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弓の良い素材について
投稿日時:2010年02月10日 19:56
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
一般に弓の材料としてフェルナンブコ(ブラジルボク)が優れているとされて
いますが、フェルナンブコの実態はあまり知られていません。また、トゥルテの時代のフェルナンブコのほうが20世紀のフェルナンブコより良質だったのではないかという説があるようです。このあたりについて検証してみたいと思います。
いますが、フェルナンブコの実態はあまり知られていません。また、トゥルテの時代のフェルナンブコのほうが20世紀のフェルナンブコより良質だったのではないかという説があるようです。このあたりについて検証してみたいと思います。
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[42566]
Re: 弓の良い素材について
投稿日時:2010年03月05日 23:02
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
以下に1700年頃製作のストラディヴァリ工房製と言われる弓の写真がありますが、このスティックはすでにフェルナンブコだそうです。トゥルテがフェルナンブコを使用する1世紀ほど前からフェルナンブコは弓に使われていたそうです。
ttp://orgs.usd.edu/nmm/Violins/Bows/4882Stradivaribow.html
バロック弓の材質を少し調べてみましたが、スティックの材料としては、スネークウッド以外にはビーチ(ブナ)、エボニーなども使用され、ビーチは比重やヤング率ではメープルに近いのですが、意外と良い弓になったそうです。
china woodはフランスの文献に出てくるようですが、結局「中国方面の木」ということしかわからないようです。シナモン(大木になるが)ではなさそうです。
ttp://orgs.usd.edu/nmm/Violins/Bows/4882Stradivaribow.html
バロック弓の材質を少し調べてみましたが、スティックの材料としては、スネークウッド以外にはビーチ(ブナ)、エボニーなども使用され、ビーチは比重やヤング率ではメープルに近いのですが、意外と良い弓になったそうです。
china woodはフランスの文献に出てくるようですが、結局「中国方面の木」ということしかわからないようです。シナモン(大木になるが)ではなさそうです。
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Re: 弓の良い素材について
投稿日時:2010年03月06日 17:39
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
フェルナンブコがF.Tourteより1世紀前から弓に使用されていたという話は重要なので、ソースを示しておきます。googleの書籍検索で原文を読めます。
The history of violin playing from its origins to 1761: and its relationship to the violin and violin music
David D. Boyden著
p209
Rousseau refers to a current belief that the best wood for bows was 'bois de la Chine'(注21),but he says it is not indispensable as some claim. The 'Stradivari' bow described above is made of Pernambuco(brazil)wood, a wood that was recommanded by Trichet about 1630.
(注21)
Rousseau, 1687, p. 39. The context makes clear that Rousseau really means 'wood from China'. Could it have been a wood resembling brazilwood? The answer is probably 'no'.
「楽器の事典 弓」の杉藤武司氏の著述によると、日本では1960年頃以前は「浅田材」という比重0.71程度の木の弓が主流だったそうです。もちろんこれは普及品の弓に過ぎないのですが、この程度の木でも、実用にはなっていたわけです。
The history of violin playing from its origins to 1761: and its relationship to the violin and violin music
David D. Boyden著
p209
Rousseau refers to a current belief that the best wood for bows was 'bois de la Chine'(注21),but he says it is not indispensable as some claim. The 'Stradivari' bow described above is made of Pernambuco(brazil)wood, a wood that was recommanded by Trichet about 1630.
(注21)
Rousseau, 1687, p. 39. The context makes clear that Rousseau really means 'wood from China'. Could it have been a wood resembling brazilwood? The answer is probably 'no'.
「楽器の事典 弓」の杉藤武司氏の著述によると、日本では1960年頃以前は「浅田材」という比重0.71程度の木の弓が主流だったそうです。もちろんこれは普及品の弓に過ぎないのですが、この程度の木でも、実用にはなっていたわけです。
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