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20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて | ヴァイオリン掲示板

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20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年09月26日 23:23
投稿者:catgut(ID:QhNBB4k)
20世紀前半の奏法といっても非常に漠然とした話ですが、レオポルド・アウアーやカール・フレッシュの弟子、指導書の影響力が大きかった20世紀前半の奏法と、ジュリアード出身者のソリストが増えた20世紀後半以降のヴァイオリン奏法では傾向の違いがあるように思われます。このスレッドでは、両者にどのような違いがあるか、あるとすればその原因がどこにあるかといった点について議論させて頂きたいと思います。
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【ご参考】
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月14日 20:43
投稿者:江戸川凡人(ID:I4FjNAU)
catgut氏曰く:
> 「速く圧力の弱い」運弓が現在と比較して当時は相対的により多く
---
> 弓の重さ・強さは「定量的な証拠」
===
よろしいですか?私は、アーノンクールが挙げた「ニキッシュ時代のボーイング」の話をいたしました。これは「早く圧力の弱い」ボーイングと一致しない事実を示しています。誰にでも明らかだと思いますよ。
この掲示板は対話が成立しないように感じますので、もうお暇したい気持ちになりました。
対話でなく一方的な主張の場なのですね。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月14日 23:22
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
江戸川凡人さま、
誤解されているようですが、私は下記と同様に考えているのですよ。

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今日のオーケストラ奏者達が3回弓を変えて弾いている箇所も、以前の奏者達がどのくらいの数の音符を一弓で弾いていたかを知れば、驚嘆します。殆ど動きのない弓によって紡がれる音、実質のある豊かな音、1分間弓を変えずに弾き続けること、これは当時は弓のテクニックと練習の目的のすべてでした。私もそのように訓練され、その練習を毎日30分はしなければなりませんでした。今日の弦楽器奏者は全く異なる教育を受けています。左手が重要であり、60年、80年前の弦楽器奏者と比べると右手は衰えたように見えます。
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「今日のオーケストラ奏者達が3回弓を変えて弾いている箇所も、以前の奏者達がどのくらいの数の音符を一弓で弾いていたかを知れば、驚嘆します。」というのは、フランチェスカッティのエピソードでも示したように「今日のオーケストラ奏者」は音量を稼ぐために3回弓を変えて弾かなければならなくなったということでしょう。大音量が必須条件でなければ、「殆ど動きのない弓によって紡がれる音、実質のある豊かな音、1分間弓を変えずに弾き続けること」は可能です。「殆ど動きのない弓」という表現で、アーノンクールは「実質のある豊かな音」で「絶対音量」ではなく「良い音質」を意図していることがわかります。

まとめると1930年頃までは
・E,A,DまたはA,Dはプレーンガット弦
・弓の重さは54g-58g程度
・弓毛の数は100本-150本程度(現在の2/3程度)

であった可能性が高いと考えられます。これだけ現在と条件が違えば音量は小さめでボーイングに異なる点があるのは当然でしょう。これによって「速くて軽い圧力」で「エッジの立った音色」にしたり「今日のオーケストラ奏者が3回弓を変えて弾かなければならないところを一弓で弾いたり」することができたわけです。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月15日 20:43
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
The historical performance of music: an introduction
著者: Colin James Lawson,Robin Stowell
に以下の内容がありました。

Old orchestral parts belonging to the Vienna and Berlin Philharmonics indicate that many more notes used to be played in one bow-stroke than is customary today. Such spinning out of the notes, with the bow barely moving at all, was the essence of bowing technique. Nowadays it is the left hand which controls expression. The old manner produces great melodic paragraphs that sound wonderful but that are also
comparatively quiet.
Harnoncourt has argued in particular that the beginning of the Adagio non troppo is always played too loudly and that Brahms's pf (poco forte) is very close to piano.

大意:
昔のウィーンフィルやベルリンフィルの奏者は現在より多くの音を一弓で弾きました。弓がほとんど動かないような状態で音を弾き続けることは弓のテクニックの基本でした。現在では表現の制御は左手が行います。古い弾き方では偉大なメロディーを素晴らしい音で演奏しましたが、しかしそれは比較的静かな音(comparatively quiet)でした。アーノンクールは(ブラームス交響曲2番の)アダージョ・ノン・トロッポの始まりが常にあまりに大音量で演奏されてしまっている、ブラームスのpf(poco forte)はpianoにごく近いと論じました。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月15日 21:36
投稿者:江戸川凡人(ID:I4FjNAU)
アーノンクールの情報ありがとう、くらい一言おっしゃれば如何?
自分はとうの昔から考えていた、と来ましたか。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月16日 00:07
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
江戸川凡人さまはこのスレッドしか読まれていないのかもしれませんが、
「20世紀前半のヴァイオリニスト」が全弓の練習を徹底的に行ったという話を私が書いています。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月16日 00:14
投稿者:///(ID:FINJlSk)
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月16日 01:08
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
>20世紀前半のヴァイオリニスト」が全弓の練習を徹底的に行った

ですが、現在の一流奏者は全弓の練習も当然徹底的に行います。そんなのは。当たり前のことです。
昔行われていたことはすべて折り込み済で、昔の人が出来た事は、間違いなくやろうと思えばできます。
長い歴史の蓄積の中で体系付けられたものにより、基礎やテクニックの引き出しが増え、またそれらを効率的にマスターできる手法が確立しているということです。大きな音も、小さな音も、早い弓使いも遅い弓使いも、軽い弓使いも重厚な弓使いも、使い分けるのが、現在の奏法であり、大きな進歩ととらえるべきです。左手主体でも、右手主体でもなく、どちらのテクニックも使えるのが現在の演奏者です。

スケートにて2回転ジャンプやピールマンスピンで高得点が得られたのは昔のことです。今では小学生でも当たり前のようにこなします。ヴァイオリン演奏の話と同様に、ぜひ「今は廻りすぎ、飛びすぎでけしからん。あの頃は優雅な滑りでよかった」と懐かしんでください。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月16日 09:12
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
楽器や演奏が直進的に「進化」するかどうかについては、鈴木秀美氏が最近「時代の音」という興味深い論文を発表されているのでぜひ読んで頂きたいと思います。この論文でも指摘されていますが、トゥルテの時代に起きたバロックヴァイオリン、バロックボウからのモダン化という大きな変化と、20世紀半ばに起きたプレーンガット弦からナイロン弦(チェロの場合はスチール弦も)化が楽器や演奏のあり方に大きな影響を与えています。


「時代の音」から一部引用します。
ttp://www.tohoku-gakuin.ac.jp/gakujutsu/kyoyo_154/index.html

p7
楽器は審美眼のみによって改造されていったのではない。演奏者はいつの時代にも、より大きな音と均一性・安定性、つまりより容易く演奏できることを求めていた。音が豊かで容易く演奏できることは何も悪いことではないが、問題は、何らかの改造をすると、それ以前にできていた表現の全てを出来るわけではないことである。

p8
オリジナル楽器(ある曲が作曲された当時使われていた仕様の楽器)とその変容は私達に多くのことを教えてくれる。演奏者によって楽器の音は大きく変わるものの、その曲の基本となる音量や雰囲気を知る手がかりとなるばかりでなく、人間がいかにいつも楽をしたがるものであるか、どれほど質より量を安易に求めることが多いかを教えてくれる。歴史上、音量の小さな楽器は衰退し、大きなものは生き残る。しかしまた、音量だけに頼らず、質を見極めることこそ芸術に肝要であるという考えが昔からあったことも窺い知ることが出来るのである。

p13
「大ホールで通用する弾き方」がより優れたものあるというのは正しくなく、それは異なった難しさなのである。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月16日 09:42
投稿者:コゲ(ID:QpCDEQg)
なら、貴方の嫌いな現代の奏者が評価しているという、
最新技術で作られた楽器を褒めるのなんかおやめになったら?
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月16日 12:07
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
コゲさま、
なぜそのような話になるのか理解できませんが、私は「最新技術によって古いヴァイオリンと同等の機能を実現する」べきではないかと言っている
のですよ。現代の技術で20世紀前半に作られたプレーンガット弦と同等の
ものを作ってはいけない理由でもあるのですか?
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