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弓の良い素材について | ヴァイオリン掲示板

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楽器・付属品 91 Comments
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弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月10日 19:56
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
一般に弓の材料としてフェルナンブコ(ブラジルボク)が優れているとされて
いますが、フェルナンブコの実態はあまり知られていません。また、トゥルテの時代のフェルナンブコのほうが20世紀のフェルナンブコより良質だったのではないかという説があるようです。このあたりについて検証してみたいと思います。
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Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月12日 23:58
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
「楽器の事典 弓」に杉藤武司氏はこのようにも書かれています。

-----
私たちは、幸いに、年間50トンものペルナンブコ材を消費していますから、
少なくともその5%程度の高密度な素材を手にすることができるのです。
この優れた素材は、経験のある技術者が、手にした瞬間に、その重量感
やスプリングの強さなどを本能的に感じとって、選び出すのです。
-----

杉藤楽弓社では、1970年代頃から本格的にフェルナンブコを使用して
いるということなので、欧米の弓メーカーが最高品質のフェルナンブコを
入手しにくくなったのには、日本の弓メーカーにも原因の一端があるのかも
しれません。1980年代頃は世界の弓生産に使用するフェルナンブコは
200トン程度だったようなので、まったくの新興勢力である日本の弓メーカーがフェルナンブコ生産量の1/4程度も買ってしまった時期があったということになります。
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Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月13日 00:13
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
カルボナーレさま、プレーンガット弦に抵抗がある人でも、オイドクサくらいは弾いてみた経験があるのではないかと思います。1950年代頃にようやくA線がプレーンガットからオイドクサのような金属巻線が主流になってきたそうですが、私の感覚ではオイドクサには軽くて柔軟な弓が合うと思います。

本来は実際にプレーンガット弦を試してみるのが良いと思います。入手が容易なコルダの標準ゲージは、私の印象ではGAMUTやDAMIANに比べて太めで柔軟性が少なく感じます。単に私が買ったコルダが外れか古かっただけかもしれませんが。E線は明らかにコルダの標準ゲージがGAMUTやDAMIANの標準ゲージより(表記はともかく)実際に太いようです。ただこれも個体差かもしれません。
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Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月13日 00:55
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
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Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月13日 00:13
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
カルボナーレさま、プレーンガット弦に抵抗がある人でも、オイドクサくらいは弾いてみた経験があるのではないかと思います。1950年代頃にようやくA線がプレーンガットからオイドクサのような金属巻線が主流になってきたそうですが、私の感覚ではオイドクサには軽くて柔軟な弓が合うと思います。

本来は実際にプレーンガット弦を試してみるのが良いと思います。入手が容易なコルダの標準ゲージは、私の印象ではGAMUTやDAMIANに比べて太めで柔軟性が少なく感じます。単に私が買ったコルダが外れか古かっただけかもしれませんが。E線は明らかにコルダの標準ゲージがGAMUTやDAMIANの標準ゲージより(表記はともかく)実際に太いようです。ただこれも個体差かもしれません。
での御発言の意図がまったくわかりません。
私は古い人間ですので、若い頃、お金がない時に買えるましな弦は選択肢としてオイドクサしかありませんでした。バロックも弾きますので裸ガットも抵抗ありませんし、バロック弓も多用します。

本題に戻って、
>同じ棹に対して、巻き線やフロッグが変わって重量が変わる事で音色がどのように変わるのか
を具体的に教えてください。
棹は同じですので、もしもともと柔軟であれば柔軟なのでしょう。細くても硬質なものは硬質なのでしょう。棹が変わらないのだからそれは変わらないとして、重さが音色と音量に与える影響を具体的に聞いているのです。
具体的な回答がなければ、重くなる事で音色が変わるという主張は取り下げていただきます。

また、軽ければ柔軟、軽ければ細い、太ければ重い、太ければ柔らかくない、などという一対一の相関関係はありません。そう思っているなら、それは短絡思考すぎます。
太くて軟弱、軽くて硬質、軽くて太い、細いけれど重い、という棹は当たり前に多々あります。
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Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月13日 01:26
投稿者:通りすがり(ID:MmIhRHY)
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年02月12日 00:15
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
うーん さま、
いったいどんな疑問が残っているのでしょうか?
「20世紀初期」より弓の重さが重くなっているのに、現代の奏者はその分
圧力をかけないように弓を持ち上げて弾いているとでもお考えですか?

>うーん さま、
いったいどんな疑問が残っているのでしょうか?

疑問のオンパレードですね。
いったいどの疑問が解決したというのでしょうか???

例によって御都合の悪い疑問は無視されるのですか????????
[42440]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月13日 08:35
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
通行人さまは杉藤楽弓社がフェルナンブコを1970年代以前はあまり使えなかったことをご存知ないのですね。もう少し勉強されたらいかがでしょうか。「楽器の事典 弓」に杉藤武司氏による以下の記述があります。

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1955年頃から、ブラジル材およびペルナンブコ材がボツボツと輸入できるようになりました。しかし、当時の1ドルが360円固定交換レートでは、ブラジル材の弓、中、高級品に近く、ペルナンブコの弓にいたっては、最高級品として月々10本も作れば幸いというような有様でした。1965年以降になって、ようやく浅田材に代って、ブラジル材が普及用に、ペルナンブコ材が中・高級品として、定着しました。
-----

紹介したばかりですが、杉藤武司氏は「私たちは、幸いに、年間50トンものペルナンブコ材を消費していますから」と書かれているので、1991年頃は平均的に毎年50トン程度を使用していたとしか理解できません。

結局、トゥルテの時代には当時としてはフェルナンブコが枯渇しており、またコチニールのようなより美しい赤が出る染料が南米から輸入されるようになったので、全フランスでも染料用として年間100トン以下のフェルナンブコしか輸入されておらず、弓製作者はその中から弓製作に適した部分を選んでいました。これに対し、1990年頃には弓製作用として伐採されたフェルナンブコを世界で200トン程度使用していたわけです。杉藤武司氏が「少なくともその5%程度の高密度な素材を手にできるのです」とありますから、1990年頃でも最上質な部分は当然存在し、世界で10トン程度の最上質なフェルナンブコを使った弓が製作可能だったということになります。
[42441]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月13日 09:16
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
通りすがりさま、あまりにも質問がナンセンスです。

・現在でも最前線で使用されている一般的なトルテは音量が出ないのですか。
「最前線」「一般的」の意味を定義してください。トゥルテの最良の数本ならば音量が出るだろうと言いたいだけなのですか?

・軽いトルテと、改変されて重くなったトルテで音量差があるのですか?
・そもそも、弓の重さと音量の直接的な関係は証明されているのですか?
より張力の強い弦を弾く場合、より重い弓が必要なのは当然です。より張力の強い弦を弾いた場合、一般に音量は大きくなります。

カルボナーレさま、
すでに述べたように弓の重さの増加は、弦の変化と関係が深いと考えられます。プレーンガットから金属巻ガットに移行したのは、G線は弦をより細くするためですが、D線やA線の場合は弦の線密度を大きくして(弦を重くして)張力を強くしたい(音を強くしたい)ということでしょう。実際、岩淵龍太郎はプレーンガット弦の時代では弦はG>D>A>Eの順に響きが強かったと述べています。さらにオリーブやナイロン弦の登場でこの傾向が強くなりました。より強い音を求めて弦が変わり、それにあわせてより重い弓が好まれるようになったということです。
[42442]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月13日 10:25
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
楽器の本「弓」:1992年初版 を見て、杉藤社に関する記載から私には論理的な説明にいたるまでの情報が得られませんでしてので、それをベースに持論を展開されることからほかにも裏付けとなる情報を持っているであろうcatgutさんに、ぜひ教えていただきたいのですが、

- 現在、従業員15名の杉藤社は、何トンの原木を使って、何本のペルナンブコ弓を作っているのですか。今がわからなければ、原木50トンを消費と書かれた時は何本のペルナンブーコ弓を作っていたのですか。
- 原木50トンの5%は、2500kgですが、これは一部の弓でだけ使う最上級(少なくともセンシティブグレード以上)の弓にしか使われないものですか。それとも2500kgのみが杉藤の品質レベルとして弓材料に使えるということですか。

個人的には、2500kgが弓材料として使え、最上級の材料はさらにその数%でしかないのではと思っていますが、それを裏付けるデータ、情報を持っていません。
また、2500kgがどのようにカッティングされ、選別されていくのか具体的なイメージもまだ持てていません。

その他、同じく、記載を引用すると
「杉藤氏は、現在市場に多く見出されるドイツ製の高級な弓よりさらに軽いものが日本の演奏家には最適であるという信念の下に、その製品について次に記載する重さの範囲を守っている。
ヴァイオリン - 60g~62g ...」
これを素直に解釈すると、
- 1992年当時のドイツ製高級弓は60g~62gより重かった。
- 日本人には、ということから体型、体格、体力等と最適な弓の重さには関係がある、
- 杉藤での60g~62gは杉藤で日本人にあわせて決めた内部基準
ということがわかります。60g~62gを杉藤は肯定しており、基本としていますので、軽い弓は別の特別なアプローチと考えるべきでしょう。

その他、1986年のブラジル買い付けの際の記載として、下記引用します。
「ペルナンブコが一人前の原木に育つには100年もかかり、その植林をしているという話はまったく聞いていないのです。」
「妙な事に気づきました。それは原木の片端の切り口だけが舟型に削ってことです。あるトラックが入れない山奥なので、一本一本牛に引かせて、山を越え谷を越え下る時に滑りをよくするためにだそうです。このペルナンブコの原木が世界一高価な木材である理由がわかって、驚いたり感心したりしました。」
これが20世紀終盤の状況だったようです。
そのあたりから、植林等の活動が、商売ベース、ボランティアベース、で始まって、まだ若いものながら、今やっとそれらの最初の収穫が始まっているということなのでしょう。
[42444]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月13日 18:20
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
フェルナンブコに関する情報は不思議と偏っていて、実態が掴みづらいですね。捕鯨問題に似ています。

・自然保護派は絶滅の危機を強調するが、実際はそれほどでもないようだ。
・1992年頃から法的規制がかけられているため、大っぴらには自由に使用できない。(ので実態に関する情報が少ない)
・フェルナンブコの規制で困っているのは、ほぼ弓の製作者、利用者だけ。

ラファンはフェルナンブコは約30年で弓が作れると語ったそうですが、以下のような情報もあります。

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ttp://www.ipci-canada.org/pernambuco

A reforestation program in the state of Pernambuco has shown that a properly pruned and cared-for tree will produce heartwood suitable for bow-making in thirty to thirty-five years as opposed to the eighty to one hundred years required for a tree in the wild.

野生のフェルナンブコが80年-100年かかるのに対して、管理されたフェルナンブコは30年-35年で弓製作に適切な木(suitable for bow-making)となる。
-----

これまで調べた情報を総合すると、1945年頃までは「最高品質の部分」が欧米の弓製作者が望む程度に入手でき、戦後は弓の生産量が上がって「最高品質の部分」が使える割合が減ったが1980年代頃までは「自然の木」もそれほど不足しておらず、本格的に1990年前後に本格的に不足して法律で規制され「管理されたフェルナンブコ」を増やして来たというところでしょうか。
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Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月14日 09:18
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
絶滅しそうだと言う割には、卸売りサイトで大量のブラジルウッド=フェルナンブコのタネが売られているというのは不思議です。1kgで20ドルから30ドルのようです。1ヶ月あたり1000kgの供給能力があるようです。

ttp://www.alibaba.com/product-free/108538051/Brazilwood_Seeds.html

We sell world wide, the real Brazilwood seeds, they are very colorfull
(deep red), they do germinate well and grow a tall tree!

私たちは全世界に本物のブラジルウッド(フェルナンブコ)のタネを販売しています。それは大変カラフル(深い赤)で、よく発芽し高い木に育ちます!

Supply Ablity: 1000 Unit/Units per Month

温室栽培を職業とされているような方なら、娘が生まれたらフェルナンブコのタネを蒔いて、最良の部分から数本の弓を作ってもらい、嫁入り道具として持たせられるかもしれません。
[42449]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月14日 13:22
投稿者:きうち(ID:NGEZaHE)
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[42421]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月12日 07:46
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
通行人さま、

1992年発行の「楽器の事典 弓」に杉藤武司氏が、
「当社は昨年度は、ペルナンブコの原木を約50トン消費しました。これは全ドイツの弓メーカーたちが使う量より多いそうです。」と書かれています。その年だけ杉藤楽弓社でとりわけ多くのフェルナンブコを使わなければならなかった理由が何かあるのでしょうか?

また、中国製の弓が大量に流入してきた比較的最近でも、杉藤楽弓社では毎年15トンのフェルナンブコを使用しているそうです。過去に数百トンいっきに輸入した年があって、いままで使い続けているのでしょうか?

ttp://www.sugito-bow.co.jp/profile_en.htm
we use about 15 tons of pernambuco wood each year.


コゲさま、「16世紀前半の沿岸部」と「1980年頃の海寄りの地域」では全然範囲が違うと思います。1980年頃は16世紀前半よりはるかに内陸側に開発が進んで、道路や鉄道が発達した上での「海寄り」でしょう。

きうちさま、情報ありがとうございます。
私の経験では毛が少ないとレスポンスが良く明るい音になりますね。

トゥルテはもちろんとにかく軽く作ろうとしたわけではなく、現在より音量が要求されなかった時代において操作性と音色を最大化した結果が56g前後の重量だったのだと思います。

きうちさまの個人的見解として、トゥルテと比べて杉藤氏の弓はまだ及ばないとお考えでしょうか?
catgutさまへ

>きうちさまの個人的見解として、
>トゥルテと比べて
>杉藤氏の弓はまだ及ばないとお考えでしょうか?

回答になるかわかりませんが
(私は 弓は古くて高額な弓は所有したことがありません。せいぜい、30分から2日間程度試奏するぐらいです。所有していた弓も、モリゾかバザン程度の弓です)
トルテが絶対最高だとは思っていません。トルテにも良い弓、いまひとつの弓があります。ドミニクペカット、シモン、パヨー、メイヤー、グランアダム、サルトリーなどの有名な弓の中でも、素敵だなと思う弓もあれば、アレレと思う弓もあります。「**の弓が最高だ」というのは、手工製の弓の場合一本一本に個性がありひとくくりにするのは無理があります。せめて、「**の弓は品質が安定しており、良い弓が見つかりやすい」という程度ではないでしょうか?

私は杉藤浩司さんのの中には素晴らしい弓はあると確信しています。(すべてそうだとは言いません)
「トルテを含めたフレンチオールドの上質な弓と肩を並べるあるいはそれを超える魅力をもった弓がある」と回答したいと思います。
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