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弓の毛替 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 6 Comments
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弓の毛替

投稿日時:2005年01月10日 18:40
投稿者:セイジ(ID:QHdGmVA)
弓を毛替に出すと半月リングの脇に金具でこすったような
直線的な傷が付いて帰ってくることが3回続きました。
店を変えてやってみたのですが同じ結果でした。

金具を外す際に傷がつくのは技術的に避けられないものなのでしょうか?
毛替の上手な店ということで、以前のスレッドで
いくつかの名前が推薦されていましたが、そういうお店なら
金具の扱いは大丈夫でしょうか?
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セイジさんいつもお世話になります

投稿日時:2005年01月10日 19:16
投稿者:セーブル(ID:MTl5l3A)
最近私が利用するようになった工房では、バイスのほかに自作の道具を使ってフェルールを抜いているようです なるほどその道具を見れば、傷つくことも、つぶしてしまうこともないように思われます(金は頼んだことがないので分かりません)

古い弓はもう最初から傷が沢山あるので、毛換えの際に工房で付いたのか分かりませんが、新しいものはそういったコツを掴んでいる工房なら安心だと思います でも、「絶対に傷つかない」のではなく、正確には「傷が付いたことがないと思う」という表現が正しいのかもしれません (具体的に工房名を出せなくてすみません)

弓の毛換えマニュアルには、「バイスでフェルールを挟んで、フロックを上下左右にこじって抜く」と書いてあります そのあとに「もしつぶれた場合は・・・」などと続きます もともと非常にリスクを伴う作業のようですね
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Re: 弓の毛替

投稿日時:2005年01月11日 00:03
投稿者:カノン(ID:QjAhYlk)
銀の金具に比べると、金の金具はキズがつき易いですが、手際が良くて丁寧(誠実)な仕事をする職人さんであれば、目立つようなキズをつけずに毛替えしてくれるものです。貴重なゴールド金具にキズをつけるなんて、全く許しがたいことです。
セイジさんがおっしゃっているようなキズがついた場合は、「次回からは、こういうキズがつかないように気をつけて下さい。」と言えば、たいていの職人さんは1ランクか2ランク丁寧な作業をしてくれるものです。1度注意しても直らないようであれば、信頼できる腕の良い別の工房を探した方が良いと思います。
これはとても腹立たしいことですが、何も言わない(おとなしい)客には85点ぐらいの作業をして、ちょっとうるさい客には90点ぐらいの作業をして、もっとうるさい客95点ぐらいの作業をする、という風に、客によって仕事のレベルを使いわけている工房が多いです。その証拠に、どこの工房でも、きちんとした根拠を持ってクレームをつけると、必ず、次回以降の作業が、レベルアップする傾向があります。特にこれは毛替えの作業において顕著です。
まるで1本のリボンのように見えるくらいバランスの良い「高精度の毛替え」が理想ですが、本気を出せばそういう高精度の作業ができる職人でも、たいていの職人は、普段は本気を出していないように思います。
クレームをつけられたり、細かい指示を出されたりして、はじめて本気を出す、あるいは、依頼主がプロの奏者だから本気を出す、という職人が多いように思います。これは本当に腹立たしいことです。同じ料金を払っているのに、客を見て、仕事のレベル(質)を変えているということです。
そういう意味では、毛替えを依頼するときには、毛の量、毛の長さ、左右のバランスなどについて、「毎回」「細かく」指示を出す必要があると言えるでしょう。ただ「毛替えお願いします。」と言うだけのお客さんに対しては、職人は、彼の最高レベルの仕事をしてくれない(本気を出してくれない)のですから。
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Re: 弓の毛替

投稿日時:2005年01月11日 00:54
投稿者:セイジ(ID:QHdGmVA)
セーブルさま、カノンさま、レスありがとうございます。
傷をつけられたのは無傷だった新作弓ですので
余計に腹が立ちます。

手元にあるフレンチオールドの金具には
そういう傷は見当たりませんので、前の所有者が
上手い職人にやらせていたのでしょう。
いきなりオールド弓の毛替を任せるのは怖いので
新作で職人を試しましたが駄目でした。

20年以上前になりますが、御茶ノ水のSで交換させると
短時間で傷もつけずに上手に仕上げてくれたものですが、現在は
職人も入れ替わってしまったようですからどうなんでしょうね。
毛替は毎日たくさんの量をこなしている職人が上手だとも
聞きますが。
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Re: 弓の毛替

投稿日時:2005年01月11日 22:29
投稿者:カノン(ID:ICI2ZkE)
セイジ様へ。無傷の新作弓の金具をキズつけられたとのことですが、金具はゴールドでしょうか?それともシルバーでしょうか?ゴールドよりも硬くてキズのつきにくいシルバーの金具にキズをつけるようでは、その工房の技術レベルは低いと言えるでしょう。
信頼できる工房であれば、そのキズを見せれば、何らかの「誠意ある対応」をしてくれるはずです。ちょっとしたキズであれば、目立たなくすることができます。いわゆる金磨き(銀磨き)クロスで磨くことによって、キズを目立たなくすることができるのです。
私は、象牙フロッグ&ゴールド金具のモダン弓を持ってますが、象牙は欠け易く、ゴールドはキズつき易いので、本当に信用できる工房でしか毛替えができません。
前回書きましたとおり、職人さんに本気レベルの仕事をしてもらえるかどうか、で毛替えのレベルが上下するので、言うべきことはキッチリと言った方が良いと思います。
私の先生はプロオケのヴァイオリン奏者で、私と同じ工房で毛替えしています。以前、先生の弓を見させていただき、さらに弾かせていただいたことがありました。オールドの高価な弓なので弾き易く音も素晴らしかったですが、毛のバランスの良さ、仕上がりの良さに驚きました。同じ料金(7,350円)を出している自分の弓と比べて、最低でも1ランク上の仕上がりだと思いました。それを見て、とても悔しく残念に思ったので、先生にお願いして、先生が毛替えするときに、一緒に私の弓も(先生のスペアの弓ということにして)毛替えしてもらいました。すると、先生の弓と同じ素晴らしい仕上がりになって帰ってきました。毛の選別の時点で質の悪い毛(枝毛など)を徹底的に除いてあり、また、毛の左右のバランスも完全に均等で、毛を「軽く」張るだけで、まるで1本のリボンのようになります。
私は、その弓は先生から買ったことにして、その次に毛替えするときは、「今の毛のバランスがすごく弾き易いので、同じ状態になるように毛替えして下さい。」と依頼しています。もちろん、季節によって、微妙に毛の長さは調整してもらってますが。
このエピソードを読んでいただけば、職人が「人を見て」仕事をしていることが良くわかるかと思います。ならば、それを逆手にとって、ウルサ型の人間になって「良い仕事」をしてもらえば良いのです。皆で知恵を出し合って、職人・店員になめられない「賢い消費者」になりましょう。
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Re: 弓の毛替

投稿日時:2005年01月11日 22:56
投稿者:セイジ(ID:QHdGmVA)
カノン様  重ねてのご教示ありがとうございます。
私の弓の金具は銀です。残念ながら、ご指摘のように
だまって毛替をやらせると小傷をつけて返してくる店は
少なくないようです。

次回からは職人に金具の傷の有無を確認させてから
作業をやらせようと思います。また、毛の分量や左右の
バランスにも細かい注文を出して、うるさい客を演じた
方がいいみたいですね。

それにしても楽器本体を購入したので、以後、楽器の
メンテナンスをやらせている店に、弓を出したくないという
のは困ったものです。
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Re: 弓の毛替

投稿日時:2005年01月14日 19:26
投稿者:カノン(ID:KGNjdZA)
銀の金具にキズをつけるとは全くヒドイ話ですね。変な例えですが、歯の治療に行って、歯は治ったけど、歯ぐきや舌やくちびるをキズつけられたようなものです。弓って、まさに右手の延長なわけで、長年愛用していると、弓のことを、自分の右手の分身のように感じるものです。
金具だけでなく、スティックやヘッドやフロッグにキズがないかどうか詳細にチェックしてみて下さい。金具にキズをつけるようなガサツな職人は、他の部分にもキズをつけているかも知れません。もし、そういうキズを見つけたら、今後のこともあるので、丁寧に、しかし毅然とした口調で抗議した方が良いでしょう。誠実で信頼できる工房ですと、正当なクレームをつけた際には、次回の毛替えを無料でやってくれるものです。
フレンチオールドの金具には、キズをつけられないように気をつけて下さい。私の経験に基づくアドヴァイスがお役に立てば幸いです。
弦楽器の修理・調整においては、客が職人を育てる、という面は少なからずありますので、言うべきことはキッチリ・ハッキリ言った方が自分だけでなく、弦楽器愛好家みんなのためになります。それでは。

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