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ヴァイオリン弓の毛のことで | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 29 Comments
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ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月04日 01:55
投稿者:温玉(ID:JVBWI3g)
バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ全3曲をギドン・クレーメルが弾いているDVDの中のドキュメンタリー映像を見ていたら、クレーメルのヴァイオリンケースの中を見ることができました。
ガルネリ・デル・ジェズが納められているクレーメルのヴァイオリンケースには4本弓が入っていたのですが、どの弓も、毛が張った状態になっていて驚きました。
弓の中央で毛とサオが3ミリくらい離れているように見えますので、毛がある程度張った状態のままケースに納めれてられているということになります。

弦楽雑誌の記事などで、ソリストのヴァイオリンケースの中の写真が掲載されていることがありますが、今回DVDで見たクレーメルの弓のように毛が張った状態でヴァイオリンケースに弓が納められているのを何度か見たことがあります。

ヴァイオリンのソリストですと、オールドフレンチの高価な弓を使用していると思われますが、そうした弓をケースにしまう際に、毛を緩めずに張った状態のままケースにしまっているとは思えませんので、きっと、毛を緩めてはいるのだけれど、元々、毛替えの際に毛を短くし過ぎていて、結果的に毛が緩みきらない、という状態なのだと想像しています。

ソリストは飛行機で世界中を飛びまわるので、弓にとっては環境の変化が激しくて大変だと思いますが、毛が張った状態で弓がケースに納められているのを見て、空気の乾燥する飛行機やホテルの中で、毛が乾燥して収縮したときに、弓が壊れたりしないのだろうか、あるいは、いつも毛が張った状態で保管していて弓がへたったりしないのだろうか、と心配になります。

毛が長過ぎていくらネジを巻いても演奏できる状態に毛が張れない、ということはあっても、毛が短過ぎて演奏できない、ということは無いので、ソリストは、演奏会場の湿度が高い場合を想定して、毛替えの際に毛をかなり短めにしてもらっているのでしょうか?

このあたりの事情についてご存知の方がいらしたら、教えていただけると幸いです。よろしくお願いします。
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【ご参考】
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月04日 15:50
投稿者:温玉(ID:EHgpNDM)
弦楽雑誌サラサーテに「愛器名鑑」という連載記事があります。この記事では、ヴァイオリニストやチェリストの楽器ケースの中の写真を掲載しています。

過去の記事を読み直してみたところ、ヴァイオリニスト(ソリスト)は、たいてい2~3本の弓がケースの中に入っています。

フロッグが巻き皮に接していてネジを緩めてある状態であるにもかかわらず、弓の毛が張った状態になっていて、やはり、弓の中央で毛とサオが2~4ミリ程度離れているように見えます。4ミリというと、そのまま演奏しようと思えば演奏できるくらいの張り具合です。

3人のソリスト(ジャニーヌ・ヤンセン、五嶋龍、漆原啓子)のヴァイオリンケースの写真を見る限りでは、だらりと毛がたるんだ状態になっている弓は1本も無くて、全ての弓が、ある程度毛が張った状態になっています。

記事の情報によると、それらの弓はトルテやペカットなど貴重な名弓のようです。

一般の人が毛替えの際に、毛を短めにして下さい、と頼んでも、ここまで短くはしてくれませんので、ソリストの方々だけは、特別に短くしてもらっているということなのでしょうか?

一般的に、ヴァイオリンケースに弓をしまうときは、毛を緩めて弓に余計なテンション(負荷)がかからないようにするのが良い、と言われていることからすると、ソリストの弓の毛の張り具合は、弓に負荷がかかって良くないのではないかと心配になってしまいますが、それで、ソリストの貴重な名弓がへたったとか弓が折れた、ということは無いのでしょうから、弓というのは、意外と頑丈でたくましいと言えるのかも知れませんが・・・。
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月04日 16:52
投稿者:温玉(ID:NRCVU3k)
バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ全3曲をギドン・クレーメルが弾いているDVDの中のドキュメンタリー映像の中のクレーメルのヴァイオリンケースの中が見られるシーンを改めて見てみました。

クレーメルのヴァイオリンケースには、弓が4本入っています。その中で、一番、毛が緩く張られている弓でも、弓の中央で弓とサオが2~3ミリほど離れているように見えます。残る3本の弓のうち2本は、5~6ミリほど(サオの太さと同じくらい)離れているように見えます。残る1本は、なんと8~9ミリほど離れており、弓のカーブがほとんどなくて真っ直ぐに見えるほどです。いわゆるパンパンに張った状態と言って良いと思います。このパンパンに張った状態でケースに収められている弓は、金べっ甲で鯨のヒゲ巻きのかなり高そうな弓に見えます。
※このDVDは非常に画質が良いので、4本の弓がハッキリと見えます。毛の長さだけでなく、毛の量もわかりますが、毛の量は4本とも総じて多めのように見えます。


弦楽雑誌サラサーテのバックナンバーの愛器名鑑をさらに読み直したところ、イヴリー・ギトリスのヴァイオリンケースの中の写真がありました。
ギトリスのヴァイオリンケースには、弓が4本入っていますが、4本とも弓の中央で毛とサオが3~4ミリ離れています。

記事によるとギトリスの4本の弓の内訳は、ペカット、ヴィヨーム、ペルソワ、グルッター(新作)とのことです。


貴重で高価なオールドフレンチ弓を持つ世界的なソリストたちは、当然、彼らの右腕の延長とも言える弓のことは、とても大事にしていると思いますが、そうした彼らが、ヴァイオリンケースに弓をしまう際に、毛が張ったままの状態である、つまりサオに負荷がかかったままの状態である、ことを容認しているというのは、非常に不思議な感じがします。

また、彼ら一流ソリストの弓の毛替えやメンテナスを任されている一流の職人さんが、ネジを緩めても毛がある程度張った状態になるように毛を短くして毛替えをしている、ということに関しても、不思議に思います。

たとえ世界的なソリストから頼まれても、それが弓にとって「良くない」ことであれば、一流の職人さんは断るはずです。

だとすると、毛替えの際に、ソリストたちのように毛を短くするということは、弓にとって良くないことではない、ということになりますよね。

弾き心地、操作性、レスポンス、音色、音量などあらゆる点に関して妥協を許さない一流ソリストたちが、毛替えの際に、一般的に行なわれているよりもずっと毛を短くしてもらっている、ということは、毛を短くすることが、弾き心地、操作性、レスポンス、音色、音量などあらゆる点に関して何らかのメリットがあるということの表れだと思います。

弓の毛は短ければ短いほど操作性が良くて弾き易いということなら、ソリストよりも明らかに技量が拙い(道具の不備を演奏技術で補うことのできない)アマチュアにとっては、大いにメリットになるということになりますよね。


毛替えをする職人さんたちが、アマチュアに対しては、弓の毛は短過ぎない方が良い、と言っておきながら、ソリストの弓に対してだけは、「特別に」弓の毛をかなり短く毛替えする、というダブルスタンダード(2重の基準)で毛替えをしているのだとしたら、誠意に欠けると言わざるを得ませんよね。

ヴァイオリンの世界には、人前で一般論として言っていることと実際にその職人さんがやっていることが違う、といった矛盾が多く「はびこって」いるように思いますが、このスレッドで取り上げた「毛替えの際の毛の長さ(短さ)」のことも、まさにそういう矛盾の典型的な例だと思います。

お客さん(依頼者)がプロであれアマチュアであれ、大人であえ子どもであれ、誰に対しても、職人の皆様には、「一定の(一律の)」「合理的な」基準で、常に精度の高い作業(例えば、毛替え)を実施していただきたいものです。


職人の皆様(あるいは、弓に関して詳しい方)にお尋ねしたいと思いますが、このスレッドで取り上げた毛替え時の毛の長さ(短さ)に関して、ソリストと一般のアマチュアの間に差をつける「合理的な理由」があるのであれば、ぜひその理由をお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月05日 01:56
投稿者:まあまあ(ID:FSEWMpE)
8mmはともかく2~5mmくらいの間が緩めた状態であるのはよくあることです。
全ての弓が緩めてある状態で毛が弓の腹にあたるとか一定であるわけもなく
千差万別であることも頭にいれましょう。
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月05日 03:14
投稿者:温玉(ID:KTkmUBc)
まあまあ様。ご回答ありがとうございます。

>全ての弓が緩めてある状態で毛が弓の腹にあたるとか一定であるわけもなく千差万別である

については同感です。反りの浅い弓だと、ネジを完全に緩めても、弓の中央で毛とサオが全く触れず2~3ミリ離れたままである、ということは、あり得ることだと思いますし、実際、そういう弓を見かけることがあります。


>2~5mmくらいの間が緩めた状態であるのはよくあることです。

については、ネジを緩めたときの弓の中央での毛とサオの間隔が2~3ミリというのは、ギリギリ許容範囲かと思いますが、4~5ミリとなると、弓のサオに結構なテンションがかかることになると思います。長期間にわたってテンションがかかりっぱなしの状態が続いたら、演奏しなくても、弓がへたってしまうのではないかと心配になります。


今までにいくつかの工房や弦楽器専門店でヴァイオリン弓の毛替えをしてきましたが、特に毛の長さを指定しないで「お任せ」で毛替えをしてもらうと、ネジを完全に緩めたときの弓の中央での毛とサオの間隔が0~1ミリ程度になるように毛替えされました。

反りの強い弓や反りのあまり強くない弓など数本の弓を持ってますが、ネジを完全に緩めたときの弓の中央での毛とサオの間隔が、2ミリ以上になるような毛替えをされたことがないので、DVDでクレーメルのヴァイオリンケースの中に入っている4本の弓を見て、絶句するほど驚きました。


今もう一度クレーメルのDVDを見直して、クレーメルのヴァイオリンケースの弓の毛の状態を見ながら、どれくらい毛が張った状態なのか、自分の複数の弓でその状態を再現してみて、定規で毛の張り具合を測定してみました。

4本の中で、一番、毛が緩く張られている弓は、弓の中央で弓とサオが2~3ミリほど離れていると思われます。
残る3本の弓のうち2本は、6~7ミリほど(サオの太さと同じくらい)離れていると思われます。
残る1本は、9ミリほど(サオの太さよりもっと大きく)離れており、弓のカーブがほとんどなくて真っ直ぐに近い状態に見えます。かなりパンパンに張った状態と言って良いと思います。


オールドの名弓を複数所有しているソリストは、特定の弓だけを酷使すると弓がへたる(くたびれる)と言って、複数の弓を交代交代で使うそうですから、そういうことからすると、ヴァイオリンケースにしまうときは、毛を十分に緩ませてやって、サオにかかるテンションを減じてリラックスさせてやるのが良いということになるかと思います。

でも、実際のところ、クレーメル、ギトリス、ヤンセンなどの弓は、どう見ても、結構毛が張った状態のままでヴァイオリンケースに納められています。

空気が極端に乾燥する飛行機やホテルの中では、さらに毛が縮んで、もっと毛が張った状態になるかと思いますので、その場合は、演奏しているのと同じくらいのテンションが弓にかかり続けることになります。世界的なソリストは、飛行機やホテルの中で過ごす時間が結構長いと思いますので、弓にかかる負荷の問題は、見すごせない問題だと思います。

そういうリスクは、ソリストもそのソリストが毛替えを依頼している職人も、十分わかっているはずなのに、それでもなお、ソリストが毛替えの際にかなり毛を短めにしてもらっているのには、なにか合理的な理由があるのではないかと思います。

このあたりの事情をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教示下さい。よろしくお願いします。
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月05日 10:02
投稿者:カルボナーレ(ID:QVdUaHY)
最近このBBSも書き込みが少なく寂しいので、一度だけおつきあいします。

楽器ケース内の弓のホルダーは、弓の毛を完全に緩めた状態での収納を想定して設計されているのではない、と思います。
弓先側のホルダーも結局は弓の毛で弓を支えていますし、特にアジャスタ側の回転させる側のホルダーは弓の棹と毛の間に置かれ、棹と毛の距離とテンションで弓の上下の移動が規制されます。

従ってある程度のテンションがないと、弓がきちんとホールドされず、もしテンションがかからないほどだらんだらんに完全に緩めてしまうと、移動の際に弓が大きく暴れ、例えば弓同士がぶつかって物理的な破損につながる危険もあります。

従って、経験的に、演奏時の張った状態ではないが完全に緩めた状態ではない、弓をケースの中でホールドできるとその人が感じているテンションで収納するようになる、のだと思います。

(1)ソリストは弓の棹にテンションかけることを嫌い、完全に弓の毛を緩めるはず。
(2)その状態で収納されているはずの楽器ケースを見ると、数ミリ張った状態になっている。
(3)これは、完全に弓の毛を緩めた時に、数ミリ張った状態であることの証明である。

という仮説は、前提である(1)がまず違うので、成立しないと思います。
(1)は、”演奏時よりも緩めるが、楽器ケースの中で弓が保持できると本能的に感じている状態まで緩める。”
というのが、定常的にそのケースを持ち歩く人の普通の対応方法だと思います。

私はプロでもありませんし、そのような高級な弓を持っているわけではありませんが、持ち歩くことのない自宅の弓ケースや楽器ケースに弓を収納する場合は、十二分に緩め、一方普段持ち歩くケースに入れている弓(1つのケースに3~4本入っています)は、いったん完全に緩めた場合でも改めて少し張った状態までもっていって、きちんとケースの中でホールドするようにしています。ただしそれは意識的にやっているのではなく、経験的にそうしているのであって、理屈はあとからついてくるものです。
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月05日 12:06
投稿者:pochi(ID:KFYpcJE)
クレーメル・ギトリス・ヤンセンが堂鱈高鱈運鱈感鱈なんて他人の事なので関係ないでしょ。

現実的には弓を張ったままケースに入れても問題ありません。但し、条件があります。

飛行機の中は非常に乾燥しているので、弓が破壊される可能性も否定出来ません。職人によっては、弓は破壊される前にフロッグのところで毛が抜けてしまう位に爪を緩く張るんだそうです。飛行機の中で危ないなと思ったら、弓のスクリューを抜いている人もいます。

たとえば、アスペンのサマーキャンプに行くのならアソコは乾燥していますから弓の毛を短めに張ると緩める事が出来なくなります。信州でサマーキャンプなら弓の毛を短めにしないと弾けなくなる事もあるでしょう。「わて、アスペンに行きまんねん。毛替えしてもらえまへんやろか?」と云えば、職人は、飛行機にも乗るし乾燥しているから、、、、という理由で毛を長めに張るでしょう。

しばらく使うと弓の毛は伸びます。だからといって、短すぎる弓の毛はキライです。弓を緩めた時に少しだけテンションが掛かって毛がバラバラにならない位が私の理想です。

実は、ソリストは弓の毛を竿が直線になるほどパンパンに張って弾く人が多いのです。弓の強さが弱めの方が音が良いという傾向があるのに大音量を指向するからではないかと思います。通常の良くできた弓でオケバックのソロを弾かないならそんな必要はありません。
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月05日 21:06
投稿者:温玉(ID:EHgpNDM)
カルボナーレ様。ご回答ありがとうございます。

>ある程度のテンションがないと、弓がきちんとホールドされず、もしテンションがかからないほどだらんだらんに完全に緩めてしまうと、移動の際に弓が大きく暴れ、例えば弓同士がぶつかって物理的な破損につながる危険もあります。
従って、経験的に、演奏時の張った状態ではないが完全に緩めた状態ではない、弓をケースの中でホールドできるとその人が感じているテンションで収納するようになる、のだと思います。

というご意見は、全くの初耳だったので、興味深く読ませていただきました。

たしかに、毛がダラダラに伸びた状態で弓をヴァイオリンケースに納めたら、ヴァイオリンケースの中で弓が暴れて大変なことになる、というのは、説得力があると思います。

ただ、経験上、ネジを緩めたときに、「ヴァイオリンケースの中で弓が暴れてしまうくらい」毛がダラダラに伸びている場合、そもそも、いくらネジを巻いても演奏できる状態にならない(適正な張りが得られない)と思います。

弦楽雑誌サラサーテの愛器名鑑に掲載されていた数名のソリストたちのヴァイオリンケースの中を見た限りでは、フロッグが巻き皮に接しているか、接していないまでもフロッグと巻き皮が非常に近い状態にあることからすると、ヴァイオリンケースに弓を納める際には、きちんとネジを緩めているのは間違いないと思います。

カルボナーレさんがおっしゃるように、弓をヴァイオリンケースに納める際に、毛がダラダラにした状態にするのは良くないということには、私も全面的に賛成しますが、ソリストたちの弓が、ネジをきちんと緩めているのに、演奏時に近いくらい毛が張った状態になっているというのは、いくら何でも毛が短過ぎるのではないかと思います。

私がこのスレッドで問題にしているのは、ネジをきちんと緩めているにもかかわらず、ソリストたちの弓が弓の中央で毛とサオが5ミリとか6ミリという具合に、「かなり張った状態(演奏時に近い張り具合)」になっているということです。

ヴァイオリンケースの中で弓が暴れないようにする、というのであれば、弓の中央で毛とサオが1ミリとか2ミリ程度張っていれば十分過ぎるのであって(±0ミリでも毛には多少の張りはあります)、3ミリ以上張った状態というのは、張り過ぎ=毛が短か過ぎ、と言えると思います。


pochi様。ご回答ありがとうございます。

>現実的には弓を張ったままケースに入れても問題ありません。但し、条件があります。
飛行機の中は非常に乾燥しているので、弓が破壊される可能性も否定出来ません。職人によっては、弓は破壊される前にフロッグのところで毛が抜けてしまう位に爪を緩く張るんだそうです。飛行機の中で危ないなと思ったら、弓のスクリューを抜いている人もいます。

私にとっては、pochi様のご意見を拝見して、なるほどと思いました。pochi様のご意見を素直に読みますと、平常時に毛が短過ぎると、飛行機の中など特に乾燥した状況では、毛が収縮して弓に過大な負荷がかかってしまうので、弓にとって危険である、という結論が導けるかと思います。

クレーメルのヴァイオリンケースの中に入っていた6~7ミリ張った状態の2本の弓や9ミリ程張った状態の1本の弓を、飛行機やホテルの中に持っていったら、乾燥で毛が収縮して、さらに数ミリ毛が張って、弓にとって明らかに危険な状態になるのではないかと心配になります。

>弓を緩めた時に少しだけテンションが掛かって毛がバラバラにならない位が私の理想です。

とpochi様がおっしゃられているような状態が、私も、毛が長過ぎず短過ぎずのちょうど良い具合ではないかと思いますが、弦楽雑誌サラサーテのバックナンバーを読み直した限りでは、大半のヴァイオリニスト(ソリスト)の弓は、ネジを緩めているにもかかわらず、ある程度毛がピンと張った状態であり、pochi様がおっしゃっている理想と比べると、明らかに毛が短過ぎる状態です。


幸いにも3人の方々からご回答をいただくことができ感謝しておりますが、残念ながら、私としては、いまだ、心の底から納得できるご回答をいただくことができておりません。

物理的な意味での理想的な毛の状態(長さ・短さ)と、実際のソリストたちの弓の毛の状態(短過ぎる状態)に、これほど差がついていることについての「合理的な(納得の行く)理由」を、どなたか専門家の方や職人の方に教えていただきたいと思います。引き続きよろしくお願いします。
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月05日 22:12
投稿者:カルボナーレ(ID:QVdUaHY)
盲目的な思い込みはいけません。
ただ今、サラサーテの演奏家の楽器紹介のページを見てみました。結論としては、
>弦楽雑誌サラサーテのバックナンバーを読み直した限りでは、
>大半のヴァイオリニスト(ソリスト)の弓は、ネジを緩めているにもかかわらず、
>ある程度毛がピンと張った状態であり
ということはありませんでした。

ギトリス:
 毛を緩めているか張っているか、判断不能。
 2本はフロッグと皮巻きの間に、布のようなものを巻いており、緩めているかどうか判断できない。
 ケースを開けた時に上におさめている2本は、毛を上にして入れてあり、弓の重さで毛が引っ張られることでどれだけ棹との隙間があくかもよくわからない。
 一番上の一本だけは緩めた状態である程度張っているようには見える。

ヤンセン:
 4本全部の弓を、毛を上にして収納しているので、棹の重さで、毛をかなり緩めても毛と棹の間は自然に開く。
 また、フロッグと革張りの間隔は数ミリあいており、完全に緩めた状態ではない。
 湿度計の表示、なぜか38%。

エーネス:
 フロッグが皮巻きに当たっているので、この人は完全に緩めた状態で収納している。その状態で毛は完全に緩んだものもあれば、若干張られたものもある。

どれも、とくに特別な状態には見えません。
あれなら、収納時の私の張り方といい勝負です。
ヤンセンの例では、フロッグと皮巻きの距離と、張りの状態からみると、完全にフロッグと皮巻きをくっつけると、完全に緩む可能性もあります。

また、弓のアーチとフロッグの高さは弓によりかなりばらつくものであり、弓の棹に力がかからない状態での、弓の毛と棹の間隔も、弓によって異なりますので、その距離で弓の棹の張りや毛の張りの状態は判断できません。

それでは、ごきげんよう。
[43032]

Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月06日 01:01
投稿者:温玉(ID:IFeQWHA)
カルボナーレ様。
弦楽雑誌サラサーテのバックナンバーでソリストたちの弓の毛の状態を確認していただきまして、ありがとうございます。

>ヤンセン:
 4本全部の弓を、毛を上にして収納しているので、棹の重さで、毛をかなり緩めても毛と棹の間は自然に開く。

とのことですが、ヤンセンの4本の弓の毛は、ピンと直線に張った状態であり、サオの重さで毛とサオの間が開いているのとは、「根本的に」違います。よって、カルボナーレさんのご指摘は、全く的外れだと思います。実際にヤンセンがやっているように弓をヴァイオリンケースに納めてみれば、すぐにわかることです。弓の重さに影響されないくらい毛にテンションがかかっていて、一直線の状態が保たれていることが良くわかります。


一方、エーネスについては、多少毛がダラリとした状態であり、こういう状態でヴァイオリンケースに弓を納めていることに関しては、私は異論はありません。


>ヤンセンの例では、フロッグと皮巻きの距離と、張りの状態からみると、完全にフロッグと皮巻きをくっつけると、完全に緩む可能性もあります。

ヤンセンの弓は、弓の中央で毛とサオが3~4ミリ程度離れていますので、毛とフロッグと巻き皮がくっつく状態までネジを緩めても、ある程度毛が張った状態が保たれると思います。要するに、ネジを完全に緩めても、毛は一直線状態を保ち、弓の中央で毛とサオが1ミリ程度離れた状態が保たれるだろうと思います。

私は、実際にヤンセンと同じようにヴァイオリンケースに弓を入れて、写真と同じ角度から見て、毛の張り具合を色々調整してみて、上記のような数値を推測していますので、誤差はあまり無いと思います。

ヤンセンのヴァイオリンケースの一番上の段に入っている弓(黒檀フロッグの形状からフランソワ・トルテと思われる)については、毛の量が多めで、弓の中央でサオと毛が4~5ミリ程度離れており、かつ、フロッグは巻き皮にほぼ接している状態ですので、これ以上ネジを緩めても、毛は緩みません。
※写真からは演奏時に指板側に弓を傾けたときに弦に接する毛が1本だけ、元弓のところで、少しだけたるんできているのも確認できます。

ヤンセンのヴァイオリンケースの中に入っているデジタル温・湿度計が、湿度38%を表示していますが、飛行機の中やホテルの中であれば、デジタル温・湿度計が20~25%を表示することがありますので、もっと毛が収縮して毛の張りが増すことは、十分にあり得ることです。そのような低湿度の環境では、弓に過大な負荷がかかって、危険な状態になるのではないかと心配になります。

弦楽雑誌サラサーテVol.36をお持ちの方は、P35をご覧いただきたいと思います。

たいていのヴァイオリン愛好家の方であれば、「こんなに毛が張った状態のまま弓をヴァイオリンケースに納めて大丈夫なの?」と不思議に思われるのではないかと思います。

引き続き専門家の方のご意見を賜りたいと思いますので、よろしくお願いします。
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