[37367]
弦のストレッチ・・・忘れられた秘策
投稿日時:2008年05月04日 17:11
投稿者:腸弦(ID:IBCGGYI)
100年前とか200年前のガット弦しかなかった時代には、ガット弦を快適に使うための方法が広く知られていたのではないかと思われる。それが、スチール弦やナイロン弦が台頭するとともに、徐々に忘れられてしまったのではないかと思われる。当時はヴァイオリンを弾く人にとってはあまりにも当たり前のことだったので、書籍にも書かれていないのであろう。
「弦のストレッチ」:ヴァイオリンを弾く前に、弦を指板に押し付けながらナットから駒までの間を各弦10~20往復して弦をストレッチしてやること
これこそまさに忘れられた「秘策」と言えよう。スポーツをする前に体のストレッチをするように、ヴァイオリンを弾く前にガット弦をストレッチする。毎日の習慣にしてしまえば、大した手間ではない。
ナイロン弦やスチール弦にストレッチを施しても構わないが、ガット弦の場合ほど効果は得られないであろう。一方、弦を張り替えた直後であれば、どんな弦でも効果が得られるであろう。
パガニーニ、ヴュータン、ヴィエニャフスキー、ヨアヒム、サラサーテといった古の(いにしえの)名手たちは、ガット弦特有のピッチの不安定さを可能な限り取り除くため、演奏の前に弦のストレッチを行なっていただろうと思う。
ガット弦の正しいメンテナンスの仕方が理解されれば、きっと多くのヴァイオリン奏者が再びガット弦のフィールドに戻ってくるだろう。
弦のストレッチを継続すれば、ガット弦が最新のナイロン弦並みにピッチの安定した弦になる。
ガット弦ならではのウォームでリッチなサウンドを多くの方々にも体験してもらいたいと思う。
「弦のストレッチ」これはガット弦愛好家を増やすためのキーワードになると思う。
参考
//coastaltrading.biz/patio/read.cgi?no=21
(先頭に小文字のhttp:をつけて検索)
「弦のストレッチ」:ヴァイオリンを弾く前に、弦を指板に押し付けながらナットから駒までの間を各弦10~20往復して弦をストレッチしてやること
これこそまさに忘れられた「秘策」と言えよう。スポーツをする前に体のストレッチをするように、ヴァイオリンを弾く前にガット弦をストレッチする。毎日の習慣にしてしまえば、大した手間ではない。
ナイロン弦やスチール弦にストレッチを施しても構わないが、ガット弦の場合ほど効果は得られないであろう。一方、弦を張り替えた直後であれば、どんな弦でも効果が得られるであろう。
パガニーニ、ヴュータン、ヴィエニャフスキー、ヨアヒム、サラサーテといった古の(いにしえの)名手たちは、ガット弦特有のピッチの不安定さを可能な限り取り除くため、演奏の前に弦のストレッチを行なっていただろうと思う。
ガット弦の正しいメンテナンスの仕方が理解されれば、きっと多くのヴァイオリン奏者が再びガット弦のフィールドに戻ってくるだろう。
弦のストレッチを継続すれば、ガット弦が最新のナイロン弦並みにピッチの安定した弦になる。
ガット弦ならではのウォームでリッチなサウンドを多くの方々にも体験してもらいたいと思う。
「弦のストレッチ」これはガット弦愛好家を増やすためのキーワードになると思う。
参考
//coastaltrading.biz/patio/read.cgi?no=21
(先頭に小文字のhttp:をつけて検索)
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【ご参考】
[37369]
Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策
投稿日時:2008年05月05日 04:05
投稿者:通行人(ID:QmKTJmU)
ハイハイ。毎度セールご苦労さんですね。
ガット弦なんて・・・貧乏くさ。
ガット弦なんて・・・貧乏くさ。
[37372]
Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策
投稿日時:2008年05月06日 01:37
投稿者:通りすがり(ID:IBIIcHY)
使っても見ないのに頭から否定するのはどうかと思います。
もし使ったことがあるのなら、否定する根拠をお示しください。
もし使ったことがあるのなら、否定する根拠をお示しください。
[37373]
Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策
投稿日時:2008年05月06日 03:32
投稿者:あい(ID:FleIgVI)
ガット弦に限らず、スチール弦でも腸弦さんの仰る効果は、あると
思います。結果的に言うと、指が馴染むので、無駄な弦の重さを
無意識に調整するし、物理的理由により弦が馴染むのだと思います。
繊細な楽器は、1ミリ以下のズレでも(駒やナット、弦の巻き方etc)
弾いた時の感じが違います。
ただし、
>弦のストレッチを継続すれば、ガット弦が最新のナイロン弦並みに
>ピッチの安定した弦になる。
は、ないと思います。安定の定義によると思いますが、裸ガットと
ナイロン弦は、全く異なると言い切ってよい弦です。昔は、弦の選択
が、今以上に複雑です。現在のような、主力商品のワンメイクで
済まない・複雑なチョイスを強いられる時代に、安定性は意外と問われな
いばかりか、楽器が良く鳴り、弾き易く、自分の主張や個性を重要視した
弦の選択であったことは想像出来ます。安定性は、それらの主要項目
がクリアーされてからの判断かもしれません。
現在は、弦の種類は多くなったものの、弦の長所と短所が、どのメーカー
も似ているので、どの弦を張っても、同じような音しか出ないと感じます。
オイドクサかオリーブを最低条件に、弦の選択を再考慮する必要が
あると感じる最近です。裸ガットの安定性は、調弦ではなく、音色の安定
性、弦を弓で弾くときの柔らかさの安定性だと思います。意外と、突っ張って、弦が硬くなるのが裸ガットであると感じます。
思います。結果的に言うと、指が馴染むので、無駄な弦の重さを
無意識に調整するし、物理的理由により弦が馴染むのだと思います。
繊細な楽器は、1ミリ以下のズレでも(駒やナット、弦の巻き方etc)
弾いた時の感じが違います。
ただし、
>弦のストレッチを継続すれば、ガット弦が最新のナイロン弦並みに
>ピッチの安定した弦になる。
は、ないと思います。安定の定義によると思いますが、裸ガットと
ナイロン弦は、全く異なると言い切ってよい弦です。昔は、弦の選択
が、今以上に複雑です。現在のような、主力商品のワンメイクで
済まない・複雑なチョイスを強いられる時代に、安定性は意外と問われな
いばかりか、楽器が良く鳴り、弾き易く、自分の主張や個性を重要視した
弦の選択であったことは想像出来ます。安定性は、それらの主要項目
がクリアーされてからの判断かもしれません。
現在は、弦の種類は多くなったものの、弦の長所と短所が、どのメーカー
も似ているので、どの弦を張っても、同じような音しか出ないと感じます。
オイドクサかオリーブを最低条件に、弦の選択を再考慮する必要が
あると感じる最近です。裸ガットの安定性は、調弦ではなく、音色の安定
性、弦を弓で弾くときの柔らかさの安定性だと思います。意外と、突っ張って、弦が硬くなるのが裸ガットであると感じます。
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Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策
投稿日時:2008年05月06日 09:26
投稿者:腸弦(ID:IBCGGYI)
「弦のストレッチを継続すれば、ガット弦が最新のナイロン弦並みにピッチの安定した弦になる。」
についてコメントすると、例えば、TOROガット弦の場合だと、1×ヴァーニッシュと3×ヴァーニッシュでは、違った印象を受けると思う。
1×ヴァーニッシュは汗や湿気の影響を多少受けてしまうが、3×ヴァーニッシュは汗や湿気の影響はほとんど受けない。
「弦のストレッチを継続すれば、ガット弦が最新のナイロン弦並みにピッチの安定した弦になる。」
というのは、手に汗をかかない人や湿度の低い場合には、1×でも3×でも当てはまるが、手に汗をかく人や湿度が高い場合には、3×のみに当てはまる、ということである。
ヴァーニッシュ(ニス)が1層か3層かという違いは、ピッチや調弦の安定性に大きく影響するのである。
このスレッドに書いた「調弦の安定性」「ピッチの安定性」というのは、次のことを意味するつもりで書いている。
・演奏中に弦にかかる圧力(負荷)によって弦が伸びてピッチが低下すること、汗や湿気の影響で弦が伸びてピッチが低下すること、気温の上昇や空気の乾燥によってピッチが上がること、といった現象が生じにくく、また生じたとしても、その度合いが小さいこと。
・演奏中に調弦をし直す回数が少なくて済むこと(調弦の頻度が少なくて済むこと)
なお、ナイロン弦とガット弦の比較では、ナイロン弦はほんの0.5Hzピッチが狂っても調弦の狂いが気になるが、ガット弦だと1.0Hz狂ってもそれほど気にならない、ということがある。(数値はあくまでも例であり、イメージである)
ナイロン弦が0.5Hz狂うまでに30分の演奏を要する、ガット弦が1.0Hz狂うまでに40分の演奏を要する、という場合、ガット弦の方が、調弦が安定している、と感じるわけである。
これはガット弦の方が、ピッチや音程に関して、包容力があってストライクゾーンが広いからである。
逆の言い方をすると、最新のナイロン弦は、弦単体で見ると、狂いが少ないが、4本の弦の調和という点で見ると、わずかな狂いが意外と気になり易いということである。
これはチューナーで計測してみると良くわかる。ガット弦とナイロン弦を、どちらもA=440Hzに合わせて調弦し、しばらく演奏して、調弦が狂ってきたな、と感じたときに、A線のピッチをチューナーで計測する。
ガット弦は439Hzまでピッチが低下(1Hzピッチが低下)しているのに対して、ナイロン弦は439.5Hzまでピッチが低下(0.5Hzピッチが低下)している。
ナイロン弦は物理的な特性としてはピッチが狂いにくいのに、実際の演奏ではピッチや調弦の狂いが気になり易い、というのは意外なことであり、ある意味では皮肉な結果と言える。
これは自分自身の個人的な感想だが、調弦の狂いにくさ、調弦の狂いの気になりにくさ、という点では、TOROの3×ヴァーニッシュの裸のガット弦は、オイドクサやオリーヴといった巻き線のついたガット弦よりも、調弦が狂いにくく、調弦の狂いが気になりにくく、また、現代の主流となっているナイロン弦と比較しても、調弦の狂いにくさや調弦の狂いの気になりにくさに関して同等レベルであると感じる。
裸のガット弦の表現力の多彩さ、音色のパレットの豊富さ、ニュアンスの多彩さ、音の力強さなどを考慮すると、総合的には、現在入手可能な弦の中で最も高性能な弦であると感じる。
についてコメントすると、例えば、TOROガット弦の場合だと、1×ヴァーニッシュと3×ヴァーニッシュでは、違った印象を受けると思う。
1×ヴァーニッシュは汗や湿気の影響を多少受けてしまうが、3×ヴァーニッシュは汗や湿気の影響はほとんど受けない。
「弦のストレッチを継続すれば、ガット弦が最新のナイロン弦並みにピッチの安定した弦になる。」
というのは、手に汗をかかない人や湿度の低い場合には、1×でも3×でも当てはまるが、手に汗をかく人や湿度が高い場合には、3×のみに当てはまる、ということである。
ヴァーニッシュ(ニス)が1層か3層かという違いは、ピッチや調弦の安定性に大きく影響するのである。
このスレッドに書いた「調弦の安定性」「ピッチの安定性」というのは、次のことを意味するつもりで書いている。
・演奏中に弦にかかる圧力(負荷)によって弦が伸びてピッチが低下すること、汗や湿気の影響で弦が伸びてピッチが低下すること、気温の上昇や空気の乾燥によってピッチが上がること、といった現象が生じにくく、また生じたとしても、その度合いが小さいこと。
・演奏中に調弦をし直す回数が少なくて済むこと(調弦の頻度が少なくて済むこと)
なお、ナイロン弦とガット弦の比較では、ナイロン弦はほんの0.5Hzピッチが狂っても調弦の狂いが気になるが、ガット弦だと1.0Hz狂ってもそれほど気にならない、ということがある。(数値はあくまでも例であり、イメージである)
ナイロン弦が0.5Hz狂うまでに30分の演奏を要する、ガット弦が1.0Hz狂うまでに40分の演奏を要する、という場合、ガット弦の方が、調弦が安定している、と感じるわけである。
これはガット弦の方が、ピッチや音程に関して、包容力があってストライクゾーンが広いからである。
逆の言い方をすると、最新のナイロン弦は、弦単体で見ると、狂いが少ないが、4本の弦の調和という点で見ると、わずかな狂いが意外と気になり易いということである。
これはチューナーで計測してみると良くわかる。ガット弦とナイロン弦を、どちらもA=440Hzに合わせて調弦し、しばらく演奏して、調弦が狂ってきたな、と感じたときに、A線のピッチをチューナーで計測する。
ガット弦は439Hzまでピッチが低下(1Hzピッチが低下)しているのに対して、ナイロン弦は439.5Hzまでピッチが低下(0.5Hzピッチが低下)している。
ナイロン弦は物理的な特性としてはピッチが狂いにくいのに、実際の演奏ではピッチや調弦の狂いが気になり易い、というのは意外なことであり、ある意味では皮肉な結果と言える。
これは自分自身の個人的な感想だが、調弦の狂いにくさ、調弦の狂いの気になりにくさ、という点では、TOROの3×ヴァーニッシュの裸のガット弦は、オイドクサやオリーヴといった巻き線のついたガット弦よりも、調弦が狂いにくく、調弦の狂いが気になりにくく、また、現代の主流となっているナイロン弦と比較しても、調弦の狂いにくさや調弦の狂いの気になりにくさに関して同等レベルであると感じる。
裸のガット弦の表現力の多彩さ、音色のパレットの豊富さ、ニュアンスの多彩さ、音の力強さなどを考慮すると、総合的には、現在入手可能な弦の中で最も高性能な弦であると感じる。
[37386]
Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策
投稿日時:2008年05月10日 03:54
投稿者:あい(ID:FleIgVI)
少し前に、pochiさんとの会話で、達者な奏者ほど、チューニング
が少し狂っても、正しい演奏をすることが出来るというようなコメント
を書きました(1字1句同じではないです)。
今でも、その考えは変わりません。何故、裸ガットを使用する奏者
が、昔に比べ現在あまり存在しないのかは、大雑把に2つの点が
あります。一つには、最新の弦を手にする環境があること。第二に、
弦のテクノロジー(進化)により、より扱いやすい・精度の高い演奏
が出来るセッティングを得たことだと思います。演奏者がそれを恩恵
として受けている良い面は、私も肯定的です。しかし、古来からある
伝統的な側面を無視している点は、現在の最大の問題点であると
感じます。
古き時代の恩恵は、量より質に重きを置いていたことです。どんなに
音量のない演奏でも、記憶に残る演奏を美として捉えた点が、私は
とても好きです。現在は、音量も技術も必要だといいながら、記憶に
残らない演奏を否定する環境であると感じます。一種の自己矛盾を
作りながら、演奏会が開かれています。
裸ガットの使用が、古来の伝統を復活させる一つの手段として、私は
大歓迎です。しかし、現代の弦の良い点を否定する根拠がありません。
二者択一の非情な選択をするよりも、良い演奏をするためには、どんな
道具を使い、どんなセッティングをし、誰もが感じる問題点を考慮する
姿勢が大切だと思います。
とりあえず、オイドクサを張って、よく考えたいと思います。
が少し狂っても、正しい演奏をすることが出来るというようなコメント
を書きました(1字1句同じではないです)。
今でも、その考えは変わりません。何故、裸ガットを使用する奏者
が、昔に比べ現在あまり存在しないのかは、大雑把に2つの点が
あります。一つには、最新の弦を手にする環境があること。第二に、
弦のテクノロジー(進化)により、より扱いやすい・精度の高い演奏
が出来るセッティングを得たことだと思います。演奏者がそれを恩恵
として受けている良い面は、私も肯定的です。しかし、古来からある
伝統的な側面を無視している点は、現在の最大の問題点であると
感じます。
古き時代の恩恵は、量より質に重きを置いていたことです。どんなに
音量のない演奏でも、記憶に残る演奏を美として捉えた点が、私は
とても好きです。現在は、音量も技術も必要だといいながら、記憶に
残らない演奏を否定する環境であると感じます。一種の自己矛盾を
作りながら、演奏会が開かれています。
裸ガットの使用が、古来の伝統を復活させる一つの手段として、私は
大歓迎です。しかし、現代の弦の良い点を否定する根拠がありません。
二者択一の非情な選択をするよりも、良い演奏をするためには、どんな
道具を使い、どんなセッティングをし、誰もが感じる問題点を考慮する
姿勢が大切だと思います。
とりあえず、オイドクサを張って、よく考えたいと思います。
[37392]
Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策
投稿日時:2008年05月13日 09:11
投稿者:クロアシ(ID:QVQQJYM)
弦を引っ張って無理やり伸ばしてピッチをはやく安定させる、などという方法があるみたいですね。私は、音色に与える影響が怖くて、やったことありませんが。
でも、確かに、ガット弦の場合、何か工夫しないとピッチがいつまでも安定しない気がします。今、たまたまOlivを使っているのですが、演奏に支障を来たさない程度に安定するまで、およそ一ヶ月かかりました。ペグの調子が悪いのか、A線は今でも不安定です。
調弦が狂っても身体が自然に補正して正しい演奏ができるものですが、楽器全体の響きが微妙に悪くなる気がします。弦同士の共鳴や倍音関係が崩れるからだと思いますが、詳しいことはよく分かりません。
弦が安定してくると、ナイロンと変わらない精度で演奏できると思います。ガット弦の音は、よく「豊か」で「柔らかい」と表現されますが、Olivに関して言えば、むしろ、レスポンスが良いものの、中身の詰まった硬質な音、という印象です。音の密度という点では、どのナイロン弦も及ばない気がします。ただ、音に厚みが出る、という感じではありません。高音側は華やかになりますが、低音側がやや薄くなります。
私は、チューナーでピッチや音程を客観的に計測することに、あまり意味を感じません。正しいと感じるかどうかは、人の耳が判断すればよいことで、人の耳に心地よければ、それでいいのだと思います。
楽曲の時代や奏法によって、それぞれ最適な弦のセッティングというのがあるのかもしれませんが、私は、楽器との相性もかなり重要なのではないか、と思っています。今の時代の製作者は、標準的なナイロン弦を念頭に置いて、パフォーマンスが出るように工夫している人が、結構多いのではないでしょうか。
私の楽器の場合、結局Dominantが一番良く鳴るみたいです。Dominantで弾くと、低音を中心にGaaa! Zyyy! という感じの音が強く出て、地鳴りがするみたいに聴こえるんだそうです。私なら、楽器のパフォーマンスを考えて、ヴェストホッフもルチアーノ・ベリオも、同じ弦で弾いてしまいそうです。
でも、確かに、ガット弦の場合、何か工夫しないとピッチがいつまでも安定しない気がします。今、たまたまOlivを使っているのですが、演奏に支障を来たさない程度に安定するまで、およそ一ヶ月かかりました。ペグの調子が悪いのか、A線は今でも不安定です。
調弦が狂っても身体が自然に補正して正しい演奏ができるものですが、楽器全体の響きが微妙に悪くなる気がします。弦同士の共鳴や倍音関係が崩れるからだと思いますが、詳しいことはよく分かりません。
弦が安定してくると、ナイロンと変わらない精度で演奏できると思います。ガット弦の音は、よく「豊か」で「柔らかい」と表現されますが、Olivに関して言えば、むしろ、レスポンスが良いものの、中身の詰まった硬質な音、という印象です。音の密度という点では、どのナイロン弦も及ばない気がします。ただ、音に厚みが出る、という感じではありません。高音側は華やかになりますが、低音側がやや薄くなります。
私は、チューナーでピッチや音程を客観的に計測することに、あまり意味を感じません。正しいと感じるかどうかは、人の耳が判断すればよいことで、人の耳に心地よければ、それでいいのだと思います。
楽曲の時代や奏法によって、それぞれ最適な弦のセッティングというのがあるのかもしれませんが、私は、楽器との相性もかなり重要なのではないか、と思っています。今の時代の製作者は、標準的なナイロン弦を念頭に置いて、パフォーマンスが出るように工夫している人が、結構多いのではないでしょうか。
私の楽器の場合、結局Dominantが一番良く鳴るみたいです。Dominantで弾くと、低音を中心にGaaa! Zyyy! という感じの音が強く出て、地鳴りがするみたいに聴こえるんだそうです。私なら、楽器のパフォーマンスを考えて、ヴェストホッフもルチアーノ・ベリオも、同じ弦で弾いてしまいそうです。
[37393]
Re: 実は裸ガット結構マニアの私なのですが。
投稿日時:2008年05月13日 20:44
投稿者:父娘でVn始めました(ID:ORmWeBA)
昔から、名人ほど、ガットは切れる寸前が一番良い音だと云うのだそうです。無理に力をかけて、早く劣化させれば、そういう意味で良い音に近づけることになる場合も、あるのかも、知れません。長年裸ガットを使ってきている経験から、個人的には、あまりお勧めできるものではありませんと感じますがこれは全くの私見ですから異論もありえましょう。
前にも書きましたが、ヴァニッシュなぞは歴史的ではありませんとよく言われますが、歴史的ではないから悪いとは申しません。新しいものであっても、良いものはいいのでしょうから。ベリオも武満もガットで弾いて下さい。是非。
前にも書きましたが、ヴァニッシュなぞは歴史的ではありませんとよく言われますが、歴史的ではないから悪いとは申しません。新しいものであっても、良いものはいいのでしょうから。ベリオも武満もガットで弾いて下さい。是非。
[37394]
Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策
投稿日時:2008年05月13日 21:12
投稿者:腸弦(ID:IBCGGYI)
先日、欧州の弦メーカーに英文メールで下記のような内容の質問をしてみた。
◎メールの内容
質問①
大事な演奏会が間近に迫っているというのに、弦が切れて、やむを得ず新品の弦を張らなければならなくなった。こういうときに、新品の弦のピッチをできるだけ早く安定させるには、一体どうしたら良いか?弦のスペシャリストとしての貴社のご意見を伺いたい。
質問②
最近、インターネットの掲示板で下記のような方法を薦められたが、この方法に関する貴社のご意見を伺いたい。
「弦のストレッチ」:ヴァイオリンを弾く前に、弦を指板に押しつけながらナットから駒までの間を各弦10~20往復して弦をストレッチしてやること。これを継続するとピッチの安定性が大幅にアップする。
回答①
フォルテで弦を弾きこみ、こまめに調弦をし直す。いつもよりも少しピッチを高くして弾きこむとより効果的。
回答②
弦を張り替えてから本番までの時間に余裕が無いときは、特にこの方法(弦のストレッチ)は有効である。
「弦のストレッチ」:ヴァイオリンを弾く前に、弦を指板に押しつけながらナットから駒までの間を各弦10~20往復して弦をストレッチしてやること。これを継続するとピッチの安定性が大幅にアップする。毎日継続することでガット弦をナイロン弦と同等レベルまで安定させることが可能となる。(もちろん、ナイロン弦やスチール弦に対しても非常に有効である)
この秘策の有効性・安全性は、現代のヴァイオリン弦メーカーも認めているだから、安心して継続して欲しい。
追伸
これは、あるTV番組でのエピソードであるが、日本の有名な女流ヴァイオリニストが、演奏会本番の直前のリハーサルのときにE線を切ってしまった。その女流ヴァイオリニストは、楽屋に戻ってE線を張り替えた後、上記の「弦のストレッチ」を入念に行なっていた。彼女は「弦のストレッチ」をやりながら、TV番組のスタッフに「弦を張り替えた直後は弦が伸びてくるので、こうやって伸ばしてやるといいんですよ。」と話しかけていた。入念に「弦のストレッチ」をやった後、全部の弦を調弦し直して、再びリハーサルに戻っていった。
スチールのE線に対してでさえ「弦のストレッチ」が有効なのだから、ガットやナイロンのA・D・G線においては、なおさら有効であることは言うまでもない。
◎メールの内容
質問①
大事な演奏会が間近に迫っているというのに、弦が切れて、やむを得ず新品の弦を張らなければならなくなった。こういうときに、新品の弦のピッチをできるだけ早く安定させるには、一体どうしたら良いか?弦のスペシャリストとしての貴社のご意見を伺いたい。
質問②
最近、インターネットの掲示板で下記のような方法を薦められたが、この方法に関する貴社のご意見を伺いたい。
「弦のストレッチ」:ヴァイオリンを弾く前に、弦を指板に押しつけながらナットから駒までの間を各弦10~20往復して弦をストレッチしてやること。これを継続するとピッチの安定性が大幅にアップする。
回答①
フォルテで弦を弾きこみ、こまめに調弦をし直す。いつもよりも少しピッチを高くして弾きこむとより効果的。
回答②
弦を張り替えてから本番までの時間に余裕が無いときは、特にこの方法(弦のストレッチ)は有効である。
「弦のストレッチ」:ヴァイオリンを弾く前に、弦を指板に押しつけながらナットから駒までの間を各弦10~20往復して弦をストレッチしてやること。これを継続するとピッチの安定性が大幅にアップする。毎日継続することでガット弦をナイロン弦と同等レベルまで安定させることが可能となる。(もちろん、ナイロン弦やスチール弦に対しても非常に有効である)
この秘策の有効性・安全性は、現代のヴァイオリン弦メーカーも認めているだから、安心して継続して欲しい。
追伸
これは、あるTV番組でのエピソードであるが、日本の有名な女流ヴァイオリニストが、演奏会本番の直前のリハーサルのときにE線を切ってしまった。その女流ヴァイオリニストは、楽屋に戻ってE線を張り替えた後、上記の「弦のストレッチ」を入念に行なっていた。彼女は「弦のストレッチ」をやりながら、TV番組のスタッフに「弦を張り替えた直後は弦が伸びてくるので、こうやって伸ばしてやるといいんですよ。」と話しかけていた。入念に「弦のストレッチ」をやった後、全部の弦を調弦し直して、再びリハーサルに戻っていった。
スチールのE線に対してでさえ「弦のストレッチ」が有効なのだから、ガットやナイロンのA・D・G線においては、なおさら有効であることは言うまでもない。
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Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策
投稿日時:2008年06月11日 00:33
投稿者:谷村(ID:IlAkSTg)
TOROの代理店ってどこですか?
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