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毛替え直後の弓の毛の長さについて
投稿日時:2006年12月09日 12:15
投稿者:どんぐり(ID:OZURk4k)
どんぐりと申します。毛替えについてお尋ねしたいことがあります。
毛替えをしてから1ヶ月、2ヶ月と経過すると、弓の毛は徐々に伸びてきますよね。実際には、毛そのものが伸びるだけでなく、クサビの遊び部分が詰まることで、毛が長くなるようです。
毛が長くなってくると弾きにくくなるので、毛替え直後は、アジャスターを完全に緩めても少しだけ毛が張った状態になるように、私は毛替えをしてもらっています。(私が指定している毛の長さのイメージについては、下記の参照ページをご覧下さい。)
ここ数年は、毛替えの上手い工房を探すために、いろいろな工房に行って毛替えしていますが、新たに行った工房では、まず、こうした趣旨を説明してから、毛の長さを指定しています。
ただ、中には、「毛を短くすると弓がへたり易くなる。(弓に負担がかかる。)」などと言って、毛替え直後の状態がちょっと短めになることを嫌がる工房もあります。
そういう工房には、その工房がベストだと考える毛の長さで張らせてみて、1ヶ月ぐらい経過して毛が伸びてきたら、その工房に弓を持って行って見せて、「こんなに伸びてしまって弾きにくくなったので、私が指定する毛の長さで毛替えをやり直しして下さい。(クレーム対応なので当然無償で!)」と言っています。
毛の左右のバランスが狂ってきたりした場合も、同様にクレーム対応で無償にて毛替えのやり直しをしてもらっています。
私は、毛替え直後にちょっとだけ毛が張ったような状態になる程度であれば、弓が痛むなどということは無いのではないかと思います。演奏中はずっとずっと毛が張った状態で、しかもそれなりに圧力をかけながら弾いているわけですから、それに比べれば、全然大した負荷ではないと思います。
毛替えする際に、みなさんは毛の長さをどのように指定されておられますか?
なお、毛の量とか毛の長さを指定すると、弓の毛に対する意識の高い人だと職人さんに認識してもらえるので、より丁寧に毛替えをしてもらえるメリットがあるように思います。
参照ページ
ttp://www.sasakivn.com/werkstatt/qa/behaqual.htm
(最初に半角英字のhをつけてご覧下さい)
毛替えをしてから1ヶ月、2ヶ月と経過すると、弓の毛は徐々に伸びてきますよね。実際には、毛そのものが伸びるだけでなく、クサビの遊び部分が詰まることで、毛が長くなるようです。
毛が長くなってくると弾きにくくなるので、毛替え直後は、アジャスターを完全に緩めても少しだけ毛が張った状態になるように、私は毛替えをしてもらっています。(私が指定している毛の長さのイメージについては、下記の参照ページをご覧下さい。)
ここ数年は、毛替えの上手い工房を探すために、いろいろな工房に行って毛替えしていますが、新たに行った工房では、まず、こうした趣旨を説明してから、毛の長さを指定しています。
ただ、中には、「毛を短くすると弓がへたり易くなる。(弓に負担がかかる。)」などと言って、毛替え直後の状態がちょっと短めになることを嫌がる工房もあります。
そういう工房には、その工房がベストだと考える毛の長さで張らせてみて、1ヶ月ぐらい経過して毛が伸びてきたら、その工房に弓を持って行って見せて、「こんなに伸びてしまって弾きにくくなったので、私が指定する毛の長さで毛替えをやり直しして下さい。(クレーム対応なので当然無償で!)」と言っています。
毛の左右のバランスが狂ってきたりした場合も、同様にクレーム対応で無償にて毛替えのやり直しをしてもらっています。
私は、毛替え直後にちょっとだけ毛が張ったような状態になる程度であれば、弓が痛むなどということは無いのではないかと思います。演奏中はずっとずっと毛が張った状態で、しかもそれなりに圧力をかけながら弾いているわけですから、それに比べれば、全然大した負荷ではないと思います。
毛替えする際に、みなさんは毛の長さをどのように指定されておられますか?
なお、毛の量とか毛の長さを指定すると、弓の毛に対する意識の高い人だと職人さんに認識してもらえるので、より丁寧に毛替えをしてもらえるメリットがあるように思います。
参照ページ
ttp://www.sasakivn.com/werkstatt/qa/behaqual.htm
(最初に半角英字のhをつけてご覧下さい)
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Re: 毛替え直後の弓の毛の長さについて
投稿日時:2006年12月11日 21:31
投稿者:どんぐり(ID:OZURk4k)
セロ轢きのGosh様
お返事ありがとうございます。毛の長さや量の指定の方法ですが、今張ってある状態=毛替えの直前の状態、を基準にして「毛の長さはこの状態よりも少し短く。毛の量はこの状態より少し多く。」というふうに指定しています。
毛の量に関して、「今の状態よりもあと数本多いぐらいが好みです。」というような指定をすることもあります。
毛の長さに関しては、毛を完全に緩めたとき(フロッグが巻き皮にぶつかって止まった状態のとき)、弓の中央で毛とスティックの隙間が1ミリぐらい、というような指定をすることもあります。
季節は多湿期に向かう時期は1.5~2.0ミリくらい、乾燥期に向かう時期は0.5~1.0ミリくらいと指定するなど、そのときの気候を考慮して、具体的に指定します。
また、毎回必ず高精度デジタル温度湿度計を持って行って、工房の気温と湿度をチェックしています。そのデータを基に、どういう指定をするか毎回考えます。
こちらが工房の湿度をチェックしていると、毛替えの上手な職人さんは、たいてい、私の家の湿度を質問してきます。
毛の長さ・毛の量など指定したり、湿度に関するやり取りをする中で、ある種の信頼関係が築かれていくように思います。
何も指定しないで依頼している人は、すごく損しているように思います。
技量があって誠実な職人さんと言えども、やはり、人間ですので、細かく指定する人とそうでない人のときでは、職人さんが自分自身に課す作業精度のシビアさが微妙に違うように思います。そういう意味でも、せめて、毛の量と毛の長さぐらいは、自分の好みを伝えて、その指示をできるだけ忠実に守らせるようにするのがベストではないかと思います。
そして慣れてきたら、毛の左右のバランスや、不良な毛(枝毛など)の間引き(マビキ)など、毛を張る前の段階での毛の選別などに対して、より細かい注文をつけるようにすると、ソリストやプロ奏者向けにやっている最高精度での毛替えをやってもらえる可能性が高くなるように思います。
お返事ありがとうございます。毛の長さや量の指定の方法ですが、今張ってある状態=毛替えの直前の状態、を基準にして「毛の長さはこの状態よりも少し短く。毛の量はこの状態より少し多く。」というふうに指定しています。
毛の量に関して、「今の状態よりもあと数本多いぐらいが好みです。」というような指定をすることもあります。
毛の長さに関しては、毛を完全に緩めたとき(フロッグが巻き皮にぶつかって止まった状態のとき)、弓の中央で毛とスティックの隙間が1ミリぐらい、というような指定をすることもあります。
季節は多湿期に向かう時期は1.5~2.0ミリくらい、乾燥期に向かう時期は0.5~1.0ミリくらいと指定するなど、そのときの気候を考慮して、具体的に指定します。
また、毎回必ず高精度デジタル温度湿度計を持って行って、工房の気温と湿度をチェックしています。そのデータを基に、どういう指定をするか毎回考えます。
こちらが工房の湿度をチェックしていると、毛替えの上手な職人さんは、たいてい、私の家の湿度を質問してきます。
毛の長さ・毛の量など指定したり、湿度に関するやり取りをする中で、ある種の信頼関係が築かれていくように思います。
何も指定しないで依頼している人は、すごく損しているように思います。
技量があって誠実な職人さんと言えども、やはり、人間ですので、細かく指定する人とそうでない人のときでは、職人さんが自分自身に課す作業精度のシビアさが微妙に違うように思います。そういう意味でも、せめて、毛の量と毛の長さぐらいは、自分の好みを伝えて、その指示をできるだけ忠実に守らせるようにするのがベストではないかと思います。
そして慣れてきたら、毛の左右のバランスや、不良な毛(枝毛など)の間引き(マビキ)など、毛を張る前の段階での毛の選別などに対して、より細かい注文をつけるようにすると、ソリストやプロ奏者向けにやっている最高精度での毛替えをやってもらえる可能性が高くなるように思います。
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Re: 毛替え直後の弓の毛の長さについて
投稿日時:2006年12月11日 21:55
投稿者:匿名希望X(ID:NCdoYZg)
どんぐりさんはご自分の思想を語っていらっしゃるのであって「みなさん」にに質問をしたいのでは無いような(笑)。思想信条の自由は我が国の誇りです。思想を持って楽器を演奏なさることは意味のあることです。
毛の量は、くどいですが、弓ごとに最適の量があるはずです。それを専門家レベルで正確に記憶されていて、毎回それを指定できるのだったら、毛の量を指定することは意味があるでしょう。また、自宅の部屋の湿度うんぬんを言われますが、ステージ上の湿度やライトの強さは予期できません。その点はどうされているのか興味があります。毛がパンパンに張ってきても破綻無く演奏しなくてはいけないですし……。
また、毛の量や長さを指定することが職人の真剣さを増すというご意見は新鮮ですが。こういう微妙な点は、職人さんの意見を聞いた方が公平でしょう。反対尋問の無い一面的な決め付けになると危険だと思います。
毛の量は、くどいですが、弓ごとに最適の量があるはずです。それを専門家レベルで正確に記憶されていて、毎回それを指定できるのだったら、毛の量を指定することは意味があるでしょう。また、自宅の部屋の湿度うんぬんを言われますが、ステージ上の湿度やライトの強さは予期できません。その点はどうされているのか興味があります。毛がパンパンに張ってきても破綻無く演奏しなくてはいけないですし……。
また、毛の量や長さを指定することが職人の真剣さを増すというご意見は新鮮ですが。こういう微妙な点は、職人さんの意見を聞いた方が公平でしょう。反対尋問の無い一面的な決め付けになると危険だと思います。
[30688]
Re: 毛替え直後の弓の毛の長さについて
投稿日時:2006年12月12日 10:03
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:ECgVaCg)
どんぐり様、
早速の回答ありがとうございました。 そうですか、判る人にはそのレベルで判る物なんですね。 参考にさせて頂きます・・・と言っても小生が同じ事を言ったら馬脚を現すだけですが、職人さんと話すネタにでもなれば。 雑談の延長程度でも、直接顔を合わせて話せは先方も少しは気合が入るかな、と期待してます。
早速の回答ありがとうございました。 そうですか、判る人にはそのレベルで判る物なんですね。 参考にさせて頂きます・・・と言っても小生が同じ事を言ったら馬脚を現すだけですが、職人さんと話すネタにでもなれば。 雑談の延長程度でも、直接顔を合わせて話せは先方も少しは気合が入るかな、と期待してます。
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Re: 毛替え直後の弓の毛の長さについて
投稿日時:2006年12月13日 03:12
投稿者:pochi(ID:IzM5QwA)
半年毛替えをしなかったら、毛は3mm位伸びます。
毛は湿度によって伸び縮みします。緩めたときに竿に力が掛っていない状態がよいので、それだけの毛の長さが必要です。しかし、湿度が高いと毛が伸びて弓の毛を張れなくなることもあります。信州高原で合宿などすると、朝霧のかかる日には毛が張れず困ります。砂漠や飛行機の中等では非常に湿度が低いので、毛が短すぎると弓の竿を傷める可能性があります。
クサビは緩めの方が弓に優しいのですが、緩すぎると取れてしまいます。
ギリギリに緩めたときに、垂れてくる毛がほとんど無い状態(均等に張られている)がよいのすが、その様な毛替えには技術が必要だと思います。
毛替えをさせると、その工房の実力がわかります。
毛は湿度によって伸び縮みします。緩めたときに竿に力が掛っていない状態がよいので、それだけの毛の長さが必要です。しかし、湿度が高いと毛が伸びて弓の毛を張れなくなることもあります。信州高原で合宿などすると、朝霧のかかる日には毛が張れず困ります。砂漠や飛行機の中等では非常に湿度が低いので、毛が短すぎると弓の竿を傷める可能性があります。
クサビは緩めの方が弓に優しいのですが、緩すぎると取れてしまいます。
ギリギリに緩めたときに、垂れてくる毛がほとんど無い状態(均等に張られている)がよいのすが、その様な毛替えには技術が必要だと思います。
毛替えをさせると、その工房の実力がわかります。
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Re: 毛替え直後の弓の毛の長さについて
投稿日時:2006年12月13日 23:34
投稿者:どんぐり(ID:OZURk4k)
pochi様、お返事ありがとうございます。
>ギリギリに緩めたときに、垂れてくる毛がほとんど無い状態
>(均等に張られている)が良い
とのことですが、私も全く同感です。
私の理想は、
毛を完全に緩めたとき(テンション・ゼロのとき)、弓の中央で毛とスティック(サオ)がわずかに触れるような状態になる。ただし、そのときに、垂れてくる毛(不揃いな毛)は1本も無い。
という状態です。
ただ、pochi様がおっしゃるように、毛は半年で3ミリ程度伸びます(クサビの緩みによる伸びも含む)ので、毛替え直後は、毛を完全に緩めたときに毛とサオが1~2ミリ程度離れるように、毛の長さを指定しています。
ヴァイオリン製作職人の中には、ヴァイオリン製作の実力はソコソコか下手な方なのに、やたら毛替えが上手な職人がいますね。
凄く手先が器用なのに、残念ながら美的センスに恵まれない職人や人柄(人格)がイマイチな職人は、アーティスティックな能力が要求されるヴァイオリン製作よりも、毛替えのような精密な作業の方が向いているのかも知れません。
あと、やはり、毛替えは、コンスタントに毎日たくさんの数をこなしている職人が、技術が安定していて上手いように思います。
この掲示板上でみなさんの毛替えに関するご意見がいただけてありがたく思います。
ユーザーの意識が高くなれば、職人の意識も高まり、結果的に技術力の向上が見込まれると思いますので、毛替えのときに特に指定をしていない方には、毛の長さや量を指定することを始めていただきたいものです。
毛の量や長さが変わっても、その差が良くわからないという手先が鈍感な人は、指定するのをやめて、職人にお任せにすれば良いでしょう。
自分の好みの毛の長さや毛の量がわかると、きっと弾きやすくなるはずですので、自分にとって最適な状態を探し出してみて下さい。
>ギリギリに緩めたときに、垂れてくる毛がほとんど無い状態
>(均等に張られている)が良い
とのことですが、私も全く同感です。
私の理想は、
毛を完全に緩めたとき(テンション・ゼロのとき)、弓の中央で毛とスティック(サオ)がわずかに触れるような状態になる。ただし、そのときに、垂れてくる毛(不揃いな毛)は1本も無い。
という状態です。
ただ、pochi様がおっしゃるように、毛は半年で3ミリ程度伸びます(クサビの緩みによる伸びも含む)ので、毛替え直後は、毛を完全に緩めたときに毛とサオが1~2ミリ程度離れるように、毛の長さを指定しています。
ヴァイオリン製作職人の中には、ヴァイオリン製作の実力はソコソコか下手な方なのに、やたら毛替えが上手な職人がいますね。
凄く手先が器用なのに、残念ながら美的センスに恵まれない職人や人柄(人格)がイマイチな職人は、アーティスティックな能力が要求されるヴァイオリン製作よりも、毛替えのような精密な作業の方が向いているのかも知れません。
あと、やはり、毛替えは、コンスタントに毎日たくさんの数をこなしている職人が、技術が安定していて上手いように思います。
この掲示板上でみなさんの毛替えに関するご意見がいただけてありがたく思います。
ユーザーの意識が高くなれば、職人の意識も高まり、結果的に技術力の向上が見込まれると思いますので、毛替えのときに特に指定をしていない方には、毛の長さや量を指定することを始めていただきたいものです。
毛の量や長さが変わっても、その差が良くわからないという手先が鈍感な人は、指定するのをやめて、職人にお任せにすれば良いでしょう。
自分の好みの毛の長さや毛の量がわかると、きっと弾きやすくなるはずですので、自分にとって最適な状態を探し出してみて下さい。
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Re: 毛替え直後の弓の毛の長さについて
投稿日時:2006年12月30日 08:55
投稿者:匿名希望X(ID:KXISEDU)
SSK氏のBlog(11月25日)
>>>> この時期は毛替えが難しいのです。というのは、毛替えは後日の湿度なども考慮(予想)した上で毛の長さを調整するのですが、予想が外れると毛がパンパンに張りすぎてしまします。
>>もちろん毛替えしたばかりのときは、あえて毛を短めに張っているので(使っているときのクサビの遊びの詰まり分だけ)、短めであるかとは確かなのですが・・・。そのくらい「毛替え」作業は難しいのです。
::::::::::::::::::::
まぁ、彼氏でも「難しい」とノタマウのだから難しいのですよ。
数学者のガウスじゃないが、世の中には「誤差」というものがあるしね。
>>>> この時期は毛替えが難しいのです。というのは、毛替えは後日の湿度なども考慮(予想)した上で毛の長さを調整するのですが、予想が外れると毛がパンパンに張りすぎてしまします。
>>もちろん毛替えしたばかりのときは、あえて毛を短めに張っているので(使っているときのクサビの遊びの詰まり分だけ)、短めであるかとは確かなのですが・・・。そのくらい「毛替え」作業は難しいのです。
::::::::::::::::::::
まぁ、彼氏でも「難しい」とノタマウのだから難しいのですよ。
数学者のガウスじゃないが、世の中には「誤差」というものがあるしね。
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title25
投稿日時:2007年05月07日 23:55
投稿者:name20(ID:FZM2FhY)
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