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音律
投稿日時:2003年04月12日 10:31
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
レッスンの友社の弦楽器専門誌「ストリング」の4月号、巻頭インタビューで私の音律話が大きく取り上げられています。
かなり刺激的にアグレッシブに、純正律やピタゴラス律の話をしています。
読んで頭へ来る人も多いかもしれませんが、
まず、話題になることを切望します。
かなり刺激的にアグレッシブに、純正律やピタゴラス律の話をしています。
読んで頭へ来る人も多いかもしれませんが、
まず、話題になることを切望します。
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【ご参考】
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Re: 音律
投稿日時:2003年04月12日 21:13
投稿者:チョコ(ID:JnGEJ5U)
私は、大人から始めた、バイオリンレッスン初心者です。
『ストリング』4月号の、玉木先生のお話、とても興味深く、拝読いたしました。
そこで、素朴な質問なのですが、(ここは、なんだか、プロっぽい方の書き込みが多いようなので、
こんな、初歩的な質問、恥ずかしいのですが、聞いてみたくて、我慢できなくて・・・)
私は、調弦をする時、自分の耳で、A→D→G→Eと、まず、とってみて、その後、チューナーで、
確認しているんです。Aは、自分で、Hz442に合わせることができます。でも、自分の耳で合わせたのは、必ず、Gだけ、少し低くなってしまうのです。どの音が正しいのか、判断できないので、チューナーにぴったり、修正していました。これは、修正する必要はない、かも、ということでしょうか?
たとえば、純正律に調弦しようとした場合、この4弦の音程は、それぞれ、チューナーでいうところの[ぴったり]から、どのように、+-すると、よいのでしょうか。
なんだか、見当違いな質問でしたら、申し訳ありません。
お答えを、いただけましたら、とてもうれしいです。
『ストリング』4月号の、玉木先生のお話、とても興味深く、拝読いたしました。
そこで、素朴な質問なのですが、(ここは、なんだか、プロっぽい方の書き込みが多いようなので、
こんな、初歩的な質問、恥ずかしいのですが、聞いてみたくて、我慢できなくて・・・)
私は、調弦をする時、自分の耳で、A→D→G→Eと、まず、とってみて、その後、チューナーで、
確認しているんです。Aは、自分で、Hz442に合わせることができます。でも、自分の耳で合わせたのは、必ず、Gだけ、少し低くなってしまうのです。どの音が正しいのか、判断できないので、チューナーにぴったり、修正していました。これは、修正する必要はない、かも、ということでしょうか?
たとえば、純正律に調弦しようとした場合、この4弦の音程は、それぞれ、チューナーでいうところの[ぴったり]から、どのように、+-すると、よいのでしょうか。
なんだか、見当違いな質問でしたら、申し訳ありません。
お答えを、いただけましたら、とてもうれしいです。
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Re: 音律
投稿日時:2003年04月13日 10:08
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
ピアノ等に使われている平均律は平均にピッチを狂わせている調律法です。平均律でジャストの音程はオクターブだけです。完全五度はジャストより半音の100分の2(2セント)狭いのです。
ヴァイオリンの調弦は、五度をジャストに合わせる
ピタゴラス律で、お琴と同じです。だから、Gはピアノより低くなり、耳にも分かります。従ってヴァイオリニスト達は本能的にAをピアノより若干高く
します。低いソは気になるけど高い音程は陽性になるからです。
私はヴァイオリンはAで合わせるよりは、下のGをジャストにして、(もちろんピアノに対して)上に各五度を取るべきだと思っています。
また、チューナーを使うのなら必ずピタゴラス律を搭載しているものを奨めます。少し値段は高いけど数種あります。ピタゴラスでソを合わせて、五度を取って下さい。あなたの耳の正しさが証明されます。
ヴァイオリンの調弦は、五度をジャストに合わせる
ピタゴラス律で、お琴と同じです。だから、Gはピアノより低くなり、耳にも分かります。従ってヴァイオリニスト達は本能的にAをピアノより若干高く
します。低いソは気になるけど高い音程は陽性になるからです。
私はヴァイオリンはAで合わせるよりは、下のGをジャストにして、(もちろんピアノに対して)上に各五度を取るべきだと思っています。
また、チューナーを使うのなら必ずピタゴラス律を搭載しているものを奨めます。少し値段は高いけど数種あります。ピタゴラスでソを合わせて、五度を取って下さい。あなたの耳の正しさが証明されます。
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Re: 音律
投稿日時:2003年04月13日 20:36
投稿者:チョコ(ID:JnGEJ5U)
玉木先生、じきじきに、お答えをいただき、恐縮しております。
ありがとうございました。ピアノで、Gから合わせて調弦してみましたが、
自分では、これで、OKと思えても、本当にこれでOKなのかどうか、
やっぱり、わかりません。
チューナーに、ピタゴラス律とか、そんなに色んな音律のものがあることすら、
知りませんでした。私のチューナーが何なのかも、わかりません。
もっと、勉強しなければいけませんね。
まず、チューナーのいいやつを、買います。
ありがとうございました。ピアノで、Gから合わせて調弦してみましたが、
自分では、これで、OKと思えても、本当にこれでOKなのかどうか、
やっぱり、わかりません。
チューナーに、ピタゴラス律とか、そんなに色んな音律のものがあることすら、
知りませんでした。私のチューナーが何なのかも、わかりません。
もっと、勉強しなければいけませんね。
まず、チューナーのいいやつを、買います。
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Re: 音律
投稿日時:2003年04月13日 22:22
投稿者:yc(ID:JyZHRyc)
玉木宏樹さん、はじめまして。
当サイト管理人のycと申します。
ストリングの記事は拝見していました。音律の話題はこのサイトでも
過去幾度となく話題となっていて、毎回非常にホットな意見交換が
行われています。少なくとも興味を持っている人は多くいるようです。
ちなみに以前私に面白い本がある、と「音の後進国日本」を紹介して
くれたのは何故かピアニストの友人でした。(^^;
当サイト管理人のycと申します。
ストリングの記事は拝見していました。音律の話題はこのサイトでも
過去幾度となく話題となっていて、毎回非常にホットな意見交換が
行われています。少なくとも興味を持っている人は多くいるようです。
ちなみに以前私に面白い本がある、と「音の後進国日本」を紹介して
くれたのは何故かピアニストの友人でした。(^^;
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Re: 音律
投稿日時:2003年04月15日 17:27
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
私は古楽の演奏者じゃないし、原典に忠実に等というアカデミズムでもない。しかし、こと響きと協和と言う面から考えると平均律跋扈というのは、非常に弦楽器を損ねると思います。
モーツァルトは純正律信奉者だったから、ピアノ曲は中間音律(ミーントーン)で作曲しています。彼は自分の曲を平均律でやる奴がいたら殺してやるというほど過激な響きの信奉者だったから、「モーツァルトの夜」をやるなら調律はミーントーンの方がいい。するとモーツァルトのヴァイオリンソナタもミーントーンの音程で取らなければならないとすると、どんな音程になるのだろう。
モーツァルトの父レオポルドのヴァイオリン教本には、ヴァイオリンの調弦はジャストの5度で取ってはならないと書いてあるそうです。ミーントーンなら当然、五度は狭いですからね。タルティーニも開放弦は使うなと書いています。
Cisと言う音名はCに近いという意味でDesはDに近いという意味。これは純正律、ミーントーン的であり、今の一般のヴァイオリニストの音程とは丸で違います。今のヴァイオリニストは、私も含め、メロディ的にはCisは明らかにDesより高い。
私は古楽をやるために言っているのではなく本来のヴァイオリンの音程はどうあるべきかを考え直す時期に来ていると思い発言しています。
純正律やいろんな音律に興味のあるかたは、私のHPの「純正律音楽研究所」を覗いてみて下さい。
モーツァルトは純正律信奉者だったから、ピアノ曲は中間音律(ミーントーン)で作曲しています。彼は自分の曲を平均律でやる奴がいたら殺してやるというほど過激な響きの信奉者だったから、「モーツァルトの夜」をやるなら調律はミーントーンの方がいい。するとモーツァルトのヴァイオリンソナタもミーントーンの音程で取らなければならないとすると、どんな音程になるのだろう。
モーツァルトの父レオポルドのヴァイオリン教本には、ヴァイオリンの調弦はジャストの5度で取ってはならないと書いてあるそうです。ミーントーンなら当然、五度は狭いですからね。タルティーニも開放弦は使うなと書いています。
Cisと言う音名はCに近いという意味でDesはDに近いという意味。これは純正律、ミーントーン的であり、今の一般のヴァイオリニストの音程とは丸で違います。今のヴァイオリニストは、私も含め、メロディ的にはCisは明らかにDesより高い。
私は古楽をやるために言っているのではなく本来のヴァイオリンの音程はどうあるべきかを考え直す時期に来ていると思い発言しています。
純正律やいろんな音律に興味のあるかたは、私のHPの「純正律音楽研究所」を覗いてみて下さい。
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Re: 音律
投稿日時:2003年04月15日 21:44
投稿者:教えてください(ID:OTmSAwA)
モーツァルトの話が出たので教えてください。
モーツァルトのバイオリン協奏曲第3番第1楽章を弾いています。
この曲を純正律で弾く、という場合には具体的にはどのように弾けばよいのでしょうか。Ddurの曲で、ソシレのソシが長三度だからシを低めに取ればよいのでしょうか。
教えてください。よろしくお願いします。
モーツァルトのバイオリン協奏曲第3番第1楽章を弾いています。
この曲を純正律で弾く、という場合には具体的にはどのように弾けばよいのでしょうか。Ddurの曲で、ソシレのソシが長三度だからシを低めに取ればよいのでしょうか。
教えてください。よろしくお願いします。
[3253]
Re: 音律
投稿日時:2003年04月15日 23:00
投稿者:玉木宏樹(ID:NXJARFU)
D-durの所が良く分からないのですが、
それはおいといて、ソシレを純正に取るのは簡単です。
G線の開放弦の上にオクターブ上のソをD線で(3の指)取ります。そして
A線の1で、シをハモる音程で取ります。これが純正なソシレで、このシが
ピタゴラスや平均律より低いことを確認して下さい..
しかし、平均律跋扈の現在においては、ピアノとは全く合いません。ヨーロッパの
ピアノ伴奏楽科では、ちゃんと対応するレッスンをするのですが、とりあえず
現状の日本では絶望的です。で、次善の策としては、モーツァルトに怒られることには眼を
つぶって、ピタゴラス3度で自己主張することでしょうね。
それはおいといて、ソシレを純正に取るのは簡単です。
G線の開放弦の上にオクターブ上のソをD線で(3の指)取ります。そして
A線の1で、シをハモる音程で取ります。これが純正なソシレで、このシが
ピタゴラスや平均律より低いことを確認して下さい..
しかし、平均律跋扈の現在においては、ピアノとは全く合いません。ヨーロッパの
ピアノ伴奏楽科では、ちゃんと対応するレッスンをするのですが、とりあえず
現状の日本では絶望的です。で、次善の策としては、モーツァルトに怒られることには眼を
つぶって、ピタゴラス3度で自己主張することでしょうね。
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Re: 音律
投稿日時:2003年04月16日 08:45
投稿者:教えてください(ID:JSgmgHA)
玉木先生、丁寧なお答えありがとうございます。
純正律、ピタゴラス律、平均律と、音律は難しい課題だと思います。
音律は意識しないで弾いていたので、自分が何律で弾いているのか分かりませんが、ピアノと音を合わせているので多分平均律なのだと思います。
たびたびの質問で恐縮ですが、ピタゴラス三度で弾く場合にはどう意識して弾けばよいのでしょうか。教えてください。
純正律、ピタゴラス律、平均律と、音律は難しい課題だと思います。
音律は意識しないで弾いていたので、自分が何律で弾いているのか分かりませんが、ピアノと音を合わせているので多分平均律なのだと思います。
たびたびの質問で恐縮ですが、ピタゴラス三度で弾く場合にはどう意識して弾けばよいのでしょうか。教えてください。
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Re: 音律
投稿日時:2003年04月16日 09:57
投稿者:玉木宏樹(ID:NXJARFU)
ピタゴラス3度も簡単です。
ソレラミを純正に調弦したあと、
ミの開放弦に対しA線で4度下の
シをジャストに取ります。
その人さし指を押さえたままで、
次にGの開放弦に対してオクターブ上の
ソをD線で取ります。
そして、ソと先程のシを弾きます。
とても汚いです。
平均律の3度よりもっと高い。
邦楽はピタゴラスです。雅楽の和声は基本的に
4度です。4度と5度は純正できれいなのですが、
3度が使えません。邦楽にドミソがないのは
ピタゴラスだからです。
グレゴリオもピタゴラスです。
メロディはピタゴラスの方がいい。
ヴァイオリンはピタゴラス調弦ですから
ほとんどの人が無意識でピタゴラス音程で
弾いています。
しかしきれいに協和する純正律とは矛盾します。
ソレラミを純正に調弦したあと、
ミの開放弦に対しA線で4度下の
シをジャストに取ります。
その人さし指を押さえたままで、
次にGの開放弦に対してオクターブ上の
ソをD線で取ります。
そして、ソと先程のシを弾きます。
とても汚いです。
平均律の3度よりもっと高い。
邦楽はピタゴラスです。雅楽の和声は基本的に
4度です。4度と5度は純正できれいなのですが、
3度が使えません。邦楽にドミソがないのは
ピタゴラスだからです。
グレゴリオもピタゴラスです。
メロディはピタゴラスの方がいい。
ヴァイオリンはピタゴラス調弦ですから
ほとんどの人が無意識でピタゴラス音程で
弾いています。
しかしきれいに協和する純正律とは矛盾します。
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