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ヴァイオリン弦のテンションについて考える
投稿日時:2011年05月21日 18:46
投稿者:帆立(ID:FwUDeTY)
ヴァイオリン弦の理想的なテンション、4本の弦のテンションの「バランス」について考えてみたいと思います。
現代のヴァイオリン(バロックヴァイオリンではない、現代ののE:A:D:Gのテンンション比は、弦のブランドによって異なりますが、おおむね以下のようなテンション比となっています。
① E:A:D:G=8.0:5.5:4.5:4.5
もっと大きな音量、パワフルな音が欲しい、という人は、各弦のテンションを上げて、以下の②のようなテンション比にする場合があります。
② E:A:D:G=9.0:6.0:5.0:5.0
各弦のテンションを上げると、弾いている本人の耳には音量が大きくなった感じがするのですが、離れたところで聴く人(聴衆)の耳には、音量が大きくなった感じがしなくて、むしろ、音の伸びやかさが失われた苦しい音になったように感じられる場合があります。
弦のテンションを上げると、演奏者が弦の反発力を押さえ込もうとして力む(りきむ)傾向があるため、伸びを欠いた苦しい音になってしまうのです。
そこで、弾いている本人ではなく、聴衆にとって、より大きな音に感じられ、より伸びのある音に感じられるようにするには、弦のテンションをどうすれば良いのでしょうか?
それは、各弦のテンションを下げる、という方法です。
③ E:A:D:G=7.0:5.0:4.0:4.0
現在市販されている弦の中には、テンションが低めで上記③のようなテンション比の弦がいくつかあります。ゲージ(太さ)を選択できる弦の場合、一番細いゲージを組み合わせると、上記③のようなテンション比になる場合が多いです。
今までと同じ弾き方をすると、音が潰れてしまうので、右手をもっとリラックスさせて弾いてやると、演奏者の耳もとでは、それほどうるさく聴こえないのに、遠くまで良くとおる伸びのある音が出せるようになります。
弦のテンションを下げることによって、ヴァイオリンの表板がより自由に振動できるようになるので、結果的に伸びのある音が出せるようになるというわけです。
①のような標準的なテンションの弦から②のようなハイテンションの弦に替えたのに、聴衆に聴こえる音量が大きくならない、という場合は、思い切って③のようにローテンションの弦に替えてみると、良い結果がでる場合がありますので、試してみて下さい。
現代のヴァイオリン(バロックヴァイオリンではない、現代ののE:A:D:Gのテンンション比は、弦のブランドによって異なりますが、おおむね以下のようなテンション比となっています。
① E:A:D:G=8.0:5.5:4.5:4.5
もっと大きな音量、パワフルな音が欲しい、という人は、各弦のテンションを上げて、以下の②のようなテンション比にする場合があります。
② E:A:D:G=9.0:6.0:5.0:5.0
各弦のテンションを上げると、弾いている本人の耳には音量が大きくなった感じがするのですが、離れたところで聴く人(聴衆)の耳には、音量が大きくなった感じがしなくて、むしろ、音の伸びやかさが失われた苦しい音になったように感じられる場合があります。
弦のテンションを上げると、演奏者が弦の反発力を押さえ込もうとして力む(りきむ)傾向があるため、伸びを欠いた苦しい音になってしまうのです。
そこで、弾いている本人ではなく、聴衆にとって、より大きな音に感じられ、より伸びのある音に感じられるようにするには、弦のテンションをどうすれば良いのでしょうか?
それは、各弦のテンションを下げる、という方法です。
③ E:A:D:G=7.0:5.0:4.0:4.0
現在市販されている弦の中には、テンションが低めで上記③のようなテンション比の弦がいくつかあります。ゲージ(太さ)を選択できる弦の場合、一番細いゲージを組み合わせると、上記③のようなテンション比になる場合が多いです。
今までと同じ弾き方をすると、音が潰れてしまうので、右手をもっとリラックスさせて弾いてやると、演奏者の耳もとでは、それほどうるさく聴こえないのに、遠くまで良くとおる伸びのある音が出せるようになります。
弦のテンションを下げることによって、ヴァイオリンの表板がより自由に振動できるようになるので、結果的に伸びのある音が出せるようになるというわけです。
①のような標準的なテンションの弦から②のようなハイテンションの弦に替えたのに、聴衆に聴こえる音量が大きくならない、という場合は、思い切って③のようにローテンションの弦に替えてみると、良い結果がでる場合がありますので、試してみて下さい。
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【ご参考】
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Re: ヴァイオリン弦のテンションについて考える
投稿日時:2011年05月26日 02:06
投稿者:帆立(ID:FwUDeTY)
今回は、前回書いた③よりもテンションを下げるとどうなるかを考察します。
④ E:A:D:G=6.0:4.0:3.0:3.0
今までと同じ弾き方をすると、音が潰れてしまいますので、右手をさらにリラックスさせて弾いてやる必要がありますが、演奏者の耳もとでは、それほどうるさく聴こえないのに、遠くまで良くとおる伸びのある音が出せるようになります。
④のレベルまで弦のテンションを下げると、明らかに音量が小さくなってしまう場合がありますが、その場合は、そのヴァイオリンにとってはテンションが低過ぎるということになりますので、多少テンションを上げてやる必要があります。
④のレベルまでテンションを下げても、音量が小さくならない場合は、音の伸びやかさ、残響の豊かさ、和音の弾きやすさ、レスポンスの良さ、左手で弦を押さえるのが楽になること、など低テンションのメリットの面を強く実感できると思います。
次に、④において、E線のテンションだけを標準的なテンションに戻した場合について考察します
④’ E:A:D:G=7.0:4.0:3.0:3.0
④においてE線だけが非力に感じられる場合は、A・D・G線のテンションは変えずに、E線だけを標準的なテンションに戻すという方法が有効です。
E線とA線の2重音を弾いたときに、E線の音がよりハッキリと聞こえるようにしたい場合は、④’のようなテンション比にするとうまく行く場合が多いです。
では、④や④’において、D線のテンションを少し高くするとどうなるか考察します。
⑤ E:A:D:G=6.0:4.0:3.5:3.0
⑤’ E:A:D:G=7.0:4.0:3.5:3.0
⑤も⑤’も、D線のテンションを上げることによって、D線の音量が多少増す場合がありますが、D線のテンション=G線のテンションにする④や④’と比べると、4本の弦の音量バランスや音の調和の具合を崩してしまう場合が多いように思います。
D線のテンションとG線のテンションは、完全に同じである必要はありませんが、テンションのバランスが、明らかにD線>G線だったり、G線>D線だったりすると、4弦全体での音量バランスを崩してしまう場合が多いように思います。
4弦の音量のバランス、音の大きさ、については、演奏者の耳元で聴く音だけで見極めるのは難しいので、少なくとも5~10メートル離れた人に聴いてもらって、そうした感想をフィードバックしながら、弦のテンションを上げ下げしていくと、演奏者の単なる自己満足ではない、聴き手にとって「良い結果(良い音響)」が得られます。
弦の低テンション化によって、良い結果が得られるかどうかは、楽器の特性や演奏者の弾き方などの要素も絡んできますので、まずは上記の④や④’のようなパターンを試してみて下さい。
④ E:A:D:G=6.0:4.0:3.0:3.0
今までと同じ弾き方をすると、音が潰れてしまいますので、右手をさらにリラックスさせて弾いてやる必要がありますが、演奏者の耳もとでは、それほどうるさく聴こえないのに、遠くまで良くとおる伸びのある音が出せるようになります。
④のレベルまで弦のテンションを下げると、明らかに音量が小さくなってしまう場合がありますが、その場合は、そのヴァイオリンにとってはテンションが低過ぎるということになりますので、多少テンションを上げてやる必要があります。
④のレベルまでテンションを下げても、音量が小さくならない場合は、音の伸びやかさ、残響の豊かさ、和音の弾きやすさ、レスポンスの良さ、左手で弦を押さえるのが楽になること、など低テンションのメリットの面を強く実感できると思います。
次に、④において、E線のテンションだけを標準的なテンションに戻した場合について考察します
④’ E:A:D:G=7.0:4.0:3.0:3.0
④においてE線だけが非力に感じられる場合は、A・D・G線のテンションは変えずに、E線だけを標準的なテンションに戻すという方法が有効です。
E線とA線の2重音を弾いたときに、E線の音がよりハッキリと聞こえるようにしたい場合は、④’のようなテンション比にするとうまく行く場合が多いです。
では、④や④’において、D線のテンションを少し高くするとどうなるか考察します。
⑤ E:A:D:G=6.0:4.0:3.5:3.0
⑤’ E:A:D:G=7.0:4.0:3.5:3.0
⑤も⑤’も、D線のテンションを上げることによって、D線の音量が多少増す場合がありますが、D線のテンション=G線のテンションにする④や④’と比べると、4本の弦の音量バランスや音の調和の具合を崩してしまう場合が多いように思います。
D線のテンションとG線のテンションは、完全に同じである必要はありませんが、テンションのバランスが、明らかにD線>G線だったり、G線>D線だったりすると、4弦全体での音量バランスを崩してしまう場合が多いように思います。
4弦の音量のバランス、音の大きさ、については、演奏者の耳元で聴く音だけで見極めるのは難しいので、少なくとも5~10メートル離れた人に聴いてもらって、そうした感想をフィードバックしながら、弦のテンションを上げ下げしていくと、演奏者の単なる自己満足ではない、聴き手にとって「良い結果(良い音響)」が得られます。
弦の低テンション化によって、良い結果が得られるかどうかは、楽器の特性や演奏者の弾き方などの要素も絡んできますので、まずは上記の④や④’のようなパターンを試してみて下さい。
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Re: ヴァイオリン弦のテンションについて考える
投稿日時:2011年05月26日 02:19
投稿者:通りすがり(ID:OGIWNkE)
テンションを下げるとは全く意味不明です、卓上論。
テンションが低いということは、弦に張りがないということ。特にG線などの場合、発音がはっきりしなくなり実用的ではありません。音も細くなります。
>ヴァイオリンの表板がより自由に振動できるようになるので、結果的に伸びのある音が出せるようになるというわけです
本当のヴァイオリンの音は裏板からです。如何に裏板を鳴せるかどうかで音色、音量が変わってきます。
>弦のテンションを上げると、演奏者が弦の反発力を押さえ込もうとして力む(りきむ)傾向があるため、伸びを欠いた苦しい音になってしまうのです。
もう答えが書いてあります。要するにいい音で鳴らすのは技術。反発力の強い弦で力むことなく演奏できるようになるのがテクニック。
やわらかい音=伸びのある音ではありませんよ。ふにゃふにゃ弾くだけのはオナニープレー。
テンションが低いということは、弦に張りがないということ。特にG線などの場合、発音がはっきりしなくなり実用的ではありません。音も細くなります。
>ヴァイオリンの表板がより自由に振動できるようになるので、結果的に伸びのある音が出せるようになるというわけです
本当のヴァイオリンの音は裏板からです。如何に裏板を鳴せるかどうかで音色、音量が変わってきます。
>弦のテンションを上げると、演奏者が弦の反発力を押さえ込もうとして力む(りきむ)傾向があるため、伸びを欠いた苦しい音になってしまうのです。
もう答えが書いてあります。要するにいい音で鳴らすのは技術。反発力の強い弦で力むことなく演奏できるようになるのがテクニック。
やわらかい音=伸びのある音ではありませんよ。ふにゃふにゃ弾くだけのはオナニープレー。
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Re: ヴァイオリン弦のテンションについて考える
投稿日時:2011年05月26日 12:36
投稿者:帆立(ID:FwUDeTY)
通りすがりさんへ。
>テンションを下げるとは全く意味不明です、卓上論。
とのことですが、私は、弦メーカーの協力を得て、色々なヴァイオリンで何十種類もの組み合わせを試した結果を書いていますので、卓上論ではありません。
>テンションが低いということは、弦に張りがないということ。特にG線などの場合、発音がはっきりしなくなり実用的ではありません。音も細くなります。
弦をローテンション化すると意っても、適度な「張り」が得られる範囲でテンションを下げるのであって、ユルユル・フニャフニャになるほど弦のテンションを下げるわけではありません。
市販されているヴァイオリン弦の中で、ローテンションなものを張ってみればすぐにわかることですが、標準よりもテンションが低いことは明らかですが、けしてユルユル・フニャフニャなわけではなく、適度な張りがあります。
アーチが低い(ローアーチの)ヴァイオリン、板が標準よりも厚いヴァイオリン、重量が重いヴァイオリンについては、弦のテンションを標準よりも下げる(ローテンション化する)と、鳴りが悪くなる(音量が減少したり音が痩せたりする)ことがありますが、アーチが標準的な(ミディアムアーチの)ヴァイオリンやアーチが高い(ハイアーチ)のヴァイオリンでは、弦のテンションを下げることによって、鳴りが良くなる場合があります。
弦をローテンション化するというのは、弦を細くすることになります。一般的に、弦を細くすると、次のような音が出る傾向があります。
・音色が明るくなる
・音の透明感が増す
・レスポンスが良くなる
・サスティーン(残響)が増す
このため、適度な張り(ヴァイオリンを鳴らすのに必要な十分な張り)が得られる範囲で弦を細くしてローテンション化すると、明るくクリアで伸びのある音が得られます。
>反発力の強い弦で力むことなく演奏できるようになるのがテクニック。
とのことですが、「反発力の弱い弦(ローテンションの弦)でも力むことなく演奏できるようになるのもテクニック」と言えます。
19世紀後半から20世紀前半生まれの名ヴァイオリニストたち(クライスラー、エルマン、ハイフェッツ、ミルシテインなど)は、現代において標準テンションとされるテンションよりも、「テンションが低い弦」を張って、それぞれが個性的な素晴らしい音を出していました。
弦のテンションを高くし過ぎた場合のデメリットは色々ありますが、そうしたデメリットの中で特に強調しておきたいのは、弦のテンションを高くすればするほど、ヴァイオリンそのものの個性(楽器の個性)や演奏者の個性が発揮できる余地が減って、音色や音楽表現が単一化・平板化する傾向があるということです。
現在張っている弦に不満がある方は、弦の銘柄を変えるだけでなく、弦のテンションを下げてみる(細いゲージを試してみる)ことによって、良い結果が得られる場合がありますので、ぜひ試してみて下さい。
>テンションを下げるとは全く意味不明です、卓上論。
とのことですが、私は、弦メーカーの協力を得て、色々なヴァイオリンで何十種類もの組み合わせを試した結果を書いていますので、卓上論ではありません。
>テンションが低いということは、弦に張りがないということ。特にG線などの場合、発音がはっきりしなくなり実用的ではありません。音も細くなります。
弦をローテンション化すると意っても、適度な「張り」が得られる範囲でテンションを下げるのであって、ユルユル・フニャフニャになるほど弦のテンションを下げるわけではありません。
市販されているヴァイオリン弦の中で、ローテンションなものを張ってみればすぐにわかることですが、標準よりもテンションが低いことは明らかですが、けしてユルユル・フニャフニャなわけではなく、適度な張りがあります。
アーチが低い(ローアーチの)ヴァイオリン、板が標準よりも厚いヴァイオリン、重量が重いヴァイオリンについては、弦のテンションを標準よりも下げる(ローテンション化する)と、鳴りが悪くなる(音量が減少したり音が痩せたりする)ことがありますが、アーチが標準的な(ミディアムアーチの)ヴァイオリンやアーチが高い(ハイアーチ)のヴァイオリンでは、弦のテンションを下げることによって、鳴りが良くなる場合があります。
弦をローテンション化するというのは、弦を細くすることになります。一般的に、弦を細くすると、次のような音が出る傾向があります。
・音色が明るくなる
・音の透明感が増す
・レスポンスが良くなる
・サスティーン(残響)が増す
このため、適度な張り(ヴァイオリンを鳴らすのに必要な十分な張り)が得られる範囲で弦を細くしてローテンション化すると、明るくクリアで伸びのある音が得られます。
>反発力の強い弦で力むことなく演奏できるようになるのがテクニック。
とのことですが、「反発力の弱い弦(ローテンションの弦)でも力むことなく演奏できるようになるのもテクニック」と言えます。
19世紀後半から20世紀前半生まれの名ヴァイオリニストたち(クライスラー、エルマン、ハイフェッツ、ミルシテインなど)は、現代において標準テンションとされるテンションよりも、「テンションが低い弦」を張って、それぞれが個性的な素晴らしい音を出していました。
弦のテンションを高くし過ぎた場合のデメリットは色々ありますが、そうしたデメリットの中で特に強調しておきたいのは、弦のテンションを高くすればするほど、ヴァイオリンそのものの個性(楽器の個性)や演奏者の個性が発揮できる余地が減って、音色や音楽表現が単一化・平板化する傾向があるということです。
現在張っている弦に不満がある方は、弦の銘柄を変えるだけでなく、弦のテンションを下げてみる(細いゲージを試してみる)ことによって、良い結果が得られる場合がありますので、ぜひ試してみて下さい。
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Re: ヴァイオリン弦のテンションについて考える
投稿日時:2011年06月09日 22:02
投稿者:帆立(ID:FwUDeTY)
ヴァイオリン弦のテンション比に関しては、以前の書き込みで、ヴァイオリンの鳴りを良くするには、
④’ E:A:D:G=7.0:4.0:3.0:3.0
という比率が良いということを書きました。
この数値は、あくまでもイメージですので、実際には、
④’’E:A:D:G=7.1:4.3:3.2:3.0
というようなテンション比の方が、鳴りが良くなるということもあり得ます。
ポイントとしては、D=Gを基本としつつも、少しだけD線のテンションを強くしてD>Gとするのもアリということです。
別な表現の仕方をするとすれば、4本の弦のテンション比は
E>>>A>>D>G
という式で表現できます。
EとAのテンションは大きく違うものの、AとDのテンションの違いはEとAの違いよりも小さく、DとGのテンションの違いはAとDのテンションの違いよりもさらに小さい、という具合です。
こうした基本を念頭に置いた上で、4本の弦をそれぞれローテンション化していくと、ミディアムテンションの音量を維持したまま、ローテンション化することが可能となります。
④’ E:A:D:G=7.0:4.0:3.0:3.0
という比率が良いということを書きました。
この数値は、あくまでもイメージですので、実際には、
④’’E:A:D:G=7.1:4.3:3.2:3.0
というようなテンション比の方が、鳴りが良くなるということもあり得ます。
ポイントとしては、D=Gを基本としつつも、少しだけD線のテンションを強くしてD>Gとするのもアリということです。
別な表現の仕方をするとすれば、4本の弦のテンション比は
E>>>A>>D>G
という式で表現できます。
EとAのテンションは大きく違うものの、AとDのテンションの違いはEとAの違いよりも小さく、DとGのテンションの違いはAとDのテンションの違いよりもさらに小さい、という具合です。
こうした基本を念頭に置いた上で、4本の弦をそれぞれローテンション化していくと、ミディアムテンションの音量を維持したまま、ローテンション化することが可能となります。
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Re: ヴァイオリン弦のテンションについて考える
投稿日時:2011年07月19日 04:37
投稿者:帆立(ID:FwUDeTY)
エヴァ・ピラッツィやペーター・インフェルドといった最近のシンセティック弦はテンションが高くて派手な音がするので、音量が大きいと感じる人が多いと思います。
これらの弦よりもずっとテンションの低い弦に張りかえると、最初は音量が小さくなったように感じますが、楽器がテンションの低い弦に馴染んで、弾き手もテンションの低い弦から大きな音を出すコツをつかむと、テンションの高い弦と同等の大音量を出せるようになります。
テンションの高い弦における大音量が、キンキンとした耳障りな音や無理やりヴァイオリンを鳴らしたような苦しい音に感じられることが多いのに対して、テンションの低い弦における大音量は、伸びのある豊かな音に感じられます。
現代の標準的なテンションの弦であるドミナントのミッテル(ミディアム)よりも20~30%程度テンションが低い弦でも、E・A・D・Gのテンションが良いバランスで調和してさえいれば、ドミナントのミッテル(ミディアム)と同等の大音量を出すことが可能です。
弦のテンションを低くすると、右手のボウイングも左手のフィンガリングも楽になるので、演奏全体がよりリラックスしたものになり、結果的に、伸びがある音が出せて、音楽表現の面でもより自由自在な演奏が可能になるというメリットがあります。
ドミナントのミッテル(ミディアム)よりも20%ほどテンションの低い弦は、弦楽器店の店頭で数種類市販されていますが、30%ほどテンションの低い弦は、違った方法で入手する必要があります。
ヴァイオリンを2台以上持っていらっしゃる方は、まずは、サブのヴァイオリンにテンションの低い弦を張ってみて、テンションの低い弦のメリットを確認すると良いでしょう。
弦に弓の毛を押し付けない柔らかいボウイングで、テンションの低い弦を弾くと、ヴァイオリンがより自由に振動して伸びのある良く響く音が出せるようになりますので、試してみて下さい。
これらの弦よりもずっとテンションの低い弦に張りかえると、最初は音量が小さくなったように感じますが、楽器がテンションの低い弦に馴染んで、弾き手もテンションの低い弦から大きな音を出すコツをつかむと、テンションの高い弦と同等の大音量を出せるようになります。
テンションの高い弦における大音量が、キンキンとした耳障りな音や無理やりヴァイオリンを鳴らしたような苦しい音に感じられることが多いのに対して、テンションの低い弦における大音量は、伸びのある豊かな音に感じられます。
現代の標準的なテンションの弦であるドミナントのミッテル(ミディアム)よりも20~30%程度テンションが低い弦でも、E・A・D・Gのテンションが良いバランスで調和してさえいれば、ドミナントのミッテル(ミディアム)と同等の大音量を出すことが可能です。
弦のテンションを低くすると、右手のボウイングも左手のフィンガリングも楽になるので、演奏全体がよりリラックスしたものになり、結果的に、伸びがある音が出せて、音楽表現の面でもより自由自在な演奏が可能になるというメリットがあります。
ドミナントのミッテル(ミディアム)よりも20%ほどテンションの低い弦は、弦楽器店の店頭で数種類市販されていますが、30%ほどテンションの低い弦は、違った方法で入手する必要があります。
ヴァイオリンを2台以上持っていらっしゃる方は、まずは、サブのヴァイオリンにテンションの低い弦を張ってみて、テンションの低い弦のメリットを確認すると良いでしょう。
弦に弓の毛を押し付けない柔らかいボウイングで、テンションの低い弦を弾くと、ヴァイオリンがより自由に振動して伸びのある良く響く音が出せるようになりますので、試してみて下さい。
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Re: ヴァイオリン弦のテンションについて考える
投稿日時:2011年07月24日 22:25
投稿者:帆立(ID:FwUDeTY)
数十年前から市販されている最大手のP社のテンションが低めのガット弦を張っていらっしゃるソリスト(ヴァイオリン奏者)とお話しをさせていただく機会がありました。
コンサートのときに、そのソリストは、曲と曲の合間に調弦をすることがほとんど無かったので、コンサート終了後にその理由を質問させていただいたところ、「私は、弦に対してあまり圧力をかけずに、すうっと弾くので演奏中にチューニングがほとんど狂わないんです。だからガット弦でもチューニングの頻度が少なくて済むんです。」とおっしゃってました。
テンションの高いナイロン弦をゴシゴシとこするように弾いて出す大音量とは全然違った、もっと柔らかくて、コンサート会場全体を包み込むような大音量が出ていて、聴いていてとても心地良かったです。このソリストのようなエレガントで美しい「大きな音」が出せるようになりたいものだと思いました。
コンサートのときに、そのソリストは、曲と曲の合間に調弦をすることがほとんど無かったので、コンサート終了後にその理由を質問させていただいたところ、「私は、弦に対してあまり圧力をかけずに、すうっと弾くので演奏中にチューニングがほとんど狂わないんです。だからガット弦でもチューニングの頻度が少なくて済むんです。」とおっしゃってました。
テンションの高いナイロン弦をゴシゴシとこするように弾いて出す大音量とは全然違った、もっと柔らかくて、コンサート会場全体を包み込むような大音量が出ていて、聴いていてとても心地良かったです。このソリストのようなエレガントで美しい「大きな音」が出せるようになりたいものだと思いました。
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Re: ヴァイオリン弦のテンションについて考える
投稿日時:2011年07月31日 16:42
投稿者:帆立(ID:FwUDeTY)
モダンヴァイオリン(現代型のヴァイオリン)に改造されているのに4本ともプレーンガット弦が張られているストラディヴァリウスの弦の太さに関するデータを入手したのでお知らせします。
E=0.65ミリ、A=0.73ミリ、D=1.08ミリ、G=1.26ミリ
(測定誤差は±0.02ミリ程度あるようです。)
この組み合わせだと、弦のテンションは、おおよそ
E>A=D>G
となります。
こうしたデータは、現代のヴァイオリンに4弦ともプレーンガット弦を張る際に、参考になるデータと言えるでしょう。
E=0.65ミリ、A=0.73ミリ、D=1.08ミリ、G=1.26ミリ
(測定誤差は±0.02ミリ程度あるようです。)
この組み合わせだと、弦のテンションは、おおよそ
E>A=D>G
となります。
こうしたデータは、現代のヴァイオリンに4弦ともプレーンガット弦を張る際に、参考になるデータと言えるでしょう。
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Re: ヴァイオリン弦のテンションについて考える
投稿日時:2011年08月14日 12:40
投稿者:帆立(ID:FwUDeTY)
プロのヴァイオリニストの中には、弦楽器店の店頭で販売されているヴァイオリン弦(市販のヴァイオリン弦)とは若干異なる「スペシャル弦(特別仕様の弦)」を張っている人が居るのをご存知でしょうか?
スペシャル弦と言っても、見た目は市販弦と同じように見えるので、特別な弦には感じられないのですが、実際に弾いてみると、ゲージが細い(テンションが低い)ということがわかります。
ニコロ・アマティとかピエトロ・ガルネリのようなハイアーチのオールドヴァイオリンを使用しているヴァイオリニストや、キズが多いなど健康状態があまり良くないミディアムアーチのオールドヴァイオリンを使用しているヴァイオリニストが、市販弦ではテンションが強過ぎるということで、ローテンション化したスペシャル弦を張っていることがあります。
そういうローテンションな弦でも、大ホールいっぱいに大音量が響き渡るということを知ったので、自分は、ヴァイオリン弦のテンション比やローテンション化について考察するようになったのです。
スペシャル弦と言っても、見た目は市販弦と同じように見えるので、特別な弦には感じられないのですが、実際に弾いてみると、ゲージが細い(テンションが低い)ということがわかります。
ニコロ・アマティとかピエトロ・ガルネリのようなハイアーチのオールドヴァイオリンを使用しているヴァイオリニストや、キズが多いなど健康状態があまり良くないミディアムアーチのオールドヴァイオリンを使用しているヴァイオリニストが、市販弦ではテンションが強過ぎるということで、ローテンション化したスペシャル弦を張っていることがあります。
そういうローテンションな弦でも、大ホールいっぱいに大音量が響き渡るということを知ったので、自分は、ヴァイオリン弦のテンション比やローテンション化について考察するようになったのです。
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Re: ヴァイオリン弦のテンションについて考える
投稿日時:2011年08月14日 12:40
投稿者:帆立(ID:FwUDeTY)
プロのヴァイオリニストの中には、弦楽器店の店頭で販売されているヴァイオリン弦(市販のヴァイオリン弦)とは若干異なる「スペシャル弦(特別仕様の弦)」を張っている人が居るのをご存知でしょうか?
スペシャル弦と言っても、見た目は市販弦と同じように見えるので、特別な弦には感じられないのですが、実際に弾いてみると、ゲージが細い(テンションが低い)ということがわかります。
ニコロ・アマティとかピエトロ・ガルネリのようなハイアーチのオールドヴァイオリンを使用しているヴァイオリニストや、キズが多いなど健康状態があまり良くないミディアムアーチのオールドヴァイオリンを使用しているヴァイオリニストが、市販弦ではテンションが強過ぎるということで、ローテンション化したスペシャル弦を張っていることがあります。
そういうローテンションな弦でも、大ホールいっぱいに大音量が響き渡るということを知ったので、自分は、ヴァイオリン弦のテンション比やローテンション化について考察するようになったのです。
スペシャル弦と言っても、見た目は市販弦と同じように見えるので、特別な弦には感じられないのですが、実際に弾いてみると、ゲージが細い(テンションが低い)ということがわかります。
ニコロ・アマティとかピエトロ・ガルネリのようなハイアーチのオールドヴァイオリンを使用しているヴァイオリニストや、キズが多いなど健康状態があまり良くないミディアムアーチのオールドヴァイオリンを使用しているヴァイオリニストが、市販弦ではテンションが強過ぎるということで、ローテンション化したスペシャル弦を張っていることがあります。
そういうローテンションな弦でも、大ホールいっぱいに大音量が響き渡るということを知ったので、自分は、ヴァイオリン弦のテンション比やローテンション化について考察するようになったのです。
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