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ストラディヴァリの実像に迫る | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 8 Comments
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ストラディヴァリの実像に迫る

投稿日時:2008年12月17日 22:30
投稿者:catgut(ID:FGMBKGA)
ストラディヴァリウス―5挺のヴァイオリンと1挺のチェロと天才の物語
トビー フェイバー 著 中島伸子 訳 白揚社 2800円(外税)

本書はストラディヴァリやオールド楽器に関心がある人には必読でしょう。
伝説のストラディヴァリではなく、著者は比較的最近の研究もフォローして史実に近いと思われるストラディヴァリ像を描いています。
【ご参考】
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Re: ストラディヴァリの実像に迫る

投稿日時:2008年12月17日 23:22
投稿者:catgut(ID:FGMBKGA)
本書からニスに関する記述を一部引用します。

p177-p178
(1872年のメシアの)サウス・ケンジントンの展示は、クレモナのヴァイオリンの謎について、「ポール・モール・ガゼット」誌への手紙という形で一連の記事を書く機会をチャールズ・リードに与えた。それらの記事は、いまやより広い範囲の人々を悩ませはじめていた疑問を扱っていた。なぜ現代のヴァイオリンはストラディヴァリウスの音を再現できないのか、という疑問である。

チャールズ・リードは現在ではほとんど名前を知られていないが、当時は最も成功を収めた文筆家のひとりだった。(中略)そこで提起された説のうち最も興味深いのは、クレモナの巨匠たちが二種類のニスを使っていたというものだった。一つは木肌にしみ込む、乾きの遅い油性のニスで、ヴァイオリンの色の大部分を決定した。もう一つはアルコール主体の速乾性の上塗りで、輝きと色合いを加えるが、削れたり摩滅したりしやすい。これはストラディヴァリウスのニスの重要性に関する最初の公言の言及のひとつであり、リードは奥義を発見したと主張する人々の先頭に立っていた。多くの人が彼に追従した。

p245-p246
この本(サッコーニの「ストラディヴァリの秘密」)はゴーストライターの手を借りているので、かなり混乱が見られる。その大部分--ストラディヴァリのヴァイオリンの形の背後にある数学的思考に関する部分はとくに--は信用に値しないとされてきた。サッコーニが薦めるニスのレシピは、たんに彼(サッコーニ)が当時作っていたものにすぎない。
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Re: ストラディヴァリの実像に迫る

投稿日時:2008年12月18日 00:35
投稿者:キコロリ(ID:OYMAEQA)
catgutさん、いつも有益な情報を提供していただきましてありがとうございます。ご紹介いただいた本は、早速書店で取り寄せようと思います。それでは、また。
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Re: ストラディヴァリの実像に迫る

投稿日時:2008年12月19日 15:16
投稿者:著作権は?(ID:FINJlSk)
今まさに出版されたばかりの書物の内容を、一部とはいえこのような場に掲示するのは著作権法に抵触するのではないでしょうか?
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Re: ストラディヴァリの実像に迫る

投稿日時:2008年12月19日 19:25
投稿者:shironeko(ID:F3NxhgE)
そんなんで著作権法には触れないですよ・・・。
そう思ったなら、根拠をお示しになればいかがでしょう?
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Re: ストラディヴァリの実像に迫る

投稿日時:2008年12月20日 00:42
投稿者:catgut(ID:FGMBKGA)
メシアの真贋論争の経緯とか、ストラディヴァリの楽器がいくらくらいで取引されてきたかなど、興味深い話が豊富に出ています。当時の物価の換算はなかなか難しいのですが、平均的なストラディヴァリのヴァイオリンの新作は現在の価値にして10万円前後で販売されたようです。
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Re: ストラディヴァリの実像に迫る

投稿日時:2008年12月20日 22:01
投稿者:zink(ID:EUZpIkc)
shironekoさん

少し回答としては大人げないですね。こういう掲示板であまり「挑戦的」「刺激的」な発言は控えられた方がよいのでは?
catgutさんも皆さんに知らせたいということから、引用されたのでしょう。
著作権云々は学者先生でないのでよくわかりませんが、「引用」と記載されているし、これで本が売れれば著者はきっと喜びますよね。私も引用された箇所をみて、本を買いたいと思いました。ただ、掲示板の管理者に迷惑がかからないようにということでしょう。発言者のみならず、当然管理者責任も発生しますので。では。
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Re: ストラディヴァリの実像に迫る

投稿日時:2008年12月22日 23:44
投稿者:catgut(ID:FGMBKGA)
そういえば「ストラディヴァリウス・コンサート Encounter with Stradivari 2008」の豪華なプログラム(パンフレット)がpdfで以下で閲覧できます。
これは素晴らしいですね。

ttp://www.nmf.or.jp/concert/index.html
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Re: ストラディヴァリの実像に迫る

投稿日時:2008年12月23日 17:41
投稿者:catgut(ID:FGMBKGA)
元MSKK社長の成毛氏がブログで書評を書かれていました。

ttp://d.hatena.ne.jp/founder/20081125/1227582391

前半のストラティヴァリ本人の伝記はこの本に尽きるといっても良い
ほどの出来だ。イギリス人特有の歴史と工芸品への顕微鏡的なこだ
わりがある。物事を総覧的に記述するという本能があるといっても良い。
羨ましい限りだ。日本の文物についてもこのような本を読んでみたい。


ということです。

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