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パールマンの言う演奏法 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 9 Comments
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パールマンの言う演奏法

投稿日時:2005年05月23日 07:16
投稿者:ペールマン(ID:IxApEFY)
先日 the art of violin を見て疑問の感じたのですが。
パールマンが昔の演奏家は弓を前後に動かしました。
今日では時代遅れ(タブーです)の演奏法です。
と言うシーンがあるのですが、

この弓を前後に動かすとはどういう意味なのでしょうか?
お分かりになる方お願い致します。
【ご参考】
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Re: パールマンの言う演奏法

投稿日時:2005年05月23日 23:23
投稿者:Geiger1951(ID:IzKSJzY)
たしかに
"back and forth……"
なんちゃらかんちゃらと聞こえますね。
英語のニュアンスに明るくありませんが私見では:
身振りから見て下げ弓上げ弓のことかも知れない。

正反対の人をあのDVDから探してみましょう。
それの一番はっきりしている人は多分ナタン・ミルスタインでしょう。
かれはアップのあとアップ、ダウンのあとダウン。
表現手段として弓の方向の切り替えを縦横に行います。
あの鋭く切れのよい音色はこうして作られるのでしょうね。
エルマンの古い映画なんかはアップとダウンがかなり規則的なように思われます。あの、飽く迄甘いエルマントーンはそれと関係ありそうです。
ハリウッドでのチャイコフスキーは違うエルマンが見られますが…。

The Art of ではありませんがオイストラフの戦前の映像も割りにそう見えます。しかしオイストラフもThe Art of でのショスタコのカデンツァ('67年?)ではすばやく弓の方向を切り替えて表現を拡張していますね。
もっと英語に堪能な方のご登場を冀い願い上げ奉ります。
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Re: パールマンの言う演奏法

投稿日時:2005年05月24日 00:54
投稿者:すちゅあーと(ID:QkN5MlY)
あれは誤訳で、英語では"左手のシフト(ポジション移動)時にスライド音(ポルタメント)を入れるか否か"、という話だったと思います。「昔の演奏家はポルタメントを多用しましたが、現在はタブーとされています。私は好きですが」というようなことをパールマンが言っていたように記憶しています。事実パールマンはポルタメント大好きですよね。

私はBSで放送されたものしか見ていませんが、過去2回の放送のうち、1回目の放送字幕の「弓を前後に」というところが、2回目では「左手をスライドさせて」だかに直っていたように思います。
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Re: パールマンの言う演奏法

投稿日時:2005年05月24日 06:45
投稿者:ねこまま(ID:OBFBYoA)
それ、フレンチ・シフティングっていうのですか?
いきなりすみません、昔から気になっていたもので......
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フランス語の字幕

投稿日時:2005年05月24日 19:53
投稿者:Geiger1951(ID:IzKSJzY)
パールマンの英語は非常に苦手ですねー。
すちゅあーとさんの示唆で、ためしにDVDの字幕をフランス語にして見ると、現代と1940年代の間の奏法の変遷(L'evlution du style de jeu)は……デマンシェとグリセの仕方(leur facon de demancher et ,de glisser)にある、と有りますので、お説の通りらしいです。
glisserは正しくグリッサンドで、その直後にシゲティがグリッサンドかける記録があります。
ご教授ありがとう御座いました。
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Re: パールマンの言う演奏法

投稿日時:2005年05月25日 08:56
投稿者:pochi(ID:NmaVU1E)
パールマンの英語は比喩や冗談を交えますので、難しいのは当たり前ですが、レッスン中は楽しいですよ。マスターコースを取ってみたのですが、周りは蒼々たるメンバーで、私は下手なので、相手にされませんでした。左手のシフティングが独特なので、真似をする事をお勧め致しません。指が異常に器用で間接が柔らかいので普通の人は真似が出来ません。真似をしたいのなら、取りあえず、重音で指を独立させてスライドしてみて下さい。

弓は、弦に対して平行にしないで弾いた時の効果を最大限に生かします。これは比較的簡単なのですが、彼の右手も非常に柔らかく、親指、人差し指、中指の3本で弾いて居る事が良く有りました。非常に発音が良い楽器でないと真似は出来ないので、中級者までの人には関係のない奏法です。
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Re: パールマンの言う演奏法

投稿日時:2005年05月25日 20:38
投稿者:Hikky(ID:ZgBYcUA)
DVDで確認したところ、Shiftingについてで、昔の奏者はたびたびback and forthにslideさせた、と言っていますね。

この場合のsliedというのは必ずしもポルタメントやグリッサンドとは限らないのではないでしょうか?同一ポジションで移弦するよりも上がったり下がったりを頻繁に繰り返した、ということだと思います。偶数ポジションが敬遠されていた時代もあったようですし。その際にはポルタメントが入ることも多々あったでしょうね。
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Re: パールマンの言う演奏法

投稿日時:2005年05月25日 22:59
投稿者:ペールマン(ID:JZKGMBE)
たくさんのご回答ありがとうございます。
私自身、弓の方向の切り替えやポルタメント、グリッサンドなどとても重要なテクニックであると思っています。(私自身かなり意識的に使います)
現代の演奏法でこれらがもしタブーであるならとても残念な事と思います。
(個人的な意見です)
昔の演奏家、とくにハイフェッツ、エルマンなどはヴァイオリン弾きでなくとも、彼らであることが判るくらいこれらを駆使したインパクトのある演奏をしていました。
皆さんは現代の均一的な演奏についてどう思われますか。
ヴァイオリニスト全般のレベルは昔に比べてかなり上がっているとは事実でしょうけど。
(生意気な事を言っているのは分かっています。ごめんなさい)
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Re: パールマンの言う演奏法

投稿日時:2005年05月26日 02:04
投稿者:kokukirin(ID:NhZTMkE)
時代遅れのポルタメントというのは、移動後に押さえるの指によるポルタメントのことで、移動前の指によるもののことではないのでは?
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Re: パールマンの言う演奏法

投稿日時:2005年05月26日 13:34
投稿者:marco(ID:M0R2czA)
私見ではHikkyさんに同意です。フィンガリング及びポジション移動の話しと思います。(その結果としてのポルタメントにも関連するとは思いますが。)
Doverから出てるシゲティの著書"Szigeti on the Violin"(最近邦訳版が出ているのを見かけました)を読んでみますと、”同一音程の連続の場合に押さえる指は変えるべき”とか
”同一ポジションで引けるパッセージもわざわざポジション移動や移弦を含める”といったシゲティのこだわりが譜例を交えて解説されています。
"Shifting back'n forth"はこのようなシゲティのこだわりからくるものと思われます。
私自身、同書中の譜例のフィンガリングはやや抵抗あるのですが、現代の効率性重視からシゲティがいっているような"Shifting back'n forth"になるフィンガリングがタブーとされるようになってきたのではないかと想像します。みなさんどう思われるでしょうか?

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