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弦のストレッチ・・・忘れられた秘策 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 15 Comments
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弦のストレッチ・・・忘れられた秘策

投稿日時:2008年05月04日 17:11
投稿者:腸弦(ID:IBCGGYI)
100年前とか200年前のガット弦しかなかった時代には、ガット弦を快適に使うための方法が広く知られていたのではないかと思われる。それが、スチール弦やナイロン弦が台頭するとともに、徐々に忘れられてしまったのではないかと思われる。当時はヴァイオリンを弾く人にとってはあまりにも当たり前のことだったので、書籍にも書かれていないのであろう。

「弦のストレッチ」:ヴァイオリンを弾く前に、弦を指板に押し付けながらナットから駒までの間を各弦10~20往復して弦をストレッチしてやること
 
これこそまさに忘れられた「秘策」と言えよう。スポーツをする前に体のストレッチをするように、ヴァイオリンを弾く前にガット弦をストレッチする。毎日の習慣にしてしまえば、大した手間ではない。
ナイロン弦やスチール弦にストレッチを施しても構わないが、ガット弦の場合ほど効果は得られないであろう。一方、弦を張り替えた直後であれば、どんな弦でも効果が得られるであろう。

パガニーニ、ヴュータン、ヴィエニャフスキー、ヨアヒム、サラサーテといった古の(いにしえの)名手たちは、ガット弦特有のピッチの不安定さを可能な限り取り除くため、演奏の前に弦のストレッチを行なっていただろうと思う。

ガット弦の正しいメンテナンスの仕方が理解されれば、きっと多くのヴァイオリン奏者が再びガット弦のフィールドに戻ってくるだろう。
弦のストレッチを継続すれば、ガット弦が最新のナイロン弦並みにピッチの安定した弦になる。
ガット弦ならではのウォームでリッチなサウンドを多くの方々にも体験してもらいたいと思う。
「弦のストレッチ」これはガット弦愛好家を増やすためのキーワードになると思う。

参考
//coastaltrading.biz/patio/read.cgi?no=21
(先頭に小文字のhttp:をつけて検索)
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【ご参考】
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Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策

投稿日時:2008年06月11日 00:42
投稿者:(ID:IBCGGYI)
ttp://coastaltrading.biz/viole.html
有限会社コースタルトレーディング
このお店ではTOROの最高級シープガット弦を通販で買えます。梅雨時期でも1×ヴァーニッシュ(=ニスコーティングを1層施された)の弦なら安心して使えます。凄い汗かきなら、特注扱いになりますが、3×ヴァーニッシュを注文すると良いでしょう。この弦はあらゆる点で本当に優れていると思います。
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Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策

投稿日時:2008年06月22日 08:47
投稿者:よが(ID:EncpAQA)
こんにちは。

ガットじゃなくても弦の交換のときにストレッチしてます。 張る前に丸まった弦をなるべくまっすぐに伸ばすためにも軽くストレッチしてます。

ただし、親指で指板にこすりつけると弦の指版側と指側で伸びが違ったり巻き線の痛みが早くなる気がするので、左右から親指と人差し指の腹でつまむようにもってしごきます。
また、ストレッチ時は直接指じゃなくて布(楽器を片付けるときに使う布)を間に挟んでいます。 布を使うとすべりがスムーズですし、製造時の弦の汚れ(細かい金属粉など)もよく取れます。 アルミ巻きの弦は黒いのがいっぱいつきますね。
ちなみに、駒とテールピースの間もストレッチします。 仕上げにバルトークピチカートを2,3回やって儀式は終わりです。

半音上げ調弦については、弦の密度が部分部分で不均衡になりやすいような気がするのでやりません。
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Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策

投稿日時:2008年06月28日 13:24
投稿者:腸弦(ID:IBCGGYI)
巻き線が弱い弦の場合は、よがさんがおっしゃっているような方法が良いと思いますが、よがさんの方法だと、私の方法に比べると、弦のストレッチ効果が小さくなると思います。
巻き線の無い裸のガットの場合は、本来のピッチよりも半音上げてやって、その状態で、私の言う方法で弦のストレッチをすると、ナイロン弦と同じくらい早くピッチが安定します。

>半音上げ調弦については、弦の密度が部分部分で不均衡になりやすいような気がするのでやりません。
 とのことですが、巻き線のある弦の場合はそういうこともあるかも知れませんが、私が経験している限りでは、裸のガットに関しては、そういう問題は生じていません。私は、調弦の狂いに関して敏感な方で、音感も良い方だと思いますが、弦を張り替えた後の3日ぐらいピッチを半音上げておくことによって、音のツボが狂ったり、調弦のツボが狂ったり、ということは特に感じられません。

これは私の思いつきというか1つの仮説ですが、バロック時代にスコルダトゥーラ(変則調弦)が広く用いられていたのは、弦が裸のガット弦だったからではないかと思います。裸のガット弦のピッチを早く安定させるために半音とか全音とか「一時的に」ピッチを上げて弾いているうちに、「この状態で曲を書いたら面白いかも!」と気付いた人がいて、それが、スコルダトゥーラ(変則調弦)という形で、作曲に取り入れられていったのではないかと想像しています。
私自身も、弦を張り替えた後の3日ぐらい半音上げた状態で練習してましたが、「相対音感」を鍛えるには、たまにはスコルダトゥーラで練習するのも
良いものだな、と思いました。最初はすごく違和感があるのですが、慣れてくると相対音感を駆使して正しい音程で弾こうとするので、指の開き具合などの再確認になります。
幼少期にピアノを習っていたりして絶対音感に頼ってヴァイオリンを弾こうとする傾向のある人には、半音や全音上げたスコルダトゥーラ状態で練習すると、相対音感が鍛えられて良いと思います。
絶対音感に頼って弾く傾向のある人だと、数日後に本来の調弦に戻したときに、以前よりも良い音程で弾ける自分に驚くと思います。

私自身もナイロン弦を張っていたときには、(弦が切れたりすると怖いですし、そもそもそんなことをする必要性を感じなかったので)半音ピッチを上げようなどとは思いませんでしたが、裸のガット弦は意外とタフで、半音や全音上げたくらいでは全く問題無く、1.5全音(全音+半音)上げても大丈夫です。私自身は試したことはありませんが、2全音くらい上げてもきっと大丈夫だと思います。

弦のストレッチを実施することによって、裸のガット弦をナイロン弦と同じくらい安定させられ、調弦の頻度を減らして時間を節約する(練習の効率を高める)ことができます。
弦を張った直後だけでなく、数日ぶりにヴァイオリンを弾くときにも私が提唱する弦のストレッチは非常に有効ですので、ぜひ実践してみて下さい。
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Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策

投稿日時:2008年07月14日 08:19
投稿者:オレだ(ID:QUWUaAc)
クロちゃん プロみたいなコメントするわりには意外と知らないんだな
普通の大学院生なんだってな
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Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策

投稿日時:2008年07月14日 19:08
投稿者:オールダー(ID:EzhgSGk)
ナイロン弦が誕生する前のガット弦とスチール弦しかなかった時代からヴァイオリンを弾いていた人に聞いたら、ガット弦を張り替えたときは、弦を押したり引っ張ったりしてストレッチしていたそうです。
ピッチが安定するのが早いナイロン弦が出てから、そういう習慣が徐々に廃れてしまったのでしょうね。
でも、たとえナイロン弦であっても、軽く弦のストレッチをしてやると安定性が高まりますので、覚えておくと良いでしょう。
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Re: 弦のストレッチ・・・忘れられた秘策

投稿日時:2008年07月18日 14:25
投稿者:(ID:J0NpEGc)
pochiさんへ。
>一般的な方法としては、弦を張り替えた時に1音から1音半位高めに調弦しておきます。調弦する時には、1音から1音半位高くしてから下げて音を合わせます。数往復した方が安定性が良い様です。
 この方法は有効ですね。この方法に、弦のストレッチを加えると、より早くピッチを安定させられます。

TOROの裸のガット弦の3回ヴァーニッシュ処理をしたものは、湿度が上がってもピッチが下がりにくく、空気が乾燥してもピッチがあがりにくい、という夢のようなガット弦です。ナイロン弦の代名詞ドミナントでさえ、湿度の高いところだと、ピッチが下がってくるというのに、TOROの3×Vは、そんな状況でも、あまりピッチが下がりません。手にドバドバ汗をかいて、弦をビシャビシャにして、その後、空気の乾燥した場所に楽器を持って行っても、あまりピッチが上がりません。ピッチの安定性において、裸のガット弦がナイロン弦を越えるなんて信じられません。驚異的な耐水性・耐候性だと思います。これなら、インドやタイのような熱帯気候の地域でも使えると思います。タイムマシンに乗ってパガニーニやヴュータンに会えたら、TOROの3×Vの弦をプレゼントしてあげたいと思います。
TOROの裸のガット弦は、オリーヴの中に入っているガットコアの約2~3倍の太さがあるので、十分過ぎるほどの強度があります。3×Vなら、5年間張りっぱなしで弾いても(音色はともかく)「切れない」のではないかと思われるほどです。
博識で経験豊富なpochiさんには、ぜひTOROの裸ガット弦の3×Vをお試しいただきたいものです。
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