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ヴァイオリンの塗装について その3 | ヴァイオリン掲示板

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楽器・付属品 216 Comments
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ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月13日 20:49
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
私は前スレッド、前々スレッドで、
「ヴァイオリンの音色は材質と形状、および調整によって決まり、
ヴァイオリンの塗装で音色が良くなることは基本的にない」と
客観的な証拠を多数提示して書いています。

どなたも塗装でヴァイオリンの音が良くなるという証拠を提示されて
いません。そして見当違いのコメントがしばしば付けられています。
これはいったいなぜなのでしょうか。ちょっと分析してみたいと思います。
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Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月14日 13:18
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
通りすがりさま、すでに引用した通り、パウル・カウルのような一流の製作者が「ワニスが装飾、楽器保守、効果的な気孔ふさぎのためにあり、音色を良くするようないかなる効果も持っていない」と主張しています。

先人のニスも自分のニスも等しく「音色を良くするようないかなる効果も
持っていない」と考えているのは明白です。
[37586]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月14日 14:08
投稿者:父娘Vn(ID:QGCYVyA)
>とっぷりと
そんな恥ずかしいこと。勘弁してください。
[37588]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月14日 17:31
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
たまたま別のスレッドでヴァルター・コルネーダーの
「弦楽器と旋律楽器奏者の和声学」が紹介されていますが、
コルネーダーはヴァイオリンの構造と歴史を解説した本で、前出の
通りこう書いています。

The Amadeus Book of the Violin: Construction, History, and Music
Walter Kolneder
ttp://www.amadeuspress.com/excerpts/excerpt.cfm?ID=268

When a white (unvarnished) violin is played as soon as it has been
completed, it reveals its optimal volume and tone quality.
製作直後の白い(ニスがない)ヴァイオリンを演奏すると、そのヴァイオリン
の最善の音量と音質が出現します。

コルネーダーは昔の偉大なヴァイオリンでも、現在のヴァイオリンでも、
等しくニスは音を良くしないと考えているわけです。
[37590]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月14日 19:56
投稿者:通りすがり(ID:IBIIcHY)
パウル・カウルやヴァルター・コルネーダーのことではなく、
19世紀に「クレモナの銘器の音が良いのはニスに秘密があるのではないか」と言い出し」た一部の人々の精神的背景のことを言っているのですが・・・。彼らが白木の楽器と塗装済みの楽器とを比べて物を言ったという記録がありますか?
[37591]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月14日 21:30
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
「ニスがクレモナの銘器の秘密」と考える人が出てきた理由については
以前も書きましたが簡単に再度書いておきます。

18世紀中旬を境に、ヴァイオリンの品質が全体的に落ちたという事実が
ポイントです。クレモナの最盛期にストラディヴァリなどが大量に作ったこと、ヴァイオリンは耐久性が良い上に古いもののほうが高く評価されることなどから、18世紀後半は「クレモナの銘器」がだぶついてしまい、18世紀後半には一部を除いて生産効率に重点をおいた安物しか作られなくなって
しまいました。

これを19世紀になって「クレモナでは秘密のニスを使ったから音が良く、
18世紀後半にはそれを使わなくなかったから音が悪くなったのだろう」
と考える人が出てきました。実際に生産効率を優先にした18世紀後半
の楽器には生産効率のため「固く厚い」ニスが使われることがあり、音を
悪くしているものもたようです。しかし実際は18世紀後半の楽器は材料
と造りそのものが悪かったのです。

本当かどうかは知りませんが、ヴィヨームは他人には固いニスを売り、
自分では柔らかいニスを使っていたという逸話があります。19世紀の
優れた製作者はクレモナのニスの秘密が板の振動を妨げないことだと
ちゃんと知っていたのではないでしょうか。

なお、「奏き込み」について佐々木庸一氏は著書「魔のヴァイオリン」の
中で以下のように書いています。

ズィービレはこう言っている。
「新しいヴァイオリンは、初めは多少荒い音が出なければならない。
初めからすぐに良い音が出る楽器はあとで音が悪くなるということを、
知っておくべきである。」

これはもちろんニスが塗られた完成された楽器の場合ですが、それで
さえ最初は「荒い音」になるべきだということです。製作中の白木
のヴァイオリンが荒い音だからといってニスでおとなしい音にする必要
などまったくないわけです。
[37592]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月14日 21:36
投稿者:ゴールド(ID:IBCGGYI)
だいぶ前に弦楽器シャコンヌの展示会で、同じ値段(約100万円)のヴァイオリンの「白木」のものと、ニスを塗った後の完成品、を弾き比べしたことがあります。
ttp://www.chaconne.info/10_exhibition/2008spring.htm
私も同行した友人も、ニスを塗った完成品の方が、音色が良く表現力が優れている、という結論でした。
白木のヴァイオリンは、意外と良い音でしたし、たしかに音量はあるのですが、そば鳴りしている感じでした。
一方、ニスを塗ったヴァイオリンは、耳もとでの音量は白木のヴァイオリンよりも少し小さかったですが、遠くまで音が良くとおりましたし、音色にも深みがありました。
あと、白木のヴァイオリンは、多くの人が試奏していたこともあって、薄汚れつつありました。汗かきの人が毎日弾いたら、あっという間に「汚くなる」のではないかと思います。
catgutさんは、白木のヴァイオリンの音の方が本当に好きなのでしょうか?(優れていると思っているでしょうか?)私にはとても信じられません。
[37593]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月14日 22:33
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
ゴールドさま、

私自身はその楽器の弾き比べはしたことがありませんが、シャコンヌのヴァイオリンのセールスのためにその弾き比べが行われていることには留意する必要があるでしょう。

・いくら同じように作っても、白木の状態で完全に2挺のヴァイオリンを
同じ音にはできない。
・完全に同一のセットアップも困難。

シャコンヌが意図的に行ったとは全く思いませんが、魂柱をわずかに緩くするだけで
>音量はあるのですが、そば鳴りしている感じでした
とすることも可能です。

前スレッドにも書きましたが、イムジチ合奏団の創設メンバである
フェリックス・アーヨがヴァイオリン工房で白木の楽器を弾いて大変
気に入り、それをぜひ譲って欲しいと言っているわけです。
アーヨが弾いた楽器が「音量はあるがそば鳴りしている感じ」だったら
アーヨほどの人がぜひ譲って欲しいなどと言うでしょうか。
[37596]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月15日 04:25
投稿者:pochi(ID:OVMFIBc)
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Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月14日 12:17
投稿者:通りすがり(ID:FINJlSk)
[37583] のコメントは的外れです。

>ニスは音に影響しなくはないけれど、よくない楽器のニスを塗りなおして素晴らしい音になる、ということもない。という程度に思っています。

その通りでしょう。

②塗装は必要⇒
 ②-1 どのようなニスが良いのか。
 ②-2 塗装方法の問題 

に関し、普通のことをして居ればよいというわけです。


>19世紀に一部の人々が「クレモナの銘器の音が良いのはニスに秘密があるのではないか」と言い出し・・・

ここで引き合いに出されているメーカーは果たして
①白木よりもニスを塗った方が良い(可能性がある)
と考えて議論していたのでしょうか(とてもそうとは思われません)。
むしろ
②自分たちの塗装法・塗料より先達の塗装法・塗料が優れている可能性を探っていたのではないでしょうか?

この点はどうですか?

にたいして、 [37585]
[37585]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月14日 13:18
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
通りすがりさま、すでに引用した通り、パウル・カウルのような一流の製作者が「ワニスが装飾、楽器保守、効果的な気孔ふさぎのためにあり、音色を良くするようないかなる効果も持っていない」と主張しています。

先人のニスも自分のニスも等しく「音色を良くするようないかなる効果も
持っていない」と考えているのは明白です。
の「明白です」は明白ではないでしょう。

すべての製品を作る人々は、先達の仕事を参考にします。そして、その作品の手法なり技術が、現在自分が持っているものよりも優れているのではないかという畏怖の様なものまで感じているのでは無いかと思われる程、検証するものです。この中にニスが入っていないのが「明白です」なんて言い切るのは暴論ですよ。

たとえニスが音を良くしないとしても、音を悪くする可能性はあります。自分のニスが音を悪くしているのではないか?という危惧をどの制作者も持っているはずでしょう。先達のニスの方が自分のニスよりも、より少なく音を悪くしているのではないか、と考えていても何の不思議もありません。

ニスを塗ると当初は音量が減って、音色も悪くなります。その後ニスが乾くのに従って、どちらも改善されます。この変化は誰にでも解る程の大きな変化です。白木のヴァイオリンを弾いてみるのは、ニスを塗った当初のヴァイオリンよりも白木のヴァイオリンの方がニスが完全に乾いた状態に近いからです。

250年以上経過した状態の良い白木のヴァイオリンの音と、250年以上経過したニスを塗ったヴァイオリンの音のどちらが良いかという議論は、同一条件では難しいので非常に困難な議論でしょう。予想されるのは、白木の方が音が大きめであること位ではないでしょうか?
[37597]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月15日 12:27
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
pochiさま、確かに一部の製作者が「ニスで音を良くする」と信じたのは事実ですが、多くの製作者は「良いニスとはヴァイオリンの振動を妨げないニス」であると理解していたと思います。

これはかつて「オイルニスが柔らかいためヴァイオリンの振動を妨げにくく、
アルコールニスが固いためヴァイオリンの振動を妨げる」と考えられていた
ことからもうかがえます(実際はアルコールニスでも柔らかい=振動を妨げ
にくいニスを作ることが可能です)。

オールドの銘器の場合は木の経年変化という条件があり、新作と比較することは不可能です。経年変化はニスと違い、明らかに音色に影響し、その多くの場合プラスの影響があります。新しい木同士の場合、すでに述べたように実証研究でニスはほとんど音色に影響を与えないことが判明していますので、ニスによる音色の改善はごく例外的な場合を除いてないと考えられます。
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Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月15日 14:26
投稿者:通りすがり(ID:IBIIcHY)
catgut様

質問です。
今後はニスの研究・開発は不要・無意味・不毛とお考えなのですか?
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