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ヴィブラートのかけ方について その2 | ヴァイオリン掲示板

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ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月16日 19:52
投稿者:catgut(ID:EAlId0M)
「ヴィブラートのかけ方について」のスレッドが長くなってきましたので、
新しいスレッドを作成しました。

今後はこちらでお願い致します。
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2 / 15 ページ [ 145コメント ]
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Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月20日 17:00
投稿者:きくらげ(ID:FxFQVGk)
当方も下から上にかけます。
うねりの倍数は4の倍数、8の倍数を意識するようにかけています(レッスンの際そのように教えられたのでいまだに8の倍数でビブラートをかける癖がついています:いいことなのか悪いのかはわかりませんが) 

手首のビブラートとアームビブラートがありますが両方ともやります。

両方に共通する練習としては左指の第2関節をやわらかくする練習をしました。

バイオリンの弦を押さえながら第2関節の上下運動をする(ミミズが這っていくかのように)

文字で書くとなんとも表現しにくいですが、ハイポジションでのビブラートもきれいにできるようになると思います(しっかりとした先生にレッスンで習ったことなので悪い筋の練習法ではないと思います)
[31590]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月20日 17:48
投稿者:catgut(ID:lkIXCZA)
きくらげ さま、
貴重な情報をありがとうございます。

pochiさまもご指摘の通り、現実には「下にかけはじめる」奏法ばかりではないのに「下にかけはじめる」という話が一人歩きしていたようですね。
[31623]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月23日 22:31
投稿者:catgut(ID:GRMERWU)
ヴィブラート使用方法の歴史的変化については、ピリオド奏法についての
情報が増えたこともありよく知られるようになってきました。

・19世紀まではヴィブラートは装飾音のように限定的に使用された
・イザイ、クライスラーらの一部ソリストが現代的なヴィブラートに近い
 (多くの音にヴィブラートをかける)奏法を始めた。
・オーケストラでの連続的(continuous)ヴィブラートの使用は1930年代頃
から始まった。

カール・フレッシュの回想録には以下の話が出ています。

1880年にはまだ偉大なヴァイオリニストたちは(現代的で連続的な)
ヴィブラートは使用していませんでした。感情を込めた音以外にヴィブ
ラートをかけることは非芸術的だと考えられていました。
イザイが最初により広いヴィブラートを使用し、経過音にもヴィブラート
をかけようとしました。クライスラーはさらに広く徹底的なヴィブラートを
使用するだけではなく、ヴィブラートで速いパッセージに気品を与えようと
しました。
[31626]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月24日 02:48
投稿者:catgut(ID:GRMERWU)
鷲見三郎は以下の本によると基本的にヴィブラートを手前側からかける
ように指導していたようです。きくらげさまの先生は「4の倍数」を意識
するようにということですので、鷲見先生の指導を参考にされたのかも
しれませんね。
この本は1980年初版ですから、「下にかける」というガラミアンの指導が
日本で広まったのはせいぜいこの20~30年くらいのことなのではないで
しょうか。

鷲見三郎/ヴァイオリンのおけいこ P63より引用
(腕からかけるヴィブラートの練習について)

手首を曲げず腕を動かすわけですが、最初は左肩に向かって腕を1~2センチ動かす動作をする。糸巻きの方に引っぱる方からやると、手首が出るくせがつく場合があります。これが出来るようになったら、次に、腕を糸巻きの方に動かす練習をします。そして、この前進と後進の動作は1回だけではなく、各各4回ずつ、ゆっくり規則的に運動させるようにします。両方が円滑に動かせるようになったら、いよいよヴィブラートをやってみるということになるのですが、そのときメトロノームに合わせて、だんだん早くしていくのがいいでしょう。最初はメトロノームを60にして、その中で2つゆらす。次に60で3つ,それから60で4つ,その次に80で4つと、だんだん細かくヴィブラートしていくんです。このさい、指と弦の接触点から指が離れないよう注意することが肝要です。結局、80で4つのヴィブラートが、最も使えるヴィブラートということになりますね。
[31629]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月24日 10:33
投稿者:jack(ID:aDSJGWA)
こんにちは。雑誌「ストリング」3月号が米国まで航空便で届きました。前スレで紹介しておりました永峰高志氏の宿題の答えは「下向きにかける」でした。

G大やS音大の学生へのアンケートでは「上下にかけると答えた生徒がほとんど」だったそうですが、実験の結果より「人間の耳は波のてっぺんの音程をその基準の音程になると判断するみたい」と結論されています。ガラミアンの教えと一致しています。

「もしかしたら上向きにかけるのが場合によっては正しいヴィブラート、とおっしゃる先生もいらっしゃるかもしれません」とも配慮されており、下向きにかけるのは「あくまでもこの実験の結果から導いた答え」と断っておられます。詳細は本誌をご参照下さい。

このスレでは「上下にかける派」が多数のようですが、「下向きにかける派」もおられることをお忘れなくお願いしますね(笑)。
[31632]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月24日 13:49
投稿者:catgut(ID:GRMERWU)
jackさま、

jackさまが「ヴィブラートのかけ方について」[31493]
[31493]

Re: ヴィブラートのかけ方について

投稿日時:2007年02月13日 00:04
投稿者:jack(ID:IRhTIHg)
皆さん、JHC のG-tuneをご存知ですか?これはスペクトルアナライザーで、周波数軸スペクトラムと時間軸ピッチのグラフィック表示機能がついており、家庭用のPC上でも動作するソフトです。私はこれを用いてヴァイオリンの倍音構造やレオポルド・モーツァルトがその教科書で示した重音の差音構造を視覚化し調べております。

G-tune を用いて表題について簡単な実験をしてみました。結論を申しますと、私にはヴィブラートの幅の上限がピッチとして聴こえました。つまりviolinmasterclass.com のSassmannshaus教授の教えの通りということです。Galamian がどのように教えたかは、その薫陶を受けた方に聞いて見ましたが明確な応えが得られなかったことを申し添えます。つまりヴィブラートの掛け方については指導を受けなかったということです。

実験結果について、言葉では伝わりにくいので音源と分析グラフを下に添付しました。

実験方法はG線(G3)上のオクターブ上のフラジオ(G4)を基準にして、その場所を3指で押さえヴィブラートの掛け方を変えた時、認知するピッチがどのように変わるかを調べ、それぞれのピッチ変化を時間軸でとらえました。

基準周波数はA4=440Hz
5度調弦した開放弦G3のフラジオG4は391Hzです。

音源No.141: G線(G3)上で約4秒おきにG4のフラジオとG4を3指(第5ポジション)でヴィブラートを繰り返しています。但しヴィブラートの向きは下むき上向きを交互に弾きました。

G4 フラジオ→G4 vibrato 下向き→G4 フラジオ→G4 vibrato上向き
これを2サイクル弾きました。2サイクル目の下向きは少しフラット気味かもしれません。

ttp://jackviolin1945.awk.jp/G4vib141.MP3

測定結果G4vib141:
2サイクル目の分析結果。最初の4秒はフラジオ、次の4秒は基準から下向きのヴィブラート、次の4秒はフラジオ、次の4秒は意識的に高めで大き目のヴィブラート、次の4秒は再びフラジオ。

ttp://jackviolin1945.awk.jp/G4vib141.jpg

この両者から私はヴィブラートの上限のピッチを感じ、通常は下向きに掛けているということがわかりました。ヴィブラートが上に振れるとピッチは基準音より高めに感じました。人間の感覚は千差万別でしょうから違うように感じられた方も居られるかも知れませんが、いかがでしょうか?

実験に使った機材は家庭用のものですから、限られた分析範囲・分解能・精度及び誤差・雑音等の影響で思わぬ落とし穴があるかもしれませんので、その点含みおき下さい。

尚、ヴィブラートを掛ける向きについては、雑誌「ストリング」に連載の永峰高志氏著「続オーケストラの聴かせどころ」の3月号で実験結果に基づく正解を発表されるそうですので記事を楽しみにしております。
で作成してくださった
G4vib141.MP3について、手持ちのKORG OT-120というチューナーでどのような音程に認識するか試してみました。OT-120はピタゴラス音程対応チューナーで、以下の条件で測定しました。

・OT-120はスピーカーから約20cm離す。
・A=440Hz/ピタゴラス音階に設定。
・AUTO-SLOWモードに設定

結果:
フラジオレット音:ほぼ440Hz
1回目のヴィブラート:440Hz +-10セントで揺れる
2回目のヴィブラート:440Hz +10セントから+20セントで揺れる
3回目のヴィブラート:440Hz -10セントから-20セントで揺れる
4回目のヴィブラート:440Hz +10セントから+20セントで揺れる

この結果は「OT-120にはヴィブラート範囲の中間の音程が聞えている」
ということです。3回目の「基準音を上限として下にかけた」ヴィブラ
ートはOT-120でも基準音より明らかに低く認識される結果となりました。

なお、まだストリング誌は見ていませんが、音大の学生のほとんど
が「上下にかける」と答えていたということは大変興味深いですね。
[31639]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月24日 15:59
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
Jackさん

「ストリング」、面白そうですね。特に「上下にかけると答えた生徒がほとんど」というのは、とても意外であり興味深いです。今日、本屋で探してみたいと思います。

それと以前からとても気になっているのですが、このような議論が行われる場合「どういう意識でかけているのか」ということと「実際どのようにかかっているのか」が混同されているように思います。
「どのようにかかっているのか」という意味では、私の多くのデータから明らかに「上下に」という結論が得られています。しかし、氏の実験から「人間の耳は波のてっぺんの音程をその基準の音程になると判断するみたい」との結果が得られたとすると、私の結論と矛盾しますね。どのような実験をされたのか、とても興味深いところです。

話は変わりますが、私の仮のサイトに3日ほど前からやけにアクセスが多くなってきました。ほんの少しデータを並べただけなのに、なんだかちょっと恥ずかしい気分です(^^; 何とかがんばってあと1週間後くらいには、きちんとしたHPを作りたいと思っています。
[31643]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月24日 19:50
投稿者:catgut(ID:GRMERWU)
「人間の耳にヴィブラート範囲の最高音程が認識される」という結果が出たのだとすれば、Fletcherに続いて世界で2番目ということになりますね。

jackさまのG4vib141.MP3の3番目のヴィブラートが実証している通り、
「基準音を振幅の上限とするヴィブラート」は人間の耳にも低く聞え、市販のチューナーでも基準音より低く認識されることから「ほとんどの音大生」のほうが正しいことは間違いないでしょう。
[31647]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月25日 03:36
投稿者:jack(ID:aDSJGWA)
気分がすぐれず議論には気乗りしないのですが、責任の範囲内で回答します。

[31632]
[31632]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月24日 13:49
投稿者:catgut(ID:GRMERWU)
jackさま、

jackさまが「ヴィブラートのかけ方について」[31493]で作成してくださった
G4vib141.MP3について、手持ちのKORG OT-120というチューナーでどのような音程に認識するか試してみました。OT-120はピタゴラス音程対応チューナーで、以下の条件で測定しました。

・OT-120はスピーカーから約20cm離す。
・A=440Hz/ピタゴラス音階に設定。
・AUTO-SLOWモードに設定

結果:
フラジオレット音:ほぼ440Hz
1回目のヴィブラート:440Hz +-10セントで揺れる
2回目のヴィブラート:440Hz +10セントから+20セントで揺れる
3回目のヴィブラート:440Hz -10セントから-20セントで揺れる
4回目のヴィブラート:440Hz +10セントから+20セントで揺れる

この結果は「OT-120にはヴィブラート範囲の中間の音程が聞えている」
ということです。3回目の「基準音を上限として下にかけた」ヴィブラ
ートはOT-120でも基準音より明らかに低く認識される結果となりました。

なお、まだストリング誌は見ていませんが、音大の学生のほとんど
が「上下にかける」と答えていたということは大変興味深いですね。
catgutさん、
アマチュアチェロ弾きさんの分析結果(前スレ)と比べました。私のG-tuneの結果はアマチュアチェロ弾きさんの結果に近いです。

     アマチュアチェロ弾きさん catgutさん
1回目 ±25~20           ±10
2回目  0 ~+30           +10 ~ +20
3回目 -25 ~ 0           -20 ~ -10
4回目 -20 ~+30          +10 ~ +20

catgutさんの結果はヴィブラートの山谷の振幅が小さいですね。これではヴィブラートのセンターの議論はできても上限の議論はできません。間違った結論を導く可能性があります。

音大生は小さいころからソリスト向けの指導を受けていると思います。ソリストは音程高めでも、ヴィブラートを上にかけても、上下にかけても許されると思います。芸術ですから何が正しいということはないと思うのです。

ところがアンサンブルでは各人が別々の弾き方をしていては音程が揃いません。永峰氏はアンサンブルの弾き方の中でヴィブラートは下向きにすることにより音程が合ってくるということを指摘されているのだと思います。いずれにしても伝聞では誤解を生じ易いですから、ストリング誌3月号永峰氏の本文pp125-122をお読み下さい。

同じストリング誌3月号の深山氏の記事p119 の質問コーナーもご覧下さい。ヴィブラートは下向きにかける。但し上向きの動きもあるので、基準ピッチから少し下を支点にしてかけると明言されています。即ちヴィブラートは下向きにかけるが戻したときにオーヴァーシュートがあり支点から高め(上)へも行くということですね。

私は通常は上の1回目か3回目くらいのヴィブラートをかけていると思います(主にアンサンブルで活動)。ソロや小品でG線ハイポジでフォルテやクレッセンドで感情移入が激しいときには2回目や4回目の感じで幅も回数も増えると思います。ヴィブラートは回数、幅、支点、上向き、下向きすべてをTPOに応じて使い分けるべく鍛錬すきだと思います。

アマチュアヴァイオリニストの独り言ですので気にしないで下さい。

[31639]
[31639]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月24日 15:59
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
Jackさん

「ストリング」、面白そうですね。特に「上下にかけると答えた生徒がほとんど」というのは、とても意外であり興味深いです。今日、本屋で探してみたいと思います。

それと以前からとても気になっているのですが、このような議論が行われる場合「どういう意識でかけているのか」ということと「実際どのようにかかっているのか」が混同されているように思います。
「どのようにかかっているのか」という意味では、私の多くのデータから明らかに「上下に」という結論が得られています。しかし、氏の実験から「人間の耳は波のてっぺんの音程をその基準の音程になると判断するみたい」との結果が得られたとすると、私の結論と矛盾しますね。どのような実験をされたのか、とても興味深いところです。

話は変わりますが、私の仮のサイトに3日ほど前からやけにアクセスが多くなってきました。ほんの少しデータを並べただけなのに、なんだかちょっと恥ずかしい気分です(^^; 何とかがんばってあと1週間後くらいには、きちんとしたHPを作りたいと思っています。
アマチュアチェロ弾きさん
結果はどうあれアンサンブルでは下に掛けるという意識が大事だと思います。「ストリング」3月号の上記2つの記事を読んでそれを強く感じました。ソリストの演奏を分析してもアンサンブル向きの答えは出てこないと言うことではないでしょうか?ソリストを目指される方は別ですが。
[31652]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月25日 09:36
投稿者:catgut(ID:GRMERWU)
jackさま、

「ヴィブラートのかけ方について」スレッドの [31510]
[31510]

Re: ヴィブラートのかけ方について

投稿日時:2007年02月14日 12:48
投稿者:catgut(ID:KUWIMYA)
jackさま、
以下がjackさまのG4VIB141.MP3をtartiniで解析した画面です。
参考にしてください。

ttp://catgut.hp.infoseek.co.jp/G4VIB141-1ST.jpg
1回目のヴィブラート
少し基準音より低めだが上下にかけられている。

ttp://catgut.hp.infoseek.co.jp/G4VIB141-2ND.jpg
2回目のヴィブラート
前半は基準音から上にかけられているが後半では上に少し偏って
基準音の上下にかけられている。

ttp://catgut.hp.infoseek.co.jp/G4VIB141-3RD.jpg
3回目のヴィブラート
基準音を上限としてかけられている。
jackさまが「少しフラット気味かもしれません」と書かれているパターンです。

ttp://catgut.hp.infoseek.co.jp/G4VIB141-4TH.jpg
4回目のヴィブラート
少し基準音より高めだが上下にかけられている。
をご覧になっていない
ようなので以下コメント致します。

私がtartiniで分析した結果は、ほぼアマチュアチェロ弾きさまと同じ結果です。以下がtartiniの画面です。
ttp://catgut.hp.infoseek.co.jp/G4VIB141-1ST.jpg
1回目のヴィブラート
ttp://catgut.hp.infoseek.co.jp/G4VIB141-2ND.jpg
2回目のヴィブラート
ttp://catgut.hp.infoseek.co.jp/G4VIB141-3RD.jpg
3回目のヴィブラート
基準音を上限としてかけられている。
jackさまが「少しフラット気味かもしれません」と書かれているパターンです。
ttp://catgut.hp.infoseek.co.jp/G4VIB141-4TH.jpg
4回目のヴィブラート

上記の画面では単位が読み取りにくいですが、G4とその下の基準線(Fis)が100セントですから、3回目のヴィブラートはアマチュアチェロ弾きさまの結果と同様に-25-0の範囲で振動していることがわかります。

今回あえて(精度のより悪い)一般のチューナーで測定したのは、スピーカーから再生される3回目のヴィブラートの音程が基準音より低いことを明確にするためです。
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