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ヴィブラートのかけ方について その2 | ヴァイオリン掲示板

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ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月16日 19:52
投稿者:catgut(ID:EAlId0M)
「ヴィブラートのかけ方について」のスレッドが長くなってきましたので、
新しいスレッドを作成しました。

今後はこちらでお願い致します。
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11 / 15 ページ [ 145コメント ]
[31886]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月06日 14:07
投稿者:catgut(ID:kBeHOXA)
wtnabeさま、

それはおかしな話ですね。
「ヴィブラート幅の上限が音程として聞える」という実証データこそが
まったくといっていいほど存在していないのです。ガラミアンはただそ
う言うだけで出典を明らかにしていませんし、「ヴィブラート幅の上限が
音程として聞える」という結果は「ヴィブラートの下限が音程として聞
える」という矛盾した結果も別に出しているFletcherの調査が存在する
だけです。

私は「ヴィブラートを確認できるフリーソフト」スレッドの[30685]
[30685]

Re: ヴィブラートを確認できるフリーソフト

投稿日時:2006年12月12日 03:03
投稿者:catgut(ID:QVVpBIM)
具体的なCDについてtartiniで確認した例を以下に示します。
ヴィブラートの回数・ヴィブラートの幅・ヴィブラートの中心音程などが
明確に分かります。

・基準ピッチが440Hzまたは442Hzのアメリカでの録音であること
・ピアノ伴奏であること
・デジタル録音であること
ことから、手持ちのナージャ・サレルノ・ソネンバーグ「白鳥」収録の
サン・サーンス「白鳥」を測定しました。

念のため実際に演奏されているヴァイオリンの基準ピッチがA=440HzないしA=442Hzであることをスピーカーの再生音をポータブルチューナで確認しました。

ピアノ伴奏:サンドラ・リヴァース
録音:1992年4月 American Academy and Institute of Arts and Letters デジタル録音

測定結果:
2分58秒のA4音(2分57秒8から2分58秒8までの1秒間)
A4音に対して-30から+37セントの範囲でヴィブラートを6回かけている。
(もしA=442Hzの場合は8セントずれるため-38から+29セントの範囲となる)

曲全体で音によって上下に多少の偏りがあるものの、一貫して基準音の上下にヴィブラートがかかっていました。
でナー
ジャ・ソネンバーグのCDをtartiniで分析した結果を示していますし、
以下の論文にも音程認識の具体的な調査方法が記載されています。
電子音発生装置などで確認したことが書かれています。

ttp://etd.lib.fsu.edu/theses/available/etd-05082006-134732/unrestricted/RBM_manuscript.pdf
P26-P28

アマチュアチェロ弾きさまの分析データでも明らかに基準音の上下に
かけられています。そもそも、wtnabeさまご自身の演奏をtartiniで分析
すると「ヴィブラート幅の上限」が基準音と一致するのでしょうか?

これだけ「ヴィブラート幅の中間が音程として聞える」という実証データ
は存在するのですから、これを否定するのであれば「ヴィブラート幅の
上限が音程として聞える」という実証データを出していただく必要があ
ります。
[31888]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月06日 19:59
投稿者:wtnabe(ID:GId0QEc)

catgutさん、

「観察されるものがヴィブラート幅の中間が音程として聞える事実」から、「演奏でヴィブラートは基準音の上下にかける」と帰納的に説明されているので、網羅性(ひとつでも例外があるとこの論法はつかえませんからね)を保証するのは、catgutさん役割であるというつもりで書きました。

間違っていたらごめんなさい。

この網羅性が一度やぶられたことがありましたね。ヴィブラートを上にかけるソリストの方と、それを支持する意見が現れたときです。このため、上へのヴィブラートを認めるような記述もありましたが、また、戻ってしまいました。謎です。

 www.violinmasterclass.com のヴィブラートの練習は、下向きに教師に指示されそのように演奏していますが、データとして取り扱われていません。

 反対に、今回も実例として挙げられているフロリダ州立大学の論文には、ヴィブラートの分析とヴィブラートに指導法の関係については今後の研究課題として明言せずに留保してあります。これでは、ヴィブラート分析 -> ヴィブラート指導法の関係を明示的に証明できる根拠にはならないはずですが、問題なく採用されています。

 こんなところに突っ込みを入れようかと思いましたが、長居をしすぎました。お暇いたします。

 私は、指導的な方便が必要な初心者なので、別のスレッドで話題となった深山先生の「ヴァイオリン・テクニカル・クリニック」をもっています。これには下向きのヴィブラートについて実演入りで説明されていますので、ご参考にされたら如何でしょうか。

 jackさんが親切に問い合わせ可能と投稿されていますので、疑問は直接お尋ねになったら如何でしょうか。伝聞よりはるかに情報が正確です。
[31893]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月07日 00:01
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
皆様

新たにタイスの瞑想曲の8名分のデータを追加し、都合これで10名となりました。
各波形は、A4用紙1枚に収まるように設計されています。縦横比はすべて共通です。必要な波形を印刷し、比較なさるのも良かろうかと思います。
尚、分量が多いので、ひょっとしたらつまらぬミスもあるかと思いますが、その時はここででも指摘していただければ幸いです。

ttp://music.geocities.jp/amateur_cellist/test.htm

次回はチェロのデータを予定しています。

では。皆様おやすみなさい。
[31894]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月07日 00:40
投稿者:catgut(ID:dgBRl5A)
アマチュアチェロ弾きさま、データを拝見いたしました。
基準音を中心に上下にヴィブラートがかかっているのは明白ですね。
ヴィブラートが基準音の上下にかかっているという事実は決定的と
考えます。

音程認識の論文に必ず引用されるSeashoreの著書を調べて驚きました。
なんと彼は1938年に出版した「PSYCHOLOGY OF MUSIC」に、tartiniなどとほぼ同等のヴィブラート波形分析結果を掲載しています。以下に写真が
ありますが、The Henrici Harmonic Analyserという装置を使っています。
19世紀末からすでにこの装置の原型は存在しているようです。

Seashoreが使用したharmonic analyzer(調波分析器)の写真
ttp://www.thewholeguitarist.com/books/seashore-psychology-of-music.htm
The Henrici Harmonic Analyser

PSYCHOLOGY OF MUSIC
CARL E. SEASHORE著
1938年刊
第4章 A MUSICAL ORNAMENT, THE VIBRATO

この装置を使ってヴィブラートの詳細な調査を行い弦楽器で「ヴィブラート幅
の平均」が聞えるという結果を出しています(P45)。
以下から全文がPDFで読めます。
ttp://www.archive.org/details/psychologyofmusi030417mbp
[31899]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月07日 15:06
投稿者:2階席(ID:ECMRaXI)
[31884]
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Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月06日 13:25
投稿者:CABIN(ID:OVU5FkM)
割り込みですみません。
cutgutさま
ヴァイオリンの場合,ザッとした計算上で,A線上のD(4度)位置では,+30セントで+4.18mm上 -30セントで-4.25mm下の移動量ですね。
ほぼ均等な移動量でほぼ均等なセント値になるようです。
先に計算すればよかった。
実験までしてくれてすみません。
CABINさんの書き込みについて

同じことを例えばE線の8ポジ3の指のA(開放Aの2オクターブ上)でやったらどうなるのでしょう。

[31885]
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Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月06日 13:41
投稿者:catgut(ID:kBeHOXA)
CABINさま、

情報どうもありがとうございます。
プロの実際の演奏では基準音から上下にほぼ均等にかかっている
わけですから、以下のどちらかにしているはずです。

(1)基準音を押え上下に均等にかける
(2)(指を立てて)基準音より少し高く押え、下に大きくかける

常識的に考えると(1)の方が多数なのではないかと思います。
「下にかける」という意識の強い方には(2)もあるかもしれません。

ただ、あくまで心理的にですが、人によって指を押えた点から
下には長く感じられ、上には短く感じられるという可能性はありますね。
catgutさんの『(1)基準音を押え上下に均等にかける』では音程がどのように聴こえるのでしょう。

実際に弾いてみると、どのポジションであっても自分の耳に聞こえる音が正しい音程になるようなビブラートをかけていると思います。

みなさんはどう思われますか?
[31901]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月07日 17:39
投稿者:CABIN(ID:OVU5FkM)
2階席さま
1つだけ回答です
ザッとした計算上で,E線上の8ポジ3の指のA位置では,±30セントで±約2.1mmの移動量です。
すみません,実はご質問の意味がよくわかりませんでした。
[31907]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月07日 22:22
投稿者:catgut(ID:IFOXV2E)
2階席さま、

>実際に弾いてみると、どのポジションであっても自分の耳に聞こえる音
>が正しい音程になるようなビブラートをかけていると思います。

とのことですが、まったくその通りだと思います。

奏者が実際に演奏している時は、あくまで音程が正しくなるようにヴィブ
ラートをかけるため、頭では「基準音を上限に」ヴィブラートをかけている
つもりの人でも、現実の演奏では大抵は基準音の上下(正しい音程に
聞える)にかけていると思います。

アマチュアチェロ弾きさまの分析データで明らかなように、有名ソリストは
ことごとく基準音の上下に均等にヴィブラートをかけていますから、正し
い音程に聞えるためには基準音の上下にヴィブラートをかける必要が
あることは明らかです。


とあるプロ10番目さま、
私の書き込みに曖昧な点があった件はご指摘の通りです。申し訳あ
りませんでした。また機会がありましたらコメント頂けると幸いです。
[31909]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月07日 22:36
投稿者:catgut(ID:IFOXV2E)
アマチュアチェロ弾きさまが作成されたヴィブラートの分析データから
最低限読み取れるのは以下の点だと思います。

(1)基準音の上下にほぼ均等にかけられている
  これらの奏者の音程がすべておかしいということはまったく考えられ
  ませんから、正しい音程に聞えるためにはヴィブラートは基準音の
上下にほぼ均等にかける必要があることがわかります。
(2)上下どちらにもかけはじめられている
(3)幅、頻度に加えて音量変化(楽器の揺れ)がヴィブラート音の構成
要素である

これらはあくまで「結果」ですが、これらの結果を参考に各自ヴィブラート
奏法の改善検討が可能と考えられます。
[31912]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月08日 03:50
投稿者:父娘でVn始めました(ID:IokpUwg)
ガラミアンの演奏を見たこと、聴いたことのある方がおられますか?彼はどう弾いていたのでしょうか?
手元にパールマンがあったので聴いてますが、下に下にかけて見たり、上に上にかけて見たり、幅も色々ですねえ(身体的聴覚だけです。実証性はありません。メカに弱くてすみません)。そこに意識して聴いて見るのも興味深いですね。
[31914]

Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年03月08日 11:56
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
catgutさん、私のデータを見てくださってありがとうございます。

皆様へ

catgutさんの補足です。

>(1)基準音の上下にほぼ均等にかけられている

ここで「ほぼ」の意味について、書いてみます。私のデータをご覧になればわかると思いますが、ヴィブラートのゆれの中心部分が「ほぼ」0centの線上にあります。多少の上下はありますが、全体をざっと眺めれば『ヴィブラートのゆれの中心部分が「ほぼ」0centの線上にある』ことがわかると思います。

0centの線上からはずれているのもたくさんあるぞ、と仰る方もおられると思います。確かにその通りです。そしてそのことこそが、「演奏者のくせ」であり、「演奏能力のばらつき」なのです。

具体的に10名の皆さんのデータを見ていきましょう。
1.出だしのFisの音
  0centから若干上でかけておられます。No1&9&10さんはかなり高めですね。No7&8さんは、ほぼ0centです。皆さんは、「和音は純正律で、旋律はピタゴラスで」というのを見聞きされたことがおありかと思います。私はそれを全面的に支持する訳ではありませんが、まあ良いんじゃないの、くらいには思っています。で、今回の場合、出だしのFis音はニ長調の第3音ですので、ちょいと高めに弾くと人間の耳には心地よく感じます。(ピタゴラス律では、平均律より約8cent高めとなります。私のデータで+8centの位置に青い横線が描かれているのをご覧いただけると思います)。

2.2小節目の3拍目のCisの音
  これは皆さん見事に「上ずって」いますね。ピタゴラス律どころではないです。No1&5さんは25centほども上ずる勢いです。上ずり方は皆さんバラバラです。さて、いったいどなたが「正しい」のでしょうか?実はこのCis音は次のD音に向かうための「導音」と呼ばれているもので、一般に高めにとると心地よく感じます。どの程度高めに取るかは演奏者により異なり、正解はありません。そしてこれこそが、演奏者の「くせ」であり、演奏者の音色を決定する要素のひとつでもあるわけです。

3.3小節目の1拍目のDの音
  殆どの皆さんが0cent上で弾いておられます。(No1さんは若干上ずりぎみですが、No1さんのもうひとつの演奏波形を見ると、きっちり0cent上で弾いておられます。ま、これが「ばらつき」と呼ばれるものでしょうね。)。ここでのD音は、ニ長調における主音であり、「くせ」を出してはいけません。つまり0cent上で弾くべき音なのです。第3音や第7音はある意味「演奏者の個性の見せ所」かもしれませんが、主音においては音程に関して個性を出すと「へたくそ」とみなされてしまいます。そういう意味で、この10名の皆さんはさすが超一流の方々です。

更に続けてもいいのですが際限がなくなりますので、この辺でやめます。というか、ちょっと疲れた(^^;
重要なことは、私は上の説明を「ヴィブラートの真ん中をピッチとして感じている」ことを前提として書いている、ということです。もし「ヴィブラートの上部がピッチとして認識される」なら上の説明は全く成り立ちませんし、そもそもそれらの10名のソリストは「とんでもなく音程の悪い奏者」となりますが、世間のそんなうわさは聞いたことがありませんし、演奏もとても素晴らしいものばかりです。

長くなりましたので、この辺で一旦やめます。

>(2)上下どちらにもかけはじめられている
>(3)幅、頻度に加えて音量変化(楽器の揺れ)がヴィブラート音の構成要素である

についての補足は、また改めて書きます。

catgutさん

Seashoreの論文を見させていただきました。まさか見れるとは思ってもいなかったので、感激です。中身を見てまたびっくりです。70年前にすでにこんな凄いことが行われていたんですね。更には、Henriciの発明も凄いですね。それらからたくさんの勇気を貰いました。まだまだ青いな。がんばらなくては・・・
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