[32432]
ヴィブラートのかけ方について その4
投稿日時:2007年04月01日 03:31
投稿者:catgut(ID:JoVYNnI)
以前のスレッド(ヴィブラートのかけ方 その3)が再び非常に長くなりましたので、新しいスレッドを作成しました。
本スレッドの趣旨は、客観的事実として弦楽器のヴィブラートは基本的には基準音の上下におよそ均等にかかることを前提としてよいヴィブラートのかけ方について検討・議論・情報交換を行うことです。
例えば以下のような話題を想定しています。
・tartiniなど分析ソフトを用いたヴィブラート方法の改善
・従来、基本的に上向きまたは下向きにかけていた奏者が逆の方向にかけるケースについて
・ヴィブラートの仕組みに関連する話題
等。
本スレッドの趣旨は、客観的事実として弦楽器のヴィブラートは基本的には基準音の上下におよそ均等にかかることを前提としてよいヴィブラートのかけ方について検討・議論・情報交換を行うことです。
例えば以下のような話題を想定しています。
・tartiniなど分析ソフトを用いたヴィブラート方法の改善
・従来、基本的に上向きまたは下向きにかけていた奏者が逆の方向にかけるケースについて
・ヴィブラートの仕組みに関連する話題
等。
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【ご参考】
[33241]
Re: ヴィブラートのかけ方について その4
投稿日時:2007年04月26日 16:48
投稿者:catgut(ID:MXOEJhA)
本スレッドを作成した者として所感をいくつか書かせていただきます。
まず、ヴィブラートに関してストリング誌で書かれた玉木さまには大変感謝
しております。「ヴィブラートは上下にかけるもの」と思っている方は多数
いらっしゃると思いますが「下派」の方々との衝突を嫌ってか最近の国内の
出版物ではあまり見かけることがありませんでした。ちなみに玉木さまの掲示板にヴィブラートの音程認識について書かれている方は私ではありません。
また、ヴィブラートの件についてストリング誌で取り上げていただいたスト
リング誌編集担当の方々も感謝致します。ご苦労が多いと思いますが、本件についてそれぞれの立場からの見解を取り上げていただけるとありがたいと思います。
それぞれの立場から私と議論して頂いているみなさまにも感謝致します。
繰り返しますが私は「下に向けてかける」ことも奏者の適性や状況によっては意味があると考えておりますので、今後も有意義な議論をさせていただくようお願いします。私は事実を明確にしたいだけであり、このような問題について間違った主張を通せるなどとは思っていません。私にも思い込みや勘違いなどがあると思いますので、お気づきの点はご指摘頂けるとありがたいです。
まず、ヴィブラートに関してストリング誌で書かれた玉木さまには大変感謝
しております。「ヴィブラートは上下にかけるもの」と思っている方は多数
いらっしゃると思いますが「下派」の方々との衝突を嫌ってか最近の国内の
出版物ではあまり見かけることがありませんでした。ちなみに玉木さまの掲示板にヴィブラートの音程認識について書かれている方は私ではありません。
また、ヴィブラートの件についてストリング誌で取り上げていただいたスト
リング誌編集担当の方々も感謝致します。ご苦労が多いと思いますが、本件についてそれぞれの立場からの見解を取り上げていただけるとありがたいと思います。
それぞれの立場から私と議論して頂いているみなさまにも感謝致します。
繰り返しますが私は「下に向けてかける」ことも奏者の適性や状況によっては意味があると考えておりますので、今後も有意義な議論をさせていただくようお願いします。私は事実を明確にしたいだけであり、このような問題について間違った主張を通せるなどとは思っていません。私にも思い込みや勘違いなどがあると思いますので、お気づきの点はご指摘頂けるとありがたいです。
[33243]
Re: ヴィブラートのかけ方について その4
投稿日時:2007年04月26日 18:05
投稿者:catgut(ID:MXOEJhA)
「下派」の人が客観的なデータを示されても容易に「基準音の下にかける」のが間違いとは思えない理由を推測してみました。
・現に「下にかけて」演奏できている。
実際は無意識のうちに「上下にかけて」いるが、無意識なので間違いとは思えない。
・欧米の有名奏者に「下にかける」と指導している人がいる
ガラミアン門下などの有名奏者に「下にかける」と指導している人がいる。
欧米では「下派」と「上下派」(少数の上派も)に分かれてしばしば論争しているが、この論争については日本ではほとんど知られていない。
・「下派」の方でも現在40代以上で10歳前後で最初にヴィブラートを習った方(30年以上前に最初にヴィブラートを習った方々)の大半は、最初にヴィブラートを習った時には「基準音の下にかける」とは習っていない。ヴィブラートができるようになった後で「基準音の下にかける」と指導を受けたか、ガラミアンの著作などを読んで「下にかける」ように変更したと考えられる。
つまりある程度は自分から「下にかける」ようにしたのであり、自分の判断が間違っていたとは信じられない。
・逆に最初から「下にかける」と習った方々は、信頼する先生に「間違い」を教えられたことになり「下にかける」のを間違いと認めると精神的な葛藤が生まれる。
・現に「下にかけて」演奏できている。
実際は無意識のうちに「上下にかけて」いるが、無意識なので間違いとは思えない。
・欧米の有名奏者に「下にかける」と指導している人がいる
ガラミアン門下などの有名奏者に「下にかける」と指導している人がいる。
欧米では「下派」と「上下派」(少数の上派も)に分かれてしばしば論争しているが、この論争については日本ではほとんど知られていない。
・「下派」の方でも現在40代以上で10歳前後で最初にヴィブラートを習った方(30年以上前に最初にヴィブラートを習った方々)の大半は、最初にヴィブラートを習った時には「基準音の下にかける」とは習っていない。ヴィブラートができるようになった後で「基準音の下にかける」と指導を受けたか、ガラミアンの著作などを読んで「下にかける」ように変更したと考えられる。
つまりある程度は自分から「下にかける」ようにしたのであり、自分の判断が間違っていたとは信じられない。
・逆に最初から「下にかける」と習った方々は、信頼する先生に「間違い」を教えられたことになり「下にかける」のを間違いと認めると精神的な葛藤が生まれる。
[33263]
Re: ヴィブラートのかけ方について その4
投稿日時:2007年04月27日 19:49
投稿者:catgut(ID:MXOEJhA)
tartiniの使い方について簡単にまとめました。
【tartiniを使用するメリット】
音楽データ(wav形式)を読み込ませて、音楽を再生しながら音程・音量・ヴィブラートの波形などを画面で見ることができる。再生と同時に画面が自動的に横に移動していく。
曲全体の流れや特定のパッセージについて、有名奏者がどのように弾いているか分析したり、自分の演奏について音程・音量・ヴィブラートのかかり方などを容易かつ詳細に確認できる。
【ダウンロード場所】
ダウンロードページ
ttp://miracle.otago.ac.nz/postgrads/tartini/download.html
メインページ
ttp://miracle.otago.ac.nz/postgrads/tartini/
【動作環境】
Windows/Mac OSX/Linux
【基本的な使用方法】
wav形式の音楽データを用意し、tartiniに読み込ませ、再生するだけです。
・自分の演奏をwavファイルで録音する方法
Windowsの場合は付属の「サウンドレコーダ」で1分間までの制限付きながら録音し、wavファイルで出力できる。また、各種フリーウェア(超録など)で時間無制限でwavファイルで録音できる。テープレコーダで録音したものをパソコンのマイク入力に接続してwavで録音することも可能。
・CDやMP3の曲をwavファイルに変換する方法
iTuneで変換したい曲にマウスカーソルを合わせて右クリックすると「選択項目をwavに変換」という項目が出る(もしwavのかわりにほかの表示が出る場合は、編集ー設定ー詳細ーインポート-インポート方法で、「WAVエンコーダ」を選択する。「設定」は「モノラル」にしたほうが見やすい)。iTuneのフォルダに変換されたwavファイルができる。
【使用上の注意点】
・ファイル名に日本語(2バイト系文字)は使用できない。また長いファイル名も避けたほうがよい。tartiniを実行するフォルダ名(パス名)にも日本語が含まれていてはならない。Windowsの場合はc:\tartiniのようなフォルダに展開して使用するとよい。
・Windowsの場合はマウスのホイールで画面の拡大・縮小が可能。Macの場合は画面右側のスクロールバーに隣接する■のマークをマウスでクリックしてドラッグすることが画面の拡大・縮小が可能。画面をマウスでクリックして画面を移動することもできる。
・表示される音程基準線(G,D,A,Eなど)はA=440Hz,5度調弦として表示されている。このため自分で録音する場合はA=440Hzで調弦すると正しく表示される。CDの録音などを調弦が不明な場合は、開放弦を見つけて調弦の音程を確認し、その分基準線からずらして読み取る必要がある。現実的にはピアノ伴奏曲であればほとんどA=440-444Hzの範囲に納まっている。なお、非常に古い録音については機械的な理由で実際の演奏より多少音程が上下している可能性がある。
・tartiniが読み取れない音については正しく表示されない。伴奏楽器と音が混じったり、ヴァイオリン独奏でも短すぎる音や小さすぎる音は正しく表示されない場合がある。
私にわかる範囲であれば回答しますのでこちらのスレッドにコメントしてください。
【tartiniを使用するメリット】
音楽データ(wav形式)を読み込ませて、音楽を再生しながら音程・音量・ヴィブラートの波形などを画面で見ることができる。再生と同時に画面が自動的に横に移動していく。
曲全体の流れや特定のパッセージについて、有名奏者がどのように弾いているか分析したり、自分の演奏について音程・音量・ヴィブラートのかかり方などを容易かつ詳細に確認できる。
【ダウンロード場所】
ダウンロードページ
ttp://miracle.otago.ac.nz/postgrads/tartini/download.html
メインページ
ttp://miracle.otago.ac.nz/postgrads/tartini/
【動作環境】
Windows/Mac OSX/Linux
【基本的な使用方法】
wav形式の音楽データを用意し、tartiniに読み込ませ、再生するだけです。
・自分の演奏をwavファイルで録音する方法
Windowsの場合は付属の「サウンドレコーダ」で1分間までの制限付きながら録音し、wavファイルで出力できる。また、各種フリーウェア(超録など)で時間無制限でwavファイルで録音できる。テープレコーダで録音したものをパソコンのマイク入力に接続してwavで録音することも可能。
・CDやMP3の曲をwavファイルに変換する方法
iTuneで変換したい曲にマウスカーソルを合わせて右クリックすると「選択項目をwavに変換」という項目が出る(もしwavのかわりにほかの表示が出る場合は、編集ー設定ー詳細ーインポート-インポート方法で、「WAVエンコーダ」を選択する。「設定」は「モノラル」にしたほうが見やすい)。iTuneのフォルダに変換されたwavファイルができる。
【使用上の注意点】
・ファイル名に日本語(2バイト系文字)は使用できない。また長いファイル名も避けたほうがよい。tartiniを実行するフォルダ名(パス名)にも日本語が含まれていてはならない。Windowsの場合はc:\tartiniのようなフォルダに展開して使用するとよい。
・Windowsの場合はマウスのホイールで画面の拡大・縮小が可能。Macの場合は画面右側のスクロールバーに隣接する■のマークをマウスでクリックしてドラッグすることが画面の拡大・縮小が可能。画面をマウスでクリックして画面を移動することもできる。
・表示される音程基準線(G,D,A,Eなど)はA=440Hz,5度調弦として表示されている。このため自分で録音する場合はA=440Hzで調弦すると正しく表示される。CDの録音などを調弦が不明な場合は、開放弦を見つけて調弦の音程を確認し、その分基準線からずらして読み取る必要がある。現実的にはピアノ伴奏曲であればほとんどA=440-444Hzの範囲に納まっている。なお、非常に古い録音については機械的な理由で実際の演奏より多少音程が上下している可能性がある。
・tartiniが読み取れない音については正しく表示されない。伴奏楽器と音が混じったり、ヴァイオリン独奏でも短すぎる音や小さすぎる音は正しく表示されない場合がある。
私にわかる範囲であれば回答しますのでこちらのスレッドにコメントしてください。
[33264]
Re: ヴィブラートのかけ方について その4
投稿日時:2007年04月27日 19:57
投稿者:catgut(ID:MXOEJhA)
参考としてtartiniで見たハイフェッツのヴィブラートの例です(月の光)。
ttp://catgut.hp.infoseek.co.jp/vibrato-heifetz.jpg
・1秒間に8回程度の細かいヴィブラート
・ここではヴィブラートをかけながら半音グリッサンドしている
ttp://catgut.hp.infoseek.co.jp/vibrato-heifetz.jpg
・1秒間に8回程度の細かいヴィブラート
・ここではヴィブラートをかけながら半音グリッサンドしている
[33331]
ストリング5月号
投稿日時:2007年05月02日 11:26
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
ストリング5月号を購入し、玉木先生の文章を読ませていただきました。
ふむふむ、なるほど、うーん、あれれ? いろんな感想を持ちました。
ここをご覧の方々にヴィブラートの上端を音程として認識するとお考えの方は、もはやおられないでしょう。
しかし、ここを訪れた方は多く見積もっても数十名?程度で、全体から見ればごく小数であり、ヴィブラートの上端=音程とお考えの方はまだまだ多くおられると思います。そんな中にあって、より多くの人が目にする活字メディアにおいて玉木先生が『振幅のトップの高さで音程認識をしているのではない』(p101)と主張されたことは大変意義深いことだと思います。
ヴィブラートの(ほぼ)中央部を音程として認識すると当たり前のように思ってきた私にとって、上向きか下向きかが枝葉末節とまでは言いませんが、『幅と速さのほうがずっと重要』(p103)というのは、まったくその通りだと感じます。私が収集した多くのデータから言えることは、演奏家の個性(というか音色)を決定付ける最大の因子(左手)は、ヴィブラートの幅と速さです。エンヴェロープの形状も極めて重要です。ヴィブラートの個々の形状も関係しているように思いますが、今のところ良く分かりません。Expressive intonationはその後です。これらに関しては、時間ができましたら詳しく書いてみたいと思います。
ところで、私のサイトがYahooやgoogle等の検索エンジンでヒットしないのは何故でしょう? もう2ヶ月以上経過しているのに・・・ マニアックすぎて登録してもらえない!?
ふむふむ、なるほど、うーん、あれれ? いろんな感想を持ちました。
ここをご覧の方々にヴィブラートの上端を音程として認識するとお考えの方は、もはやおられないでしょう。
しかし、ここを訪れた方は多く見積もっても数十名?程度で、全体から見ればごく小数であり、ヴィブラートの上端=音程とお考えの方はまだまだ多くおられると思います。そんな中にあって、より多くの人が目にする活字メディアにおいて玉木先生が『振幅のトップの高さで音程認識をしているのではない』(p101)と主張されたことは大変意義深いことだと思います。
ヴィブラートの(ほぼ)中央部を音程として認識すると当たり前のように思ってきた私にとって、上向きか下向きかが枝葉末節とまでは言いませんが、『幅と速さのほうがずっと重要』(p103)というのは、まったくその通りだと感じます。私が収集した多くのデータから言えることは、演奏家の個性(というか音色)を決定付ける最大の因子(左手)は、ヴィブラートの幅と速さです。エンヴェロープの形状も極めて重要です。ヴィブラートの個々の形状も関係しているように思いますが、今のところ良く分かりません。Expressive intonationはその後です。これらに関しては、時間ができましたら詳しく書いてみたいと思います。
ところで、私のサイトがYahooやgoogle等の検索エンジンでヒットしないのは何故でしょう? もう2ヶ月以上経過しているのに・・・ マニアックすぎて登録してもらえない!?
[33334]
Re: ヴィブラートのかけ方について その4
投稿日時:2007年05月02日 14:39
投稿者:catgut(ID:MXOEJhA)
アマチュアチェロ弾きさま、
検索エンジンに新しいサイトのurlを教える方法があるようです。
こちらを試されてはいかがでしょうか。
ttp://help.yahoo.co.jp/help/jp/search/indexing/indexing-01.html
ttp://www.google.co.jp/support/webmasters/bin/answer.py?answer=35769&query=addurl&topic=&type=
また、差し障りのない範囲でアマチュアチェロ弾きさまが分析ソフトから読み取ったポイントなどを公開して頂けると幸いです。よろしくお願いします。
検索エンジンに新しいサイトのurlを教える方法があるようです。
こちらを試されてはいかがでしょうか。
ttp://help.yahoo.co.jp/help/jp/search/indexing/indexing-01.html
ttp://www.google.co.jp/support/webmasters/bin/answer.py?answer=35769&query=addurl&topic=&type=
また、差し障りのない範囲でアマチュアチェロ弾きさまが分析ソフトから読み取ったポイントなどを公開して頂けると幸いです。よろしくお願いします。
[33339]
Re: ヴィブラートのかけ方について その4
投稿日時:2007年05月02日 23:35
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
catgutさん
情報ありがとうございます。早速その2つに、urlを登録?しました。いずれロボット検索に引っ掛かると思います。
また、ホームページの体裁が十分整っていないので、Yahooジオシティーズへの登録は行っておりません。
波形から読み取れるポイントをということですので、少し書いてみます。
まず私の友人のタイスの瞑想曲の演奏を聴きながら波形を注意深く見てください。
(この演奏は、その場で依頼して、ほとんど指慣らしもせず行ったもので、そういう意味では非常に質の高いものだと思います。注文をつければもっとすばらしい演奏になったと思います。)
1.ヴィブラートの速度:5.5~6.0Hz
2.ヴィブラートの幅 : ~70cent
3.ヴィブラートの包絡:1つの音にかけるヴィブラートの速度&幅はほぼ一定であり、安定している。
※基礎のしっかりした、オーソドックスな演奏だと思います。
さて、これを超一流の演奏と比較すると・・・ タイスの瞑想曲No.1の波形を見てください。(私のお気に入りです)
1.ヴィブラートの速度:5.5~6.8Hz
2.ヴィブラートの幅 : ~100cent
3.ヴィブラートの包絡:1つの音の中でヴィブラートの速度と幅を自在に制御している。
※元々速度と幅の範囲が広い上に1つの音の中でそれらを連続的に変化させているので、表現の幅が飛躍的に広がっています。演奏をお聴かせ出来ないのが残念です。
話は変わりますが、ちりめんヴィブラート(痙攣ヴィブラート、あるいはビビラートとも)というのがあります。これは単に速度が速いということではなく、それに加えて、幅が小さく包絡が不安定であることが多いように感じます。初心者の方で左手を一生懸命動かしているのにちっともヴィブラートに聞こえないというケースは、それに該当するようです。
ちょっと疲れたので、この辺で(^^; その内まとめてきっちり書いてみたいと思います。
情報ありがとうございます。早速その2つに、urlを登録?しました。いずれロボット検索に引っ掛かると思います。
また、ホームページの体裁が十分整っていないので、Yahooジオシティーズへの登録は行っておりません。
波形から読み取れるポイントをということですので、少し書いてみます。
まず私の友人のタイスの瞑想曲の演奏を聴きながら波形を注意深く見てください。
(この演奏は、その場で依頼して、ほとんど指慣らしもせず行ったもので、そういう意味では非常に質の高いものだと思います。注文をつければもっとすばらしい演奏になったと思います。)
1.ヴィブラートの速度:5.5~6.0Hz
2.ヴィブラートの幅 : ~70cent
3.ヴィブラートの包絡:1つの音にかけるヴィブラートの速度&幅はほぼ一定であり、安定している。
※基礎のしっかりした、オーソドックスな演奏だと思います。
さて、これを超一流の演奏と比較すると・・・ タイスの瞑想曲No.1の波形を見てください。(私のお気に入りです)
1.ヴィブラートの速度:5.5~6.8Hz
2.ヴィブラートの幅 : ~100cent
3.ヴィブラートの包絡:1つの音の中でヴィブラートの速度と幅を自在に制御している。
※元々速度と幅の範囲が広い上に1つの音の中でそれらを連続的に変化させているので、表現の幅が飛躍的に広がっています。演奏をお聴かせ出来ないのが残念です。
話は変わりますが、ちりめんヴィブラート(痙攣ヴィブラート、あるいはビビラートとも)というのがあります。これは単に速度が速いということではなく、それに加えて、幅が小さく包絡が不安定であることが多いように感じます。初心者の方で左手を一生懸命動かしているのにちっともヴィブラートに聞こえないというケースは、それに該当するようです。
ちょっと疲れたので、この辺で(^^; その内まとめてきっちり書いてみたいと思います。
[33355]
Re: ヴィブラートのかけ方について その4
投稿日時:2007年05月03日 20:50
投稿者:catgut(ID:RxNnkZA)
アマチュアチェロ弾きさま、
確かに有名奏者のヴィブラートを見ると、高いポジションでかなり幅の広い
ヴィブラートを見かけます。幅が広くかつ美しいヴィブラートを使えるから
こそ有名奏者になれたというべきでしょうか。
余談ですが音響学の論文で「ストラディバリウス演奏音の聞き比べ実験 徳弘一路他3名」が最近出ていたので、読んでみました。ストラド(1734年)、プレセンダ(1829年)、Gunter Meyer(ドイツ製50万円)、レグヒン(ルーマニア製5万円)の比較です。複雑怪奇な結果(ピアニストはプレセンダを評価しないとか、音楽経験が長すぎる人はストラドが識別できないとか)が出ていて面白いです。機会があれば内容を紹介したいと思います。
確かに有名奏者のヴィブラートを見ると、高いポジションでかなり幅の広い
ヴィブラートを見かけます。幅が広くかつ美しいヴィブラートを使えるから
こそ有名奏者になれたというべきでしょうか。
余談ですが音響学の論文で「ストラディバリウス演奏音の聞き比べ実験 徳弘一路他3名」が最近出ていたので、読んでみました。ストラド(1734年)、プレセンダ(1829年)、Gunter Meyer(ドイツ製50万円)、レグヒン(ルーマニア製5万円)の比較です。複雑怪奇な結果(ピアニストはプレセンダを評価しないとか、音楽経験が長すぎる人はストラドが識別できないとか)が出ていて面白いです。機会があれば内容を紹介したいと思います。
[33379]
Re: ヴィブラートのかけ方について その4
投稿日時:2007年05月04日 15:35
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
catgutさん
面白そうな論文ですね。ぜひ紹介してください。
以前、NHKの地球ドラマチックという番組で「ストラディバリウスの秘密」というドキュメンタリーを放映していました。その中で、テキサスA&M大学の音響学の教授が作ったという新作のヴァイオリンとストラディバリウスの2台を一流の演奏家が弾き比べて、聴衆(音楽家、批評家、音楽愛好者)がそれを当てようという実験が紹介されていました。結果は、正解者はわずか57名で、残りの476名が間違いだったそうです。実験条件が不確かなのであまり勝手なことは言えませんが、聴衆が楽器の違いを識別するという能力においていかに曖昧であるかを証明するには十分な内容だと思います。これは、聴衆が評価するのは、楽器の良し悪しではなく演奏自体の良し悪しであるということを暗に示しているものと思います。(勿論、良い楽器を使用しているのだという聴衆の『思い込み』も『演奏の質を高めている』ことは、言うまでもありません(^^; )
と書きましたが、私は高い楽器を否定しているのでは勿論ありません。聴衆には分からなくても、演奏家自体が高価な楽器から「何か」を感じ、それが良い演奏につながっているのかもしれませんね。
ところで、上のような実験は何回か見たことがありますが(そしてその結果はほとんど値段には関係なかった!?)、演奏家自体のブラインドテストは聞いたことがありません。演奏家が文字通り目隠しをして、いくつかの楽器を弾きくらべてもらい、それぞれに値段をつけてもらうとか。(目隠しをするのは、見た目で良し悪しを判断できなくするためです)
どなたか試みてみませんか。
面白そうな論文ですね。ぜひ紹介してください。
以前、NHKの地球ドラマチックという番組で「ストラディバリウスの秘密」というドキュメンタリーを放映していました。その中で、テキサスA&M大学の音響学の教授が作ったという新作のヴァイオリンとストラディバリウスの2台を一流の演奏家が弾き比べて、聴衆(音楽家、批評家、音楽愛好者)がそれを当てようという実験が紹介されていました。結果は、正解者はわずか57名で、残りの476名が間違いだったそうです。実験条件が不確かなのであまり勝手なことは言えませんが、聴衆が楽器の違いを識別するという能力においていかに曖昧であるかを証明するには十分な内容だと思います。これは、聴衆が評価するのは、楽器の良し悪しではなく演奏自体の良し悪しであるということを暗に示しているものと思います。(勿論、良い楽器を使用しているのだという聴衆の『思い込み』も『演奏の質を高めている』ことは、言うまでもありません(^^; )
と書きましたが、私は高い楽器を否定しているのでは勿論ありません。聴衆には分からなくても、演奏家自体が高価な楽器から「何か」を感じ、それが良い演奏につながっているのかもしれませんね。
ところで、上のような実験は何回か見たことがありますが(そしてその結果はほとんど値段には関係なかった!?)、演奏家自体のブラインドテストは聞いたことがありません。演奏家が文字通り目隠しをして、いくつかの楽器を弾きくらべてもらい、それぞれに値段をつけてもらうとか。(目隠しをするのは、見た目で良し悪しを判断できなくするためです)
どなたか試みてみませんか。
[33386]
Re: ヴィブラートのかけ方について その4
投稿日時:2007年05月05日 01:41
投稿者:catgut(ID:IRcYhDk)
このスレッドも長くなりすぎましたので、おまけということにしましょう。
「ストラディバリウス演奏音の聞き比べ実験 徳弘一路他3名」
2006年12月17日 日本音響学会聴覚研究会資料の内容を一部紹介します。
4種類のヴァイオリン演奏を録画し、それを聞いて参加者に識別してもらう
実験です。昭和音楽大学と東京芸術大学で実験していて、昭和音楽大学の実験では実際の楽器の生演奏後にも識別してもらっています。演奏者は昭和音楽大学の小林恵美先生です。
使用した楽器はストラド(1734年)、プレセンダ(1829年)、Gunter Meyer(ドイツ製50万円)、レグヒン(ルーマニア製5万円)で、ストラドとプレセンダは昭和音楽大学所有だそうです。
・昭和音楽大学での実験
参加者49名(音大生、神奈川工科大学生、一般人)
最初に予め録画したビデオの音だけを参加者に聞かせて4種の楽器を当ててもらった。ストラドの識別率は53.1%という高い値を示した。
その後生演奏を行い、再度楽器を当ててもらったところ、ストラドの識別率は22.4%(つまりほとんど識別できていない)という結果となった。
この「予想外の結果」について「小林先生の生演奏の上手さに聞き入ってしまい、聞き比べが疎かになった」のではないかと著者はコメントしている。
参加者の中で「音楽経験者」と「音楽非経験者」を区別するとストラドの識別率は音楽経験者が高く、初級バイオリンの識別率は音楽非経験者が高いという結果になった。
また、参加者の中でピアノ奏者(10名)に注目すると、ピアノ奏者はプレセンダを10人中9人が50万または5万の安い楽器と誤認識した。
・東京芸大での実験
参加者39名(学生、芸大講師、研究メンバで、全員音楽関係の経験がある)
ビデオでのストラドの識別率は46.2%。「高音が豊かで音色がよい」「音の立ち上がり良かった」という指摘があった。
参加者を音楽歴4年以下、5-9年、10年以上と分類すると、ストラドの識別率は
4年以下 22.2%
5-9年 75%
10年以上 38.9%
となり、10年以上の経験者は識別率が低かった。著者は5-9年の人は聴覚の衰えがなく日ごろ音楽の学習や訓練を行っているからではないかとコメントしている。また芸大でもピアノ奏者(8名)に注目するとプレセンダを8名中7名が50万か5万の楽器と誤認識した。
「ストラディバリウス演奏音の聞き比べ実験 徳弘一路他3名」
2006年12月17日 日本音響学会聴覚研究会資料の内容を一部紹介します。
4種類のヴァイオリン演奏を録画し、それを聞いて参加者に識別してもらう
実験です。昭和音楽大学と東京芸術大学で実験していて、昭和音楽大学の実験では実際の楽器の生演奏後にも識別してもらっています。演奏者は昭和音楽大学の小林恵美先生です。
使用した楽器はストラド(1734年)、プレセンダ(1829年)、Gunter Meyer(ドイツ製50万円)、レグヒン(ルーマニア製5万円)で、ストラドとプレセンダは昭和音楽大学所有だそうです。
・昭和音楽大学での実験
参加者49名(音大生、神奈川工科大学生、一般人)
最初に予め録画したビデオの音だけを参加者に聞かせて4種の楽器を当ててもらった。ストラドの識別率は53.1%という高い値を示した。
その後生演奏を行い、再度楽器を当ててもらったところ、ストラドの識別率は22.4%(つまりほとんど識別できていない)という結果となった。
この「予想外の結果」について「小林先生の生演奏の上手さに聞き入ってしまい、聞き比べが疎かになった」のではないかと著者はコメントしている。
参加者の中で「音楽経験者」と「音楽非経験者」を区別するとストラドの識別率は音楽経験者が高く、初級バイオリンの識別率は音楽非経験者が高いという結果になった。
また、参加者の中でピアノ奏者(10名)に注目すると、ピアノ奏者はプレセンダを10人中9人が50万または5万の安い楽器と誤認識した。
・東京芸大での実験
参加者39名(学生、芸大講師、研究メンバで、全員音楽関係の経験がある)
ビデオでのストラドの識別率は46.2%。「高音が豊かで音色がよい」「音の立ち上がり良かった」という指摘があった。
参加者を音楽歴4年以下、5-9年、10年以上と分類すると、ストラドの識別率は
4年以下 22.2%
5-9年 75%
10年以上 38.9%
となり、10年以上の経験者は識別率が低かった。著者は5-9年の人は聴覚の衰えがなく日ごろ音楽の学習や訓練を行っているからではないかとコメントしている。また芸大でもピアノ奏者(8名)に注目するとプレセンダを8名中7名が50万か5万の楽器と誤認識した。
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