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弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか? | ヴァイオリン掲示板

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[41562]

弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月14日 08:33
投稿者:カルボナーレ(ID:J0RRIjk)
Surface Soundについては、catgut氏が前言撤回し、
”Surface Sound" = double-slipping motion 状態
を示すのでなく、様々なケースで使われることが明確になりましたので、議論を打ち切ります。

次に、catgut氏が最も知りたいことである
「弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?」
のスレッドをたてましたので、Surface Soundという言葉は基本的に使わず、実証、データ、映像、文献等で明確にしていきましょう。
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5 / 6 ページ [ 57コメント ]
【ご参考】
[41732]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月24日 21:24
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:GBkzATQ)
自分に都合のいいフレーズだけを恣意的に引用するのはいい加減にしていただきたいものです。

小生は件の文献を詳しく読んでいませんので90ミリ秒の前提もよく判っていません。 音価の半分以上が multi-slip というのが普通の演奏なのかどうか、小生には判りません。 小生自身は音価が短いときは上滑りなアタック(multi-slip)にならないよう、相当に気を使うことが多いように思います。
[41734]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月24日 23:31
投稿者:カルボナーレ(ID:EnE4GYc)
よくcatgut氏が引用される、映画のハイフェッツの演奏シーンでの跳ばしの部分ですが、3連符が1秒間に4組は入っている気がします。
従って、音符と音符の間隔はおよそ80msec。その中には弓が弦を離れて鳴っていない区間があるので、暫定的に鳴っている区間を設定するとして、1音あたり弓が弦を駆動させ始めて、弦を離れるまで50msecくらいですかね。その中にいろいろな振動モードが入っていることになります。

また、その映像から使っている弓幅がおよそわかれば、どれくらいの弓のスピードかは想定できるような気がします。
あと経験上、弾き始める前の弦の振動状態は、次の振動に対し影響があるように思いますので、そのあたりも勘案し、また圧力と弓の速度と弦の振動Motionの関連がもう少し明確に数値化できれば、ハイフェッツがどれくらいの圧力で弾いていたかも明確のなるのでしょうね。

以上、あまり意味のないゴミですが、どなたかの気づきのヒントになれば、と書いてしまいました。
[41752]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月25日 22:22
投稿者:カルボナーレ(ID:EnE4GYc)
[41730]
[41730]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月24日 19:33
投稿者:catgut(ID:J5FmRBI)
カルボナーレさま、
The art of violinのパールマンの英語を聞き取ってみました。
細部は自信がありませんのでThe art of violinをお持ちの方で
以下に誤り(聞き取り、翻訳とも)がありましたらご指摘お願いします。

-----
Part of Heifetz’ tone production has to do bow speed.
He moved bow very very quickly, He did not use a sort of much
bow pressure.This was a Russian way doing, you know, moving bow
very very quickly, then getting this incredible, incredible edge to
the sound.

ハイフェッツの音色(tone production)の一部は弓速によって得られます。
彼は弓を、強い圧力をかけずに、とてもとても速く動かしました。
これはご存知の通りロシア流です。とてもとても速く弓を動かすことで、
この信じられない「エッジが利いた音」(凛とした音、倍音の強い音、
シャープな音)を得ているのです。
-----

セロ轢きのGosh さま、
大前提として、私は「普通のヴァイオリン奏者も"multiple slip"音を
使っているが、ハイフェッツは特に効果的に使っていると考えています。

ちなみにアレグロがメトロノームで四分音符=152だとすると、アレグロ
での4分音符の長さは0.4秒になります。この条件で8分音符を上げ弓・
下げ弓交互に弾くのはごく普通にあることですから、0.2秒以下の音価
のうち約半分の0.09秒(90ms)が”slip音”の音が続く場合がごく普通の
演奏でも部分的にはあるということになりますね。
でのArt of Violinでのパールマンの話ですが、おおよそ、書かれているような英文かと思います。
”Part of Heifetz’ tone production”という言い方をしているので、そのような音作りもするということかと思います。

以下、英語力不足で引用できないため、概略となってしまいますが、弓の速さの件を述べる前の映像の前では、
====
彼の演奏を聴いた時は驚きで何週間も口が塞がらなかった。信じられない演奏だった。平然と、動きも少なく弾いている姿が「Cool」と言われているのだろうが、それはまるで竜巻のような演奏だった。巨大なエネルギー(heat)を発していた。ホールでよくとおる(carrying)美しい音を出していた。ホールで聴く音は決して録音では得られない音だった。その理由は、マイクをで近接して取る録音では使えない、ジーット(ズイーット)という雑音を出しているためだが、それはホールの客席では聴こえず、まろやかな音(Wonderful warm sound?)に聴こえる
====
といった内容も語っていますね。

ジーット、ズイーット(音表現をカタカナにするのは難かしいので正確ではないかもしれませんが)と、2回も述べているところも重要です。普通はその音は圧力がある程度かかった時に弦が発する音であり、ここではシャーとシューと高い周波数をイメージさせる言葉は使っていません。

トータルでみて、聴き手としてホールで聴いてすごいエネルギーを感じるだけのパワーがあり、かつよく通る美しい音だった、と言うのがメインであり、圧力をかけすぎない速い弓によるエッジの効いた音は、ハイフェッツらしい音作りの要素の一つであるである、という補足が加わっている、と私は受け取りました。
[41790]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月31日 16:57
投稿者:jack(ID:EDhoQSE)
カルボナーレさん、遅くなりましたが、私が[41600]
[41600]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月16日 11:04
投稿者:jack(ID:EDhoQSE)
[41599] カルボナーレさん、

G-tuneというFFTソフトでスペクトルを見てみました。
ttp://www.jhc-software.com/index.shtml

1.開放A線をを弾くと基音440Hz、第2倍音880Hz、第3倍音1320hzなどが観測されます。

2.駒側を速く軽い弓圧で弾くと第2倍音混じりの音になります。ピッチは基音と第2倍音の両方が聴こえます。このとき基音440Hzの山は少し下がります。第2倍音880Hzの山は少し上がります。(山の高さは不安定にゆれます)

3.さらに駒側寄りを少し強めに弾くと第3倍音混じりの音になります。このとき基音も440Hzの山は少し下がります。第3倍音の山は少し上がります。

4.弦1/2を軽く押さえた自然フラジオでは基音440Hzの山は消えます。第2倍音880Hzの山は少し上がり安定します。

・弦1/3を軽く押さえた自然フラジオでも基音440Hzの山は消えます。第3倍音1320Hzの山は少し上がり安定します。

以上です。どなたか追試下さい。

surface sound はどの状態を言うのですか? 2.や3.の状態はもはや別の音が聴こえてくるわけですので音楽演奏には使えないと思います。
に書いた実験をyoutubeにアップしました。
ttp://www.youtube.com/watch?v=0vC44GZ79x4

動画ではA線に於いて[41600]
[41600]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月16日 11:04
投稿者:jack(ID:EDhoQSE)
[41599] カルボナーレさん、

G-tuneというFFTソフトでスペクトルを見てみました。
ttp://www.jhc-software.com/index.shtml

1.開放A線をを弾くと基音440Hz、第2倍音880Hz、第3倍音1320hzなどが観測されます。

2.駒側を速く軽い弓圧で弾くと第2倍音混じりの音になります。ピッチは基音と第2倍音の両方が聴こえます。このとき基音440Hzの山は少し下がります。第2倍音880Hzの山は少し上がります。(山の高さは不安定にゆれます)

3.さらに駒側寄りを少し強めに弾くと第3倍音混じりの音になります。このとき基音も440Hzの山は少し下がります。第3倍音の山は少し上がります。

4.弦1/2を軽く押さえた自然フラジオでは基音440Hzの山は消えます。第2倍音880Hzの山は少し上がり安定します。

・弦1/3を軽く押さえた自然フラジオでも基音440Hzの山は消えます。第3倍音1320Hzの山は少し上がり安定します。

以上です。どなたか追試下さい。

surface sound はどの状態を言うのですか? 2.や3.の状態はもはや別の音が聴こえてくるわけですので音楽演奏には使えないと思います。
のステップ1~4を全弓で1秒ずつ各4回弾き、同時にG-tuneのスペクトラムを撮影しました。

ステップ2,3はマルチプルスリップだと思いますがピッチは二つ以上聴こえますのでクラシック音楽には使えないと思います。但し、私の師がJ音楽院で教わった裏技の一つにこれを積極的に使う手法があります。詳しくは申せませんが、速いパッセージでの自然フラジオを指を触れずに開放弦のオクターブ上を鳴らすというものです。



参考までに[41600]
[41600]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月16日 11:04
投稿者:jack(ID:EDhoQSE)
[41599] カルボナーレさん、

G-tuneというFFTソフトでスペクトルを見てみました。
ttp://www.jhc-software.com/index.shtml

1.開放A線をを弾くと基音440Hz、第2倍音880Hz、第3倍音1320hzなどが観測されます。

2.駒側を速く軽い弓圧で弾くと第2倍音混じりの音になります。ピッチは基音と第2倍音の両方が聴こえます。このとき基音440Hzの山は少し下がります。第2倍音880Hzの山は少し上がります。(山の高さは不安定にゆれます)

3.さらに駒側寄りを少し強めに弾くと第3倍音混じりの音になります。このとき基音も440Hzの山は少し下がります。第3倍音の山は少し上がります。

4.弦1/2を軽く押さえた自然フラジオでは基音440Hzの山は消えます。第2倍音880Hzの山は少し上がり安定します。

・弦1/3を軽く押さえた自然フラジオでも基音440Hzの山は消えます。第3倍音1320Hzの山は少し上がり安定します。

以上です。どなたか追試下さい。

surface sound はどの状態を言うのですか? 2.や3.の状態はもはや別の音が聴こえてくるわけですので音楽演奏には使えないと思います。
を引用しておきます。
---------
G-tuneというFFTソフトでスペクトルを見てみました。
ttp://www.jhc-software.com/index.shtml

1.開放A線をを弾くと基音440Hz、第2倍音880Hz、第3倍音1320hzなどが観測されます。

2.駒側を速く軽い弓圧で弾くと第2倍音混じりの音になります。ピッチは基音と第2倍音の両方が聴こえます。このとき基音440Hzの山は少し下がります。第2倍音880Hzの山は少し上がります。(山の高さは不安定にゆれます)

3.さらに駒側寄りを少し強めに弾くと第3倍音混じりの音になります。このとき基音も440Hzの山は少し下がります。第3倍音の山は少し上がります。

4.弦1/2を軽く押さえた自然フラジオでは基音440Hzの山は消えます。第2倍音880Hzの山は少し上がり安定します。

・弦1/3を軽く押さえた自然フラジオでも基音440Hzの山は消えます。第3倍音1320Hzの山は少し上がり安定します。

以上です。どなたか追試下さい。

surface sound はどの状態を言うのですか? 2.や3.の状態はもはや別の音が聴こえてくるわけですので音楽演奏には使えないと思います。

-----
[41803]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年11月01日 14:12
投稿者:カルボナーレ(ID:EnE4GYc)
jackさん

映像アップありがとうございます。
波形付きでの音の提示があると、説得力がありますね。これで多くの方が、理解できるのではないかと思います。

”surface sound って何?”というスレの最初で書いた通り、個人的には、いろいろやってみて実際の音とそれらの出し方については理解しているのですが、この映像で波形で倍音の状態が見られるのが新鮮です。私はMACユーザなので、また何かよいソフトがないか探してみます。

一方、catgutさんが一番こだわっているところは、チャイコのコンチェルトの速い跳ばしの箇所のようですので、1音50msecくらいの区間をさらに何カ所に区切って、それぞれの倍音構成を見て行かないと、どのようになっているのかわからないのが、難しい点です。
[41804]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年11月01日 14:36
投稿者:カルボナーレ(ID:EnE4GYc)
jackさん提供の倍音状態がわかる波形を確認しました。

single-slipからdouble-slip への遷移状態の典型的な発音状態の倍音を見る限り、特定の倍音が強調されるかわりに、基音や他の倍音が減っています。
最初のsingle-slipで基音がしっかり鳴っている時は、比較的均等に多くの倍音が立ち上がっていますが、最終の完全なdouble-slip 状態では、多くの倍音がなくなって特定のものだけが鳴っている状態であることがよくわかります。

catgutさん、本件、下記にて決着でよいね。
=====
double-slop含むmulti-slip状態は、過渡状態含め、single-slip状態に比べ、倍音は増えない。
よって 「弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増える」という根拠に、double-slop含むmulti-slip状態を挙げることは不適切である。
倍音が増えるという他の根拠の提示はないので、いったん、
「弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?」の回答は、「いいえ」と結論付ける。
=====

multi-slip状態では、基音が減り(あるいはなくなり)、特定の倍音のみが大きくなり、それ以外の倍音は減る(あるいはなくなる)という点については、映像から明確にわかりますので、その事実は、今後も説明につかっていただければと思います。
[41805]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年11月01日 14:40
投稿者:カルボナーレ(ID:EnE4GYc)
誤り:double-slop
正解:double-slip
です。
結論を差し替えます。

=====
double-slip含むmulti-slip状態は、過渡状態含め、single-slip状態に比べ、倍音は増えない。
よって 「弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増える」という根拠に、double-slip含むmulti-slip状態を挙げることは不適切である。
倍音が増えるという他の根拠の提示はないので、いったん、
「弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?」の回答は、「いいえ」と結論付ける。
=====
[41806]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年11月01日 23:15
投稿者:catgut(ID:J5FmRBI)
カルボナーレさま、一応念のため、以前も書いたことですが、

音色
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E8%89%B2

などにも書かれている通り、「狭義の音色」は周波数スペクトルです。
「広義の音色」には楽器の音量変化のしかたや音高変化のしかたも
含むことがあります。

今回問題にしているのはもちろん「狭義の音色」です。

前掲の論文でも書かれているように、ヴァイオリンの弦を弓で弾く時、
多くの場合最初はヘルムホルツ運動ではなくmultipe slip音になります。
そして弓の返し音も高い音高で聞こえることからmultiple slip音であることはほぼ間違いないと思われます。「速い弓」を使うときは大抵毛が弦に当たって弓を返すまでにゼロコンマ何秒という速度ですから、弓を弾いている半分の時間が1stick-1slipだとしても、他の半分はmultiple slipであるよう
な場合もあります。このような場合、人間の耳には平均して倍音が強く聞こえるのではないでしょうか。

実際に、ハイフェッツの演奏では弓の返し音がしばしば聞こえ、ガラミアンは弓の返し音を嫌ったということです(「天才を育てる」でのドロシー・ディレイの証言)。この事実から、ハイフェッツの速い弓ではslipが起きる比率が比較的多く、ガラミアンは極力slipが起きないように演奏することを要求したと考えられます。

また、ハイフェッツの演奏姿勢は軽い圧力で速い弓を使うことを基本としていると考えるとよく理解できます。

・弦を極力水平に近くする姿勢を取ったのは、楽器を傾けると重力の方向に弓が流れてしまうため。
・ハイフェッツが右手のヒジをあげる傾向があったのは上記のために必要だったから。

そもそも、プレーンガット弦では駒寄りを圧力をかけると音が簡単に潰れてしまうため、それこそクライスラーのような天才でないとこのような奏法はできません。ナイロン弦という偉大な科学技術がヴァイオリンの新時代を切り開く素晴らしい奏法をもたらしたのかもしれませんが。
[41807]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年11月01日 23:45
投稿者:カルボナーレ(ID:EnE4GYc)
このスレで取り上げた論点は、
”弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?”
ということだけです。

jackさんの実音とFFTソフトでの周波数スペクトル映像より、
”single-slip状態に比べ、double-slip含むmulti-slip状態は過渡状態含め、倍音は増えない。"
ということがわかりましたので、
”multi-slip状態=倍音が豊富”という理屈は今後つかわないようにお願いします。

ハイフェッツの音の秘密が、弓のスピードにあることはまったく否定しませんが、今後、倍音以外の理由にて説明をお願いします。
[41806]
[41806]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年11月01日 23:15
投稿者:catgut(ID:J5FmRBI)
カルボナーレさま、一応念のため、以前も書いたことですが、

音色
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E8%89%B2

などにも書かれている通り、「狭義の音色」は周波数スペクトルです。
「広義の音色」には楽器の音量変化のしかたや音高変化のしかたも
含むことがあります。

今回問題にしているのはもちろん「狭義の音色」です。

前掲の論文でも書かれているように、ヴァイオリンの弦を弓で弾く時、
多くの場合最初はヘルムホルツ運動ではなくmultipe slip音になります。
そして弓の返し音も高い音高で聞こえることからmultiple slip音であることはほぼ間違いないと思われます。「速い弓」を使うときは大抵毛が弦に当たって弓を返すまでにゼロコンマ何秒という速度ですから、弓を弾いている半分の時間が1stick-1slipだとしても、他の半分はmultiple slipであるよう
な場合もあります。このような場合、人間の耳には平均して倍音が強く聞こえるのではないでしょうか。

実際に、ハイフェッツの演奏では弓の返し音がしばしば聞こえ、ガラミアンは弓の返し音を嫌ったということです(「天才を育てる」でのドロシー・ディレイの証言)。この事実から、ハイフェッツの速い弓ではslipが起きる比率が比較的多く、ガラミアンは極力slipが起きないように演奏することを要求したと考えられます。

また、ハイフェッツの演奏姿勢は軽い圧力で速い弓を使うことを基本としていると考えるとよく理解できます。

・弦を極力水平に近くする姿勢を取ったのは、楽器を傾けると重力の方向に弓が流れてしまうため。
・ハイフェッツが右手のヒジをあげる傾向があったのは上記のために必要だったから。

そもそも、プレーンガット弦では駒寄りを圧力をかけると音が簡単に潰れてしまうため、それこそクライスラーのような天才でないとこのような奏法はできません。ナイロン弦という偉大な科学技術がヴァイオリンの新時代を切り開く素晴らしい奏法をもたらしたのかもしれませんが。
のような特に論理的な反論にならない書き込みは、読むだけ疲れますので、お互い時間の無駄ということで、今後はやめませんか。
[41808]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年11月02日 00:25
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:GBkzATQ)
[41806]
[41806]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年11月01日 23:15
投稿者:catgut(ID:J5FmRBI)
カルボナーレさま、一応念のため、以前も書いたことですが、

音色
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E8%89%B2

などにも書かれている通り、「狭義の音色」は周波数スペクトルです。
「広義の音色」には楽器の音量変化のしかたや音高変化のしかたも
含むことがあります。

今回問題にしているのはもちろん「狭義の音色」です。

前掲の論文でも書かれているように、ヴァイオリンの弦を弓で弾く時、
多くの場合最初はヘルムホルツ運動ではなくmultipe slip音になります。
そして弓の返し音も高い音高で聞こえることからmultiple slip音であることはほぼ間違いないと思われます。「速い弓」を使うときは大抵毛が弦に当たって弓を返すまでにゼロコンマ何秒という速度ですから、弓を弾いている半分の時間が1stick-1slipだとしても、他の半分はmultiple slipであるよう
な場合もあります。このような場合、人間の耳には平均して倍音が強く聞こえるのではないでしょうか。

実際に、ハイフェッツの演奏では弓の返し音がしばしば聞こえ、ガラミアンは弓の返し音を嫌ったということです(「天才を育てる」でのドロシー・ディレイの証言)。この事実から、ハイフェッツの速い弓ではslipが起きる比率が比較的多く、ガラミアンは極力slipが起きないように演奏することを要求したと考えられます。

また、ハイフェッツの演奏姿勢は軽い圧力で速い弓を使うことを基本としていると考えるとよく理解できます。

・弦を極力水平に近くする姿勢を取ったのは、楽器を傾けると重力の方向に弓が流れてしまうため。
・ハイフェッツが右手のヒジをあげる傾向があったのは上記のために必要だったから。

そもそも、プレーンガット弦では駒寄りを圧力をかけると音が簡単に潰れてしまうため、それこそクライスラーのような天才でないとこのような奏法はできません。ナイロン弦という偉大な科学技術がヴァイオリンの新時代を切り開く素晴らしい奏法をもたらしたのかもしれませんが。
catgut さん

> 前掲の論文でも書かれているように、ヴァイオリンの弦を弓で弾く時、
> 多くの場合最初はヘルムホルツ運動ではなくmultipe slip音になります。

前掲の論文とはどれのことでしょうか?
少なくとも [41729]
[41729]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月24日 19:13
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:GBkzATQ)
撤退宣言したのですが、面白い新ネタが入ったので戻ってきました。
別項で catgut さんご紹介の2本です(筆者は同じ)。

Acceptance limits for the duration of pre-Helmholtz transients in bowed string attacks
ttp://lib.ioa.ac.cn/ScienceDB/JASA/JASA1997/PDFS/VOL_101/ISS_5/2903_1.PDF

The Bowed String
ttp://kth.diva-portal.org/smash/get/diva2:9153/FULLTEXT01

サッ眺めたところでは、

ヴァイオリンのアタックは3パターンに大別される:
(1)Multiple slip
(2)Perfect attack: 殆ど最初からヘルムホルツ運動が起こる
(3)Prolonged irregular period: 弓圧かけすぎの「ゴリッ」という音が聞こえる状態

当然(2)が標準ですが、音楽的な文脈に応じて(1)や(3)も使われる。
そして、(1)や(3)に対する許容値は、それぞれ90ミリ秒と50ミリ秒だった。(それ以上だと、弾き損じと感じる、ということのようです)。 これはG線開放弦について20人の上級弦楽器学習者やプロによるパネル(合議制?)で判定したとのこと。 音程が低くなるとこの許容値は大きくなる傾向にあるらしい(?)

ま、こんな物理用語(?)に言い換えなくたって皆普通にやっていることだとは思いますが、過渡状態(変則振動状態)に対する許容時間のオーダー感が示されたのは面白いですね。
で挙げた2編には(小生の読む限り)そんなこと書いてありません。

むしろ、調査した1694事例中44%は prefect attack(5ms以内にHelmholtz motionが確立する)、というのが結論だと思います。 残りの56%は multiple slip か prolonged irregular period ですが、それも殆どは前述の許容値(90ms、50ms)に入っている、と書いてあります。 以下原文です:

When verifying the attacks of normal playing (from recordings of two violinist unaware of the subject of the research), it was found that for most musical examples the attacks were well within these limits, and that 44% (out of 1694 attacks) were found to be “perfect” (defined as less than 5 ms elapsing before the occurrence of Helmholtz triggering).

56%の内訳(multiple slip と prolonged irregular periodの割合)は判りませんが、概ね半分として、5ms以上のmultiple slipは30%弱という程度でしょうか。 これを「多くの場合」というのは相当無理があると思います。 更に、これらのmulti-slip の殆どは90msを上限として分布している筈ですから、6msもあれば10msもある。 80~90msも続くようなmulti-slipは稀である(高々5%のオーダー)、と考える方が自然でしょう。

「多くの場合」について具体的に書いてあるなら何処か教えて下さるようお願いします。
即答(24時間以内)がなければ、「catgutさんの頭の中だけに書いてあった」と理解します。


ところで上記の調査は、プロに調査内容を知らせないで弾いてもらった録音を対象としている、と括弧内に書いてありますね。 素人のアタックはもっと悲惨なもの(multi-slipが止まらない、とか)かも知れません。 また、意図的にmulti-slipを使うことの技術的な可能性(そしてハイフェッツがそれをうまく使った可能性)を否定するものではありません。

catgutさん、ハイフェッツの録音は手に入るのでしょうから、その波形分析でもやってみてはどうですか? multi-slipの波形は判っているのだから、一発で検証できますよ。
本スレッドの趣旨からは外れますが、そもそも一連の議論の出発点だったと思います。
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