[1461]
調弦と音律
投稿日時:2002年08月07日 18:40
投稿者:あすぱら(ID:IokkiQk)
バイオリンの調弦って、みなさんどういう音律で、されていますでしょうか?
私自身は、隣合う弦が、純正律(自然倍音)の5度になるように、と教わり、今までそのようにしてきました。しかし、色々とネットを見ていく中で、(ピアノと合わせる場合以外でも)、平均律でチューニングするという方もいらっしゃるのを知り、色々なやり方があるのだと、驚きました。
弦楽器だけのアンサンブルや、ソロの曲を弾かれる場合(つまり、ピアノが入っていない時)にどのように、チューニングされているか教えてください!できれば、理由も教えていただけると嬉しいです。
ちなみに、私が純正律で調弦するように、と教わった時の理由は、「ピタゴラスで旋律&純正律で和音」と音程をとっていく場合に、開放弦が響きやすく、ガイドになることが多いから、といったような理由でした。
(確かに、チューニングがずれると、弾きにくくなるのですが、それが平均律だったら、どうなんだ?という点については、ピアノとはあんまり合わせないし、チューナーも持っていないので、よくわからないのです。。)
私自身は、隣合う弦が、純正律(自然倍音)の5度になるように、と教わり、今までそのようにしてきました。しかし、色々とネットを見ていく中で、(ピアノと合わせる場合以外でも)、平均律でチューニングするという方もいらっしゃるのを知り、色々なやり方があるのだと、驚きました。
弦楽器だけのアンサンブルや、ソロの曲を弾かれる場合(つまり、ピアノが入っていない時)にどのように、チューニングされているか教えてください!できれば、理由も教えていただけると嬉しいです。
ちなみに、私が純正律で調弦するように、と教わった時の理由は、「ピタゴラスで旋律&純正律で和音」と音程をとっていく場合に、開放弦が響きやすく、ガイドになることが多いから、といったような理由でした。
(確かに、チューニングがずれると、弾きにくくなるのですが、それが平均律だったら、どうなんだ?という点については、ピアノとはあんまり合わせないし、チューナーも持っていないので、よくわからないのです。。)
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[1577]
Re: 調弦と音律
投稿日時:2002年08月25日 12:05
投稿者:tama(ID:MAI0AHA)
teaさん
>>tamaさんの言うように、純正率で弾ければ一番いいのでしょうけどね…そもそも僕は平均率だの、ピタゴラスだの自分がどっちを使っているか意識したことはないですし…
こういう発言には、とても元気づけられます。
私自身、純正律・ピタゴラスといった「理屈」に興味を持ったのは、チェンバロの調律を覚えてからです。ヴェルクマイスターの第三調律法を練習していて、「凄い知恵だなぁ・・・」と感動しました。
もちろん、きちんと調律すると「それなりに美しい」のですが、やはり所詮は妥協の産物。遊びで純正の和音を作ってみると、その美しさたるや・・・それ以来、ヴァイオリンの音程に対する考え方が明らかに変化しました。teaさんも、こういう問題があることを認識されたわけですから、いろいろと学んで、純正調とピタゴラスの美しさを知られると良いと思います。
>>あらゆる調で開放弦を含めてピタゴラス音階で弾ければ良いですけど、原理的にそれは無理ですからね。それが可能なら、平均率のピアノなんて生まれる必要はないわけですからね。弦楽器は時々に応じてごまかせるからいいわけで、別に完璧に純正率で弾ける楽器ではないのですよね。
完璧に純正律、という部分は「言葉として不思議」ですが、少し誤解があるようです。開放弦を使えるように主音を取れば、「開放弦を使った全ての調のピタゴラススケール」を演奏することは可能です。(もちろん、はなから開放弦の音が出てこない調もありますが。)この点が、ピアノと弦楽器の根本的な差なんです。ですから、転調しようが何しようが、対応は可能。ただし、転調するときの跳躍に無理が生じることがあります。(特に、ブラームスなどに顕著に発生する問題であることは、pochiさんご指摘の通りです。)この点を除けば、(特に開放弦を使わなければ)「完璧なピタゴラス」で旋律を弾くことができるわけです。
問題は、和声とピタゴラスが「違う」音高を要求することで複雑になります。そういうこと一切合切を含めて、「調弦をどうするか」という問題に結論がでるわけですね。
それをかなり「綿密に」検証しているのが、「弦楽器のイントネーション」です。もしお時間があるのでしたら、是非ご一読をお勧めします。
>>調弦も完璧純正だと矛盾が出てくるから、ちょっとごまかして、ごまかした結果が結果的に平均率に近いというだけでしょう。
その矛盾がなんなのか、そのために何が問題になるのか、という質問をpochiさんにしているのですが・・・
>>そもそも平均率自体、ごまかすために適当に決めたものですし…
このあたりはどうしよう・・・話の本論からはずれますが・・・もしそうした認識をお持ちでしたら、平均律が生まれるまでの経緯をお読みになるといいと思います。(ちなみに、バッハが平均律を書いたのは、平均律ではなくヴェルクマイスターの第三調律法でだったように記憶しています。)
>>で、別に平均率(に近いもの)で調弦しても音程感は育ちますよ。それではダメだというならピアノ弾きに音感のある人はいないことになりますしね。
はい。音感という言葉の定義にもよります。
音高を「覚える」といういみでは、楽器や調律法をとわず、感覚は訓練されます。しかし、「響き」「倍音」「はもり」などは、ピアノ育つ感覚はごくごく限られたものです。
ピアニストにも音程の良い人・悪い人がいます。ですから、ピアノを弾いていると音感が全く育たないわけではないでしょう。しかし、弦楽器的なイントネーションを考えると、ほとんどのピアノ弾きはその感覚を持ち合わせていないと思います。(そのこと自体がピアノの演奏に影響があるかどうか、と言う点については、いろいろな考え方があるでしょう。)
>>だから音程はあくまで正確に!ですけど、気持ち悪くならない程度で我慢してます。
もったいないことだと思います。
>>tamaさんの言うように、純正率で弾ければ一番いいのでしょうけどね…そもそも僕は平均率だの、ピタゴラスだの自分がどっちを使っているか意識したことはないですし…
こういう発言には、とても元気づけられます。
私自身、純正律・ピタゴラスといった「理屈」に興味を持ったのは、チェンバロの調律を覚えてからです。ヴェルクマイスターの第三調律法を練習していて、「凄い知恵だなぁ・・・」と感動しました。
もちろん、きちんと調律すると「それなりに美しい」のですが、やはり所詮は妥協の産物。遊びで純正の和音を作ってみると、その美しさたるや・・・それ以来、ヴァイオリンの音程に対する考え方が明らかに変化しました。teaさんも、こういう問題があることを認識されたわけですから、いろいろと学んで、純正調とピタゴラスの美しさを知られると良いと思います。
>>あらゆる調で開放弦を含めてピタゴラス音階で弾ければ良いですけど、原理的にそれは無理ですからね。それが可能なら、平均率のピアノなんて生まれる必要はないわけですからね。弦楽器は時々に応じてごまかせるからいいわけで、別に完璧に純正率で弾ける楽器ではないのですよね。
完璧に純正律、という部分は「言葉として不思議」ですが、少し誤解があるようです。開放弦を使えるように主音を取れば、「開放弦を使った全ての調のピタゴラススケール」を演奏することは可能です。(もちろん、はなから開放弦の音が出てこない調もありますが。)この点が、ピアノと弦楽器の根本的な差なんです。ですから、転調しようが何しようが、対応は可能。ただし、転調するときの跳躍に無理が生じることがあります。(特に、ブラームスなどに顕著に発生する問題であることは、pochiさんご指摘の通りです。)この点を除けば、(特に開放弦を使わなければ)「完璧なピタゴラス」で旋律を弾くことができるわけです。
問題は、和声とピタゴラスが「違う」音高を要求することで複雑になります。そういうこと一切合切を含めて、「調弦をどうするか」という問題に結論がでるわけですね。
それをかなり「綿密に」検証しているのが、「弦楽器のイントネーション」です。もしお時間があるのでしたら、是非ご一読をお勧めします。
>>調弦も完璧純正だと矛盾が出てくるから、ちょっとごまかして、ごまかした結果が結果的に平均率に近いというだけでしょう。
その矛盾がなんなのか、そのために何が問題になるのか、という質問をpochiさんにしているのですが・・・
>>そもそも平均率自体、ごまかすために適当に決めたものですし…
このあたりはどうしよう・・・話の本論からはずれますが・・・もしそうした認識をお持ちでしたら、平均律が生まれるまでの経緯をお読みになるといいと思います。(ちなみに、バッハが平均律を書いたのは、平均律ではなくヴェルクマイスターの第三調律法でだったように記憶しています。)
>>で、別に平均率(に近いもの)で調弦しても音程感は育ちますよ。それではダメだというならピアノ弾きに音感のある人はいないことになりますしね。
はい。音感という言葉の定義にもよります。
音高を「覚える」といういみでは、楽器や調律法をとわず、感覚は訓練されます。しかし、「響き」「倍音」「はもり」などは、ピアノ育つ感覚はごくごく限られたものです。
ピアニストにも音程の良い人・悪い人がいます。ですから、ピアノを弾いていると音感が全く育たないわけではないでしょう。しかし、弦楽器的なイントネーションを考えると、ほとんどのピアノ弾きはその感覚を持ち合わせていないと思います。(そのこと自体がピアノの演奏に影響があるかどうか、と言う点については、いろいろな考え方があるでしょう。)
>>だから音程はあくまで正確に!ですけど、気持ち悪くならない程度で我慢してます。
もったいないことだと思います。
[1578]
Re: 調弦と音律
投稿日時:2002年08月25日 14:57
投稿者:あすぱら(ID:N3NDMik)
>じゅんさん pochiさん tamaさん マルタさん abcさん kimochiiさん
>taa さん、yc さん
色々な意見、ありがとうございます。とても参考になります。
私の説明不足で、本論以外に余計な心配をおかけしているような気もするので、ちょっと補足説明をさせてください。(長文で申し訳ありません。)
[あすぱらの状況]
>ピアノもチューナーもない場合にある程度自分でわかるように先生がそのようにおっし>ゃったのだと思います。 (じゅんさん:1569)
というわけではないのです。私は「純正律に調弦にするように。」とおっしゃっられた先生(以降、純正先生とよぶことにします。)以前に、3人ほどの先生に師事していました。その先生方は、特に調弦については何もおしゃっらず、私も当時は平均律以外の音律が存在することを知らなかったので(汗)、家にあったピアノで覚えた5度に合わせていました。(最初に書きましたピアノもチューナーもない、というのは最近の状況です。)1年に1度しか調律しないようなピアノだったので、今となってはもうわからないのですが、当時の私の調弦は、その平均律もどきでになされていたと思われます。
そして、ローデのカプリースを半分程度勉強したころ、純正先生に師事することとなりました。 まず最初に言われたことは、「君には音程がない。」でした。正直、私は何を言われているのか、さっぱりわかりませんでした。それなりに音程には気を遣って練習していたつもりでしたし、今までの先生にも、特に音程が悪いといわれたことはなかったからです。今思えば、ポイントは音程が「悪い」のではなく、「無い」というところにあったわけです。それから、まず半年ぐらいの間、楽器の響くボーイングを身につけるため、ひたすら開放弦のボーイングを、毎日練習することとなりました。ボーイングがなんとかなってきたところで、今度はスケールの練習を始めました。そしてその後約3年ほど、毎日のように1時間から2時間をスケールの練習に費やしました。そして約3年の後にやっと「基本的には、ピタゴラスのスケールを、弾けている。」と言っていただけるようになりました。「本当に弾けているのか?その先生の耳が悪いのではないか?」という疑問も当然あると思うのですが、その後、音程がすばらしいと思えるソリストの方のレッスンにいったときにも、そういっていただけたので、おそらく弾けているのではないかと思います。
[プロでもピタゴラスではないという点]
そして、pochiさんのおっしゃる「プロでもピタゴラスのスケールを弾く人は少ない」というのは、そのとおりだと思います。ただ、私には
1) ピタゴラスのスケールを弾こうと思えば弾けるのだが、音楽的にそれ
がよいとは思えないので、弾いていない。
2) ピタゴラスや平均律の区別を聴きわける必要があるとは思っていな
い。そんな微妙な差にこだわっても無意味だと思っているので、その
点については、深くこだわらずに弾いている。
3) ピタゴラスのスケールはわかっているが、技術的に弾けない。
のどれなのだかわかりません。
(特別な才能があるとも思えない私が練習した結果、弾けるようになったことを考えると、3)はまず、ありえない思いますが。)
また、私にはどのような音律で弾くのが「正しいか」という点は、わかりません。自分の好みとして、どのうような音律で弾くと美しく気持ちよく聴こえるか、というものがあるだけです。以下、美しい音程と書きますのは、私の主観であることをご了承ください。アルバンベルグや日本でいえばは芸大の岡山先生の音程は美しいと思いますが、日本の(海外のことは良く知らないので)プロオケのコンサートマスターや同じ芸大の先生でも、私には全然美しいと思えない音程(というか調性感の感じられない音程)で弾いている方もいらっしゃいます。そして、それはアルバンベルクや岡山先生より、そのコンサートマスターのかたがたが、総合的に下手だからということでは、たぶんないのです。総合的に高い技術がないとピタゴラス&純正の音程がとれないということではないらしいのは、自分が弾けるようになったことや、無名の学生さんでも、美しい音程で弾いていらっしゃる方がいることから推察されます。
結論をいいますと、「プロでもピタゴラスで弾いている人はいない。」という点については、私は趣味の違いだと思っていますので、ご心配なさらないでください。幸い私はアマチュアで、聴衆の好みの最大公約数を実現する必要にもせまられていないので。
(ついでにいうと、ピタゴラスが音楽的に正しいというわけではない、というご意見は私の感覚にはマッチします。たとえば私はピタゴラスより、導音は気持ち高めにとることが好きな場合が多いです。ただ、それはあくまでピタゴラスを基準として調性感を作った後に加わるスパイスのようなものではないかとは思いますが。)
[私の知りたいこと]
何はさておき、私が知りたいのは、
「私は、こういう音程をとるのが理想だと思っている。ゆえにこういう
調 弦 が都合が良い。」
という点だけです。
どういう音律で音程をとるのが「正しいか」あるいは「聴衆の好みにあっているか」、また、「その技術的な実現可能性」については、もっと別の議論になってしまうと思うし、私にはよくわからないので、ひとまずおいておきたいと思います。 (「この音程で音楽を作るときには、」という前提条件をあげていただければ、その前提条件の是非については、問わないということです。)
今までの、議論を拝見しますと、pochiさん、じゅんさんとtamaさんのご意見の間には、そもそも「どういう音程で音楽を作るか」という前提条件に、細かな違いがあるのではないかと思います。
言葉で議論するのは、大変な話題だと思いますが、とても真剣に知りたいと思っています。もう少し詳しく議論していただければと大変嬉しいです。どうぞ、よろしくお願いいたします。
>taa さん、yc さん
色々な意見、ありがとうございます。とても参考になります。
私の説明不足で、本論以外に余計な心配をおかけしているような気もするので、ちょっと補足説明をさせてください。(長文で申し訳ありません。)
[あすぱらの状況]
>ピアノもチューナーもない場合にある程度自分でわかるように先生がそのようにおっし>ゃったのだと思います。 (じゅんさん:1569)
というわけではないのです。私は「純正律に調弦にするように。」とおっしゃっられた先生(以降、純正先生とよぶことにします。)以前に、3人ほどの先生に師事していました。その先生方は、特に調弦については何もおしゃっらず、私も当時は平均律以外の音律が存在することを知らなかったので(汗)、家にあったピアノで覚えた5度に合わせていました。(最初に書きましたピアノもチューナーもない、というのは最近の状況です。)1年に1度しか調律しないようなピアノだったので、今となってはもうわからないのですが、当時の私の調弦は、その平均律もどきでになされていたと思われます。
そして、ローデのカプリースを半分程度勉強したころ、純正先生に師事することとなりました。 まず最初に言われたことは、「君には音程がない。」でした。正直、私は何を言われているのか、さっぱりわかりませんでした。それなりに音程には気を遣って練習していたつもりでしたし、今までの先生にも、特に音程が悪いといわれたことはなかったからです。今思えば、ポイントは音程が「悪い」のではなく、「無い」というところにあったわけです。それから、まず半年ぐらいの間、楽器の響くボーイングを身につけるため、ひたすら開放弦のボーイングを、毎日練習することとなりました。ボーイングがなんとかなってきたところで、今度はスケールの練習を始めました。そしてその後約3年ほど、毎日のように1時間から2時間をスケールの練習に費やしました。そして約3年の後にやっと「基本的には、ピタゴラスのスケールを、弾けている。」と言っていただけるようになりました。「本当に弾けているのか?その先生の耳が悪いのではないか?」という疑問も当然あると思うのですが、その後、音程がすばらしいと思えるソリストの方のレッスンにいったときにも、そういっていただけたので、おそらく弾けているのではないかと思います。
[プロでもピタゴラスではないという点]
そして、pochiさんのおっしゃる「プロでもピタゴラスのスケールを弾く人は少ない」というのは、そのとおりだと思います。ただ、私には
1) ピタゴラスのスケールを弾こうと思えば弾けるのだが、音楽的にそれ
がよいとは思えないので、弾いていない。
2) ピタゴラスや平均律の区別を聴きわける必要があるとは思っていな
い。そんな微妙な差にこだわっても無意味だと思っているので、その
点については、深くこだわらずに弾いている。
3) ピタゴラスのスケールはわかっているが、技術的に弾けない。
のどれなのだかわかりません。
(特別な才能があるとも思えない私が練習した結果、弾けるようになったことを考えると、3)はまず、ありえない思いますが。)
また、私にはどのような音律で弾くのが「正しいか」という点は、わかりません。自分の好みとして、どのうような音律で弾くと美しく気持ちよく聴こえるか、というものがあるだけです。以下、美しい音程と書きますのは、私の主観であることをご了承ください。アルバンベルグや日本でいえばは芸大の岡山先生の音程は美しいと思いますが、日本の(海外のことは良く知らないので)プロオケのコンサートマスターや同じ芸大の先生でも、私には全然美しいと思えない音程(というか調性感の感じられない音程)で弾いている方もいらっしゃいます。そして、それはアルバンベルクや岡山先生より、そのコンサートマスターのかたがたが、総合的に下手だからということでは、たぶんないのです。総合的に高い技術がないとピタゴラス&純正の音程がとれないということではないらしいのは、自分が弾けるようになったことや、無名の学生さんでも、美しい音程で弾いていらっしゃる方がいることから推察されます。
結論をいいますと、「プロでもピタゴラスで弾いている人はいない。」という点については、私は趣味の違いだと思っていますので、ご心配なさらないでください。幸い私はアマチュアで、聴衆の好みの最大公約数を実現する必要にもせまられていないので。
(ついでにいうと、ピタゴラスが音楽的に正しいというわけではない、というご意見は私の感覚にはマッチします。たとえば私はピタゴラスより、導音は気持ち高めにとることが好きな場合が多いです。ただ、それはあくまでピタゴラスを基準として調性感を作った後に加わるスパイスのようなものではないかとは思いますが。)
[私の知りたいこと]
何はさておき、私が知りたいのは、
「私は、こういう音程をとるのが理想だと思っている。ゆえにこういう
調 弦 が都合が良い。」
という点だけです。
どういう音律で音程をとるのが「正しいか」あるいは「聴衆の好みにあっているか」、また、「その技術的な実現可能性」については、もっと別の議論になってしまうと思うし、私にはよくわからないので、ひとまずおいておきたいと思います。 (「この音程で音楽を作るときには、」という前提条件をあげていただければ、その前提条件の是非については、問わないということです。)
今までの、議論を拝見しますと、pochiさん、じゅんさんとtamaさんのご意見の間には、そもそも「どういう音程で音楽を作るか」という前提条件に、細かな違いがあるのではないかと思います。
言葉で議論するのは、大変な話題だと思いますが、とても真剣に知りたいと思っています。もう少し詳しく議論していただければと大変嬉しいです。どうぞ、よろしくお願いいたします。
[1580]
Re: 調弦と音律
投稿日時:2002年08月25日 22:30
投稿者:りん(ID:FUFBVxA)
横からすみません。
ヴァイオリンを習いはじめて、半年の者ですがココを読んでいて
物凄く混乱してしまいました。
自分が弾いているのが、何なのかまったくわからなくなっています。
自分で(重音)調弦していますが、(442の音叉でAを取る。それから重音で)
これは平均律ですか?純正律でしょうか?
また、平均律とは個々の音をピアノで取って調弦する方法なのでしょうか?
純正律とは、どうやって調弦するのですか?
初心者がしゃしゃり出てきてすみません。でも、どうしてもわかりません。
気になって練習できずにいます。
どなたか教えて下さるとうれしいのですが。
もう一つ、五嶋みどりさんや諏訪内晶子さんなどは、平均律ですか?純正律ですか?
ヴァイオリンを習いはじめて、半年の者ですがココを読んでいて
物凄く混乱してしまいました。
自分が弾いているのが、何なのかまったくわからなくなっています。
自分で(重音)調弦していますが、(442の音叉でAを取る。それから重音で)
これは平均律ですか?純正律でしょうか?
また、平均律とは個々の音をピアノで取って調弦する方法なのでしょうか?
純正律とは、どうやって調弦するのですか?
初心者がしゃしゃり出てきてすみません。でも、どうしてもわかりません。
気になって練習できずにいます。
どなたか教えて下さるとうれしいのですが。
もう一つ、五嶋みどりさんや諏訪内晶子さんなどは、平均律ですか?純正律ですか?
[1582]
Re: 調弦と音律
投稿日時:2002年08月25日 23:58
投稿者:おたすけまん16号(ID:JzNBiRQ)
>1580
あらら、練習も出来ないほど混乱しちゃった。そりゃ大変。本末転倒、かな。
5度を重音で合わせる、そのこと自体は全く問題ありません、それで結構です。
極めて重要なことは、二音が正しい五度関係になってる、という判断をりんさんがどのようにしてなさってるかです。
ピアノに長年慣れ親しんでいたりして、ピアノの五度が染みついていて、その五度と同じになったら「合った」と判断しておられるのなら、重音でやっても平均律で調弦したことになります。
純正調五度の響きを習得しておられて、その耳で「合った」と判定したところにセットすれば、当然純正調で調弦したことになります。
純正5度は二音の周波数比が2:3(=1:1.5)という単純な整数比になっています。耳で判定可能です。少なくとも訓練可能でしょう。
ピアノの五度(平均律)は周波数比が1:1.498とかになります。この比率を、耳で判定しながら調律するのは、かなり~殆ど?無理でしょう。
どうしても平均律の五度が欲しければ、ピアノを参照して取ることになるのでしょう。
または、純正5度を得ておいてから、それを「少し」狭くすればよいのでしょう。
しかし、、、しかし、、、何故わざわざ純正五度をずらすのか、私には理解出来ていないので、このスレッドを興味深く拝見しているところです。
結論として、五度を重音で取る、こと自体は結構です。
極めて重要な課題は、二音がどういう響きのときに五度関係にあると判定するか、です。
これで練習に戻れるかしら? かえって混乱の度合いを高めたりして・・・
あらら、練習も出来ないほど混乱しちゃった。そりゃ大変。本末転倒、かな。
5度を重音で合わせる、そのこと自体は全く問題ありません、それで結構です。
極めて重要なことは、二音が正しい五度関係になってる、という判断をりんさんがどのようにしてなさってるかです。
ピアノに長年慣れ親しんでいたりして、ピアノの五度が染みついていて、その五度と同じになったら「合った」と判断しておられるのなら、重音でやっても平均律で調弦したことになります。
純正調五度の響きを習得しておられて、その耳で「合った」と判定したところにセットすれば、当然純正調で調弦したことになります。
純正5度は二音の周波数比が2:3(=1:1.5)という単純な整数比になっています。耳で判定可能です。少なくとも訓練可能でしょう。
ピアノの五度(平均律)は周波数比が1:1.498とかになります。この比率を、耳で判定しながら調律するのは、かなり~殆ど?無理でしょう。
どうしても平均律の五度が欲しければ、ピアノを参照して取ることになるのでしょう。
または、純正5度を得ておいてから、それを「少し」狭くすればよいのでしょう。
しかし、、、しかし、、、何故わざわざ純正五度をずらすのか、私には理解出来ていないので、このスレッドを興味深く拝見しているところです。
結論として、五度を重音で取る、こと自体は結構です。
極めて重要な課題は、二音がどういう響きのときに五度関係にあると判定するか、です。
これで練習に戻れるかしら? かえって混乱の度合いを高めたりして・・・
[1583]
Re: 調弦と音律
投稿日時:2002年08月26日 00:34
投稿者:りん(ID:JVggNGI)
おたすけまん16号さん
レスありがとうございます。少しはわかります。
わたしはAを音叉で合わせて、重音で弾く時は、二つの弦が本当に共鳴するように
(一つの音?に聴こえるまで)調弦しています。
だから、純正律でしょうか?
単音でその音がピアノの音かどうか?は合わせたことが無いので、分からないのですが、
色々な方のレスを読んでいると、平均律だと解放弦が使えないとあるので、
重音が一つの音のように聞こえない状態で調弦しているのでしょうか?
またまた、疑問が増えてしまいました。
わたしはそういう風に合わせて、音程が悪いところは先生がピアノを叩いたり
(ヴァイオリンで弾いたり)しているのですが、平均律で合わせていないとなると、
レッスンにピアノは必要無い?(伴奏以外に)ということでしょうか。
先生が始める時に、「もし家にピアノがあるのなら分からない音は、最初はピアノで
拾ってもいい」と言われたのですが、これは矛盾していますか?
なお、わたしはピアノは弾けません他の楽器も、経験はありません。
先生にはいちおう入る時に音感テストをされてから習いはじめたので、たぶん音感は大丈夫だと
思います。
うめさん
そうですか?ある一部の先生の本当よりも一般的な(演奏家の)調弦方法?の方が
いいな...と思ったので。初心者の考えなのですが。
レスありがとうございます。少しはわかります。
わたしはAを音叉で合わせて、重音で弾く時は、二つの弦が本当に共鳴するように
(一つの音?に聴こえるまで)調弦しています。
だから、純正律でしょうか?
単音でその音がピアノの音かどうか?は合わせたことが無いので、分からないのですが、
色々な方のレスを読んでいると、平均律だと解放弦が使えないとあるので、
重音が一つの音のように聞こえない状態で調弦しているのでしょうか?
またまた、疑問が増えてしまいました。
わたしはそういう風に合わせて、音程が悪いところは先生がピアノを叩いたり
(ヴァイオリンで弾いたり)しているのですが、平均律で合わせていないとなると、
レッスンにピアノは必要無い?(伴奏以外に)ということでしょうか。
先生が始める時に、「もし家にピアノがあるのなら分からない音は、最初はピアノで
拾ってもいい」と言われたのですが、これは矛盾していますか?
なお、わたしはピアノは弾けません他の楽器も、経験はありません。
先生にはいちおう入る時に音感テストをされてから習いはじめたので、たぶん音感は大丈夫だと
思います。
うめさん
そうですか?ある一部の先生の本当よりも一般的な(演奏家の)調弦方法?の方が
いいな...と思ったので。初心者の考えなのですが。
[1587]
Re: 調弦と音律
投稿日時:2002年08月26日 09:06
投稿者:おたすけまん16号(ID:JzNBiRQ)
>1583
>わたしはAを音叉で合わせて、重音で弾く時は、二つの弦が本当に共鳴するように
>(一つの音?に聴こえるまで)調弦しています。
> だから、純正律でしょうか?
そうだと思われます。
>単音でその音がピアノの音かどうか?は合わせたことが無いので、分からないのです
ピアノの五度をバイオリンにコピーしたとき、その五度がどう響くのか実験してみたいならともかく、おやりになる必要はない、と思います。
ただ、あらゆる場合にそうすべきだ、という人が居るので、議論になっているのですが。。。
>色々な方のレスを読んでいると、平均律だと解放弦が使えないとあるので、
それも論点の一つのようですが、良く分からない(必要に応じて基音を動かすのではないかと思うので)
ので、論者のお話を拝見しているところです。
>重音が一つの音のように聞こえない状態で調弦しているのでしょうか?
平均律で調弦する、ということは、「一つの音のように聞こえない状態」で調弦する、ということです。
その差はわずかですが、耳としては、合ってるか、合ってないか、の判定が出来始める(耳の訓練度にもよるでしょうが)程度の差ではあろうか、と思われます。
>わたしはそういう風に合わせて、音程が悪いところは先生がピアノを叩いたり
ピアノの音高にぴったり合わせろ、という意味でピアノを叩いている、と考えるとおかしいのでしょうね。「そこのミ、、、」という代わりに「約、この音」と指し示している「代名詞?」だと思えば良いのかも。
>(ヴァイオリンで弾いたり)しているのですが、
バイオリンで弾いてくれる方がうれしいですね。
> レッスンにピアノは必要無い?(伴奏以外に)ということでしょうか。
そこらもここの議論の進行に期待しているところです。つまり、ピアノで伴奏された場合のバイオリンの音律をどうするか。
五度はともかく{「1:1.5」と「1:1.498」の差(比)ですから十分に近似かも}三度{誤差約1%}なんか、どうするのか。
多分、和声的な箇所では、純正律で弾く。メロディ進行を優先するなら、ピタゴラス。そして、ピアノの三度和音に関しては「高度な技術」で解決して貰う、なんてあたりの話に発展して行くのか、と期待しています。
> 先生が始める時に、「もし家にピアノがあるのなら分からない音は、最初はピアノで
拾ってもいい」と言われたのですが、これは矛盾していますか?
ピアノの音高をバイオリンの正確にコピーする、という意味だと矛盾、というか、まずいというか。
ソルフェージュの補助としてピアノの助けを借りる、って感覚でよいのではないかと思います。
>なお、わたしはピアノは弾けません他の楽器も、経験はありません。
先生にはいちおう入る時に音感テストをされてから習いはじめたので、たぶん音感は
大丈夫だと思います。
「音感」ってなんのことだか知らないのでお答え出来ません。「音感」「音感がある/ない」「音感がいい/悪い」の定義はあるのかしら?
>わたしはAを音叉で合わせて、重音で弾く時は、二つの弦が本当に共鳴するように
>(一つの音?に聴こえるまで)調弦しています。
> だから、純正律でしょうか?
そうだと思われます。
>単音でその音がピアノの音かどうか?は合わせたことが無いので、分からないのです
ピアノの五度をバイオリンにコピーしたとき、その五度がどう響くのか実験してみたいならともかく、おやりになる必要はない、と思います。
ただ、あらゆる場合にそうすべきだ、という人が居るので、議論になっているのですが。。。
>色々な方のレスを読んでいると、平均律だと解放弦が使えないとあるので、
それも論点の一つのようですが、良く分からない(必要に応じて基音を動かすのではないかと思うので)
ので、論者のお話を拝見しているところです。
>重音が一つの音のように聞こえない状態で調弦しているのでしょうか?
平均律で調弦する、ということは、「一つの音のように聞こえない状態」で調弦する、ということです。
その差はわずかですが、耳としては、合ってるか、合ってないか、の判定が出来始める(耳の訓練度にもよるでしょうが)程度の差ではあろうか、と思われます。
>わたしはそういう風に合わせて、音程が悪いところは先生がピアノを叩いたり
ピアノの音高にぴったり合わせろ、という意味でピアノを叩いている、と考えるとおかしいのでしょうね。「そこのミ、、、」という代わりに「約、この音」と指し示している「代名詞?」だと思えば良いのかも。
>(ヴァイオリンで弾いたり)しているのですが、
バイオリンで弾いてくれる方がうれしいですね。
> レッスンにピアノは必要無い?(伴奏以外に)ということでしょうか。
そこらもここの議論の進行に期待しているところです。つまり、ピアノで伴奏された場合のバイオリンの音律をどうするか。
五度はともかく{「1:1.5」と「1:1.498」の差(比)ですから十分に近似かも}三度{誤差約1%}なんか、どうするのか。
多分、和声的な箇所では、純正律で弾く。メロディ進行を優先するなら、ピタゴラス。そして、ピアノの三度和音に関しては「高度な技術」で解決して貰う、なんてあたりの話に発展して行くのか、と期待しています。
> 先生が始める時に、「もし家にピアノがあるのなら分からない音は、最初はピアノで
拾ってもいい」と言われたのですが、これは矛盾していますか?
ピアノの音高をバイオリンの正確にコピーする、という意味だと矛盾、というか、まずいというか。
ソルフェージュの補助としてピアノの助けを借りる、って感覚でよいのではないかと思います。
>なお、わたしはピアノは弾けません他の楽器も、経験はありません。
先生にはいちおう入る時に音感テストをされてから習いはじめたので、たぶん音感は
大丈夫だと思います。
「音感」ってなんのことだか知らないのでお答え出来ません。「音感」「音感がある/ない」「音感がいい/悪い」の定義はあるのかしら?
[1588]
Re: 調弦と音律
投稿日時:2002年08月26日 09:14
投稿者:tama(ID:OCcCNSc)
pochiさん、および、この項をお読みの全ての方に
私がここまでこだわっているのは、以下のような理由です。
私が初めてヴァイオリンを教えて以来(その時は対象は子供でした)、今までいろいろな先生についた「結果」を見てきました。その結果とても驚いたことは、「いい加減なことを教えている」「生徒のことを考えていない」としか思えない先生があまりに多かったことです。
最近、大人になってから楽器を始める人たちが増え、いわば「ブーム」になっているようでもありますが、そういった人たちと出会って思わされたことは、「本当に一生懸命やろうとしている人たちが多い」ということです。もちろん、子供の頃から始めないと大きな負担がかかる部分もありますが、多くの「まじめな」人たちは、少しでもたくさんの曲を少しでも「上手に」演奏したい、と思っていらっしゃる。こういった人たちに、私たち「教える側」は、本当に真摯に対応しなくてはならないということなんです。
私はこういったHPというものを拝見するようになったのはごく最近のことですが、質問される方も本当に一生懸命ですよね。ですから、「先輩として」「先生として」答える側は、その問いかけには真剣に答えて欲しいと思うのです。
私だって、こんなところに書いているより、自分の練習をし、勉強をする時間の方が大切です。でも、pochiさんの応接があまりにも「いいかげん」なので、少々腹に据えかねた、というのが正直なところです。ですから、「意地悪」と感じられてもしかたありませんね。
話の矛盾、いい加減さを指摘し出すと終わらないので、二つだけ。
話題になっている「弦楽器のイントネーション」についての書き込みをもう一度ご覧下さい。この本を持ち出されたのは、pochiさんですね。初めは「この本に理論的なことが書いてある」というご紹介で、その後、「五度調弦が平均律であるということも書いてあるから読めばわかる。」という主旨の発言をされています。今回の書き込みでは、「この本は、よく話題に上り、批判されています。現実的には殆どの人が平均律で調弦しているのです。」という記述です。この部分を読んで、私もまじめに議論してきたことがばからしくなってきました。ご自分で「読め」とおっしゃった本が「批判が多くて多くの人は違うことをしている」ですか?あまりに無責任だと思います。
私は、常に、この項を読まれている「ヴァイオリンの学習者」を念頭に書いてきました。ですから、順を追って、矛盾が起きないように、わかりやすく、なるべく専門的な言葉も使わずに、そして、話の発展性を恐れずに、書いてきたつもりです。(それでも、もっとわかりやすく書けたはずだ、と反省しています。)しかし、矛盾を指摘されると、「疲れた」「面倒」と言って逃げてしまわれるのでは、一生懸命この項を読んでくださっている方々に対して、あまりに失礼です。
もう一つだけあげましょう。これが「根本」ですから。
pochiさんは、バッハのシャコンヌ(恐らく、他の無伴奏や同時代の他の作家の幾つかの曲もだと推測されますが)は、「こっそりと」純正に調弦し、他の場合は平均律に調弦されているそうです。そのことを書かずに「必ず平均律で調弦しなさい」と書いたのは、「企業秘密をばらしたくない」ことと、「どうせ読んでいる人はバッハなんか弾けないから」だ、ということのようです。この後の判断は、みなさんにお任せしたいと思います。
対応するよりも自分のことを例にした方がよさそうです。私は、自分が演奏するとき、オケと合わせる、オケの中で演奏する場合は、「純正よりやや狭め」に調弦します。恐らく平均律よりは若干広いだろうと思っています。ピアノと合わせるときはまだ迷います。しかし、最低音(G)の開放が重要になるときには、最後にピアノと自分のGを合わせてしまうこともあります。それでも、自分の耳で「ピンポイントに平均律に合わせる」自信はありません。弦のみの合奏の時には、場合や相手にもよります。一概には言えません。しかし、できるだけ純正に調弦した方が良いとは思っています。
ここをお読みの方々へ。
ヴァイオリンを初めて間もない、ないし、「自分の音程をきちんとした」と考えていらっしゃる方には、練習するときに純正で調弦することを強くお勧めします。その理由を書き始めると膨大なので、是非「弦楽器のイントネーション」をお読み下さい。
この本に「批判」があることは事実です。しかし、その批判は「非常に高度なレヴェル」であることも事実です。それは、「差音」を演奏者と聴衆がどの程度聴くだろうか、とか、強い倍音・弱い倍音による音程感覚の変化に対応するにはどうするか、ということなどです。これらは、特に始められたばかりの方々には「気にしなくても良い」レヴェルのことです。それよりも、きちんと純正に調弦することを覚え、うなりのない重音の響きを知り、ピタゴラスでスケールを弾くことを覚えることが、ヴァイオリンの上達の一番の近道だと信じています。(もちろん、音程に関する部分だけの話です。安定した調弦をするためには、ボウイングをしっかりしなくてはならいことも事実ですから。)
細かいことを言い出すと限りがないので、一応ここまでにしておきます。もしpochiさんが再び反論されるようでしたら、お付き合いいたします。
このような匿名な場所では、書いたことに責任も何も発生しません。本来は、それだからこそ「自信を持って書けること」を書くべきだと思います。少なくとも、これだけ多くの方々に「影響」するのですから。
>あすぱらさん
あすぱらさんの先生は、おそらく「弦楽器のイントネーション」で書かれていることを理解されているようです。ローデを半分すすまれてから音程を直すのは、想像を絶する苦労があったことだろうと推察します。おっしゃるように、「音程が悪い」ということと、「音程がない」ということは、根本的に違います。ですから、今の状態で出来るだけ古典的なものを弾かれると良いと思います。そして、ピタゴラス的な旋律・純正な和声感が十分に身に付いたら、調弦を「いじって」ピアノやオケで実際に演奏してみても大丈夫でしょう。平均律で調弦するなどということを考える必要はありません。
私がここまでこだわっているのは、以下のような理由です。
私が初めてヴァイオリンを教えて以来(その時は対象は子供でした)、今までいろいろな先生についた「結果」を見てきました。その結果とても驚いたことは、「いい加減なことを教えている」「生徒のことを考えていない」としか思えない先生があまりに多かったことです。
最近、大人になってから楽器を始める人たちが増え、いわば「ブーム」になっているようでもありますが、そういった人たちと出会って思わされたことは、「本当に一生懸命やろうとしている人たちが多い」ということです。もちろん、子供の頃から始めないと大きな負担がかかる部分もありますが、多くの「まじめな」人たちは、少しでもたくさんの曲を少しでも「上手に」演奏したい、と思っていらっしゃる。こういった人たちに、私たち「教える側」は、本当に真摯に対応しなくてはならないということなんです。
私はこういったHPというものを拝見するようになったのはごく最近のことですが、質問される方も本当に一生懸命ですよね。ですから、「先輩として」「先生として」答える側は、その問いかけには真剣に答えて欲しいと思うのです。
私だって、こんなところに書いているより、自分の練習をし、勉強をする時間の方が大切です。でも、pochiさんの応接があまりにも「いいかげん」なので、少々腹に据えかねた、というのが正直なところです。ですから、「意地悪」と感じられてもしかたありませんね。
話の矛盾、いい加減さを指摘し出すと終わらないので、二つだけ。
話題になっている「弦楽器のイントネーション」についての書き込みをもう一度ご覧下さい。この本を持ち出されたのは、pochiさんですね。初めは「この本に理論的なことが書いてある」というご紹介で、その後、「五度調弦が平均律であるということも書いてあるから読めばわかる。」という主旨の発言をされています。今回の書き込みでは、「この本は、よく話題に上り、批判されています。現実的には殆どの人が平均律で調弦しているのです。」という記述です。この部分を読んで、私もまじめに議論してきたことがばからしくなってきました。ご自分で「読め」とおっしゃった本が「批判が多くて多くの人は違うことをしている」ですか?あまりに無責任だと思います。
私は、常に、この項を読まれている「ヴァイオリンの学習者」を念頭に書いてきました。ですから、順を追って、矛盾が起きないように、わかりやすく、なるべく専門的な言葉も使わずに、そして、話の発展性を恐れずに、書いてきたつもりです。(それでも、もっとわかりやすく書けたはずだ、と反省しています。)しかし、矛盾を指摘されると、「疲れた」「面倒」と言って逃げてしまわれるのでは、一生懸命この項を読んでくださっている方々に対して、あまりに失礼です。
もう一つだけあげましょう。これが「根本」ですから。
pochiさんは、バッハのシャコンヌ(恐らく、他の無伴奏や同時代の他の作家の幾つかの曲もだと推測されますが)は、「こっそりと」純正に調弦し、他の場合は平均律に調弦されているそうです。そのことを書かずに「必ず平均律で調弦しなさい」と書いたのは、「企業秘密をばらしたくない」ことと、「どうせ読んでいる人はバッハなんか弾けないから」だ、ということのようです。この後の判断は、みなさんにお任せしたいと思います。
対応するよりも自分のことを例にした方がよさそうです。私は、自分が演奏するとき、オケと合わせる、オケの中で演奏する場合は、「純正よりやや狭め」に調弦します。恐らく平均律よりは若干広いだろうと思っています。ピアノと合わせるときはまだ迷います。しかし、最低音(G)の開放が重要になるときには、最後にピアノと自分のGを合わせてしまうこともあります。それでも、自分の耳で「ピンポイントに平均律に合わせる」自信はありません。弦のみの合奏の時には、場合や相手にもよります。一概には言えません。しかし、できるだけ純正に調弦した方が良いとは思っています。
ここをお読みの方々へ。
ヴァイオリンを初めて間もない、ないし、「自分の音程をきちんとした」と考えていらっしゃる方には、練習するときに純正で調弦することを強くお勧めします。その理由を書き始めると膨大なので、是非「弦楽器のイントネーション」をお読み下さい。
この本に「批判」があることは事実です。しかし、その批判は「非常に高度なレヴェル」であることも事実です。それは、「差音」を演奏者と聴衆がどの程度聴くだろうか、とか、強い倍音・弱い倍音による音程感覚の変化に対応するにはどうするか、ということなどです。これらは、特に始められたばかりの方々には「気にしなくても良い」レヴェルのことです。それよりも、きちんと純正に調弦することを覚え、うなりのない重音の響きを知り、ピタゴラスでスケールを弾くことを覚えることが、ヴァイオリンの上達の一番の近道だと信じています。(もちろん、音程に関する部分だけの話です。安定した調弦をするためには、ボウイングをしっかりしなくてはならいことも事実ですから。)
細かいことを言い出すと限りがないので、一応ここまでにしておきます。もしpochiさんが再び反論されるようでしたら、お付き合いいたします。
このような匿名な場所では、書いたことに責任も何も発生しません。本来は、それだからこそ「自信を持って書けること」を書くべきだと思います。少なくとも、これだけ多くの方々に「影響」するのですから。
>あすぱらさん
あすぱらさんの先生は、おそらく「弦楽器のイントネーション」で書かれていることを理解されているようです。ローデを半分すすまれてから音程を直すのは、想像を絶する苦労があったことだろうと推察します。おっしゃるように、「音程が悪い」ということと、「音程がない」ということは、根本的に違います。ですから、今の状態で出来るだけ古典的なものを弾かれると良いと思います。そして、ピタゴラス的な旋律・純正な和声感が十分に身に付いたら、調弦を「いじって」ピアノやオケで実際に演奏してみても大丈夫でしょう。平均律で調弦するなどということを考える必要はありません。
[1589]
Re: 調弦と音律
投稿日時:2002年08月26日 09:35
投稿者:tama(ID:VZVAFWA)
>りんさん
自分がいつも実際にしている調弦がどうなっているか、ということを確かめるためには、先生に聞いてみるのが一番です。教師というのは、ある意味で生徒の「耳」ですから。
チューナーで実際に確認する、という手はあります。調弦した後で視認することになりますね。
このような「紙上」では、できるアドヴァイスには限りがあります。ここで得られた助言を先生とのレッスンにフィードバックされることをお勧めします。
それと・・・みどりちゃんのチューニングですが・・・
私は絶対音感がありませんから、演奏の一点を聴いてそれが何ヘルツの音か、ないしは442のA音に対して純正の五度なのか平均律なのか、ということはわかりません。(開放弦の五度を弾く場所があればもちろんわかるでしょうが。しかし、その場合でも、彼女のようなボウイングでは、若干の音程変化が起きている可能性は否定できませんから、その音がチューニングをダイレクトに反映しているかどうかはわかりません。)
と・・書いて、ちょっと難しいと気がつきました。
長くなりますが、説明します。
弦は意外に「弱い」ものなので、ボウイングによって音程が「かなり」変化します。(実際にやってみるとよくわかります。)チューニングをするときは、ある演奏家はその信じるところによって調弦をします。しかし、演奏中は「常に自分が気持ちよいと思う方へ修正しながら」弾くのです。
これは、アマチュアの方でもすぐに理解できます。
試しに五度調弦を純正よりやや狭めにし、重音を弾いてみます。その時に、弓の圧力をやや強めにし、弦にかかるバランスをわざと崩します。すると、弾いている五度の間隔が変化することがわかります。純正より狭くしたはずなのに、純正に響いたように聞こえるところすらできるはずです。
実際の演奏では、こういう「修正」を「瞬間的に」「感覚的に」行える演奏家がいます。ですから、実演やCDを聴いただけで「始めに合わせた」調弦が純正であるか、やや狭いか、ということを「聞き取る」ことは、ほとんど不可能です。(もちろん、ベルクの協奏曲の冒頭などなら判断可能でしょうね。)
これでは答にならないので・・・
みどりちゃんは、ほとんど純正に近いところに合わせていると思います。先日聴いたコンサートで、G線は明らかにピアノより低いところがありました。(ただ、このときは、チューニングに注目していたわけではないので、確かなことは言えません。)もし本当にお知りになりたければ、マネージメントにでもお手紙してみればいいんじゃないかしら。彼女はそう言うことには真摯に答えてくれる人だと思いますよ。
自分がいつも実際にしている調弦がどうなっているか、ということを確かめるためには、先生に聞いてみるのが一番です。教師というのは、ある意味で生徒の「耳」ですから。
チューナーで実際に確認する、という手はあります。調弦した後で視認することになりますね。
このような「紙上」では、できるアドヴァイスには限りがあります。ここで得られた助言を先生とのレッスンにフィードバックされることをお勧めします。
それと・・・みどりちゃんのチューニングですが・・・
私は絶対音感がありませんから、演奏の一点を聴いてそれが何ヘルツの音か、ないしは442のA音に対して純正の五度なのか平均律なのか、ということはわかりません。(開放弦の五度を弾く場所があればもちろんわかるでしょうが。しかし、その場合でも、彼女のようなボウイングでは、若干の音程変化が起きている可能性は否定できませんから、その音がチューニングをダイレクトに反映しているかどうかはわかりません。)
と・・書いて、ちょっと難しいと気がつきました。
長くなりますが、説明します。
弦は意外に「弱い」ものなので、ボウイングによって音程が「かなり」変化します。(実際にやってみるとよくわかります。)チューニングをするときは、ある演奏家はその信じるところによって調弦をします。しかし、演奏中は「常に自分が気持ちよいと思う方へ修正しながら」弾くのです。
これは、アマチュアの方でもすぐに理解できます。
試しに五度調弦を純正よりやや狭めにし、重音を弾いてみます。その時に、弓の圧力をやや強めにし、弦にかかるバランスをわざと崩します。すると、弾いている五度の間隔が変化することがわかります。純正より狭くしたはずなのに、純正に響いたように聞こえるところすらできるはずです。
実際の演奏では、こういう「修正」を「瞬間的に」「感覚的に」行える演奏家がいます。ですから、実演やCDを聴いただけで「始めに合わせた」調弦が純正であるか、やや狭いか、ということを「聞き取る」ことは、ほとんど不可能です。(もちろん、ベルクの協奏曲の冒頭などなら判断可能でしょうね。)
これでは答にならないので・・・
みどりちゃんは、ほとんど純正に近いところに合わせていると思います。先日聴いたコンサートで、G線は明らかにピアノより低いところがありました。(ただ、このときは、チューニングに注目していたわけではないので、確かなことは言えません。)もし本当にお知りになりたければ、マネージメントにでもお手紙してみればいいんじゃないかしら。彼女はそう言うことには真摯に答えてくれる人だと思いますよ。
[1592]
Re: 調弦と音律
投稿日時:2002年08月26日 11:50
投稿者:行きずり(ID:JzNBiRQ)
1591
>>私は絶対音感がありませんから・・・
> やはりそうでしたか
これはどういう意味合いなんだろう。
絶対音感の定義を合わせないと話が進まないのでは?
絶対音感、ってのは、ある音が何Hzであるか(または、それに等価なこと)が分かることに「過ぎない!」のでは?
音楽で大事なのは相対音感なのだ、と思うけど。
>>私は絶対音感がありませんから・・・
> やはりそうでしたか
これはどういう意味合いなんだろう。
絶対音感の定義を合わせないと話が進まないのでは?
絶対音感、ってのは、ある音が何Hzであるか(または、それに等価なこと)が分かることに「過ぎない!」のでは?
音楽で大事なのは相対音感なのだ、と思うけど。
[1594]
Re: 調弦と音律
投稿日時:2002年08月26日 13:02
投稿者:ゆきずり(ID:JzNBiRQ)
>1593
その育てたい和声感は、ピアノで(平均律)で訓練してよいのだろうか?
ピアノの例えば、ドミソ、が綺麗だと思うか、濁ってると感じるか。
私は濁ってると感じたので理屈を勉強して、今、その物理的な意味は理解したつもりだ。
その育てたい和声感は、ピアノで(平均律)で訓練してよいのだろうか?
ピアノの例えば、ドミソ、が綺麗だと思うか、濁ってると感じるか。
私は濁ってると感じたので理屈を勉強して、今、その物理的な意味は理解したつもりだ。
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