ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web
ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web

20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて | ヴァイオリン掲示板

ヴァイオリン好きのための情報サイト ヴァイオリン・ウェブ
[41264]

20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年09月26日 23:23
投稿者:catgut(ID:QhNBB4k)
20世紀前半の奏法といっても非常に漠然とした話ですが、レオポルド・アウアーやカール・フレッシュの弟子、指導書の影響力が大きかった20世紀前半の奏法と、ジュリアード出身者のソリストが増えた20世紀後半以降のヴァイオリン奏法では傾向の違いがあるように思われます。このスレッドでは、両者にどのような違いがあるか、あるとすればその原因がどこにあるかといった点について議論させて頂きたいと思います。
ヴァイオリン掲示板に戻る
8 / 31 ページ [ 305コメント ]
【ご参考】
[41386]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月02日 02:31
投稿者:カルボナーレ(ID:J0RRIjk)
[41379]
[41379]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月02日 00:53
投稿者:catgut(ID:EUiWmHM)
カルボナーレさま、

もちろん私は音量計もプレーンガットE線(gamut,chordaなどの
標準的なゲージ)も持っていますが、弦を張り替えてまで試してみる
気にならないですね。現場を熟知した鷲見三郎があのように語って
いるのですから、いい加減あきらめたらいかがですか。人間には
もっと意義のある時間の使い方があると思いますよ。

以下は私の話とは違います。
-----
2.フレッシュやアウアーやハイフェッツがレッスンの際に述べた、「全弓を使いなさい」という教えは、主に弓の先を使わない演奏を戒めて「弓のすべての場所を活用しなさい」と指導しているのであり、それは21世紀の今のヴァイオリン演奏においても常識的かつ重要なことである。
-----

私はアウアーが全弓を使いなさいと言ったという話はしていません。
ハイフェッツは「全弓は使うべきところは厳格に使いなさい」と指導した
わけですが、著者が強調しているように非常に厳格だったという点が
重要です。ハイフェッツのマスタークラスを受講するような生徒優秀な
生徒が大半だったのだろうと思います。そんな人にさえ12インチの弓
を使わせて徹底的に全弓を使わせる練習をさせたわけです。全弓を
使うということは速い弓を使うということですから、全弓の練習をすれば
当然速い弓が使えるようになるはずですが、ハイフェッツほど速い弓を
使うソリストは現在見当たりません。
でcatgutさんから訂正を求められましたので、下記については、修正します。
なお、catgutさんの主張をそのまま書いているのではなく、正しいと思われる事を書いていますので、その点はご理解ください。

[41379]
[41379]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月02日 00:53
投稿者:catgut(ID:EUiWmHM)
カルボナーレさま、

もちろん私は音量計もプレーンガットE線(gamut,chordaなどの
標準的なゲージ)も持っていますが、弦を張り替えてまで試してみる
気にならないですね。現場を熟知した鷲見三郎があのように語って
いるのですから、いい加減あきらめたらいかがですか。人間には
もっと意義のある時間の使い方があると思いますよ。

以下は私の話とは違います。
-----
2.フレッシュやアウアーやハイフェッツがレッスンの際に述べた、「全弓を使いなさい」という教えは、主に弓の先を使わない演奏を戒めて「弓のすべての場所を活用しなさい」と指導しているのであり、それは21世紀の今のヴァイオリン演奏においても常識的かつ重要なことである。
-----

私はアウアーが全弓を使いなさいと言ったという話はしていません。
ハイフェッツは「全弓は使うべきところは厳格に使いなさい」と指導した
わけですが、著者が強調しているように非常に厳格だったという点が
重要です。ハイフェッツのマスタークラスを受講するような生徒優秀な
生徒が大半だったのだろうと思います。そんな人にさえ12インチの弓
を使わせて徹底的に全弓を使わせる練習をさせたわけです。全弓を
使うということは速い弓を使うということですから、全弓の練習をすれば
当然速い弓が使えるようになるはずですが、ハイフェッツほど速い弓を
使うソリストは現在見当たりません。
での修正要望
==
以下は私の話とは違います。
-----
2.フレッシュやアウアーやハイフェッツがレッスンの際に述べた、「全弓を使いなさい」という教えは、主に弓の先を使わない演奏を戒めて「弓のすべての場所を活用しなさい」と指導しているのであり、それは21世紀の今のヴァイオリン演奏においても常識的かつ重要なことである。
-----
私はアウアーが全弓を使いなさいと言ったという話はしていません。
==
に従い、

2.フレッシュやハイフェッツがレッスンの際に述べた、「全弓を使いなさい」という教えは、主に弓の先を使わない演奏を戒めて「弓のすべての場所を活用しなさい」と指導しているのであり、それは21世紀の今のヴァイオリン演奏においても常識的かつ重要なことである。

に訂正させていただきます。これを否定する具体的な反論があれば、あと1日待ちます。

個人的には、「アウアーは、駒寄りを認めず、圧力も認めず、全弓も推奨せず、コンサートホールにてどのような演奏をさせようとしていたのだろうか」、という素直な疑問が残っていますが、それは上記とは関係ないので、一旦しまっておきます。
[41388]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月02日 02:37
投稿者:カルボナーレ(ID:J0RRIjk)
catgutさん
下記もほぼ確定だと思いますが、何か具体的な根拠に基づく反論があればあと1日待ちますので、よろしく。

1.通りすがりさんが調べたホール建設年と収容人数のデータから、米国においては、2500人を超えるクラシック演奏可能な大ホールは、20世紀初頭から定常的に作り続けられており、20世紀後半にホールが大型したのではないことがわかる。従って、米国においては、ホールの大型化が、20世紀後半のオーケストラやソリストの音量に影響を与えたのではない
[41389]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月02日 07:47
投稿者:catgut(ID:EUiWmHM)
カルボナーレさま、

まったく逆ですね。ヴィブラートの件で私はガラミアンが言っている説ではなく、現に多くの聴衆に支持されている現実の有名ソリストのヴィブラートが上下にかかっていることを示したのです。ガラミアン説が誤りであることを事実で示したわけです。あのときなぜかカルボナーレさまは現実のヴィブラート幅とはほとんど関係がない音律論を持ち出していらっしゃいましたね。

これまで紹介したように、ガラミアンや鷲見三郎が「クラシックコンサートホールが大きくなった」と言い、元ウィーンフィルトランペット首席奏者やイギリス王立協会が「過去数十年でオーケストラの音量が大きくなった」と言っているのですから、これが事実でないなら現場から反対証言が存在するはずです。「クラシックコンサートホールは大きくなっていない、ないし小さくなっている」「オーケストラの音量が小さくなった」と主張する、「実際の経験者」の第三者の現実の証言を提示してください。簡単なことですよね。
[41391]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月02日 08:34
投稿者:通りすがり(ID:FINJlSk)
catgut様

こと音量に関しては主観的な証言はあまり信憑性がありません。
どんなに高名な人であってもです。

よって、数値で議論したいと思いますので、
先に提示した仮説に基づいて話を進めていきませんか?
[41392]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月02日 08:39
投稿者:カルボナーレ(ID:J0RRIjk)
まったく同じですね。”米国の”ホールのサイズの件では、通りすがりさんが、catgut氏いわく:ガラミアンや鷲見三郎氏が「クラシックコンサートホールが大きくなった」と言っている、説ではなく、現に多くの聴衆が聴いている米国の音楽ホールが20世紀初頭から2500人以上のサイズで作り続けられていることを建築年と収容人数のデータとして示したのです。catgut氏いわく:ガラミアンや鷲見三郎氏が「クラシックコンサートホールが大きくなった」と言っている、説が誤りであることを事実で示したわけです。今回なぜかcatgutさんは米国のホールのサイズとはほとんど関係がない日本のホールのサイズや日本での設計者の話を持ち出していらっしゃいますね。

>あのときなぜかカルボナーレさまは現実のヴィブラート幅とはほとんど関係がない音律論を持ち出していらっしゃいましたね。
これについてまだ理解されていないのですね。多分一生理解できないのでしょう。
「周波数変動が主であるビブラートにおいて、測定により、それが高めか低めかを求めるためには、奏者が狙ってだそうと思っている音の高さに対しどのような比率で上下に分布するかを求める必要がある。しかし奏者は平均律やピタゴラスの計算通りの音程を狙うのではなく、音楽表現の中で曲調や導音&解決音などを直感的に感知し、その陰影を際立たせるために、高め低めを使い分けているので、狙っている音の高さは平均律やピタゴラスの計算通りの音程とは実際は違う。従って平均律やピタゴラスでの計算値に基づいて計算された音に高さを基準にすると判断を誤りますよ。」と、データ分析の際の条件設定についての不足を指摘したのですが。
上下均等かどうかの議論の際での話だと思いますが、それについては決着していないと認識しています。現実的に下にかかっているという説は、否定されて決着したと認識しています。教える際の指導法として、そのように指導することの可否については、これも決着していないと認識しています。
なお、私はビブラートは「下にかかっている派」ではなくそれは否定する立場をとっていますが、「上下均等」説についてはそれが判断できるだけのデータが不足しており、結論に至っていません。(個人的には上:下が1:2くらいではないかと感じていますが、データの裏付けがないのでそれは強くオープンにできるものではありません。)

なお、本題に戻ると、”米国の”がついていることを読み忘れないでください。地域限定的な話ですよ。
[41404]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月03日 12:39
投稿者:カルボナーレ(ID:J0RRIjk)
The Great Violinists: Recordings from 1900-1913
というCDがあるのを知りました。試しに注文はしてみましたが、最近のネット購入サイトでは、参考のため、サンプルとしてそれぞれの曲のさわりの部分が少し試聴できますので、それを聴くだけでも当時(1900-1913 )の代表的な演奏者の弾き方や癖がよくわかります。
興味ある方は検索エンジンにて試聴してみてはいかがでしょうか。

という情報提供はここまでにして、

1.通りすがりさんが調べたホール建設年と収容人数のデータから、米国においては、2500人を超えるクラシック演奏可能な大ホールは、20世紀初頭から定常的に作り続けられており、20世紀後半にホールが大型したのではないことがわかる。従って、米国においては、ホールの大型化が、20世紀後半のオーケストラやソリストの音量に影響を与えたのではない。

に対する反証はありませんでしたので、これについては、「正しい」とさせていただきます。なお、あくまでも、上記には”米国では”という但し書きがついています。
この話は結論がでましたので、お終いとします。

付け加えると、catgutさんが、ハイフェッツの高速ボーイングの紹介の際に示したチャイコフスキーのコンチェルト演奏シーンが収録されている映画の舞台であり、また専門家が”大きすぎると言っている話を引用された、米国の「カーネギーホール」は、1891年がこけら落としで、そのメインホールは、2804席です。

”オーケストラの音量が大きくなったこと”については、特に反論はありませんが。理由や時間軸含む詳細については、通りすがりさんの仮説にそって明確にしていきましょう。

”ホールが小さくなっている”事実は知りませんし、そのようなことは私は一度も言っておりません。
また1950年以降、米国の”ホールが大きくなった”ということを声高らかに訴えている著名人を私は知りませんし、世の中のほとんどの方は知らないでしょうから、それに対して声高らかに意見する人はいなくて当然です。

私は、今回の議論や調査の中から、第一次世界大戦の頃には、アメリカという国が、欧州含む他の国からすれば、規格外のスケールの国であり、第一次世界大戦後にアメリカに新天地を求めそのスケールの大きさに触れたヨーロッパ出身の演奏家達が、アメリカにて”生き残り、一流として認められ、またナンバーワンとなる”ために、様々な演奏上の工夫をこらしていったことが、大きくヴァイオリン奏法を変えた、ということをだんだん確信するようになってきました。私の中では、今のところ1917~1950頃がもっとも奏法が進化した時期であり、その変革者の代表が、クライスラーであり、ハイフェッツであると思います。
[41405]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月03日 13:01
投稿者:カルボナーレ(ID:J0RRIjk)
引き続き、catgutさんからの修正要望に従い、アウアーの名前を削除した下記についても、思い込みを除く具体的な反論はありませんでしたので、下記、
正しい、
として、結論づけさせていただきます。
==
2.フレッシュやハイフェッツがレッスンの際に述べた、「全弓を使いなさい」という教えは、主に弓の先を使わない演奏を戒めて「弓のすべての場所を活用しなさい」と指導しているのであり、それは21世紀の今のヴァイオリン演奏においても常識的かつ重要なことである。
==

なお、上記「弓のすべての場所を活用しなさい」の中の一つのケースとして、”速い弓速で弓先まで使う”ことも含まれますので、上記は”速い弓速で弓先まで使う”ことを否定するものではありません。
”速い弓速で弓先まで使う”はあくまでもその教えの一要素であって、それがすべて(イコール関係)ではなく、例えば遅い弓速で弓先で弾く事は2.の教えを否定する物ではまったくありません。すなわち、2.は「速い弓速で弾きなさい」と述べているものではありません。

以後、2.は「速い弓速でたくさん弓をつかうように指導している」という根拠には使えないことを、ここに宣言しておきます。
[41409]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月03日 15:54
投稿者:通りすがり(ID:GUZVdBU)
カルボナーレ様の書き込みに続けます。
仮説①:オーケストラの音量は年々(時代区分に関しての問題はさておいて)増大している。
仮説①の原因として以下の要因があげられる。

×仮説②:コンサートホールが年々(特に1970年ごろから?)大型化している。
これは言いだしっぺのcatgut氏が反論されず、別スレに書き込まれていろことから、掲示板から遠ざかっていたのではないことが明白ですので、黙認されたと判断します。
よって米国においては否定されたということですね。


‐仮説③:音響機器の影響で観客の音量に対する欲求が高まっている。
これは以前から決着がついていません。
有効なデータが求められます。

‐仮説④:個々の楽器の音量が年々増大している。
△仮説④a:弦楽器の弦の材質がプレーンガットから、金属線やシンセティック弦に変わったため、音量が増している。
未解決ですが、catgut氏は検証できる環境におられながら、データを提示されないことから、否定的ではないかと推定します。

△仮説③b:金管楽器の直径が大きくなり、音量が増している。
以前のやり取りからやや否定的?

‐仮説③c:弦楽器の演奏方法が変わったため、20世紀初頭にくらべ現在では音量が増している。
ここ最近のやり取りではあまり音量の話は出ていません。よって未解決。情報求む。

○仮説④:交響曲の編成は時代が下るほど大きくなる傾向にある。
これは100年単位(?)の大きな視点からは自明ですね。

部分的に○仮説⑤:同じ交響曲を演奏する場合でも、その編成が大きくなっている。
例えばBachやMozart、Beethovenの作品は一時期、作曲されたころに比べ大きな編成で演奏されているようですが、最近はピリオド楽器の見直しなどの影響か、小編成で演奏されることが多くなっているのでしょうか?
BPOと20世紀オーケストラとでは求めるものも違うでしょう。多様化と申しますか、そういうことを考えると寧ろ音量的には小さくなっているとも捉えられます。
編成の大きさの時代的変遷について詳しい方がおられましたら、解説お願いします。
[41442]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月06日 23:19
投稿者:catgut(ID:EUiWmHM)
1986年のThe Strad誌に掲載されたイダ・ヘンデルへのインタビュー記事が、インタビューを行ったJessica Duchenのサイトに掲載されていました。
これを読むとヘンデルが只者ではないことがよくわかります。

ttp://www.jessicaduchen.co.uk/pdfs/other_pdfs/ida-haendel-1986.pdf

ヘンデルは、技術的にはハイフェッツが「唯一無二」だと語っています。

-----
'Technically speaking, we still have the one and only Heifetz -
everyone is guided by his excellence and mastery'

技術的には、ハイフェッツは唯一無二です。誰もが彼の優秀さと熟達
に導かれるのです。
-----

また、この記事によると、ヘンデルは手が小さいので、あえて小さめの
1699年製ストラディヴァリを使用しているそうです。ヘンデルはこの
楽器について以下のように語っています。

-----
It has a very beautiful sound and is a lovelylooking instrument.
A lot of people think it is one of the best. It doesn't have an
extremely loud sound - but then I never thought that the violin
should be like an explosion!

これは大変美しい音で、可愛らしい見栄えの楽器です。多くの人がこれ
はベストクラスの楽器だと考えます。これは非常に大きい音が出るわけ
ではありませんが・・・私はヴァイオリンの音が爆発音に似ているべき
だとは決して考えたことがありません。
-----

少なくともハイフェッツを理想とするイダ・ヘンデルは、音量が最高の
価値とは考えていなかったようです。いまヘンデルは日本にいますが、
実演を聞かれた方の感想はいかがでしょうか。
[41443]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年10月06日 23:30
投稿者:カルボナーレ(ID:J0RRIjk)
catgutさん、

>イダ・ヘンデルは、音量が最高の価値とは考えていなかったようです。

「音量が最高の価値」と考えている一流演奏家がいて、そのような発言をしている例があれば、ぜひ教えてください。
ヴァイオリン掲示板に戻る
8 / 31 ページ [ 305コメント ]