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スチールA線について | ヴァイオリン掲示板

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楽器・付属品 5 Comments
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スチールA線について

投稿日時:2011年04月20日 08:03
投稿者:reo(ID:WZFIAg)
vnの弦の話題ですが、
オイドクサかオブリガートのスチールA線は中身はクロムコアと聞いたのですが、本当でしょうか。

また、オブリガートを愛用しているのですが、E線との調和を考えて、スチールAが気になっています。
オブリガートのナイロンAとスチールAは以下のようにかなりテンションが違いますが音量などに差はあるのでしょうか。(ワンダートーンのスチールAがナイロンと違いやわすぎて使い物にならなかったので心配です)

ナイロン
6.0kg sterk
5.6kg mittel
5.2kg weich

スチール
5.2kg sterk
5.0kg mittel
4.9kg weich

ナイロンのmittelと同じ弾き心地が良いのですが、スチールのsterkを張れば良いというものでもないのでしょうか?
【ご参考】
[43302]

Re: スチールA線について

投稿日時:2011年04月20日 17:19
投稿者:pochi(ID:KFYpcJE)
オブリガートにスティールのA線があるなんて知りませんでした。
ttp://www.pirastro.com/homeset.html
ここをみると、たしかに
E plain steel - A chromesteel: brilliant sound and long durability; chromesteel is not affected by perspiration
このようにありますね。

ナイロン等の人工素材の弦は、弾く瞬間に少し伸びますが、金属にはそれがほとんどありません。だから弾いた時の感じがまったく違います。

そんな事情で金属の場合、張力を少し低めにしているのだと思います。

弦は基本的に張って試してみる必要があると思います。

私は、オブリガートのシンセティックAは、同金メッキEとの相性は良いと思います。
[43307]

Re: スチールA線について

投稿日時:2011年04月24日 21:53
投稿者:reo(ID:GTMlWQQ)
pochi様ご回答有難う御座います。
弾く瞬間に伸びる度合いが発音に影響するのでしょうか。
しかし、ガット弦は発音が良いように感じますので不思議です。

データから推測は出来ますが、試さないと分からないのが弦の困ったところですね。
取り寄せてみますので、需要があるかは分かりませんがまた報告致します。
[43312]

Re: スチールA線について

投稿日時:2011年04月28日 23:30
投稿者:reo(ID:UYUZhIA)
オブリガートのスチールAを試してみました。
DGは同弦で、Eはゴールドブラカットの0.27です。 

スチール弦なので細い点は普通ですが、ナイロン弦と同じように伸び、
チューニングもペグのみで可能です。完全なスチールコアではないのでしょう。
弦の概観は少し特殊でタッチが少しざらつきます。
弓圧に対するキャパシティは高く、振幅が少ないので弦の振動に気を使わずに演奏することが出来ますね。
しかし、ナイロンAの方が自然に楽器を鳴らすことが出来ました。
発音もナイロンの方が良好です。

皆様が試す程ではないと思われますが、板が厚めでアーチの低い楽器に合うかもしれません。
[43313]

Re: スチールA線について

投稿日時:2011年04月29日 06:49
投稿者:pochi(ID:KFYpcJE)
発音に関してなのですが、ゆっくりしたパッセイジなら、弦の伸びが適度にある方が発音しやすいと感じます。ところが、速いパッセイジだと弦の伸びは邪魔です。ゴムの様に伸びる弦を使った時の事を考えれば自明でしょう。

発音の良し悪しが問題になるのは、ゆっくりしたパッセイジではなく、速いパッセイジです。だから、一般には金属弦の方が発音がよいと言われています。

ガット弦と金属弦では弾き方が違うと思います。オブリガートは、ナイロンとは言わず、複合素材と言っています。ガット弦の弾き味を目指した弦という感じです。音色や、その幅という観点では、ガット弦とは異質です。

この掲示板では、札幌の克彦氏がさかんにヘリコアを勧めていました。
ttp://www.fstrings.com/board/index.asp?aorder=desc&id=214&t=2002
ヘリコアは音色の幅を出し難いのですが、金属とは思えないほど柔らかくて指に優しく、鳴りが良く、安定していて、オーケストラで弾く時には非常に良いと思いました。しかも、金属弦に有り勝ちな「側鳴り」で耳に厳しいという事もなく、どちらかというと「遠鳴り」する弦です。私はヘリコアはキライですが、値段も安めなので、一度、試してみたら如何でしょうか?ヴィオラでは特に評価が高い様です。
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Re: スチールA線について

投稿日時:2011年04月29日 20:40
投稿者:HWE(ID:ExBQRQk)
バイオリンのA線をスチール弦にしているプロ奏者を時々見かけますね。ロシアとか東欧のヴァイオリニストに、そういう奏者が多いように思います。

以下にスチールA線の使用感を述べます。

ヤーガーのA線は、楽器との相性によっては、若干音が硬く感じられる場合もあると思いますが、音色も音量もそこそこ良いレベルだと思います。

スピロコアのA線は、音の線が細くて貧弱な感じがします。A線がうるさすぎる楽器に張るのであれば良いかも知れませんが、たいていは、やや非力に感じられる場合が多いでしょう。

クロムコアのA線は、音色が単調でパワーも不足しているように感じます。

フレクソコアパーマネントのA線は、スチール弦の割りに音が柔らかくレスポンスが俊敏で弾き易い弦です。ナイロン弦やガット弦と組み合わせて使っても違和感が非常に少ない秀逸なスチールA線だと思います。


色々なスチールA線を試してもうまく行かない場合は、現代最高の名手の1人であるイリヤ・グリンゴルツ氏のように、A線のみプレーンガットを張るという手もあります。

グリンゴルツ氏が、ヴァイオリンのエチュードとしては最高難度とも言えるエルンストの「6つの多声的練習曲」を演奏するのを聴いたことがあります。

グリンゴルツ氏は、D線、G線にはオリーヴ(最近はパッシオーネに替えた模様)、A線にはプレーンガット、E線にはスチール弦を張っていましたが、低音から高音まで全くストレス無く楽器が鳴りきっていました。

エルンストの6つのエチュードは、技巧的に難し過ぎるだけでなく、ヴァイオリンという楽器の性能を極限まで要求する過酷な曲なので、弦の選択に関して少しでも不備や弱点があると、演奏困難というよりは、むしろ演奏不能となってしまいます。

A線に何を張ったら良いか、というのは、ヴァイオリン弾きにとっては、尽きせぬ悩みの種の1つですが、解決するには、いろいろと張り替える、つまり試行錯誤しながら探す、しか方法はないと思います。