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ヴァイオリンの塗装について その3
投稿日時:2008年06月13日 20:49
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
私は前スレッド、前々スレッドで、
「ヴァイオリンの音色は材質と形状、および調整によって決まり、
ヴァイオリンの塗装で音色が良くなることは基本的にない」と
客観的な証拠を多数提示して書いています。
どなたも塗装でヴァイオリンの音が良くなるという証拠を提示されて
いません。そして見当違いのコメントがしばしば付けられています。
これはいったいなぜなのでしょうか。ちょっと分析してみたいと思います。
「ヴァイオリンの音色は材質と形状、および調整によって決まり、
ヴァイオリンの塗装で音色が良くなることは基本的にない」と
客観的な証拠を多数提示して書いています。
どなたも塗装でヴァイオリンの音が良くなるという証拠を提示されて
いません。そして見当違いのコメントがしばしば付けられています。
これはいったいなぜなのでしょうか。ちょっと分析してみたいと思います。
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Re: ヴァイオリンの塗装について その3
投稿日時:2008年06月16日 23:38
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
ニス神話に並ぶヴァイオリン界の神話が「デル・ジェスは放埓な生活を
送った」という話ですが、これが史実ではないことは以前別のスレッド
で紹介しました。この件についてクレモナ製作学校でClaudio Amighetti
の講義を聞いた日本人生徒の方がご自身のブログで紹介されていました。ヴァイオリン界では面白い話のほうが真実として語られやすいのでしょうか。
私は知らなかったのですが、Amighettiによるとデル・ジェス自身が製作したスクロールで現存するものは2つだけということです。
ブログから一部引用させて頂きます。
ttp://gatticremonesi.blog.so-net.ne.jp/2008-04-16
G.B.Guarneri del Gesu' (ガルネリ・デル・ジェズゥ)は刑務所に入っていた
という記録はどこにも存在しないし、世間で言われているような、刑務所
の中でヴァイオリンを作って守衛の娘に刑務所の外でその楽器を売らせて
いたという話は、ありえないとのこと、、、さすがに刑務所にはナイフや丸
ノミは持ち込めない!との結論。刑務所に入っていた可能性があるのは
彼の祖父。空白の2年間があるらしい、でも確かな証拠は存在しないそうです。
私自身も日本でGarneri del Gesu' は刑務所に入っていて、とても人間的に変わった人だったと聞いたことがありました。でも実際は、普通にお父さんの後をついで、楽器職人になり、奥さんと共に楽器製作をし、いたって普通な人だったのではと思います。
ちなみにDel gesu' 自身が製作したとされるヴァイオリンのスクロールで
現存するのは2つだけだそうです。あとは、お父さん(Giuseppe Guarneri)
と奥さん(Katerina)によるものだそうです。
送った」という話ですが、これが史実ではないことは以前別のスレッド
で紹介しました。この件についてクレモナ製作学校でClaudio Amighetti
の講義を聞いた日本人生徒の方がご自身のブログで紹介されていました。ヴァイオリン界では面白い話のほうが真実として語られやすいのでしょうか。
私は知らなかったのですが、Amighettiによるとデル・ジェス自身が製作したスクロールで現存するものは2つだけということです。
ブログから一部引用させて頂きます。
ttp://gatticremonesi.blog.so-net.ne.jp/2008-04-16
G.B.Guarneri del Gesu' (ガルネリ・デル・ジェズゥ)は刑務所に入っていた
という記録はどこにも存在しないし、世間で言われているような、刑務所
の中でヴァイオリンを作って守衛の娘に刑務所の外でその楽器を売らせて
いたという話は、ありえないとのこと、、、さすがに刑務所にはナイフや丸
ノミは持ち込めない!との結論。刑務所に入っていた可能性があるのは
彼の祖父。空白の2年間があるらしい、でも確かな証拠は存在しないそうです。
私自身も日本でGarneri del Gesu' は刑務所に入っていて、とても人間的に変わった人だったと聞いたことがありました。でも実際は、普通にお父さんの後をついで、楽器職人になり、奥さんと共に楽器製作をし、いたって普通な人だったのではと思います。
ちなみにDel gesu' 自身が製作したとされるヴァイオリンのスクロールで
現存するのは2つだけだそうです。あとは、お父さん(Giuseppe Guarneri)
と奥さん(Katerina)によるものだそうです。
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塗装の話をしましょう
投稿日時:2008年06月17日 01:53
投稿者:・・・(ID:IBIIcHY)
あれ~。あの人答えられない質問が来たら、
全然別のことを話し出したよ~
か~い~ね~
うん、か~い~ね~
全然別のことを話し出したよ~
か~い~ね~
うん、か~い~ね~
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Re: ヴァイオリンの塗装について その3
投稿日時:2008年06月17日 23:57
投稿者:ゴールド(ID:IBCGGYI)
リノキシンニスを塗っている某ヴァイオリン製作家のオールドイミテーション(レプリカ)を見たことがあります。控えめな擬似オールド処理でしたが、ニスの質感や雰囲気が、クレモナのオールド名器であるストラディヴァリウスに良く似ていました。
シャコンヌの「ストラディヴァリ再現ニス」も、それなりに良いものだと思いますが、リノキシンニスを塗っている某製作家のヴァイオリンの方が、本物のストラディヴァリウスのニスの「艶感」や「質感」にもっとリアルに迫っている感じがします。特に擬似オールド処理が施されたレプリカ仕様のものは、2~3メートル離れて見ると、本物のストラディヴァリウスと見まがうほどニスの雰囲気が良く似ています。(本物のストラディヴァリウスについては、実際に手で触ったり、ごく近くで何本も見たりして、良く知っています)
そんな経験もあって、最近は、偉大なるアントニオ・ストラディヴァリもリノキシンニスを使っていたのではないかと考えているところです。
シャコンヌの「ストラディヴァリ再現ニス」も、それなりに良いものだと思いますが、リノキシンニスを塗っている某製作家のヴァイオリンの方が、本物のストラディヴァリウスのニスの「艶感」や「質感」にもっとリアルに迫っている感じがします。特に擬似オールド処理が施されたレプリカ仕様のものは、2~3メートル離れて見ると、本物のストラディヴァリウスと見まがうほどニスの雰囲気が良く似ています。(本物のストラディヴァリウスについては、実際に手で触ったり、ごく近くで何本も見たりして、良く知っています)
そんな経験もあって、最近は、偉大なるアントニオ・ストラディヴァリもリノキシンニスを使っていたのではないかと考えているところです。
[37626]
Re: ヴァイオリンの塗装について その3
投稿日時:2008年06月18日 00:56
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
「ヴァイオリンの銘器」渡辺恭三著で、渡辺氏は以下のように書いています。
現在オリジナルのニスが多く残っているストラディヴァリウスは、おそらくオックスフォードにある一七一六年製の「メサイア」だけと思われます。長いあいだずっと使われていたストラディヴァリウスを 見なれた目には、メサイアのニスはむしろ不思議に見えるのです。ストラディヴァリのニスは一般に言われるほど透明ではないと筆者は観察しています。
ストラディヴァリ メサイア(メシア)の写真
ttp://www.leroydouglasviolins.com/museumMessiah.jpg
確かにオリジナルニスがかなり剥げてカバーニスをかけられたストラディヴァリとはずいぶん違って見えます。
現在オリジナルのニスが多く残っているストラディヴァリウスは、おそらくオックスフォードにある一七一六年製の「メサイア」だけと思われます。長いあいだずっと使われていたストラディヴァリウスを 見なれた目には、メサイアのニスはむしろ不思議に見えるのです。ストラディヴァリのニスは一般に言われるほど透明ではないと筆者は観察しています。
ストラディヴァリ メサイア(メシア)の写真
ttp://www.leroydouglasviolins.com/museumMessiah.jpg
確かにオリジナルニスがかなり剥げてカバーニスをかけられたストラディヴァリとはずいぶん違って見えます。
[37627]
Re: ヴァイオリンの塗装について その3
投稿日時:2008年06月18日 01:45
投稿者:ゴールド(ID:IBCGGYI)
1721年製ストラディヴァリウス「レディ・ブラント」も、メシアに負けず劣らず、新品同様のコンディションが保たれています。
あと、1704年製「ベッツ」もオリジナルのニスがたくさん残っています。
レディ・ブラントやベッツのニスと、リノキシンニスが塗られた某製作家のストラディヴァリウスの「レプリカ」のニスを比較すると、雰囲気、艶感、質感がとても良く似ている感じがします。
あくまでも「見た目」に関してですが、ストラディヴァリウスのニスに似ている順番に並べると、
ストラディヴァリウスのニス>某製作家のストラド「レプリカ」のリノキシンニス>>>シャコンヌのストラディヴァリ再現ニス>クレモナの新作ヴァイオリンのニス>>ヤマハのアルティーダのニス>>スズキバイオリン(中級品)のニス
という感じです。
なお、>よりも>>の方が、より似ていないことを表しています。
あと、1704年製「ベッツ」もオリジナルのニスがたくさん残っています。
レディ・ブラントやベッツのニスと、リノキシンニスが塗られた某製作家のストラディヴァリウスの「レプリカ」のニスを比較すると、雰囲気、艶感、質感がとても良く似ている感じがします。
あくまでも「見た目」に関してですが、ストラディヴァリウスのニスに似ている順番に並べると、
ストラディヴァリウスのニス>某製作家のストラド「レプリカ」のリノキシンニス>>>シャコンヌのストラディヴァリ再現ニス>クレモナの新作ヴァイオリンのニス>>ヤマハのアルティーダのニス>>スズキバイオリン(中級品)のニス
という感じです。
なお、>よりも>>の方が、より似ていないことを表しています。
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Re: ヴァイオリンの塗装について その3
投稿日時:2008年06月18日 04:34
投稿者:pochi(ID:OVMFIBc)
catgut氏、投稿を読んでいると、
ニスに優劣はなくヴァイオリンの音に有害である。という論調と、
優劣があるという論調があります。どちらなのでしょうか?
1.ニスに優劣がある。
2.ニスには優劣はない。
ニスに優劣があるという前提で、美観と音の両面から、
現在ではリノキシンが採用されていると思われるのですが、
どのようにお考えですか?
1.リノキシンよりもヤマハの技術の方が優れている。
2.リノキシンの方がヤマハの技術よりも優れている。
経験的な事を投稿しておきます。
ニスは硬化するに従って音が悪く成り、その後音が良く成る。音量も同じ。
白木の状態よりもニスを塗った状態の方が塗り立てなら音は悪く、音量も小さい。
経年変化した白木と経年変化したニスを塗ってある楽器の音の善し悪しは解らないが、
保存の為にはニスを塗ってある方が有利だと思われる。
ニスに優劣はなくヴァイオリンの音に有害である。という論調と、
優劣があるという論調があります。どちらなのでしょうか?
1.ニスに優劣がある。
2.ニスには優劣はない。
ニスに優劣があるという前提で、美観と音の両面から、
現在ではリノキシンが採用されていると思われるのですが、
どのようにお考えですか?
1.リノキシンよりもヤマハの技術の方が優れている。
2.リノキシンの方がヤマハの技術よりも優れている。
経験的な事を投稿しておきます。
ニスは硬化するに従って音が悪く成り、その後音が良く成る。音量も同じ。
白木の状態よりもニスを塗った状態の方が塗り立てなら音は悪く、音量も小さい。
経年変化した白木と経年変化したニスを塗ってある楽器の音の善し悪しは解らないが、
保存の為にはニスを塗ってある方が有利だと思われる。
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Re: ヴァイオリンの塗装について その3
投稿日時:2008年06月18日 07:44
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
pochiさま、
1.ニスに優劣がある。
だと思います。板の振動を妨げにくい・美しい・保存性がある
という条件を高いレベルで両立させたものが優れたニスです。
1.リノキシンよりもヤマハの技術の方が優れている。
2.リノキシンの方がヤマハの技術よりも優れている。
について私の知る限り「ヤマハの技術」はニスに関して2つあり、
アルティーダで採用されている「下地をできるだけ薄くする技術」と
製品適用はされていない「特殊な紫外線を当ててニスを柔軟にする」
という技術です。ヤマハの場合は紫外線を当てたニスの製品は
製品化されていないので、残念ながらどちらが優れているかは
ヤマハの担当者と評価にかかわった方しか分からないと思います。
1.ニスに優劣がある。
だと思います。板の振動を妨げにくい・美しい・保存性がある
という条件を高いレベルで両立させたものが優れたニスです。
1.リノキシンよりもヤマハの技術の方が優れている。
2.リノキシンの方がヤマハの技術よりも優れている。
について私の知る限り「ヤマハの技術」はニスに関して2つあり、
アルティーダで採用されている「下地をできるだけ薄くする技術」と
製品適用はされていない「特殊な紫外線を当ててニスを柔軟にする」
という技術です。ヤマハの場合は紫外線を当てたニスの製品は
製品化されていないので、残念ながらどちらが優れているかは
ヤマハの担当者と評価にかかわった方しか分からないと思います。
[37634]
Re: ヴァイオリンの塗装について その3
投稿日時:2008年06月18日 10:11
投稿者:pochi(ID:OVMFIBc)
ニスに優劣が有るとお認めになるのなら、今までの情報は、ヒルによるマーケティング手法の批判ですね。ヒルの宣伝文句をヴァイオリン職人で信じている人は極少数派なのでご安心あれ。
ヤマハの技術に関して、よく解らないところがあります。
1.量産に適した技術。
2.生産性を考えず、最良のものを目指した。
どちらでしょうか?
紫外線照射は実際に行われていますが、褪色との関係を払拭しきれていません。
ヤマハの技術に関して、よく解らないところがあります。
1.量産に適した技術。
2.生産性を考えず、最良のものを目指した。
どちらでしょうか?
紫外線照射は実際に行われていますが、褪色との関係を払拭しきれていません。
[37638]
Re: ヴァイオリンの塗装について その3
投稿日時:2008年06月18日 23:13
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
pochiさま、
-----
ヤマハの技術に関して、よく解らないところがあります。
1.量産に適した技術。
2.生産性を考えず、最良のものを目指した。
どちらでしょうか?
紫外線照射は実際に行われていますが、褪色との関係を払拭しきれていません。
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下地の薄膜化はヤマハの高級モデル(アルティーダ)のみで採用されていることから、最良のものを目指したのだと思います。紫外線照射については安価な塗装方法でも音を良くできるとすればコストダウンの面もあると思います。特許の中では紫外線による褪色については触れられていませんが、塗装膜の耐久性が落ちるといったマイナス面は考えられると思います。
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ヤマハの技術に関して、よく解らないところがあります。
1.量産に適した技術。
2.生産性を考えず、最良のものを目指した。
どちらでしょうか?
紫外線照射は実際に行われていますが、褪色との関係を払拭しきれていません。
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下地の薄膜化はヤマハの高級モデル(アルティーダ)のみで採用されていることから、最良のものを目指したのだと思います。紫外線照射については安価な塗装方法でも音を良くできるとすればコストダウンの面もあると思います。特許の中では紫外線による褪色については触れられていませんが、塗装膜の耐久性が落ちるといったマイナス面は考えられると思います。
[37640]
ニスに優劣がある?
投稿日時:2008年06月18日 23:59
投稿者:父娘Vn(ID:QGCYVyA)
ついに。鬼の首に鈴。
pochiさん凄い。
catgutさんへ
では、ヤマハ論を蕩々と遣って下さい。然様なら。みみれど。
pochiさん凄い。
catgutさんへ
では、ヤマハ論を蕩々と遣って下さい。然様なら。みみれど。
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