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バイオリン弓についての素朴な疑問
投稿日時:2004年12月28日 23:55
投稿者:レッド(ID:h3IHdnA)
素朴な質問をさせて下さい。バイオリンには、2大名器と言われるストラディヴァリやガルネリのコピーが多く存在しますよね。でも、バイオリンの弓には、最高の名弓と言われるトルテのコピーは少なくて、トルテよりも格下のペカットやサルトリーのコピーが多いですよね。これはなぜなのでしょうか?トルテのコピーは作るのが難しいのでしょうか?
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[ 6コメント ]
【ご参考】
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Re: バイオリン弓についての素朴な疑問
投稿日時:2004年12月29日 09:26
投稿者:フランソワトルテ(ID:FnEJJRY)
ペカット、サルトリーそのものがトルテのコピーです。
トルテには刻印がありません、もっと時代が新しくなってくると刻印が打たれるのが一般的になりました。
ペカット(ドミニク)も刻印がないと思ってよいでしょう。
ペカットも何人もいます。
もし、トルテという刻印があるのなら、コピーです。
従って、トルテと言われるものの多くがペカットで、ペカットと言われるものの多くがメアーがあると言うのが暗黙の常識と言われています。
トルテには刻印がありません、もっと時代が新しくなってくると刻印が打たれるのが一般的になりました。
ペカット(ドミニク)も刻印がないと思ってよいでしょう。
ペカットも何人もいます。
もし、トルテという刻印があるのなら、コピーです。
従って、トルテと言われるものの多くがペカットで、ペカットと言われるものの多くがメアーがあると言うのが暗黙の常識と言われています。
[18184]
Re: バイオリン弓についての素朴な疑問
投稿日時:2004年12月29日 15:04
投稿者:レッド(ID:F3c1YSg)
フランソワトルテさん、お返事ありがとうございます。前回の記述があいまいでしたが、私が話題にしようとしているのは、新作弓のことです。
いろいろな新作弓のメーカー(杉藤、フィンケルなど)のカタログを見ておりますと、その大半が「ペカットモデル」で、時々「サルトリーモデル」を見かけるといった感じです。また、実際に店頭に並んでいる新作弓を見ていても、そういう傾向があるように思います。角弓の「トルテモデル」というのは、滅多に見かけないです。日本のトップメーカーのアルシェさんの高級品に、トルテモデルを見かける程度です。
この3つのモデルは、見た目が明らかに違いますね。特に、トルテモデルの場合は、角弓でやや直線的ですっきりとしたエレガントなデザインで、他の2つのモデルとは一線を画しているように思われます。
一方、新作バイオリンは、その7・8割がストラディヴァリモデルで、時々ガルネリモデルを見かける程度です。ごくたまに、アマティーモデルやガダニーニモデルを見かける程度です。これは、ストラディヴァリとガルネリが2大名器として人気があり、また2大名器と言われるだけの性能を備えているので、それら2大名器をコピーするのは当然の結果と言えると思います。
でも、新作弓の場合は、最高の名弓としてプロ奏者から強く求められているトルテにそっくりな(本物に忠実な)コピーをあまり見かけないのは、とても不思議です。
自分なりに考えた限りでは、①トルテの精巧なコピーを作るのは、ペカットやサルトリーのコピーを作るよりも難しい。つまりトルテの特性を再現するのは何らかの理由で難しい。(でも、トルテモデルだけがそんなに難しいはずはないですよね)、あるいは、②トルテは最高の名弓と言われているが、それは本物に限った話であって、コピー物の場合はペカットやサルトリーの方が優れている、という理由ぐらいしか思いつきません。
どなたか、私の疑問に明解なご回答をいただけませんでしょうか?
いろいろな新作弓のメーカー(杉藤、フィンケルなど)のカタログを見ておりますと、その大半が「ペカットモデル」で、時々「サルトリーモデル」を見かけるといった感じです。また、実際に店頭に並んでいる新作弓を見ていても、そういう傾向があるように思います。角弓の「トルテモデル」というのは、滅多に見かけないです。日本のトップメーカーのアルシェさんの高級品に、トルテモデルを見かける程度です。
この3つのモデルは、見た目が明らかに違いますね。特に、トルテモデルの場合は、角弓でやや直線的ですっきりとしたエレガントなデザインで、他の2つのモデルとは一線を画しているように思われます。
一方、新作バイオリンは、その7・8割がストラディヴァリモデルで、時々ガルネリモデルを見かける程度です。ごくたまに、アマティーモデルやガダニーニモデルを見かける程度です。これは、ストラディヴァリとガルネリが2大名器として人気があり、また2大名器と言われるだけの性能を備えているので、それら2大名器をコピーするのは当然の結果と言えると思います。
でも、新作弓の場合は、最高の名弓としてプロ奏者から強く求められているトルテにそっくりな(本物に忠実な)コピーをあまり見かけないのは、とても不思議です。
自分なりに考えた限りでは、①トルテの精巧なコピーを作るのは、ペカットやサルトリーのコピーを作るよりも難しい。つまりトルテの特性を再現するのは何らかの理由で難しい。(でも、トルテモデルだけがそんなに難しいはずはないですよね)、あるいは、②トルテは最高の名弓と言われているが、それは本物に限った話であって、コピー物の場合はペカットやサルトリーの方が優れている、という理由ぐらいしか思いつきません。
どなたか、私の疑問に明解なご回答をいただけませんでしょうか?
[18194]
Re: バイオリン弓についての素朴な疑問
投稿日時:2004年12月29日 23:44
投稿者:yc(ID:c0FxQSA)
作ること自体は特別難しいということはないと思います。
風格のような部分まで醸すことは難しいと思いますが。
トルテにはストラドと同じく、他の製作者とは一線を
画した貫禄があります。
アルシェの場合で言えば、トルテコピーを高級品しか
作らない理由は、安い材料で作ったところで、その良さ
よりも弾きにくさが先に立ってしまうせいです。高度な
演奏技術と弓に求めるこだわりが大きい方向けと
いうことになってしまうので、必然的に高級品のみの
設定となっています。物理的な弾きやすさだけを考えれば、
サルトリーの方が優れているという言い方も出来ます。
角弓が少ないのは、単純に旋盤で削ることができないから
だと思います。
それでは、良いお年をお迎え下さい。
風格のような部分まで醸すことは難しいと思いますが。
トルテにはストラドと同じく、他の製作者とは一線を
画した貫禄があります。
アルシェの場合で言えば、トルテコピーを高級品しか
作らない理由は、安い材料で作ったところで、その良さ
よりも弾きにくさが先に立ってしまうせいです。高度な
演奏技術と弓に求めるこだわりが大きい方向けと
いうことになってしまうので、必然的に高級品のみの
設定となっています。物理的な弾きやすさだけを考えれば、
サルトリーの方が優れているという言い方も出来ます。
角弓が少ないのは、単純に旋盤で削ることができないから
だと思います。
それでは、良いお年をお迎え下さい。
[18205]
Re: バイオリン弓についての素朴な疑問
投稿日時:2004年12月30日 02:33
投稿者:ワカラヅヤ(ID:ciNzWXA)
>物理的な弾きやすさだけを考えれば、サルトリーの方が優れているという言い方も出来ます。
とのことですが、サルトリーとペカットでの物理的弾きやすさは、どちらなのでしょうか?見た目でない違いを教えてください。ストラドとガルネリのような関係なのでしょうか。
とのことですが、サルトリーとペカットでの物理的弾きやすさは、どちらなのでしょうか?見た目でない違いを教えてください。ストラドとガルネリのような関係なのでしょうか。
[18214]
サルトリ-とペカット
投稿日時:2004年12月30日 21:01
投稿者:David Tecchler 1725(ID:JGGRiXI)
拝察致しますに、実際に弾いてみた事が無いようですが
引き易さという点ではサルトリ-だと思います。
ペカット(ドミニク)はやや前バランスで、テクニックが無いと
コントロ-ルが難しい弓だと思います。音は「芯」があり
非常にソリスティックな傾向を持っています。
サルトリ-は修行時代はシャルル・ペカットの工房に居ましたが、
その後アルフレッド・ラミ-の弟子になり独立しています。
この二人はいずれもボアランの弟子で、その影響が明らかです。
すなわち、非常に繊細な作風と、信じられないくらい整ったバランスです。
初期のサルトリ-はラミ-に酷似しています。その後力強さを増して居ますが、基本的にはバランスが良くラミ-よりも力の有る弓です。
それから、どなたかがトルテ、ペカットにはスタンプが無いと
書かれていますが(一般的にはそういわれていますが)
それは誤りで、スタンプが入っている物も相当数存在します。
また、ペカットがトルテのコピ-というのも誤りです。
実物のハチェットヘッドを見ればドミニク・ペカットが優れた
オリジナルを産み出したメイカ-であることが理解できます。
因みに、モ-ツァルトはトルテを弾いていました。
(これは実物が現存します)
ストラドとガルネリに例えるのは、比較そのものが間違っています。
実際に弾いてみれば判ると思いますが、ストラドは美しくて
レコ-ドの様な音がします。弾いていて自分で酔ってしまうような
感じですが、デルジェスは絹擦れの音といいますか、
胸が痛むような音のする楽器という印象です。
簡単に弾ける機会は無いかも知れませんが、ご自分の師匠の
楽器なり一流ディ-ラ-の展示会なりで積極的にトライされてみては
如何でしょうか。大袈裟に言えば、人生観が変わる位の感動が
あるかと思います。いずれに致しましても、数を弾かれると
ご自分でも良く理解出来ると思います。
余計な事かも知れませんが、年寄りのお節介でした。
引き易さという点ではサルトリ-だと思います。
ペカット(ドミニク)はやや前バランスで、テクニックが無いと
コントロ-ルが難しい弓だと思います。音は「芯」があり
非常にソリスティックな傾向を持っています。
サルトリ-は修行時代はシャルル・ペカットの工房に居ましたが、
その後アルフレッド・ラミ-の弟子になり独立しています。
この二人はいずれもボアランの弟子で、その影響が明らかです。
すなわち、非常に繊細な作風と、信じられないくらい整ったバランスです。
初期のサルトリ-はラミ-に酷似しています。その後力強さを増して居ますが、基本的にはバランスが良くラミ-よりも力の有る弓です。
それから、どなたかがトルテ、ペカットにはスタンプが無いと
書かれていますが(一般的にはそういわれていますが)
それは誤りで、スタンプが入っている物も相当数存在します。
また、ペカットがトルテのコピ-というのも誤りです。
実物のハチェットヘッドを見ればドミニク・ペカットが優れた
オリジナルを産み出したメイカ-であることが理解できます。
因みに、モ-ツァルトはトルテを弾いていました。
(これは実物が現存します)
ストラドとガルネリに例えるのは、比較そのものが間違っています。
実際に弾いてみれば判ると思いますが、ストラドは美しくて
レコ-ドの様な音がします。弾いていて自分で酔ってしまうような
感じですが、デルジェスは絹擦れの音といいますか、
胸が痛むような音のする楽器という印象です。
簡単に弾ける機会は無いかも知れませんが、ご自分の師匠の
楽器なり一流ディ-ラ-の展示会なりで積極的にトライされてみては
如何でしょうか。大袈裟に言えば、人生観が変わる位の感動が
あるかと思います。いずれに致しましても、数を弾かれると
ご自分でも良く理解出来ると思います。
余計な事かも知れませんが、年寄りのお節介でした。
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Re: バイオリン弓についての素朴な疑問
投稿日時:2004年12月31日 21:13
投稿者:レッド(ID:FjIVIjY)
yc様、David Tecchler 1725様、わかりやすく回答して下さいまして、ありがとうございました。やはりトルテは別格なのですね。本物を見てみたいものです。
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