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最近の若い人は毛をパンパンに張っているような・・・ | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 24 Comments
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最近の若い人は毛をパンパンに張っているような・・・

投稿日時:2007年06月23日 19:33
投稿者:フラボノ(ID:MjFwR1I)
 弦楽器展示会に行ったときのことです。中学生ぐらいの少女がシベリウスのヴァイオリン協奏曲やパガニーニのカプリースなどを達者に弾いていました。なかなか達者だったので近くで見て聞いていたわけですが、良く見ると弓の毛をパンパンに張って弾いてました。どれくらいパンパンに張っていたかというと、弓が弦から離れたときなどサオがほとんど真っ直ぐに見えるほどでした。
 試奏していたのは、オリーヴが張られた数百万円のモダンイタリアンのヴァイオリンと300万円程度のオールド(あるいはモダン)フレンチボウでした。
 その後しばらくして、今度は、高校生ぐらいの少年が、バッハの無伴奏ソナタを弾き始めたのですが、その少年も弓の毛をパンパンに張って弾いてました。弓の中央で毛とスティックの間が10ミリぐらい離れているように見えました。弓はベルギーのギ○ームの金黒檀のものを試奏していました。ヴァイオリンはオリーヴが張られた新作イタリアンでした。
 最近の若い人の間では弓の毛をパンパンにして弾くのが流行りなのでしょうか?店員さんがすぐそばに居て「いかがでしょうか?」と話しかけていましたが、弓の毛をパンパンに張っていることに対しては何も言われませんでした。
 同じ店で5年前に私が試奏したときには、弓の中央でスティックと毛が8ミリくらい離れた状態で弾いていたら、「もう少し弱めに張った方がいいですよ。あんまり強く張ると弓が傷みますので。」と言われたものですが・・・。私は最初7ミリくらいで弾いていたのですが、エアコンの温風が当たるところだったので、いつの間にか毛がパンパンに張ってきて8ミリぐらいになってしまったのでした。そのとき私が試奏した弓は、300万円くらいのオールドフレンチボウでした。
 最初に書いた少女や少年は10ミリかそれ以上にパンパンに張って弾いていたのに、店員から何も言われなかったので「何でだろう。」と思った次第です。普段先生から「毛が張り過ぎてるよ。」と注意されていないのだろうか?と疑問に思った次第です。
 このあたりの事情に詳しい方がいらしたら教えて下さい。
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【ご参考】
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Re: 最近の若い人は毛をパンパンに張っているような・・・

投稿日時:2007年09月10日 13:03
投稿者:クロアシ(ID:lIRWlEA)
申し訳ありませんが、私はプロではありません。私は十代の終りにソリストとしてのキャリアを放棄して、以来、一般の大学で学び現在に至っています。私の専門は古典文学の研究です。もっとも、今でもある程度技術は保持しており、演奏すると必ずプロかヴァイオリン教師に間違われます。


今日、練習の際、実際に測ってみましたが4-5mmでした。強く張っていた頃は7-8mmくらい。ですから、私は、フラボノさんが定義するパンパンの状態ではありませんね。
実際問題、強く張ると、1)音量が増す、2)デュナーミクを幅広く取れることが期待されます。弓の返しを上手く調節できれば、全体的な表現も容易になるでしょう。
デュナーミクやアゴーギクをことさらに強調するのは、ここ20年来の傾向でしょうか。特にアメリカでは、独奏も室内楽もその傾向が強いと思います。私は、一時期彼の地で演奏を学んでいたことがあり、その時教わったことも影響して、自然と弓の張りを強くすることを思い付いたのだと思います。こうした方法が一般的に認知されているとは、当時は考えていませんでした。

そういえば、私もこの前弦楽器フェアに行ったのですが、あるオールド楽器を弾く時、店員さんからパンパンに張った弓を渡されました。これで、圧力とスピードをかけて弾くと、大ホールでも良く音が通りますよって言われた。なるほど、これが今のトレンドなのか、と思いました。弓にかかる負担は私も気になりますが、楽器店の店員も奨めていたし、これで弓の寿命が短くなることもないのかな、と理解しています。
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Re: 最近の若い人は毛をパンパンに張っているような・・・

投稿日時:2007年09月11日 00:32
投稿者:フラボノ(ID:ERUokGA)
玄人はだしの技量をお持ちのクロアシさんへ。(もしかして、ハンドルネームは、玄人はだし、の略でしょうか?)
弓の毛を4~5ミリしか張らずに弾いておられるということは、技量もさることながら、弓もかなり良い弓をお持ちではないかと察します。自分の弓で4~5ミリの張り具合だと、ちょっとアクセントをつけたりすると、サオがカツンカツンと弦に当たってしまいます。自分の弓だと、最低でも6ミリは張らないとダメです。
トルテのようにフロッグの高さが高い弓と、サルトリーのようにフロッグの高さが低めの弓では、同じように弓の中央で10ミリ張ったときのパンパン具合がだいぶ違いますし、そもそも弓そのものの弾性・剛性によってもパンパン具合がだいぶ違うので一概には言えないと思いますが、最近の若手奏者を見ていると、流派に関係なく、皆、パンパンに張って弾いているように見えます。
彼らの弓の張り具合を真似するには、自分の弓だと10~12ミリぐらい張る必要がありますが、こんなパンパンな状態で弾いたら、早く弓がへたってしまうのではないかと怖くなるので、最大でも9ミリ程度に留めるようにしています。
私の場合は、弾き始めは9ミリぐらいに張っていても、手の汗や体から出る水蒸気の影響で多少毛が伸びるので、演奏中は8ミリ程度の張りになっていることが多いです。私の場合は8ミリ張ってあれば、3重・4重の和音でもサオが弦に当たることはありません。7ミリだと時々サオが弦に当たってしまいます。
最近は、昔よりも弦のテンションが上がっているので、そのあたりも、弓の毛の張り具合に影響しているのかも知れませんね。
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Re: 最近の若い人は毛をパンパンに張っているような・・・

投稿日時:2007年09月11日 16:31
投稿者:クロアシ(ID:lIRWlEA)
>フラボノさん

>弓もかなり良い弓をお持ちではないかと察します

師から20万で譲ってもらった無銘ドイツ弓を15年近く使っています。音だけでいえば、Jacob EURYやEmile OUCHARDくらいのレベルのようです。実は、先日反り直ししてもらうまで、かなりへたっていました。重さのバランスがとても良かったので、なんとなく使い続けていましたが、修理を受けて操作性が劇的に向上しました。はやくやっておけば良かったと思っています。

>自分の弓で4~5ミリの張り具合だと、ちょっとアクセントをつけたりすると、サオがカツンカツンと弦に当たってしまいます

しょっちゅうではありませんが、時折私も棹をぶつけますよ。ただ、そういうの、客席には聞こえませんから(笑)。張りを強くするかどうかは、結局、音量や表現を、毛の張力に依存するか棹のしなりに依存するかの違いなのかもしれませんね。どちらが正解ということはないのだと思います。ただ、私も、弓への負担は正直気にしています。楽器店でこまめにメンテナンスを受ければ問題はないのだ、と、頭では理解していますが。
ボウイングは何年やっていても難しいです。難度の高い曲を練習するとき、必ず1-2回は自分のボウイングを検討しなおします。毎日が精進です。

弦のテンションとの関係は、気付きませんでした。ご指摘ありがとうございます。強く張られた弦を弾きこなすには、ある程度の圧力とスピードが必要ですね。普段はオブリガートやドミナントのようなナイロン弦を使っているのですが、例えば、昔の奏者が愛用していたオイドクサなどとは、当然弾き味も違うしボウイングの対応も異なっているでしょうね。


>ハンドルネームは、玄人はだし、の略でしょうか?

いえいえ、これは、古代の詩人の名を引っかけて作った名前です。
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Re: 最近の若い人は毛をパンパンに張っているような・・・

投稿日時:2007年09月12日 23:51
投稿者:フラボノ(ID:ERUokGA)
クロアシさんへ。ハンドルネームは古代の詩人の名前をもじったものなのですね。
無銘でも、値段がそれほど高くなくても、性能(機能)の点で、高価な弓と同様のレベルの弓、というのは、運が良いと見つかるようです。クロアシさんはとてもラッキーでいらっしゃると思います。
ちなみに、クロアシさんは、弓を指板側にどの程度倒して弾いておられますでしょうか?
弓をほとんど倒さずに弦に毛を全部つけるような弾き方をする人は、毛の張り具合が弱めの傾向があります。
ちなみに私は少し指板側に弓を倒して弾いており、毛の1/3~半分が弦に当たるような弾き方です。毛の張り加減は、フロッグの高さが低めの丸弓では弓の中央で毛とスティックが7~8ミリ程度離れています。フロッグの高さがやや高めの角弓では8~9ミリ離れています。どちらも、演奏中に体が汗をかくことにより、毛が伸びて-1ミリ程度、毛の張りが緩くなります。
この張り具合だと、3重音や4重音を強く弾いても、絶対にスティックが弦に当たりません。丸弓はキズがつきにくいので、それほど気にしなくても良いのですが、角弓は弦にカツンカツンと当たるとキズがつき易いので、演奏中に弦とスティックがけして当たらないように、毛の張り具合を調整しています。
角弓の方は、自分にとっては高価で、壊れたりしたら買い直しはできないので、かなり大事に扱っています。弓は消耗品、と言う方がいますが、私にとっては、ヴァイオリン本体と同じかそれ以上に大切な存在なので、とても消耗品とは思えません。常に新品同様のコンディションを保つように努めています。
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Re: 最近の若い人は毛をパンパンに張っているような・・・

投稿日時:2007年09月14日 07:13
投稿者:クロアシ(ID:lIRWlEA)
>フラボノさん
>弓をほとんど倒さずに弦に毛を全部つけるような弾き方をする人は、毛の張り具合が弱めの傾向があります。

仰る通りです。効率良く音を出すために、ほとんど倒しません。弓を返すときや、音量を調節するときに、ほんの少し指板側、駒側に倒すくらいです。

私の弓は手元で継がれているので、楽器店に売却しても二束三文でしょうが、音色・操作性を考えると、かなりお得だと思っています。近年、弓の価格が高騰していますが、無銘のドイツ・オールドボウは比較的安価なので狙い目かもしれません。
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