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駒とナットのことで | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 19 Comments
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駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月22日 22:54
投稿者:弦太(ID:MngoISk)
駒とナットには、弦がとおるミゾがつけられてますが、このミゾの深さはどの程度が適正なのでしょうか?私の楽器では、駒のところで弦の直径の半分くらい、ナットのところで40%くらい埋まっているように見えます。あと、このミゾがどれくらい深くなったらダメな状態なのでしょうか?どなたかおわかりの方がいたら教えて下さい。
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Re: 駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月26日 14:11
投稿者:バラライカ(ID:MzVJlJA)
>駒のミゾの深さに関しては、楽器の事典「ヴァイオリン(東京音楽社)」
>第9章『ヴァイオリンの修理と調整(P.307)』にも、「ミゾの深さは弦が
>半分入るくらいに..」と書かれているので

私もこの本を持っているので、該当ページを調べたら、たしかに掲載されてる。セイジ氏の「珍説」を読んで、一瞬、もしや?と思ったが、やはり、半分くらい埋まった状態が基本の状態ということで良いわけだ。新品のときに半分埋まっていたら、使用しているうちに、半分以上埋まることもあるだろう。

ところで、知らない人が多いのは大変残念だが、弦をはじいて楽器の良し悪しを判定する方法は、佐々木庸一氏の名著「ヴァイオリンの魅力と謎(音楽之友社)」の293ページに載ってる。当然のことであえて言及する必要もないことだが、ピチカートだけで楽器の良し悪しが判定できるわけではない。見た目(作り)や健康状態のチェックは、試奏を始める前に「しっかりと」行うべきである。
すべての弦のすべてのポジションを弾いたり、様々なボウイングを試したりした後に、「追加的な(補助的な)判定方法として」いろいろな強さのピチカートを試すと、楽器の良し悪しがよくわかる。10台くらい楽器を並べて、かわるがわるピチカートをはじいてみると、弓で弾いたときとは違った「個体差」が感じられる。弓で弾いても、ピチカートではじいても、どちらも良い音が出る楽器が、良い楽器だと言える。弓で弾いて、AにすべきかBにすべきか迷ったら、ピチカートの音の良い方を選べば間違いない。
楽器店で試奏するときは、いきなり最初からピチカート全開の曲を弾くわけにはいかない。まず、最初は、ウォーミングアップで軽く指慣らしして、その後、十分に弾き込んでそらんじているコンチェルトやソナタの一節を弾く。楽器店の店主が、自分の演奏技量に安心して好きなように弾かせてくれる頃になったら、徐々にピチカートを試してみる。ただバンバンとはじくのでは能がないので、ブラームスのヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」の第一楽章の中間、ラヴェルのヴァイオリンソナタの第二楽章「ブルース」、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番の第1楽章の中間、パガニーニのカプリース第24番の第9変奏(左手のピチカート)、イザイの無伴奏ソナタ第2番の第3楽章の冒頭、といったピチカートを多用する曲を、最初は、少し遠慮気味に、そして、徐々に本番で弾くように本気で弾いてみる。
いま例に挙げたような曲が暗譜でスラスラと弾けるレベルであれば、店員から文句を言われたり怒られたりすることはない。あと自分は試奏に行くときは、けして1人では行かず、必ず1人か2人の友人を連れて行くようにしている。第一義的には少し離れたところで音を聴いて判定してもらうためであるが、試奏中の楽器に不測のトラブルが起きたときの自分側の証人(証言者)となってもらうためでもある。試奏中の楽器の弦が切れたり、弦が外れたりしたときに、たった1人で試奏していると、一瞬不安になるものであるが、複数の友人と一緒であれば、心強い。
私は、友人や後輩のために、楽器の選定を手伝ってやることが良くあるのだが、学習者用の機械製の量産ヴァイオリン、半手工のヴァイオリンは、コスト低減のため、じっくりと調整されていないことが多く、ナットや駒の溝が浅いことが多い。(なぜか深過ぎる例はほとんどみかけたことがない)そのため、弦を強くはじくと、弦がナットや駒の溝から外れることがある。上級者のみなさん、20万円以下の量産楽器など滅多に試奏することはないでしょうけど、機会があったら、強く弦をはじいてみよう。弦が外れて一瞬ビックリすることがあると思う。弦が外れたときに、「弦を強くはじいた自分が悪い。」などと思ってしまう人は、本当の上級者とは言えまい。上級者を自負するなら、「この楽器の溝の調整がいい加減だから、弦が外れたのだ。ちゃんと調整しておきなさい。」と言えるぐらいの自信をつけたいものだ。
私が楽器を選定してやって購入することが決まったら、その店の職人に命じて、溝の深さを適正に調整させた上で納品させている。糸巻きの動きが悪かったりした場合も、しっかりと調整させた上で納品させる。初めてヴァイオリンを買う人だと、こういう不具合には一切気がつかないので、先生や先輩や上級者がこうした点に注意して、適切にアドヴァイスしてやる必要がある。
以上、みなさんの役に立つと思われる情報を書かせていただいた。信じるかどうかは、各人の自由。
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Re: 駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月26日 21:48
投稿者:じのフランチェスカッティ(ID:JIZRASY)
> 弦をはじいて楽器の良し悪しを判定する方法は、佐々木庸一氏
> の名著> 「ヴァイオリンの魅力と謎(音楽之友社)」の293ページ
> に載ってる。

私もこの本を持っているので、該当ページを調べたら、たしかに弦をはじいて楽器の良し悪しを判定する方法掲載されている。
しかし、「バンバン、ベシベシ、バチバチ、という具合に強烈にはじくと良くわかる」とは書かれていない。
本には「指で弦をはじき、倍音が規則的に比較的長く響く楽器を選ぶとたいていその楽器は後で好きになれる」と書かれている。
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Re: 駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月26日 22:31
投稿者:バラライカ(ID:JElxdik)
私は、佐々木庸一先生の方法を応用してさらに1歩推し進めたってこと。100台以上の楽器(量産楽器は数に含めず)に試してみて、自分なりには実証できた。強烈なピチカートを試すときは、友人に5~7メートルくらい離れて聴いてもらうと、楽器の個体差が良くわかる。良く響きわたって適度に余韻のあるピチカートの鳴る楽器は、そう多くはない。楽器本体が良くても調整がまずいと、ピチカートの響きがすぐに減衰してしまう。
演奏者が、毎回一定の強さのピチカートができること、必要に応じて強烈なピチカートができること(これができる人は少ない)が前提であることは言うまでもない。
友人のGFプレッセンダやGAロッカと比較した場合、自分のMalengo Romano Rinaldiは、弓で弾いても勝てないが、ピチカートだと全然勝てない。ピチカートではじくと、明らかに格の違いを痛感する。弓で弾く場合よりも、ピチカートの方が音量や響きの違いがダイレクトにわかる。友人のGFプレッセンダやGAロッカであれば、フルオーケストラがバックにいても、ピチカートの音が透るだろうと思った。自分のRinaldiだと、ピチカートでは、オケの音に埋没するかも知れない。ピチカートだと、ヴィブラートその他の技術によるごまかしが効かないので、潜在的な音量・響きがバレテしまう。逆に、これを楽器の良し悪しの判定に応用すれば良いわけだ。
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Re: 駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月26日 23:47
投稿者:セイジ(ID:QHdGmVA)
日本語の意味がおわかりにならない方がいらっしゃるようなので
補足しておきますが、駒の溝の深さは弦の直径の半分程度が
限界で、それ以上深くなると発音が悪くなるので
調整が必要になるのです。

楽器にとって最良の状態とは、もうそれ以上は良くならない状態、
すなわち言い方を変えれば、後は悪くなる寸前の状態と考えてみれば
よろしいでしょう。

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Re: 駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月25日 01:46
投稿者:セイジ(ID:QHdGmVA)
私が調整を依頼している弦楽器店では
駒の溝に弦が直径の半分程度めりこんだら
新しい木片を埋めて、再度溝を切りなおします。
溝が深くなると、明らかに弦の発音が悪くなるからです。

張力を考えれば溝が浅いためにピチカートで弦が外れる
事故はまず起こりません。よほど無茶な弾き方を
しなければ無用の心配です。
また、弦のすべりのいい悪いも関係ないと思います。
の私の投稿にある・・・
「溝に弦が直径の半分程度めりこんだら
新しい木片を埋めて、再度溝を切りなおします」の意味は
そういうことです。

溝が深くなると発音が劣化するのをご存知の方も多いと思います。
耳の感度が良くない方には気が付きにくい緩慢な変化ですので、
定期的に楽器屋さんで健康診断をしてもらうのがよろしいと思います。

(耳が遠い人ほど大声でしゃべるものですが、弦を切るほど乱暴に
弾いて大きな音を出したがる人も、そうなのでしょうか?)
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Re: 駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月26日 23:57
投稿者:心配性(ID:JwRohGA)
僕の楽器を調べたら、弦がもう少しで半分くらい埋まりそうな状態です。E線は薄皮が張ってあるので大丈夫だと思うのですが、他の弦がこれ以上埋まらないようにするには、どうすれば良いでしょうか?ご教示下さい。(心配性なもので・・・)
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Re: 駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月27日 01:10
投稿者:セイジ(ID:QHdGmVA)
駒の溝は常に弦の圧力を受けていますので、徐々に
溝が深くなるのを防止することはできません。

しかし、溝が弦の直径の半分以上の深さになっても
すぐに楽器自体にダメージが加わる心配はありませんので
ご安心ください。

駒の溝が深くなり、結果として弦の両側から駒が
噛み付くような状態になりますと、弦の振動が邪魔されて
音の輝かしさが弱まり鳴りが悪くなります。

そうなると深くなりすぎた溝の部分に小さな木片を埋めて、
再度適切な深さに溝を切り直す作業をする必要が生じます。

この調整は素人には出来ませんので弦楽器専門店にご依頼ください。
料金は4弦分の溝を調整して2000円ぐらいです。

A線の鳴りがなんとなく悪くなったと感じられるようでしたら一度
専門家に見てもらうとよろしいでしょう。
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Re: 駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月27日 12:45
投稿者:マキシム(ID:GTOTVjA)
溝に銀の色鉛筆を塗ってやると、とてもすべりが良くなるので、溝が傷みにくくなる(深くなりにくくなる)ように思います。すべりが良ければ、抵抗(負荷)が減るわけですから、当然溝が痛みにくくなるのではないかと考えています。ぜひ、お試し下さい。金の色鉛筆も試してみましたが、自分は銀の色鉛筆の方が効果的だと思います。芯の柔らかい油性の銀の色鉛筆(高級品)がベストだと思います。
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Re: 駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月27日 18:25
投稿者:質問者(ID:dpZyBhA)
セイジ様へ、1点質問させて下さい。私は以前オブリガートやエヴァピラッチといった太い弦を張ってたのですが、最近ヴィジョンチタニウムという細めの弦に替えました。以前は弦が溝に半分埋まるかどうかだったのですが、現在は半分とちょっと埋まったように見えます。このように、弦を違う銘柄のものに替えた場合は、弦のとおる溝を切り(削り)直してもらった方が良いのでしょうか?(今のところ、特に不具合は生じていないように思いますが・・)
セイジ様の投稿はいつも拝見してますが、毛替えまでご自分でなさっているとのことで、実践的なアドヴァイスがいただけるかと思い、質問させていただきました。すみませんが、よろしくお願いします。
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Re: 駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月27日 19:37
投稿者:セイジ(ID:QHdGmVA)
弦の種類を細いものに変えた結果、溝幅がゆるめになるケースは
私も経験済みです。この場合、ベストの状態であるとは、多分いえ
ないと思われますが、音への影響は、弦の種類が変わった
ために同条件での比較が出来ず、よくわかりませんでした。

現状の音に不満がないのでしたら、そのままでもよろしいのでは
ないでしょうか。不安がおありでしたら楽器を弦楽器店に持ち込んで
見てもらってください。

私が溝の深さと音の関係知ったのは、自分の楽器のA線の
鳴りが悪くなったので弦楽器工房で点検してもらった時に、
駒の溝が深くなりすぎていたのが原因と判明したためです。
再度、溝を切りなおしたら鳴り方が大幅に改善されたので
驚きました。

ちなみに、私は楽器の調整はプロに任せておりますので、
自分で毛替をしたりはいたしません。どなたか他の方と混同されて
おられるようですね。
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Re: 駒とナットのことで

投稿日時:2004年09月28日 20:46
投稿者:質問者(ID:MzVJlJA)
セイジ様へ。毛替えを実践されているのはセー○○様でした。お名前を混同して大変申し訳ありません。このたびは、的確なお返事ありがとうございました。それでは。
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