[35834]
裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!
投稿日時:2007年12月08日 11:01
投稿者:ブルーベリー(ID:MlBRJJg)
ピッチの低い古楽器(バロックヴァイオリン)ではなく、A=440~443Hzの現代の普通のヴァイオリンに「裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!」ということでスレッドを立ち上げます。
最近、一部のヴァイオリン奏者の間で、裸のガット弦を使うという現象が見られるので、自分も試してみることにしました。
ttp://fstrings.com/board/index.asp?id=35733&page=1&sort=&t=
今回買ったのは、イタリアのTORO社のシープガット弦です。㈲コースタルトレーディングさんから通販で買うことができます。
ttp://coastaltrading.biz/viole.html
裸のガット弦には、ニスがかけられていないナチュラル仕上げのものと、ニスがかけられているニス仕上げのものがありますが、自分は手に汗をかくのでニス仕上げのものを買いました。
ゲージは下記のとおり、各弦数種類用意されていますが、とりあえず、一番細いゲージから試してみることにしました。
ttp://coastaltrading.biz/HPData/TORO%20PriceList%202007.pdf
自分は、E線はスチール(オリーヴなどなど)、A・D線は裸のガット、G線は銀巻きのガット、という組み合わせを試します。(弦の銘柄は違いますが)ハイフェッツはそういう組み合わせを好んでいたようです。ほんの30年前くらい前までは、そういう組み合わせで弾いている奏者がいたわけですから、それほど昔の話というわけでもありませんね。
自分は今までピラストロのオリーヴを使っていたので、ガット弦の特性はある程度理解しているつもりですが、裸のガットは初体験なので、どんな音が出るのか全く予想がつきません。
それでは、これから張ってみようと思います。
最近、一部のヴァイオリン奏者の間で、裸のガット弦を使うという現象が見られるので、自分も試してみることにしました。
ttp://fstrings.com/board/index.asp?id=35733&page=1&sort=&t=
今回買ったのは、イタリアのTORO社のシープガット弦です。㈲コースタルトレーディングさんから通販で買うことができます。
ttp://coastaltrading.biz/viole.html
裸のガット弦には、ニスがかけられていないナチュラル仕上げのものと、ニスがかけられているニス仕上げのものがありますが、自分は手に汗をかくのでニス仕上げのものを買いました。
ゲージは下記のとおり、各弦数種類用意されていますが、とりあえず、一番細いゲージから試してみることにしました。
ttp://coastaltrading.biz/HPData/TORO%20PriceList%202007.pdf
自分は、E線はスチール(オリーヴなどなど)、A・D線は裸のガット、G線は銀巻きのガット、という組み合わせを試します。(弦の銘柄は違いますが)ハイフェッツはそういう組み合わせを好んでいたようです。ほんの30年前くらい前までは、そういう組み合わせで弾いている奏者がいたわけですから、それほど昔の話というわけでもありませんね。
自分は今までピラストロのオリーヴを使っていたので、ガット弦の特性はある程度理解しているつもりですが、裸のガットは初体験なので、どんな音が出るのか全く予想がつきません。
それでは、これから張ってみようと思います。
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【ご参考】
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Re: 裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!
投稿日時:2007年12月09日 17:03
投稿者:catgut(ID:QWJUOZg)
ガット弦の場合はガットコアの太さが最初の伸びと、湿度による
伸びの変化に関係しているようです。このためガットE線は伸び(縮み)
が大きいですが、プレーンガットA,D線とOliv A,D線を比べると太いプレ
ーンガットのほうが安定していると思います。
プレーンガットも弦の一種として、過大視も過小視もせずに使ってみる
といいと思います。なお、テンションについてはピッチが同じならナイロン
弦と同程度になる場合もあるようです。以下に考察があります。
バロック楽器は駒のカーブが弱く、弓型のバロック弓を使うと実音の
3重音が弾けたであろうことがよくわかります。
ttp://www.themonteverdiviolins.org/baroque-violin.html
ttp://www.themonteverdiviolins.org/strings.html
伸びの変化に関係しているようです。このためガットE線は伸び(縮み)
が大きいですが、プレーンガットA,D線とOliv A,D線を比べると太いプレ
ーンガットのほうが安定していると思います。
プレーンガットも弦の一種として、過大視も過小視もせずに使ってみる
といいと思います。なお、テンションについてはピッチが同じならナイロン
弦と同程度になる場合もあるようです。以下に考察があります。
バロック楽器は駒のカーブが弱く、弓型のバロック弓を使うと実音の
3重音が弾けたであろうことがよくわかります。
ttp://www.themonteverdiviolins.org/baroque-violin.html
ttp://www.themonteverdiviolins.org/strings.html
[35848]
Re: 裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!
投稿日時:2007年12月09日 18:11
投稿者:ブルーベリー(ID:MlBRJJg)
catgut様へ。catgut様のお陰で裸のガット弦を試すことができました。
理論派のcatgut様のご説明を読んで、裸のガット弦のピッチが意外と安定している理由がわかりました。
オリーヴは巻き線に保護されていて、乾湿の変化に強そうに見えて、実は意外と乾湿の変化に敏感でピッチが不安定になるのは、芯(コア)のガットが細いからなのですね。たしかに、オリーヴのコアは、裸のガット弦の半分程度の細さしかありません。
こうしたことからすると、裸のガット弦で、ピッチの安定性を向上させたい場合は、なるべく太いゲージを張るのが良い、ということになりますね。
今回試した一番細いゲージでも、オリーヴ以上に安定していると思ったので、今後、太いゲージを試したら、ナイロン弦と同じくらいの安定性が得られるかも知れません。
今日バッハの無伴奏を弾いてみましたが、弦が太くてテンションが低いので、(バッハの無伴奏に良く出てくる)5度の2重音が押さえ易いと思いました。3重・4重の和音は、オリーヴよりも明らかに弾き易いというほどの大きな差は感じられませんでしたが、自分にとっては、弾き易く感じました。
理論派のcatgut様のご説明を読んで、裸のガット弦のピッチが意外と安定している理由がわかりました。
オリーヴは巻き線に保護されていて、乾湿の変化に強そうに見えて、実は意外と乾湿の変化に敏感でピッチが不安定になるのは、芯(コア)のガットが細いからなのですね。たしかに、オリーヴのコアは、裸のガット弦の半分程度の細さしかありません。
こうしたことからすると、裸のガット弦で、ピッチの安定性を向上させたい場合は、なるべく太いゲージを張るのが良い、ということになりますね。
今回試した一番細いゲージでも、オリーヴ以上に安定していると思ったので、今後、太いゲージを試したら、ナイロン弦と同じくらいの安定性が得られるかも知れません。
今日バッハの無伴奏を弾いてみましたが、弦が太くてテンションが低いので、(バッハの無伴奏に良く出てくる)5度の2重音が押さえ易いと思いました。3重・4重の和音は、オリーヴよりも明らかに弾き易いというほどの大きな差は感じられませんでしたが、自分にとっては、弾き易く感じました。
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Re: 裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!
投稿日時:2007年12月10日 03:19
投稿者:あい(ID:FleIgVI)
pochi さん
わたしの師匠のおうちに伺うと、バロックのヴァイオリンが置いてあります。
少し前に、釣り糸からちょうど良い長さの糸を切って、結び目の作り方を
教わりました。意外と簡単に結べるものだなぁ・・・って感じました。
弾いてみると、まさにバロック音楽を弾きたくなる音色で、今日pochiさんの
釣り糸のコメントを読んで、久々にその想いを思い出し、バロック使用の
ヴァイオリンを1つ買おうか真面目に検討しだしました。誰か、実力ある
製作者にオーダーしてみようかな。
(バロック・ヴァイオリンってモダン楽器の製作者に頼んでも大丈夫なも
のなのでしょうか・・・)
catgutさんの知識はすごいですね。ブルーベリーさんの使用した感想も
大変貴重です。ありがとうございます!!
~ひとりごと~
ドミナントを筆頭とするナイロン系の弦は、わたしは嫌いじゃない。
でも、なんか結局損した感じがする。楽器の調子が悪い際、弦の寿命
云々よりも、弦の寿命なのか、楽器がヘボイからなのか、弓の毛が
悪い為か、湿度なのせいか、管理が悪いのかetc・・・色んなものを
疑いたくなるのです。で、弦の寿命が原因だと知ると、即交換。
その間の悩む時間を時給700円とすると、8,400円程度は悩む。(要は半日)
その時間を悩む暇あったら、もっとやるべきことが他にあると感じ、
ガット弦を使い始めました。ガット弦を使い始めてから、そういった
馬鹿らしい経験は今までありません。管理はやや難しいが(特に巻き線の
ホツレ)健康的な楽器との付き合いになりました。
ナイロンって時間とともに、伸びるからというより、伸びて硬化するから
鳴らなくなるのだと感じます。弦一つで色んな材の性質を考えますね。
わたしの師匠のおうちに伺うと、バロックのヴァイオリンが置いてあります。
少し前に、釣り糸からちょうど良い長さの糸を切って、結び目の作り方を
教わりました。意外と簡単に結べるものだなぁ・・・って感じました。
弾いてみると、まさにバロック音楽を弾きたくなる音色で、今日pochiさんの
釣り糸のコメントを読んで、久々にその想いを思い出し、バロック使用の
ヴァイオリンを1つ買おうか真面目に検討しだしました。誰か、実力ある
製作者にオーダーしてみようかな。
(バロック・ヴァイオリンってモダン楽器の製作者に頼んでも大丈夫なも
のなのでしょうか・・・)
catgutさんの知識はすごいですね。ブルーベリーさんの使用した感想も
大変貴重です。ありがとうございます!!
~ひとりごと~
ドミナントを筆頭とするナイロン系の弦は、わたしは嫌いじゃない。
でも、なんか結局損した感じがする。楽器の調子が悪い際、弦の寿命
云々よりも、弦の寿命なのか、楽器がヘボイからなのか、弓の毛が
悪い為か、湿度なのせいか、管理が悪いのかetc・・・色んなものを
疑いたくなるのです。で、弦の寿命が原因だと知ると、即交換。
その間の悩む時間を時給700円とすると、8,400円程度は悩む。(要は半日)
その時間を悩む暇あったら、もっとやるべきことが他にあると感じ、
ガット弦を使い始めました。ガット弦を使い始めてから、そういった
馬鹿らしい経験は今までありません。管理はやや難しいが(特に巻き線の
ホツレ)健康的な楽器との付き合いになりました。
ナイロンって時間とともに、伸びるからというより、伸びて硬化するから
鳴らなくなるのだと感じます。弦一つで色んな材の性質を考えますね。
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Re: 裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!
投稿日時:2007年12月10日 08:10
投稿者:ブルーベリー(ID:MlBRJJg)
あい様。今回裸のガット弦を張ってみて、裸のガットを古楽器(バロックヴァイオリン等)だけの専売特許にしておくのはもったいない!裸のガット弦は現代の(モダン)ヴァイオリンにも違和感無く使える優れモノ!、ということが良くわかりました。
オリーヴのA線の巻き線は、ほつれ易いという弱点があります。オリーヴのD・G線の巻き線は、比較的ほつれにくいですが、上ナットや駒のミゾの調子がちょっとでも悪いとすぐにほつれてきます。
グリンゴルツ、吉田恭子などのソリストが、D・G線にオリーヴを張っているにもかかわらず、A線にあえて裸のガットを使うのは、もちろん音色や表現力を重視してのことだと思いますが、オリーヴの巻き線の弱さを避けたからではないかと予想しています。
裸のガットは、そもそも巻き線が無いので、巻き線のほつれを気にする必要がありません。裸のガット弦には、たまにアーモンドオイルかエキストラバージンオリーヴオイルを弦に塗ってやれば、長持ちさせられるようです。
オリーヴのA線の巻き線は、ほつれ易いという弱点があります。オリーヴのD・G線の巻き線は、比較的ほつれにくいですが、上ナットや駒のミゾの調子がちょっとでも悪いとすぐにほつれてきます。
グリンゴルツ、吉田恭子などのソリストが、D・G線にオリーヴを張っているにもかかわらず、A線にあえて裸のガットを使うのは、もちろん音色や表現力を重視してのことだと思いますが、オリーヴの巻き線の弱さを避けたからではないかと予想しています。
裸のガットは、そもそも巻き線が無いので、巻き線のほつれを気にする必要がありません。裸のガット弦には、たまにアーモンドオイルかエキストラバージンオリーヴオイルを弦に塗ってやれば、長持ちさせられるようです。
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Re: 裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!
投稿日時:2007年12月10日 21:37
投稿者:catgut(ID:OVdkM0g)
こちらを読んで誤解していたことに気付きました。
ttp://www.themonteverdiviolins.org/strings.html
バロック楽器は駒が表板を押し付ける力がモダン楽器より
弱いのですが、これは弦のテンションが弱いからではなく、
モダン楽器のほうが駒が高く、ネックに角度が付いている
ので、弦と駒の接触角度が鋭角的なためでした。
私はバロック楽器に対してモダン楽器でネックに角度が付いて
いるのは、弦の張力が強くなったためという(よく見かける)
説明を信じていましたが、これは全く間違いだそうです。
では、なぜモダン楽器ではネックに角度が付いているかというと、
・ネックに角度があるほうがハイポジションを押えやすい
・胸に当てて弾く持ち方から、肩に乗せる持ち方に変わったため、
ネックが曲がっているほうが持ちやすい
という理由だそうです。
また、バロック時代に一般的だった弦の「イコールテンション」
原則についても書かれています。これは以前から知っていました
が、バロック時代のガット弦はすべての弦の張力が同じになるように
張る(そうなる太さのガット弦を使う)のが原則とされています。現代
の弦はG線よりE線が2倍程度張力が強くなっています。
オールド楽器が作られた当時と、モダン楽器とでは弦のテンション
の扱いがこのようにかなり違うので、モダン改造の際に大幅に
手を入れられたか(デル・ジェスは表板まで削られているそうです)
たまたまモダンの弦の張り方でよい結果が出る楽器が高い評価と
なったのかもしれません。
ttp://www.themonteverdiviolins.org/strings.html
バロック楽器は駒が表板を押し付ける力がモダン楽器より
弱いのですが、これは弦のテンションが弱いからではなく、
モダン楽器のほうが駒が高く、ネックに角度が付いている
ので、弦と駒の接触角度が鋭角的なためでした。
私はバロック楽器に対してモダン楽器でネックに角度が付いて
いるのは、弦の張力が強くなったためという(よく見かける)
説明を信じていましたが、これは全く間違いだそうです。
では、なぜモダン楽器ではネックに角度が付いているかというと、
・ネックに角度があるほうがハイポジションを押えやすい
・胸に当てて弾く持ち方から、肩に乗せる持ち方に変わったため、
ネックが曲がっているほうが持ちやすい
という理由だそうです。
また、バロック時代に一般的だった弦の「イコールテンション」
原則についても書かれています。これは以前から知っていました
が、バロック時代のガット弦はすべての弦の張力が同じになるように
張る(そうなる太さのガット弦を使う)のが原則とされています。現代
の弦はG線よりE線が2倍程度張力が強くなっています。
オールド楽器が作られた当時と、モダン楽器とでは弦のテンション
の扱いがこのようにかなり違うので、モダン改造の際に大幅に
手を入れられたか(デル・ジェスは表板まで削られているそうです)
たまたまモダンの弦の張り方でよい結果が出る楽器が高い評価と
なったのかもしれません。
[35867]
Re: 裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!
投稿日時:2007年12月11日 19:55
投稿者:ブルーベリー(ID:MlBRJJg)
catgut様の考察は、いつも興味深く拝見しております。
さて、自分は弦のゲージを決める際には、一番細いゲージ(あるいはミディアムゲージ)から張って、少しずつ太いものにチェンジして行きます。テンションが高くなり過ぎて音が詰まったら、1つ細いゲージに戻します。音が詰まる一歩手前のときに、最大の音量と伸びのある音が得られる、というのが持論です。そういう選び方で、オリーヴでもベストゲージを見つけることができました。
もちろん、演奏中のレスポンス、弾き心地、音色なども考慮しますが、大きな音量が得られるというのは、弦と楽器の相性やテンションのバランスが良い状態である証拠ですし、音量というのは、わかりやすくて客観的な指標でもあります。音量が大きくて困る、ということは無いので、大きな音量と伸びのある音と弾き易さがバランスする範囲で、なるべくゲージの太いものを選ぶようにしています。
近日中に太いゲージのものが全種類入手できる見込みなので、いろんなゲージを試して、ベストなゲージを見つけたいと思っています。
さて、張ってから3日が経過しましたが、昨晩、練習後に調弦してケースにしまって(自分は、いつも、最後に一度調弦し直してから練習を終えています)、今ケースから取り出したところ、全くピッチが変わっていませんでした。(部屋の気温、湿度などは多少変化しています)自分は調弦の狂いに神経質な方なのですが、このまま調弦せずにそのまま演奏しようと思えばできるくらい調弦が合っています。スチール弦なら良くある話ですが、ガット弦としては驚異的なことです。
弦を張った次の日(1日目)は、さすがに多少弦が伸びてピッチが落ちてましたが、2日目・3日目は、ほとんどピッチは変わっておらず非常に安定している状態です。
実際、糸巻きの止まる位置は、最初の1日は変化していましたが、この2日はほぼ同じ位置で止まっています。これは弦の伸びが収まったことを意味しています。
オリーヴの1週間経過後でもここまで安定してませんので、ナイロン弦並みの安定度と言えるのではないかと思います。
練習後に弦についた汗や手垢を布で拭くことは、オリーヴのときにも当然のようにやっていたことなので、取り扱いに関しても、裸のガット弦だからと言って特に面倒なことはありません。
今度、梅雨などの多湿期に備える意味で、加湿器を最強にしてつけて、自分自身も汗だくになって猛練習することによって、TORO社のシープガット弦(ヴァーニッシュ処理を1回施された弦)の「耐湿性」をテストしてみようと思います。
さて、自分は弦のゲージを決める際には、一番細いゲージ(あるいはミディアムゲージ)から張って、少しずつ太いものにチェンジして行きます。テンションが高くなり過ぎて音が詰まったら、1つ細いゲージに戻します。音が詰まる一歩手前のときに、最大の音量と伸びのある音が得られる、というのが持論です。そういう選び方で、オリーヴでもベストゲージを見つけることができました。
もちろん、演奏中のレスポンス、弾き心地、音色なども考慮しますが、大きな音量が得られるというのは、弦と楽器の相性やテンションのバランスが良い状態である証拠ですし、音量というのは、わかりやすくて客観的な指標でもあります。音量が大きくて困る、ということは無いので、大きな音量と伸びのある音と弾き易さがバランスする範囲で、なるべくゲージの太いものを選ぶようにしています。
近日中に太いゲージのものが全種類入手できる見込みなので、いろんなゲージを試して、ベストなゲージを見つけたいと思っています。
さて、張ってから3日が経過しましたが、昨晩、練習後に調弦してケースにしまって(自分は、いつも、最後に一度調弦し直してから練習を終えています)、今ケースから取り出したところ、全くピッチが変わっていませんでした。(部屋の気温、湿度などは多少変化しています)自分は調弦の狂いに神経質な方なのですが、このまま調弦せずにそのまま演奏しようと思えばできるくらい調弦が合っています。スチール弦なら良くある話ですが、ガット弦としては驚異的なことです。
弦を張った次の日(1日目)は、さすがに多少弦が伸びてピッチが落ちてましたが、2日目・3日目は、ほとんどピッチは変わっておらず非常に安定している状態です。
実際、糸巻きの止まる位置は、最初の1日は変化していましたが、この2日はほぼ同じ位置で止まっています。これは弦の伸びが収まったことを意味しています。
オリーヴの1週間経過後でもここまで安定してませんので、ナイロン弦並みの安定度と言えるのではないかと思います。
練習後に弦についた汗や手垢を布で拭くことは、オリーヴのときにも当然のようにやっていたことなので、取り扱いに関しても、裸のガット弦だからと言って特に面倒なことはありません。
今度、梅雨などの多湿期に備える意味で、加湿器を最強にしてつけて、自分自身も汗だくになって猛練習することによって、TORO社のシープガット弦(ヴァーニッシュ処理を1回施された弦)の「耐湿性」をテストしてみようと思います。
[35869]
Re: 裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!
投稿日時:2007年12月12日 01:36
投稿者:catgut(ID:OVdkM0g)
少し横道にそれますが、バッハの無伴奏をバッハ自身が三重音を実音で弾いたかどうかという問題についてコメントします。
この件についてはっきりしたことは分からないようです。シュヴァイツアーが
歴史上存在しない「湾曲弓」を発明し、音楽史家から批判されたため、
バッハ自身は実音の三重音で弾かなかったのではないかと思われている方も多いと思いますが、ことはそれほど単純ではないようです。
確かに現代の演奏では三重音を常に実音で弾くような録音は大半が
湾曲弓を使っているようで、史上実在したバロックヴァイオリンとバロック
弓相当を使った演奏の大半はモダン楽器と同じく分割して三重音を弾いていると思います。
しかし、以下の理由により(実際そうしたかどうかはともかく)バッハの
時代は実音の三重音が無理なく弾けたと思われます。
・駒のカーブがかなり緩かった
大きな音量が必要なく、またE線以外でハイポジションを弾くことも
少なかったため、駒のカーブが緩くても隣の弦に触れずに弾けたという
ことです。(A,D線でハイポジションを押えると弦高が下がって隣の弦に
触れやすくなる)
この件についてはシュヴァイツアー自身による説明が以下で読めます。
オーレ・ブルはシュポアによると非常に緩いカーブの駒を使い、A,D線
は低いポジションしか使わなかったそうです。
J.S.Bach Albert Schweitzer Volume One P390-P391
ttp://books.google.co.jp/books?id=A9K-1_t873kC&pg=PA390&dq=J.+S.+Bach+spohr+bull&as_brr=3&sig=tfDu6lsKILTyi-3dqMpGRhmXI_Q#PPA390,M1
・バロック弓は毛の張り方はモダン弓より特に緩いとは限らないが、その形状から弓圧をかければ容易に三重音が弾けた。
結局、現代の奏者は非常に緩い駒を使い、A,D線を低いポジションのみで弾くということが難しい(音量が必要・技術的に困難の両方の意味で)ため、バロック楽器とバロック弓を使っても、実音の三重音で弾くことが難しいのではないでしょうか。
この件についてはっきりしたことは分からないようです。シュヴァイツアーが
歴史上存在しない「湾曲弓」を発明し、音楽史家から批判されたため、
バッハ自身は実音の三重音で弾かなかったのではないかと思われている方も多いと思いますが、ことはそれほど単純ではないようです。
確かに現代の演奏では三重音を常に実音で弾くような録音は大半が
湾曲弓を使っているようで、史上実在したバロックヴァイオリンとバロック
弓相当を使った演奏の大半はモダン楽器と同じく分割して三重音を弾いていると思います。
しかし、以下の理由により(実際そうしたかどうかはともかく)バッハの
時代は実音の三重音が無理なく弾けたと思われます。
・駒のカーブがかなり緩かった
大きな音量が必要なく、またE線以外でハイポジションを弾くことも
少なかったため、駒のカーブが緩くても隣の弦に触れずに弾けたという
ことです。(A,D線でハイポジションを押えると弦高が下がって隣の弦に
触れやすくなる)
この件についてはシュヴァイツアー自身による説明が以下で読めます。
オーレ・ブルはシュポアによると非常に緩いカーブの駒を使い、A,D線
は低いポジションしか使わなかったそうです。
J.S.Bach Albert Schweitzer Volume One P390-P391
ttp://books.google.co.jp/books?id=A9K-1_t873kC&pg=PA390&dq=J.+S.+Bach+spohr+bull&as_brr=3&sig=tfDu6lsKILTyi-3dqMpGRhmXI_Q#PPA390,M1
・バロック弓は毛の張り方はモダン弓より特に緩いとは限らないが、その形状から弓圧をかければ容易に三重音が弾けた。
結局、現代の奏者は非常に緩い駒を使い、A,D線を低いポジションのみで弾くということが難しい(音量が必要・技術的に困難の両方の意味で)ため、バロック楽器とバロック弓を使っても、実音の三重音で弾くことが難しいのではないでしょうか。
[35871]
Re: 裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!
投稿日時:2007年12月12日 03:08
投稿者:あい(ID:FleIgVI)
~ひとりごと~
最近、オリーブではなくオイドクサを使っています。オリーブはナイロン系
の意味で例えるのなら、エヴァのような華やかさがあります。オイドクサは
オブリガートのような落ち着きとしっとりさがあります。オリーブの華やかさ
はないけれど、オイドクサも音量もあるし(A線はそんなにあるとは思え
ない)大音量が必要なコンチェルトを弾かなければ、普通に使えますね。
弦の選択よりも、楽器が十分に鳴る状態を作る方が大切だと感じます。
ちゃんと調整を行い、自分の楽器の基礎力(音量面で)を整えられれば、
オイドクサもかなりの大音量です。現在、わたしの楽器はそんな状態
です。
だんだん、昔の弦に戻り思うことは、弦の響きが純粋にシンプルで、楽器と
協調する弦なのだなぁ・・・と思いました。最近販売しているエヴァや
ビジョンシリーズは、どんなに鳴らない・響きの悪い楽器でも、ある一定量
の音色を得られるように進化した弦だと思います。が、シンプルな弦を
どう扱うかで、人それぞれの音色の差が生まれるのだとも感じます。
エヴァを否定するわけではありませんが、どの奏者も金太郎飴のような
同じ音色で弾くことに、どうかしていると強く感じます。つい先日、音大の
学生の演奏を聞く機会があり、その学生の音色とヴェンゲーロフ音色が
大した差がないと感じました(技術の差は当然あるが)。
弦の魔力でしょうか。
もしくは、弦に対して鈍感になっているのでしょうか。
最近、オリーブではなくオイドクサを使っています。オリーブはナイロン系
の意味で例えるのなら、エヴァのような華やかさがあります。オイドクサは
オブリガートのような落ち着きとしっとりさがあります。オリーブの華やかさ
はないけれど、オイドクサも音量もあるし(A線はそんなにあるとは思え
ない)大音量が必要なコンチェルトを弾かなければ、普通に使えますね。
弦の選択よりも、楽器が十分に鳴る状態を作る方が大切だと感じます。
ちゃんと調整を行い、自分の楽器の基礎力(音量面で)を整えられれば、
オイドクサもかなりの大音量です。現在、わたしの楽器はそんな状態
です。
だんだん、昔の弦に戻り思うことは、弦の響きが純粋にシンプルで、楽器と
協調する弦なのだなぁ・・・と思いました。最近販売しているエヴァや
ビジョンシリーズは、どんなに鳴らない・響きの悪い楽器でも、ある一定量
の音色を得られるように進化した弦だと思います。が、シンプルな弦を
どう扱うかで、人それぞれの音色の差が生まれるのだとも感じます。
エヴァを否定するわけではありませんが、どの奏者も金太郎飴のような
同じ音色で弾くことに、どうかしていると強く感じます。つい先日、音大の
学生の演奏を聞く機会があり、その学生の音色とヴェンゲーロフ音色が
大した差がないと感じました(技術の差は当然あるが)。
弦の魔力でしょうか。
もしくは、弦に対して鈍感になっているのでしょうか。
[35890]
Re: 裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!
投稿日時:2007年12月12日 21:26
投稿者:catgut(ID:ECUZBkI)
推測ですが、バロックヴァイオリンでの「イコールテンション」の習慣は
実音の三重音を弾く時に有効だったかもしれません。
当時実際にどのように弾いたのかはわかりませんが、E,A線を同じ
弓圧で弾き、そのまま弓圧を強めてD線も弾いて実音の3重音とし
た場合、D線が弱過ぎることがなく音のバランスが比較的良かったので
はないでしょうか。
実音の三重音を弾く時に有効だったかもしれません。
当時実際にどのように弾いたのかはわかりませんが、E,A線を同じ
弓圧で弾き、そのまま弓圧を強めてD線も弾いて実音の3重音とし
た場合、D線が弱過ぎることがなく音のバランスが比較的良かったので
はないでしょうか。
[35896]
Re: 裸のガット弦(プレーンガット弦)を試す!
投稿日時:2007年12月13日 00:46
投稿者:あい(ID:FleIgVI)
一つ、質問よろしいでしょうか。
裸のガット弦って、どんなメーカーがあるのでしょうか。
また、どんな所で購入できるのでしょうか。今日、師匠宅に
行き、A線2本とD線1本を手に入れました。相当昔に買った
物らしく使えるかどうか・・・と言われました。
~ひとりごと~
帰宅し、早速張りました。クリアーな音ですね。音量もあるし。
シャコンヌのアルペジオなんて、くっきりはっきり上の音が
出る!すげー。ピラストロ社のガット弦よりも、弓を丁寧に
弾く癖が付きそうな感じです。張りたて30分でわかるのは
この辺りです。ただ、ペグを回すと、こきこきって弦が
きしむのはどうしてかなぁ。。
裸のガット弦って、どんなメーカーがあるのでしょうか。
また、どんな所で購入できるのでしょうか。今日、師匠宅に
行き、A線2本とD線1本を手に入れました。相当昔に買った
物らしく使えるかどうか・・・と言われました。
~ひとりごと~
帰宅し、早速張りました。クリアーな音ですね。音量もあるし。
シャコンヌのアルペジオなんて、くっきりはっきり上の音が
出る!すげー。ピラストロ社のガット弦よりも、弓を丁寧に
弾く癖が付きそうな感じです。張りたて30分でわかるのは
この辺りです。ただ、ペグを回すと、こきこきって弦が
きしむのはどうしてかなぁ。。
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