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ヴァイオリンの塗装について
投稿日時:2008年01月08日 07:30
投稿者:catgut(ID:FDRkUlM)
ヤマハの現状未請求の特許で大変面白いものがありました。
ヴァイオリンの「塗装」に紫外線を当てると音が良くなるというものです。
つまり経年変化で音が良くなるのは「塗装」が経年変化したことが
一因だというわけです。特許の中にいろいろな実験結果が書かれています。それによるとオイルニス、アルコールニスだけでなく、ラッカー塗装やウレタン塗装でもやはり紫外線を当てると音が良くなるそうです。
ttp://www2.ipdl.inpit.go.jp/begin/BE_DETAIL_MAIN.cgi?sType=0&sMenu=1&sBpos=1&sPos=2&sFile=TimeDir_7/mainstr1199744457343.mst&sTime=0
またはここから「楽器用部材または楽器とその製造方」で検索
ttp://www2.ipdl.inpit.go.jp/begin/be_search.cgi
発明の名称 : 楽器用部材または楽器とその製造方法
ヴァイオリンの「塗装」に紫外線を当てると音が良くなるというものです。
つまり経年変化で音が良くなるのは「塗装」が経年変化したことが
一因だというわけです。特許の中にいろいろな実験結果が書かれています。それによるとオイルニス、アルコールニスだけでなく、ラッカー塗装やウレタン塗装でもやはり紫外線を当てると音が良くなるそうです。
ttp://www2.ipdl.inpit.go.jp/begin/BE_DETAIL_MAIN.cgi?sType=0&sMenu=1&sBpos=1&sPos=2&sFile=TimeDir_7/mainstr1199744457343.mst&sTime=0
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発明の名称 : 楽器用部材または楽器とその製造方法
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Re: ヴァイオリンの塗装について
投稿日時:2008年01月22日 19:15
投稿者:通行人(ID:QmKTJmU)
>QB殿
>ナジバリウスとかはいかが評価しますか?
木材を薬品で煮てからオーブンで焼くそうですが、それが音響学と何か関係あるのでしょうか?
>ナジバリウスとかはいかが評価しますか?
木材を薬品で煮てからオーブンで焼くそうですが、それが音響学と何か関係あるのでしょうか?
[36326]
Re: ヴァイオリンの塗装について
投稿日時:2008年01月22日 21:19
投稿者:QB(ID:QnhGKJM)
私が浅学なのだと思いますが、
知る限り(残念ながら氏とは直接の知己ではありません)、材料工学の知見から考えられた推論を、音響学の手段と手法で検証するループをまわしながら、現在の素材加工手法、製作手法、シーズニング手法になったと認識しています。
たしかキチン質とかも使ったはず、、、甲殻類の殻ですね。
知る限り(残念ながら氏とは直接の知己ではありません)、材料工学の知見から考えられた推論を、音響学の手段と手法で検証するループをまわしながら、現在の素材加工手法、製作手法、シーズニング手法になったと認識しています。
たしかキチン質とかも使ったはず、、、甲殻類の殻ですね。
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Re: ヴァイオリンの塗装について
投稿日時:2008年01月22日 21:22
投稿者:ふるびお(ID:FYdoeWA)
ナジバリ博士は、音響学者というよりは化学者ですね。
ナジバリウスを弾いたことがありますが、ふつうの新作とは全く違う、濃厚な音でした。
澄んだ音というよりはクリーミーな音で、ちょっと私の趣味には合いませんでしたが、博士はストラドの秘密を発見したのかもしれない、という気がしました。
ナジバリウスを弾いたことがありますが、ふつうの新作とは全く違う、濃厚な音でした。
澄んだ音というよりはクリーミーな音で、ちょっと私の趣味には合いませんでしたが、博士はストラドの秘密を発見したのかもしれない、という気がしました。
[36328]
Re: ヴァイオリンの塗装について
投稿日時:2008年01月22日 22:11
投稿者:catgut(ID:M2QVMiY)
余談ですが特許を検索すると木材の経年変化を人工的に進行させることを
意図した技術がヤマハを含めていくつか出ています。
私自身は期待も含みますが、現在の技術でストラディヴァリの「音」を再現
することは何百年も待たなくても可能だろうと予想しています。
ヴィヨームは当時の「蒸気乾燥」技術を木に使い、音質の改善には成功したものの、そのうち木の反りなどの副作用が出てきてこの試みは結局失敗だったと評価されています。ただ、現在は当時と比べて技術が進んでいるので、蒸気乾燥以外の木材の「変質技術」で有効なものがある可能性は高いと思います(究極的には木材以外の材料も有りうるでしょう)。
木の乾燥で音を改善する試みを実際に行っている方もいらっしゃいます。
ttp://www.tmp-55hz.com/shock.html
薫煙(くんえん)乾燥処理に関して
意図した技術がヤマハを含めていくつか出ています。
私自身は期待も含みますが、現在の技術でストラディヴァリの「音」を再現
することは何百年も待たなくても可能だろうと予想しています。
ヴィヨームは当時の「蒸気乾燥」技術を木に使い、音質の改善には成功したものの、そのうち木の反りなどの副作用が出てきてこの試みは結局失敗だったと評価されています。ただ、現在は当時と比べて技術が進んでいるので、蒸気乾燥以外の木材の「変質技術」で有効なものがある可能性は高いと思います(究極的には木材以外の材料も有りうるでしょう)。
木の乾燥で音を改善する試みを実際に行っている方もいらっしゃいます。
ttp://www.tmp-55hz.com/shock.html
薫煙(くんえん)乾燥処理に関して
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Re: ヴァイオリンの塗装について
投稿日時:2008年01月23日 20:09
投稿者:catgut(ID:M2QVMiY)
参考として、ヤマハの特許で以下のようなものがあります。
発明者はニスの紫外線照射の件と同じ方です。
【発明の名称】 改質木材の製造方法
【出願番号】 特願2002-226633(P2002-226633)
【解決手段】スプルース、メープル、シデなどの木材を120~200℃、
圧力0.2~1.6MPaの高圧水蒸気中で1~60分間保持して処理し、
ついで冷却、乾燥する。得られた改質木材は、音響特性が向上し、響板
などの楽器用部材として好適となる。また、色調が濃色化して、あたかも
古木のような風合いとなる。
【0045】<音色変化>本発明で得られた改質木材を楽器用部材として用
いることによって、次のような音色の変化が認められた。
(a)バイオリン改質処理した木材(材種スプルース、メープル)を、響板及び部材として使用して作製したバイオリン3台を内外の著名な演奏家10人に演奏させたところ、音量、音色、表現力すべてにおいて、いずれの処理したバイオリンも高い評価を受けた。音色は、価値の高い古いバイオリンのそれに近かった。
【0048】また、木材のセルロース鎖が部分的に加水分解され再配列することにより木材内部に残留する歪みが解消し、結晶度が上がるので、動的弾性率(E)や振動減衰率(tanδ)などの振動特性の優れた改質木材を得ることができる。これは木材が数百年経時変化した時の変化の傾向と似ており、古木化と呼べる
発明者はニスの紫外線照射の件と同じ方です。
【発明の名称】 改質木材の製造方法
【出願番号】 特願2002-226633(P2002-226633)
【解決手段】スプルース、メープル、シデなどの木材を120~200℃、
圧力0.2~1.6MPaの高圧水蒸気中で1~60分間保持して処理し、
ついで冷却、乾燥する。得られた改質木材は、音響特性が向上し、響板
などの楽器用部材として好適となる。また、色調が濃色化して、あたかも
古木のような風合いとなる。
【0045】<音色変化>本発明で得られた改質木材を楽器用部材として用
いることによって、次のような音色の変化が認められた。
(a)バイオリン改質処理した木材(材種スプルース、メープル)を、響板及び部材として使用して作製したバイオリン3台を内外の著名な演奏家10人に演奏させたところ、音量、音色、表現力すべてにおいて、いずれの処理したバイオリンも高い評価を受けた。音色は、価値の高い古いバイオリンのそれに近かった。
【0048】また、木材のセルロース鎖が部分的に加水分解され再配列することにより木材内部に残留する歪みが解消し、結晶度が上がるので、動的弾性率(E)や振動減衰率(tanδ)などの振動特性の優れた改質木材を得ることができる。これは木材が数百年経時変化した時の変化の傾向と似ており、古木化と呼べる
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Re: ヴァイオリンの塗装について
投稿日時:2008年01月23日 22:04
投稿者:エイチツーオー(ID:dVSCVEA)
日本の弦楽器店で、ナジバリウス(ナジバリー博士がプロデュースしているヴァイオリン)を扱っているところはあるのでしょうか?
クレモナ・イン・トウキョウのアンドレア・バン氏の(最高級モデルは)500万円もするオールド名器の音を再現するという新作ヴァイオリンよりも、むしろ、ナジバリウスの方が興味あるのですが、ナジバリウスを使っている人って(プロでもアマでも)見かけないんですよ。
TV番組とナジバリー博士のホームページで見た限りでは、見た目はオールド名器みたいな感じで結構立派でしたし、音もかなりパワフルでそれなりに深みもあっていい感じでしたが・・・。
クレモナ・イン・トウキョウのアンドレア・バン氏の(最高級モデルは)500万円もするオールド名器の音を再現するという新作ヴァイオリンよりも、むしろ、ナジバリウスの方が興味あるのですが、ナジバリウスを使っている人って(プロでもアマでも)見かけないんですよ。
TV番組とナジバリー博士のホームページで見た限りでは、見た目はオールド名器みたいな感じで結構立派でしたし、音もかなりパワフルでそれなりに深みもあっていい感じでしたが・・・。
[36339]
Re: ヴァイオリンの塗装について
投稿日時:2008年01月23日 22:19
投稿者:ふるびお(ID:FYdoeWA)
ナジバリウスは日本の弦楽器店では扱っていないでしょう。
海外(アメリカ)でも扱っているのはナジバリ氏のサイト以外では以下のサイトぐらいです。
ttp://www.stringnet.com/bin/category.asp?category=1
ここのRobertは良い人だと思います。
ちなみにナジバリ氏は海外には楽器を発送しないそうで、テキサスまで買いに来た日本人もいたようです。
海外(アメリカ)でも扱っているのはナジバリ氏のサイト以外では以下のサイトぐらいです。
ttp://www.stringnet.com/bin/category.asp?category=1
ここのRobertは良い人だと思います。
ちなみにナジバリ氏は海外には楽器を発送しないそうで、テキサスまで買いに来た日本人もいたようです。
[36347]
Re: ヴァイオリンの塗装について
投稿日時:2008年01月24日 01:27
投稿者:catgut(ID:M2QVMiY)
すでにご存知の方も多いと思いますが、シャコンヌはニスそのものの
組成物を特許出願しています。
この中では通常公開しないニスの材質・製法について当然ながら触れ
られています。特許には「音質を向上させる」という表現がありますが、
これもよく読むと主に「堅いニスに比べて良い」というストーリーになっ
ています。以下明細書より一部引用します。
特許出願2005-139525
発明の名称 : 擦弦楽器用塗料組成物
【0007】
ところで、今日において、名器の99%以上が、残念ながら後世の修理
や修復のためにオリジナルの良い状態が保たれていないのが現状である。
特に、ニスに関して問題がある。200年以上前のイタリアの楽器には比
較的柔らかいニスが使用されていたため、弾くことによって良好なニスの
塗膜が徐々に剥がれて消失していき、後に硬いニスで補修され、また保
護という名目で楽器全体に新しいニス(カバーニス)が塗布されている場
合が多い。本発明者の知見によれば、これら比較的硬いニスやカバーニ
スで塗装されたヴァイオリンは、全体が硬くなり、音程バランスが崩れてい
る。現存するストラディヴァリウスのような名器といえども、それほど良い音
がしないものがあるのはこのためである。また、カバーニスが塗られている
ものが普通であるため、それがオリジナルであると思われている場合も散見される。
【0025】
本発明による塗料組成物によれば、自然の素材からなる組成物によって
基材である木に良く馴染み、しかも柔らかい塗膜を形成することによって
楽器本来の美しい音色を最大限に引き出すことができる。ただし、この場
合の「柔らかい」とは、塗膜の軽さ、好ましい脆さ、基材との結合力の弱さ
等が総合的に組み合わされることによって現れた特性を意味し、むしろ塗
膜を形成する微粒子自体は硬いことが予想される。
組成物を特許出願しています。
この中では通常公開しないニスの材質・製法について当然ながら触れ
られています。特許には「音質を向上させる」という表現がありますが、
これもよく読むと主に「堅いニスに比べて良い」というストーリーになっ
ています。以下明細書より一部引用します。
特許出願2005-139525
発明の名称 : 擦弦楽器用塗料組成物
【0007】
ところで、今日において、名器の99%以上が、残念ながら後世の修理
や修復のためにオリジナルの良い状態が保たれていないのが現状である。
特に、ニスに関して問題がある。200年以上前のイタリアの楽器には比
較的柔らかいニスが使用されていたため、弾くことによって良好なニスの
塗膜が徐々に剥がれて消失していき、後に硬いニスで補修され、また保
護という名目で楽器全体に新しいニス(カバーニス)が塗布されている場
合が多い。本発明者の知見によれば、これら比較的硬いニスやカバーニ
スで塗装されたヴァイオリンは、全体が硬くなり、音程バランスが崩れてい
る。現存するストラディヴァリウスのような名器といえども、それほど良い音
がしないものがあるのはこのためである。また、カバーニスが塗られている
ものが普通であるため、それがオリジナルであると思われている場合も散見される。
【0025】
本発明による塗料組成物によれば、自然の素材からなる組成物によって
基材である木に良く馴染み、しかも柔らかい塗膜を形成することによって
楽器本来の美しい音色を最大限に引き出すことができる。ただし、この場
合の「柔らかい」とは、塗膜の軽さ、好ましい脆さ、基材との結合力の弱さ
等が総合的に組み合わされることによって現れた特性を意味し、むしろ塗
膜を形成する微粒子自体は硬いことが予想される。
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Re: ヴァイオリンの塗装について
投稿日時:2008年01月24日 17:52
投稿者:エイチツーオー(ID:JASDCBA)
ふるびおさん、レスありがとうございます。ナジバリー博士のヴァイオリンは、日本の弦楽器店では売ってないんですね。
ttp://www.stringnet.com/ViewProduct.asp?ModelNumber=NagyVln04no11
のヴァイオリンが$12,000(約140万円)とのことですが、見た目もなかなか良いですので、新作手工楽器としては特別に高いわけではないですね。
それにしても、アンドレア・バン氏の新作ヴァイオリンの最高級品が定価500万円というのは、新作楽器の相場を考えるとなんぼなんでも高過ぎるような気がしますね。誰か東京のショールームでアンドレア・バン氏のヴァイオリンを試奏した方はいませんか?
ttp://www.stringnet.com/ViewProduct.asp?ModelNumber=NagyVln04no11
のヴァイオリンが$12,000(約140万円)とのことですが、見た目もなかなか良いですので、新作手工楽器としては特別に高いわけではないですね。
それにしても、アンドレア・バン氏の新作ヴァイオリンの最高級品が定価500万円というのは、新作楽器の相場を考えるとなんぼなんでも高過ぎるような気がしますね。誰か東京のショールームでアンドレア・バン氏のヴァイオリンを試奏した方はいませんか?
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Re: ヴァイオリンの塗装について
投稿日時:2008年01月24日 18:12
投稿者:ふるびお(ID:FYdoeWA)
ナジバリウスにはランクがあって、$12,000のものは安い方です。以前は$16,000のものもありましたが、すぐに売れてしまいました。
そういえば博士は、カナダのあるディーラは$16,000の楽器を$25,000で売っているといっていました。
Robertは、そういう上乗せはしていないと思います。ちなみに返品可ですが諸経費を引かれます。
そういえば博士は、カナダのあるディーラは$16,000の楽器を$25,000で売っているといっていました。
Robertは、そういう上乗せはしていないと思います。ちなみに返品可ですが諸経費を引かれます。
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