル在住のVe氏やV氏の師であるBr氏は、演奏中は、ものすごく強く毛を張って弾いています。アメリカのSh氏も大変貴重なフランソワ・トルテを弾くときに強く毛を張っています。彼らはみな美しい大音量を出しますが、彼らが演奏中に弓に与えている負荷は、我々アマチュアヴァイオリニストの2~3倍ではないかと思います。そして、彼らの演奏時間は、大半のアマチュアの2~3倍でしょうから、彼らの弓はものすごく酷使されていると言えるでしょう。
さらには世界中を飛行機で飛び回って演奏活動を続けているわけですから、気候の変化という点でも、我々アマチュアヴァイオリニストの弓よりも大きな負荷がかかっているでしょう。湿度20%台の乾燥地域から湿度60%を超える湿潤地域まで、あらゆる環境で演奏していると想像されます。
そういう条件で大音量で演奏するソリストに酷使されても「良い弓」は、100~200年以上使えるわけですから、「一時的に」毛がちょっと縮んだぐらいのことは大した問題ではないのです。
毛替え直後は多少張った状態の毛でも1~2週間弾くと、多少伸びます。毛替え直後は1ミリ張った状態でも、2週間もすると0.5ミリ程度になります。そして1~2ヶ月もすると0ミリくらいになるものです。だから、毛替え直後は0ミリにするよりは、1ミリ程度張った状態にする方が良いと思います。(弓の反り具合によって、ベストな毛の短さは、微妙に異なることを申し添えます。各自いろいろ試されることをお薦めします。)
最終的には、1ミリか0ミリかという問題は、pochiさんお得意の美意識の問題になってくるかも知れません。
あとは、自分が良く演奏する場所の気温・湿度などを勘案して、微調整することになるでしょう。乾燥した場所で演奏することが多いのなら、ほんの少しだけ長めにすれば安心でしょう。精密な温度・湿度計で計測することをお薦めします。
弦楽器を弾いている人で、自宅に温度計・湿度計のない人は、すぐに買いに行くことを強く促しておきます。有名デパート、東急ハンズ、ホームセンターに行けば、エムペックスの精密湿度計が容易に入手できます。あるいは、ネット通販でも入手できます。
毎日、温度計・湿度計を見るクセをつけると、温度計・湿度計がなくても、体感的に、その部屋の湿度がわかるようになってきます。(感度は多少アバウトですが)私は、温度に関しては±3度、湿度については±4%の誤差で温度・湿度を当てることができるようになりました。
木で作られた楽器を弾くのですから、精密温度・湿度計を購入して、みなさんも温度・湿度の管理意識を向上させましょう。
http://www.empex.co.jp/
には、ヴァイオリンケースの中に入る物が有りませんね。
また、私はデジタルが嫌いです。
http://fstrings.com/board/board.asp?id=7119
で紹介した物
http://www2u.biglobe.ne.jp/~crecer/seihin/KYAROT.htm
は、58mmです。廻りが金色で、針の中央が同じ物だったら善かったので、友人に文句を云うとニヤニヤ笑って居ました。多分、1ケイス位取り寄せて規差を計ったんでしょう。そう云えば、工業用製品と殆ど狂いは有りません。彼は、自分の為にも他人の為にも決して高い買い物をしない人ですから、、、。
私はオブロン型ケイスを使って居るんですが、絃のストックをヴァイオリンの渦巻きのトコロに入れているので、此処に大きな温度湿度計を貼付けるわけには行かないのです。結局、彼が選んだ物が壱番良いのでしょうね。然程興味は有りませんが、「有ったら良いなあ」と気軽に云ったら、この手のマニアの彼、随分時間を掛けて差がして呉れたのだと思います。
トコロで、弓を竿が真直ぐに成る位張って演奏するスタイルですが、弓速を遅めにして駒寄りを弾いて大音量を出すのに適して居ますね。此れって名器で無いと出来ないのです。私の楽器では遠くで聴いても汚い音に成って仕舞います。此れを解決する為にテクニックや絃誤魔化す努力をして居るんですが、元来下手糞で、お金持ちでも無いので、無理でしょう。その分、弓速を上げます。此れをすると、大音量では無いけれど、妙に通る音に成って、観客は喜んで呉れるんです。弓を軽ーく持ってフニャフニャフニャと弾いて居るんですけれど、此れで充分2000人位のホールなら充分対応出来ます。
毛が伸び過ぎたら毛替えの指標にしていますので、楽器屋が張り易い様に張らせて居りますが、私の云う事を聞かない職人にはやり直しを命じるか、お金を払いませんから、大体気合いを入れて毛替えをして呉れます。毛替えをしてお金を払わ無かった事は枚挙に暇が有りません。大概、職人としての名誉に掛けてやり直してくれますけどね。「こんな毛ーの張り方、無茶苦茶やんけ、われ~!165本云うたや無い毛。ボサボサに張ったら、儂の可愛いマイケル君(弓の名前・今適当に作ったもの)が機嫌、損ねたら、どない曝す心算やねん、鼻から弓の毛入れて、頭の天辺から毛ー出して、脳味噌、掃除したろか?」なんて事は云った事が有りませんが、日本の工房なら張り直して呉れます。海外の楽器店では、大体、無料にして呉れます。
あの~、プロの奏者は、弓を何本か持って居て、普通、コンサート用と練習用に使い分けて居るんです。だから、コンサートの時だけ、あんなに強く張っても弓が潰れる事は、少ないのです。普段は、あんなに張りませんよ。第一、ホールでいつも練習する訳でも有りませんから、極限の大音量で練習するはずも有りません。小さな部屋では、自分自身の音が喧しくて手加減するのが普通です。ソリストの皆さんもコンサートが終わったら直ぐに弓の毛を緩めて居ますよ。
私の弓は強弓なので、フルオケ伴奏のシベリウスでも7~8mmで弾きます。普段は6mm位ですかね。機能的に優れた弓は1本しか持って居ないので弓を探して居ます。ボロ弓なら4~5本有るんですけれど、コンサートに使える様な代物では有りません。
私、絡むの、大好きなんです。マニアックな人と絡むと、面白い情報が沢山出て来ますしね。その必死に成った表現形も面白くて大好きです。亦、色々教えて下さいね。
それでは、、、。
[13139]
温度湿度計なら…
投稿日時:2004年06月13日 04:22
投稿者:rio(ID:ICCAVBk)
我が家には、24時間エヤコン(DAIKIN社製)つけっぱなしで、気温24~28度、湿度50~60%に保たれている部屋があるので、そこに楽器たちを入れてます。
温度計・湿度計はたくさんのメーカーから出ております。このHPも参考になります。
http://www.akihabara.co.jp/multi/mi/d/menu.html#category2sub
デジタル嫌いの人にはだめですが
好き嫌いなく、楽器を常にケースで保管する方には、この中の
http://www.akihabara.co.jp/multi/mi/d/51_08.html
はなんとか入るのではと思いました
私はケース内の環境管理はだいたいでいいので、ホームセンターでたんす用の湿度計や自動車用品やで小さな、温度・湿度計を買ってますので
投入コストは、1個1000円ぐらいです。
普段保管している食器棚の中には、アナクロなアナログ式の気象計をいれてましたが、DAIKIN社のエアコンを今年購入してからは、まったくの使わなくなってしまいました。
楽器のみならず、部屋全体で温度湿度の管理をフルオート管理できるのはとても楽です。技術の進歩はすばらしいです。
温度計・湿度計はたくさんのメーカーから出ております。このHPも参考になります。
http://www.akihabara.co.jp/multi/mi/d/menu.html#category2sub
デジタル嫌いの人にはだめですが
好き嫌いなく、楽器を常にケースで保管する方には、この中の
http://www.akihabara.co.jp/multi/mi/d/51_08.html
はなんとか入るのではと思いました
私はケース内の環境管理はだいたいでいいので、ホームセンターでたんす用の湿度計や自動車用品やで小さな、温度・湿度計を買ってますので
投入コストは、1個1000円ぐらいです。
普段保管している食器棚の中には、アナクロなアナログ式の気象計をいれてましたが、DAIKIN社のエアコンを今年購入してからは、まったくの使わなくなってしまいました。
楽器のみならず、部屋全体で温度湿度の管理をフルオート管理できるのはとても楽です。技術の進歩はすばらしいです。
ヴァイオリン掲示板に戻る
3 / 5 ページ [ 46コメント ]