ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web
ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web

ハイフェッツって・・・ | ヴァイオリン掲示板

ヴァイオリン好きのための情報サイト ヴァイオリン・ウェブ
雑談・その他 498 Comments
[40535]

ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年06月24日 08:50
投稿者:ともりん(ID:WJMwYg)
20世紀を代表するヴァイオリニストであることは、百も承知
二百も合点なのですが、では一体どういったところが素晴らしい
のでしょうか?
永いこと彼の録音を聴いてますが、私にはわからないのです。
オイストラフのスゴサは録音や映像から伝わってきます。

先日『ハイフェッツの真の凄さはヴァイオリニストにしかわからない』
という言葉を見つけました。彼のリサイタルを聴きに行った
ナタン・ミルシテインの言葉です。

長年の疑問が解決した思いでしたが、この言葉の真意を含めて
ご教授お願いします。。。
ヴァイオリン掲示板に戻る
44 / 50 ページ [ 498コメント ]
【ご参考】
[41483]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年10月10日 11:07
投稿者:新顔の通りすがり(ID:KDcxOUA)
こんにちは!!
catgut氏がJessica Duchenさんによるイダ・ヘンデルのインタビューを教えてくださって興味深く読んでおります。ありがとうございます。
細かい訂正が必要ですね。
彼女が最初に"picked up"したのは父のヴァイオリンでなく、姉のものです。下記の動画シリーズのどれかで彼女自身が語っています。
音量うんぬんですが、下記動画の冒頭で無音ですが彼女の1960年代らしい動画のスローモーションがあります。2004年頃とは弓幅がまったく違いますね。先端まで用いています。2004年にはカルメン幻想曲でもツィゴイネルワイゼンでも先端の3割ほどは使いません。うんと音量は落ちているでしょう。なお、1960年代でも彼女は楽器を低めに構えますね。高々と構える姿勢は小柄な彼女には向かないのでしょう。1986年ころのカラーの動画を見たときにはまだ大分先端まで使っていました。
ある高齢な女流ピアニストから伺ったのですが、女性で高齢な場合、骨量の低下などで楽器演奏には相当なハンディがあると。
それが正しいなら、残された体力を上手く使い(2004年には76歳?)動画に見る極めて流暢な演奏が出来たのだから、弛みない研鑚はもとより、極めて正しいメソッドを幼少時に叩き込まれたことを雄弁に語っています。
なお、ジェシカさんのインタビューPDFを普通に読むと、彼女が遍歴の末に購入したストラッドを『音量を重んじないで選んだ』のでなく、手の大きさに従って選んだと、私には読めます。
----
Finding a suitable violin had previously been a problem for her as she has unusually tiny hands. 'Most good instruments are built rather heavily; I was very lucky to find this one. It has a very beautiful sound and is a lovely-looking instrument. A lot of people think it is one of the best. It doesn't have an extremely loud sound - but then I never thought that the violin should be like an explosion!'
----
を普通に読めば、殆どの良い楽器は造りが重いため、並外れて手の小さい彼女は楽器探しに苦労した、と読むしかありません。
(ほとんどのヴァイオリンは音が馬鹿でかく気に食わなかったとは読めません)
そういう彼女にぴったりのストラッドが見つかった、それは馬鹿でかい音ではなかったが、たいしたことじゃない」というだけです。それを直ちに彼女が『大きい音に価値を置かなかった』という読み方は、普通しないでしょう。
『軽い作りで大きい音のストラッドにはめぐり合わなかったが困っては居ない』という意味にとるのが自然だと思います。ところで下記動画の第5話に、若いリペア技術者に頼んで楽器のウルフをとってもらったシーンがあります。
ttp://www.youtube.com/watch?v=oSnMYvNKTtM&feature=SeriesPlayList&p=7D20703CDA362231
====
[41482]
[41482]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年10月10日 08:31
投稿者:ともりん(ID:NFA3E0Y)
catgutさま。
私は最前列で聴くという幸運に恵まれましたが、あの音量は小さめ
なのでしょうか?ヴァイオリニストの実演はなるべく前列で聴いて
まいりましたが私は音量に関して違和感を持ちませんでした。

深いスリットの入った煌びやかなグリーンのドレス。
グリーンのラインが入った高いヒール。
舞台を去るときにサッとドレスをたぐりスリットから足を見せながら
歩く姿。
そして何より幸せな気分になる演奏。
すべてが最高の体験でした。
肩当へのサインの要求にも『Wao!Fantastic!!』とチャーミングな笑顔で
応じてくださいました。
ともりん さん
ヴァイオリニストの音量判断は、最終的にはホールの一番遠くの席でやるのがよいと思います。遠くで極めて音の大きな演奏家でも、最前列では音がみんな上に抜けてしまい、音量は判断しにくいです。伴奏のピアノは最前列では大変大きな音がしたりします。
[41484]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年10月10日 12:15
投稿者:catgut(ID:EUiWmHM)
ともりんさま、私も前のほうで聞きましたが、現代の平均的な演奏
と比較するとヘンデルの絶対音量は小さめですね。先月も500名規模
のホールでヴァイオリン演奏を聞きましたので間違いないと思います。
ほかにヘンデルの実演を聞かれた方らいらっしゃいましたらどのように
感じられたでしょうか。

しかし、バッハマンらが書いている通り、ヘンデルの音色は非常に
変化があって、主に手首を使った独特のヴィブラートもよく決まっており、
絶対音量の小ささを音色の変化がカバーし、音量の小ささを聴衆に感
じさせないという実例を見せ付けられた思いでした。

ただ、ご高齢であれだけの運動をすると呼吸が厳しいらしく、呼吸音
はよく聞こえていましたね。
[41485]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年10月10日 12:43
投稿者:ともりん(ID:NFA3E0Y)
catgutさま。
はい☆鼻息の大きさにびっくりしました。
彼女のビブラート、大好きです。。。

新顔の通りすがりさま。
ご教授ありがとうございます。
楽器や弓、弾き方までよく見たいものですからずっと前で聴いてました。
時には後ろで聴いてみたいと思います。。。
[41502]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年10月11日 00:30
投稿者:ff(ID:QjIAMkU)
catgut様

私は去年の春にイダ・ヘンデルのコンサートへ行きました。
コレッリ、エネスコ、モツ、のソナタといったプログラムでしたが
とりわけモーツァルト10番のソナタは素晴らしく、
まさにCDと実演の違いを痛感する思いでした。
(CDで聴くとどうしてもテクニックは別として、凡演に聴こえることがおおかったもので・・・)

また伴奏のワルター・デラハントが素晴らしく、密かに注目している
ピアニストであります。
[41566]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年10月14日 15:48
投稿者:匿名希望A(ID:IxlWFhQ)
それでは、ff氏に質問です。

①何を基準として、何を比較対象として、音量が小さいと言っておられるのですか。オーケストラ1プルト分くらいですか。3プルト分くらいですか。5プルト分ぐらいですか。それともオーケストラプレーヤ一人分ですか。

②何を基準として、何を比較対象として、音量が小さいと言っておられるのですか。パールマンと比較して音量が半分しかないのですか。オイストラフやグリュミオーと比較して70%の音量なのですか。アイザックスターンと比較して65%の音量なのですか。それとも一般の人の80%ですか。

おおざっぱで結構ですからお答え下さい。
[41594]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年10月15日 23:17
投稿者:catgut(ID:EUiWmHM)
信頼できる人から「ハイフェッツの音は小さかった」と実際に聞いた人を、
「ハイフェッツの音は大きかった」と信頼できる人から聞いたことのない人
が疑っているのですから面白いものですね。

ハイフェッツの音量が当時のヴァイオリニストよりかなり大きかったのなら、
「ハイフェッツの音量は抜きん出ていた」といった評論がいくらでも見つか
るはずです。ところが「小さかった」という記録や伝聞証言はたくさん出ても、普通かやや大きめ程度であったとする証言はハルトナックくらいしか
出てきません。

それではハイフェッツやミルシテインはあの恐ろしく速い弓をいったい
何のために使っていたのでしょう?なぜ彼らはともに「金属的な音色」
と評価されたのでしょう?

ヴァイオリンで大きな音量でしか出ない音色もあれば、小さな音色で
しか出ない音色もあるのは当たり前です。結局、ヴァイオリンの学習
者向けの「できるだけ大きな音を出しなさい」という指導が刷り込まれ
た人や、この数十年の傾向である、ソリストは大きな音を出さなけれ
ばならないという強迫観念を持つ人が歴史的事実が見えなくなって
いるのではないでしょうか。
[41595]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年10月15日 23:22
投稿者:通りすがり(ID:GUZVdBU)
「常識」として「ハイフェッツの音量が大きかった」という前提があれば、ことさらそれを発言する人はいないでしょう。逆に「小さかった」という言説はたくさん残るでしょう。

いずれにしても決して客観的な数字ではないので、結論は出ないでしょう。
そんなことより、ハイフェッツの音の秘密をしっかり暴いてくださいね。
[41602]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年10月16日 21:14
投稿者:新顔の通りすがり(ID:FIMxcgk)
私が参加する以前のやりとりを勉強しました。
非常に鋭い点が論議されており感銘します。

[40878]
[40878]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年08月30日 17:04
投稿者:catgut(ID:MjGTFoA)
カルボナーレさま、
「ハイフェッツの音色」について具体的に定義していませんでしたが、したほうがよかったですね。

広義の「ヴァイオリンの音色」は、ボーイングだけでなくヴィブラートや楽器の良し悪しなどにも大きく影響されるでしょう。特にハイフェッツの細かいヴィブラートは、ハイフェッツらしい音色の象徴でしょう。

今回、対象にしているのはもちろん「非常に速いボーイングによって作られる音色」限定です。パールマンが「ハイフェッツの音色の秘密」として語っているのも、この部分に限定しての話であることは明白です。

話を明確にするために、問いを2つに分けると良いと思います。

(1)パールマンが説明する方法で、音色を変化させることができるかどうか。
(2)パールマンが説明する奏法をハイフェッツはどの程度使用しているか。

(1)については、変化した結果の音がハイフェッツに似ているかどうか問わなければほとんどの人は変化することに同意するでしょう。物理的に考えても弦の振動の仕方は変わるはずです。ハイフェッツの音色に似ているかどうかは演奏技術や主観の差で変わるでしょう。私はハイフェッツの音色によく似ていると感じます。

(2)については、私も注記していますが、高速なボーイングはハイフェッツの演奏の部分に過ぎないと思います。ただ非常に印象的な音色・奏法であるため、ハイフェッツの象徴的な音色として我々に深く印象づけられるのだと思います。そのような部分の音量が小さければ、音量が小さいというイメージになるでしょう。またプレーンガット弦を使用してたという点もあります。
 catgut氏 [09/08/30 17:04:26]
>>>>高速なボーイングはハイフェッツの演奏の部分に過ぎないと思います。
>>>>ただ非常に印象的な音色・奏法であるため、ハイフェッツの象徴的な音色として我々に深く印象づけられるのだと思います。
>>>>そのような部分の音量が小さければ、音量が小さいというイメージになるでしょう。
---
これは書きカルボナーレ氏へのお答えでしょう?
[40876]
[40876]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年08月30日 12:46
投稿者:カルボナーレ(ID:IUZHZpE)
>catgutさん
ハイフェッツの演奏の映像を何曲分くらい実際に見られた上で、今の主張をされていますか。

我が家にある、ハイフェッツによる、小品、バッハのシャコンヌ、弾きぶりでのカルメン幻想曲の演奏映像を改めて見てみました。
音の美しさを重視しているのか、押しつぶしたような音、弾き方は避け、楽器がサチる直前までをうまく狙って弾いていますが、

・弓を大きく使うこと
 →大きく使う箇所は一部ありますが、他の演奏者(昔の名手や現在のソリスト)と総じて変わりません。曲に応じて、きちんと弾きわけています。

・弓速は極力速いこと
 →立ち上がりで弦を駆動したあと等速度で弾くような基本的な奏法も普通に使っていますし、元弓も多用しており、またじっくりと弾くことも行っています。これも現代の演奏者に比べても、大きく差があるようには見えません。

・弦は水平に保つこと
よく目にする一部の映像(有名なホラースタッカートの映像など)では直立不動で楽器を高めに上げ、まったく動かないですごいスピードで弾いているものもありますが、その弾き方がすべてではありません。またここでいう弦を水平にいうのは、ナットから駒までの弦の一直線が地面に対し水平ということでしょうから、これは構え方の基本であり、ある意味お手本となります。なお。私が見た弾き振りの映像では、直立不動ではなく、合図を出すためにも、かなり動きながら弾いています。

・その結果出る音が小さくても戸惑わないこと
その結果がなぜ小さな音につながるかわかりません。
弓の毛の張りは少なめですが、弦にはしっかり食い込ませていますし、フォルテでは弓の毛が棹にくっつくくらい圧力もかけています。
引っかけ音、音がつぶれる一歩前の音、一瞬圧力を欠けすぎてつぶれた音も時々入っており、なでるような演奏ではそのような音は得る事はできません。
駒寄り、指板寄りのどこを弾くかについては、意図をもって弾きわけられており、EやA線の高い音では駒寄りを当たり前のように使っていますので、よっぽどひどい楽器を使わない限り、小さな音になる要素が見当たりません。
高速のスタッカートの曲だけを特別に取り上げて話をしているのではないか、という疑問を私は持っています。

・極力プレーンガットを使っていること(Eは細いスチール弦)
これについては、何の弦かはわかりませんでしたが、少なくともテールピース側に巻布が見当たらなかったので、私が見た映像もプレーンガットの可能性は高いと思います。

その他、全体的に弓は結構立て気味で、しっかり弓の毛の幅は使っており、弓の毛の接地状態からすると、音量が出やすい状態で弾いています。また元弓で弾くべき箇所は、お手本のようにしっかり元弓で。音がつぶれないぎりぎりの圧力まで使ってきっちりと弾いています。

私は、風評/うわさ、一部の人の口伝(それもその本人が言った事を認めたもの、本人が書いたもの以外の第三者の証言のようなもの)、は可能性を示す単なる一情報として捉え、その時点では信じるに値するものとは考えません。自分で実際に見て聴いて確かにそう思う、あるいは納得できる論理的な裏付けがあり自分としてそれに反論しようがない、という状況になってはじめて、それを信じることにしています。
カルボナーレ氏 [09/08/30 12:46:57]
>>>>我が家にある、ハイフェッツによる、小品、バッハのシャコンヌ、弾きぶりでのカルメン幻想曲の演奏映像を改めて見てみました。
>>>>→大きく使う箇所は一部ありますが、他の演奏者(昔の名手や現在のソリスト)と総じて変わりません。曲に応じて、きちんと弾きわけています。
>>>>・弓速は極力速いこと
>>>>→立ち上がりで弦を駆動したあと等速度で弾くような基本的な奏法も普通に使っていますし、元弓も多用しており、またじっくりと弾くことも行っています。これも現代の演奏者に比べても、大きく差があるようには見えません。
==========
これで見ると、catgut氏は、ハイフェッツの奏法は現代の奏者に比べて大きく差があるように見えないことに同意したのですね。
(お答えください!!)
実際catgut氏ご推奨のスローモーション動画では、弓の先端から3分の1程度の場所で棹と毛がくっついているハイフェッツの奏法が確認できます。
ごく当たり前な状況ですよ。とくに弓圧が弱いとか弓速が凄いなどは観測できません。ときたま非常に早い弓を使うのかも知れませんが、文字通り時たまでしょう。
(これも違うとおっしゃいますか?)
====
それと、トゥルテやキッテルの話題を出されました。
キッテルは不運にして1本も見たことがありません。トゥルテやボワランは使用経験が少しあります。ドミニク・ペカットも借りたことがあります。ペカット派なら随分試しました。今は値上がりしましたが、20年くらいまえなら日本に随分そんな弓が入ってきましたし値段も妥当でした。収集家(演奏する人ですが)も居ますよ。一人で数本フレンチ・オールド持っているプロの演奏家も知っています。
大きな音がするんですよ、オールド・フレンチは。
少なくとも客席で大きな音には聴こえるのです。だから珍重されるんでしょう。私はそう理解しています。
[41604]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年10月17日 00:16
投稿者:catgut(ID:EUiWmHM)
新顔の通りすがりさま、
もちろんハイフェッツやミルシテインは、遅い弓では特に金属的な音
ではありません。「ハイフェッツの奏法は現代の奏者に比べて大きく
差があるように見えない」というより、「ハイフェッツの奏法は現代の
奏者に比べて軽い圧力で速い弓を好んで使ったように見える」という
べきでしょう。速い弓を使う意味がない部分では、現代の奏者と共通
する点は多いと思います。
[41607]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年10月17日 01:20
投稿者:カルボナーレ(ID:VyVDaVA)
>「ハイフェッツの奏法は現代の奏者に比べて軽い圧力で速い弓を好んで使ったように見える」

というご発言ですが、特に”軽い圧力”でいうことを具体的に示す映像を、複数示してください。
それを否定する映像は、catgutさんが過去提示したもの含め複数ありますので、上記を肯定するための映像はかなりの数が必要となります。

またついでに、駒寄りでなく、指板寄りで軽い圧力で金属的な音を出している映像も複数示してください。
こちらも、速い弓で駒寄りを弾いている映像はたくさん上がっていますが、一般的な演奏者に比べ、明確に指板寄りを好んで使っているといえる映像は、まだ提示いただいていません。

なお、速い弓を使うということは、今のところ否定しないでおきますので、まずはそれ以外の圧力と指板寄りについて、素直に物事を見ている人間に、ぜひ、なるほど、と思わせてください。
ヴァイオリン掲示板に戻る
44 / 50 ページ [ 498コメント ]

関連スレッド