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ヴァイオリン弦メーカーへの相談 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 16 Comments
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ヴァイオリン弦メーカーへの相談

投稿日時:2011年05月15日 02:36
投稿者:ネギトロ(ID:FwUDeTY)
海外のヴァイオリン弦メーカーに次のような相談をしてみました。
「私はヴァイオリンにガット弦を張っています。日本の夏は高温多湿ですが、私はガット弦の音が好きなので、1年中、ガット弦を張っています。
東南アジアには日本よりも、もっと高温多湿な地域があります。また、高温多湿な地域で演奏する際は、高温多湿ゆえに手により多くの汗をかきます。
そういう非常に高温多湿な地域での演奏にも余裕をもって対応できる、チューニングが狂いにくいガット弦があれば非常に助かるので、防湿・防水(耐湿・耐水)性能をより一層高めたチューニングの狂いにくいガット弦を作っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか?」

ダメもとで相談してみたのですが、あるヴァイオリン弦メーカーから前向きな回答をいただくことができました。
「耐水性・耐湿性を高めたために、音や弾き心地などの面で何らかのデメリットが生じる可能性があるが、それでも良ければ、作ってみるよ。お客さんの、こういう弦が欲しい、という希望に応えるためにチャレンジするのは、やりがいがある。お客さんにとっての喜びは、我々にとっても喜びである。まずは1セット作ってみるので、試してみて欲しい。後日感想を送って欲しい。」とのこと。

どんな弦が届くのか楽しみです。これからの梅雨の時期を楽々と乗り切れる弦であることを祈ってます。
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【ご参考】
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Re: ヴァイオリン弦メーカーへの相談

投稿日時:2011年05月16日 01:59
投稿者:カーネル・サンダース(ID:GTVVVWU)
メーカーがすぐに動いてくれるなんて、すごいですね!

もしかしたら幾つかのの試作を経て、商品化されるかもしれませんね。
ロマンのある話だなー。

ネーミングは、「Asia」とか「Japan」とか「Moisture」とか??

是非、感想を聞かせてください。
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Re: ヴァイオリン弦メーカーへの相談

投稿日時:2011年05月16日 07:56
投稿者:ネギトロ(ID:FwUDeTY)
相談したらすぐに弦メーカーが動いてくれた、というよりは、何度かの対話を重ねる中で、弦メーカーが、日本の梅雨の時期や夏の「高い湿度がずっと続く状態」について理解してくれて、でも、そういう多湿な気候にもかかわらず、ガット弦の音が好きで離れられない日本人のヴァイオリン奏者がいる、ということを理解してくれた、という感じです。

日本の多湿期の気温や湿度のデータを提供したり、日本人は元々欧米人よりも汗腺(汗が出る腺)の数が多く、高温多湿な気候も相まって結果的に日本人は汗をかきやすい、だから、日本の高温多湿期に日本人がガット弦を張ったヴァイオリンを弾くとチューニングが頻繁に狂って困っている、という具合に、具体的に情報を提供したことが功を奏したと思います。

さらに、東南アジアには、日本よりももっと高温多湿な地域があるということを強調したのも、功を奏したのではないかと思います。

高温多湿な時期でもガット弦の音を楽しみたい、という私の熱い思いを受け止めて耐湿性を高めたガット弦の試作をご快諾くださって弦メーカーの方には、とても感謝しています。

これから高温多湿な時期を迎えますので、いろいろなシチュエーションで耐水性・耐湿性をテストしてみようと思います。
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Re: ヴァイオリン弦メーカーへの相談

投稿日時:2011年06月08日 08:54
投稿者:いかなご(ID:ZxSGUlA)
アマチュアヴィオラ弾きですが、季節にかかわらずオイドクサを張っています。
高音多湿の条件下が前提ではありますが、照明の熱についても言及されていらっしゃるでしょうか?
私はステージ上でのゲネプロやリハーサルで切れたりチューニングが狂いまくるのが一番困っているのでそのあたりも言及していただけたらと思います。
よい弦が生まれるといいですね。

ただ、
>音や弾き心地などの面で何らかのデメリットが生じる可能性があるが
って…。その辺りは一番頑張って貰いたいところですよね。
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Re: ヴァイオリン弦メーカーへの相談

投稿日時:2011年06月09日 00:25
投稿者:ネギトロ(ID:FwUDeTY)
オイドクサとかオリーヴといったガット弦の音や弾き心地が大好きな方は、高温多湿期はガット弦での演奏には困難が伴うことを知りつつも、ガット弦からけして離れられない、というケースが多いと思います。私もそういうガット大好き人間の1人です。
気温や湿度の問題だけでなく、ステージ上では照明の熱の問題もあることは理解していますが、まずは、防水性(耐水性)を大幅に高めたガット弦を作ってもらって試してみようと思っています。
ガット弦の防水性(耐水性)を大幅にアップさせたら、ガット弦は湿度や汗の影響を受けにくくなると思いすが、その副次的な効果として、ガット弦が、照明の熱の影響も受けにくくなるのではないかと思います。
防水性(耐水性)を大幅に高めることによって、ガット弦の音色、音量、レスポンスなどが多少損なわれる可能性がありますが、湿度や汗の影響によって、誰が聞いても明らかなぐらいハッキリとピッチが狂ってしまうというデメリットが解消できるのであれば、トータルとしてはメリットが大きいと言えるのではないかと思います。
湿度や汗の影響で開放弦のピッチが狂ってしまった場合は、演奏を中断してチューニングし直すしかないわけですが、本番ではそういうわけには行きませんので、湿度や汗の影響を受けにくいガット弦があれば大変重宝すると思います。
これから数ヶ月は気温も湿度も高い天候が続きますので、色々なシチュエーションで、防水性(耐水性)を大幅に高めたガット弦が、気温、湿度、汗、照明の熱による影響をどの程度受けにくくなるのか判定して行きたいと思います。
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Re: ヴァイオリン弦メーカーへの相談

投稿日時:2011年06月09日 14:44
投稿者:いかなご(ID:ZxSGUlA)
丁寧な説明をありがとうございます。
まずは耐水性(?)とのことよくわかりました。
経過報告よろしくおねがいします。
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Re: ヴァイオリン弦メーカーへの相談

投稿日時:2011年06月11日 23:06
投稿者:ネギトロ(ID:FwUDeTY)
耐水性を通常品の約2倍に高めたガット弦の試作品が届いたので試してみました。
ガットの繊維を、湿度、水分、汗などから守る防水コーティングを約2倍の厚みにしてあるのですが、弦メーカーによると、通常品と比べた弦の太さの違いは、「機械で測定できないほど小さい」とのことです。
日当たりが良くてエアコンも良く効いている湿度47%程度の部屋で調弦してしばらく演奏した後、たくさん洗濯物を干していて湿気っている湿度65%程度の部屋に移動してしばらく演奏してみたのですが、ほんの少しだけピッチが下がったものの、耐え難いほど(演奏不能なほど)ピッチが下がるということはありませんでした。
湿度65%程度の部屋でしばらく弾いていると、手にも顔にも、じとっ~と汗をかいてしまいましたが、それでも、ピッチの下がり具合は、それほど大きくありませんでした。
これぐらい湿度差があると、ドミンナントのようなナイロン弦でさえ多少ピッチが下がりますので、耐水性を約2倍に高めたガット弦は、ナイロン弦を越えるとまでは行かないまでも、ナイロン弦とほぼ同等のピッチの安定性があると言えるのではないかと思います。
耐水性を約2倍に高めたガット弦の音に関しては、私が弾いた限りでは、デメリットは特に感じられず、ピッチが安定しているというメリットだけが強く感じられました。
早速、弦メーカーに、今回試した結果についてのレポートを送って、次は、耐水性を約3倍に高めたガット弦を作ってくれるように依頼したところ、ご快諾いただくことができました。
3週間ぐらいで届く予定なのですが、非常に楽しみですし、性能的にもかなり期待できると思います。
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Re: ヴァイオリン弦メーカーへの相談

投稿日時:2011年06月12日 19:07
投稿者:カーネル・サンダース(ID:GTVVVWU)
レポートありがとうございました。

試作品が届くのが早かったですね!

ピッチが改善された上、音質に遜色がないって魅力的です。
これで値段も変わらずなら、なお魅力的です。

耐水性3倍のレポートも楽しみにしています。
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Re: ヴァイオリン弦メーカーへの相談

投稿日時:2011年06月13日 00:51
投稿者:ネギトロ(ID:FwUDeTY)
湿度や汗の影響で調弦が狂う(ピッチが狂う)と、弾き手だけでなく、「聴き手にも」、その狂いがすぐにわかります。特に、バッハの無伴奏のような和音の多い曲だと、ちょっとしたピッチの狂いでも大きく目立ってしまいます。
高温多湿な環境で手に汗をかきながら演奏すると、ガット弦は、誰の耳にも明らかなほどピッチが低下してしまうので、こまめに調弦し直す必要がありますが、1つの楽章が長い曲で、かつ、途中で調弦し直すことができるような休みの部分が無いような曲だと、調弦が大きく狂ったまま弾き続けなければなりませんが、これは、どんなに上手な弾き手にとっても極めて困難なことです。

一方、耐水性を約2倍に高めたガット弦は、極めて耳の良い「弾き手」であれば、音色や音量やレスポンスのごくわすかな低下を感じるかも知れませんが、どんなに耳の良い「聴き手」にも、そうしたごくわずかな差を感じることは不可能だと思います。

耐水性を約2倍に高めたガット弦は、通常のガット弦に比べて明らかに、湿度の変化や汗に強いことがわかりましたので、ガット弦の耐水性をさらに高めれば、湿度が大きく変化したり多量に手に汗をかいても、ほとんどピッチが狂わないようになるのではないかと期待しているところです。

6~8月は、高温多湿な環境とエアコンの良く効いた環境とを行き来する機会が多いので、色々なシチュエーションで、耐水性を約3倍に高めたガット弦をテストしてみようと思っています。
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Re: ヴァイオリン弦メーカーへの相談

投稿日時:2011年07月04日 21:10
投稿者:ネギトロ(ID:FwUDeTY)
耐水性を約3倍に高めたガット弦が届いたので張ってみました。じめじめした日が続いているので、耐水性を試すには最適なシーズンです。
湿度の高い部屋(場所)から湿度の低い部屋(場所)へ、あるいは、その逆、という形でテストしてますが、やはり、耐水性が高まると、演奏中にピッチが狂いにくくなるのは確かです。
耐水性を約3倍に高めたガット弦は、ナイロン弦と同程度のピッチの安定性があると言えるのではないかと思います。
耐水性を高めたことによるデメリットとしては、音やレスポンスへの悪影響が考えられますが、私自身は、特にそうしたデメリットを感じていません。
次は、耐水性を約5倍に高めたガット弦を作ってもらおうと思っています。次こそは、ナイロン弦の安定性を越えることができるかも知れないと期待しているところです。
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