ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web
ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web

ハイフェッツって・・・ | ヴァイオリン掲示板

ヴァイオリン好きのための情報サイト ヴァイオリン・ウェブ
雑談・その他 498 Comments
[40535]

ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年06月24日 08:50
投稿者:ともりん(ID:WJMwYg)
20世紀を代表するヴァイオリニストであることは、百も承知
二百も合点なのですが、では一体どういったところが素晴らしい
のでしょうか?
永いこと彼の録音を聴いてますが、私にはわからないのです。
オイストラフのスゴサは録音や映像から伝わってきます。

先日『ハイフェッツの真の凄さはヴァイオリニストにしかわからない』
という言葉を見つけました。彼のリサイタルを聴きに行った
ナタン・ミルシテインの言葉です。

長年の疑問が解決した思いでしたが、この言葉の真意を含めて
ご教授お願いします。。。
ヴァイオリン掲示板に戻る
15 / 50 ページ [ 498コメント ]
【ご参考】
[40885]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年08月30日 22:12
投稿者:カルボナーレ(ID:IUZHZpE)
catgutさん
>ハイフェッツに近い奏法のミルシテインも終生プレーンガット弦を使い続けていたということなので、やはりプレーンガットの使用は奏法と関係があるのではないかという気がします。

私はたまにバロック楽器で弾くくらいでフレーンガットは常用していませんが、金属巻きガットはよく使っていますので、経験からの話ですが、

スチールフィラメントコア>シンセティック(合成系)コア>金属巻きのガット
の順で、下向きの圧力を増すことにより、その弦の特性が出て強い音が出ます。よって上記の順で、最初の瞬発力よりも圧力が重要になり、引っ掛ける時も押さえて十分たわんだものを力で無理矢理駆動させるような弾き方が必要となります。音色としてはその分重たく単調になりますが、重厚で強い音が得られます。
逆に言えば、上記の逆の順で、最初の引っかけの際のセリケートさ&瞬発力と横向きへの素早い弓の動きが重要となります。

金属巻きのガットでは、引っかけと初速度と、圧力を加減した早い弓の動きにより、最適な圧力で横向きに最大振幅させたとき(弦を上から見ると、大きく弧を描いている状態にしたとき)に最大音量が得られると思います。
金属巻きでもそうなのですから、裸ガットは、それ以上に、弾き始めのタッチと圧力の加減と早いスピードが必要なのでしょう。
ただ、細くて柔らかなガットでは、振幅させすぎると、隣の弦に触れるような現象さえ出てきますので、最大振幅までもっていけない可能性もあります。

奏法に合った弦というよりも、弦に対してベストの奏法を追求すると自然とそのような弾き方になるということだと個人的には思っています。
自分の経験では、上記3カテゴリの弦により、奏法が自然に変わりましたし、求める音も変わりました。
[40886]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年08月30日 22:17
投稿者:かるボナーレ(ID:IUZHZpE)
すんません。誤字が多くなっています。
先に記載の、セリケートさ、はデリケートさ の誤りですので訂正いたします。
(キーボードのブラインドタッチで1キーずれたところを押してしまうのは、老化現象かもしれません。)
[40890]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年08月31日 10:44
投稿者:匿名希望A(ID:FxaHE4A)
Cutgutさん
Jhon Pfeiffer(ジョン・ハイファー)のRCA入社は、1949年です。ハイフェッツの録音物には、1952年頃より銘記されています。ということは、1949年より前には、ハイフェッツの録音に立ち会っていません。
更に、歴史的事実を申し上げますと、テープレコーダは、戦時中ドイツナチスが開発したそうです。アメリカ軍がドイツに侵攻し、ぶんどってきた物の中にすばらしい発明品があり、アメリカに持ち帰って、改良・実用化したようです。(ハイフェッツ大全集より)ということは、戦時中までの録音データは、全てLPレコードのような「金属の円盤」に保管されていたのです。と言うことは、テープレコーダのテープをハサミで切って糊付けするような編集作業は、物理的に不可能だったのです。と言うことは、少なくとも、1946年以前の録音物は、ハイフェッツの全盛期にあたるのですが、編集による修正は皆無です。
これで、cutgutさんの「ハイフェッツの録音多修正説」は退場となるでしょう。
更に、ハイフェッツは、英EMI社や米デッカ社とも録音しています。本人が許可していないライブ録音も多数あり、最近発売されています。
はっきりいって、ハイフェッツは「マイクなんか何でも来い、どうでも来い。」の状態であったのでしょう。
ハイファーは、ハイフェッツの録音物を、戦後になってマザーテープにアナログ・リマスタリングする際の、そして市販物としてアナログ・ニューリミックスする際の総括責任者でありました。更に、1980年代から行われたデジタル・リマスタリングの総括責任者でした。(オリジナル演奏を尊重するために、デジタル・ニューリミックスは基本的には行っていないそうです。つまり、ハイフェッツのCDはオリジナル音源に極めて近いと言うことになります。)
事実、ハイフェッツ全集のCDジャケット上に、1952年以前の録音に対して、ジョン・ハイファーと銘記せず、実際に立ち会ったレコーディングエンジニアの名前を銘記したりしています。つまり、ハイフェッツの全盛期には「いなかった人」です。
ハイファーは1952年以降、ハイフェッツの主にステレオ録音に立ち会っています。多チャンネル録音の際、ソリストの音だけをピックアップする指向性マイクの開発は、非常に盛んであった時代です。cutgutさんは、「special」を「特殊な」と訳しておられますが、「特別な」のほうが、正しいと思います。つまり、RCA社の誇る特別の高性能マイクであったのでしょう。それを、「ハイフェッツが小音量という欠点を誤魔化すために特殊に開発したマイク」としてとらえられるのは、滑稽を通り越して病的です。
これでもって、「cutgut特殊マイク説」は、退場して頂けませんか。
[40891]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年08月31日 11:53
投稿者:匿名希望A(ID:FxaHE4A)
マイクの種類により変わるのは、音量よりむしろ音質だと思います。カラヤン・ベルリンフィルのCDでも、グラモフォンとEMIでは、音質が若干異なります。(もちろん、レコーディングディレクターの好みで最終的には決まるんでしょうが。)
もし仮に、奏者の音量が不足していたら、録音機の入力レベルをつまみで大きくするでしょう。ことさら、マイクを付け替えて音量を調節しないんではないですか。
[40892]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年08月31日 12:56
投稿者:匿名希望A(ID:FxaHE4A)
傍観者様
私が回答する余地など全くない程、明瞭な御解答が多数投稿されていますので、私の回答はご容赦下さい。
ハイフェッツのメンコンと、ムターのメンコンを聞き比べた場合、出だしの速さが倍半分違って聞こえますね。(実測すれば、1.5倍位か)ヒントの1つかもしれません。
[40893]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年08月31日 20:29
投稿者:catgut(ID:MjGTFoA)
匿名希望Aさま、

私も録音技術に特に詳しいわけではないので、間違いがあれば指摘して頂きたいのですがSP時代は最大4分30秒の細切れ録音だったと聞いています。つまり、最大4分30秒は連続して弾くのですが、その中で間違いがあったテイクは録音しなおします。長い曲はこれを繰り返します。4分30秒は演奏当時の最良の真正の録音ですが、現在の観点からは4分30秒単位で編集しているという見方もできます。

マイクの件については、あの温厚なエルマンが「accuse(非難)」しているのですから、当時として非常識な方法だったのでしょう。
Mischa Elman accused me of having a special microphone for Heifetz' E string

また、確かに無伴奏曲なら録音後にレベルを上げればいいでしょうが、伴奏がある曲ではヴァイオリンにマイクをより近接させる(またはヴァイオリン専用マイクを使う)必要があったと思われます。これはすでに紹介したように、ライナー・シカゴ響との録音で近接マイク使用+シカゴ響が音量を抑えたという話の通りです。
[40896]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年08月31日 22:33
投稿者:catgut(ID:MjGTFoA)
ハイフェッツの音の秘密は「surface sound」かもしれません。

フレッチャーの「楽器の物理学」を読み直してみると、すでに音響学で弓圧や弓速によってどんな影響があるかかなり研究されることを再認識しました。

ハイフェッツの奏法は通常は嫌われる”surface sound"(ごく軽く弦を弾いた時に音色が変わる現象)を逆手にとって(コントロールして)適度に輝かしい音にしているのかもしれません。

楽器の物理学 p275より(googleのブック検索で日本語版の下記部分が読めます)

「もし弓を押しつける力が十分大きくなければ二重スリップが起こる。2番目のスリップはスティックの期間のほぼ中程で起こり、図10.4(a)のような二重ノコギリ波が発生する。2番目のスリップが第1番目のスリップと見分けがつかなくなれば音程は1オクターブ高くなるが、普通には音質が著しく
変わるけれども基本周波数はそのままであることが多い。
[演奏家はこれを「うわっつらな音」(surface sound)と言い表すことが多い]


検索してみると上記と同様の考えをされている方がすでにmaestronetの掲示板にいらっしゃいました。
ttp://www.maestronet.com/forum/lofiversion/index.php?t251017.html

But I've heard that some surface sound is good, and that Heifetz
supposedly had a lot of it.
しかしある種の”surface sound"は良いと聞いたことがあります。ハイフェッツ(の音)にはそれがたくさんあったようです。
[40898]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月01日 01:25
投稿者:思いますに、(ID:IyQJgUU)
catgut氏の問題点は、
ご自分の推論という段階に過ぎない事柄を、余りに一方的に並べ立て過ぎるという点に有ると思います。
推論は、賛同者を得ない限りただの思い込みに過ぎません。
議論を経て賛同者を得て初めて実のある「仮説」となり得ます。
頭の中で組み立てた推論を賛同者もいない段階で、
「○○という定説がありますが、
誰々という高名な方はこの様に書いていますので、
これが真実でしょう。」
と一方的に結論付けるなど自画自賛もいいところです。
「このような定説に対し、こんな説もありますので、こう考えました。
皆さんのご意見はいかがでしょうか?」
と書き出せば、後の議論の展開もきっと違ったであろうと思うのですが、
cutgut氏のする事といえば、
人を小馬鹿にしたように更に自分の正当性(?)を裏付けるデータを並べ立てる。
都合が悪くなれば話をそらす。
無視する。
これでは賛同も何も得られる訳がありません。
しかも幾度批判を受けても懲りずにまた同じ手法で推論を並べ立てる。
真性のナルシストでもなければ、
何が楽しくてこんなやり方を続けていられるのかと本当に疑問に思います。
[40900]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月01日 07:28
投稿者:catgut(ID:MjGTFoA)
ここで私に難癖を付けて来る何人かの方は、ヴィブラートの時もそうでしたが何ら前向きの提案もせず、私が具体的な確認方法を提示しているのに、それもしないで批判されることですね。

ハイフェッツの速いボーイングの「音の秘密」はsurface soundを使ったものだと私は実際に試した上で確信しました。根拠は以下の通りです。

(1)物理的にsurface soundで音色が変わることは証明されている。
実際に、ヴァイオリン経験があれば誰でもsurface soundを出すことができる。長く速く弾くことで、ある程度は「煌く音」を感じることができる。
(2)パールマンが指摘するように、ハイフェッツは高速運弓時に弓をごく軽く弾いている。ごく軽く弾くので、その分長めの弓で高速で弾き、一定の音量を得ている。
(3)surface soundは原理的に大音量で出すことはできない。
(4)ハイフェッツと似た奏法であるミルシテインもやはり音はあまり大きくなかったという評価が多い。
(5)プレーンガット弦や細いE線は、surface soundを発生させやすい。ハイフェッツやミルシテインは金属巻線が普及した時期にも「時代遅れ」なプレーンガット弦を使い続けた。
(6)ハイフェッツやミルシテインが採用した「有名な奏法」なのに20世紀後半ではほとんど使われていない。これはこの奏法が難しいということもあるが、20世紀後半の「流行」である「大音量」への追従が不可能だったからと考えられる。


つまり、ハイフェッツはsurface soundという誰にでもできるテクニックを応用し、それを安定的に、一定レベルの音量で出しつづける技術を身に付けたことで、あの「煌く音」の生成に成功したのだと思います。

例えて言えば「フラジオレット」はゆっくりやれば誰でも出せる物理現象ですが、これを徹底的に練習し高速に、確実に弾ける人が「特別な音色」で弾けるのと同じことだと思われます。
[40901]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月01日 07:36
投稿者:catgut(ID:MjGTFoA)
ガットで弓をごく軽く速く使って煌く音を出す奏法は、実は古楽では一部で使われていますね。古楽演奏での煌く音はプレーンガット弦の材質だけが原因ではないわけです。ハイフェッツのヴィブラートがあるわけではないので同様のものだとは気付きにくいかもしれません。
ヴァイオリン掲示板に戻る
15 / 50 ページ [ 498コメント ]

関連スレッド