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レコード録音は芸術で有り得ないか
投稿日時:2012年07月27日 22:06
投稿者:江戸川凡人(ID:QghYc3M)
44844 父娘Vn氏
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>> 皆さんには、現役の演奏家の素晴らしい生の演奏をたくさん聴いてもらいたいと切に思います。
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氏は『子供のころからそう教えられて』おられる由です。では問題提起です
(1) 現役の演奏家は昔よりすばらしいのか
(2) 過去の演奏家を聴くことは価値がより劣るのか。
(3) レコード録音(CD録音)その他複製された音源からは真の芸術は伝わってこないのか。
(4) 若い人(意味があいまいですが)はなるべく現役演奏家の生ステージを聴くべきなのか。
--
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以下、とっかかりの意味で私見です:
(1)には個人的な好みが差が大きいですが、私の耳には昔の演奏家の優れている面を、今の演奏家は必ずしも持っていない。つまり昔の演奏家は色々な意味ですばらしいと思います。音楽が伝統芸能である以上、昔日の演奏様式の卓越性を忘れてはなりません。ですので私は(2)にも過去の演奏家を大いに聴いてはどうかと提案します。
(3) に対しては『過去の演奏家の芸術性は複製でしか聴けない』以上、真の芸術は複製でも十分味わえる、と考えます。
(4) に対しては、オーディションやコンクールを目指す若手には実際問題生演奏をたくさん聴く事は必須でしょう、と申し上げます。今の演奏様式を身に付ける必要性、今のトップ水準を知る必要性から、このことが強く推奨されます。またお子様の教育上も、生演奏から得られる情操教育の価値も高いことは疑えません。
ただし、くどいですが、芸術はそれのみに限定されません。断じてです。
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>> 皆さんには、現役の演奏家の素晴らしい生の演奏をたくさん聴いてもらいたいと切に思います。
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氏は『子供のころからそう教えられて』おられる由です。では問題提起です
(1) 現役の演奏家は昔よりすばらしいのか
(2) 過去の演奏家を聴くことは価値がより劣るのか。
(3) レコード録音(CD録音)その他複製された音源からは真の芸術は伝わってこないのか。
(4) 若い人(意味があいまいですが)はなるべく現役演奏家の生ステージを聴くべきなのか。
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以下、とっかかりの意味で私見です:
(1)には個人的な好みが差が大きいですが、私の耳には昔の演奏家の優れている面を、今の演奏家は必ずしも持っていない。つまり昔の演奏家は色々な意味ですばらしいと思います。音楽が伝統芸能である以上、昔日の演奏様式の卓越性を忘れてはなりません。ですので私は(2)にも過去の演奏家を大いに聴いてはどうかと提案します。
(3) に対しては『過去の演奏家の芸術性は複製でしか聴けない』以上、真の芸術は複製でも十分味わえる、と考えます。
(4) に対しては、オーディションやコンクールを目指す若手には実際問題生演奏をたくさん聴く事は必須でしょう、と申し上げます。今の演奏様式を身に付ける必要性、今のトップ水準を知る必要性から、このことが強く推奨されます。またお子様の教育上も、生演奏から得られる情操教育の価値も高いことは疑えません。
ただし、くどいですが、芸術はそれのみに限定されません。断じてです。
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Re: レコード録音は芸術で有り得ないか
投稿日時:2012年07月29日 00:08
投稿者:catgut(ID:MxhxmTY)
最近翻訳が発売された
偉大なるヴァイオリニストたち
ジャン=ミシェル・モルク著 藤本優子訳
ヤマハミュージックメディア刊 2800円+税
の付属CD-ROMが面白いです。50人の名ヴァイオリニストの演奏がMP3フォーマットで格納されています。版権が消滅しているものだけでなく、クライスラーからクレーメルなど比較的最近の演奏家のものも含まれます。
どこが面白いかというと、著者が音盤コレクターということで、提供されている曲が著者の思い入れが強い選択となっています。
例えばスークは祖父スークのバラードを持ってくるという具合です。
偉大なるヴァイオリニストたち
ジャン=ミシェル・モルク著 藤本優子訳
ヤマハミュージックメディア刊 2800円+税
の付属CD-ROMが面白いです。50人の名ヴァイオリニストの演奏がMP3フォーマットで格納されています。版権が消滅しているものだけでなく、クライスラーからクレーメルなど比較的最近の演奏家のものも含まれます。
どこが面白いかというと、著者が音盤コレクターということで、提供されている曲が著者の思い入れが強い選択となっています。
例えばスークは祖父スークのバラードを持ってくるという具合です。
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Re: レコード録音は芸術で有り得ないか
投稿日時:2012年07月29日 00:35
投稿者:父娘Vn(ID:KJSGcgg)
さすがcatgutさん、お目が高い。
その本、お取り寄せして、読んでます。。使用楽器の説明は、著名なパリの楽器商の協力を得たとか。
その本、お取り寄せして、読んでます。。使用楽器の説明は、著名なパリの楽器商の協力を得たとか。
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Re: レコード録音は芸術で有り得ないか
投稿日時:2012年07月29日 00:44
投稿者:catgut(ID:MxhxmTY)
ヴァトロ氏ですね。本書の末尾に推薦文を書かれています。
ストリング誌の2012年5月および6月号にヴァトロ氏へのインタビューが掲載されていたので興味深く読みました。
ストリング誌の2012年5月および6月号にヴァトロ氏へのインタビューが掲載されていたので興味深く読みました。
[44902]
Re: レコード録音は芸術で有り得ないか
投稿日時:2012年07月31日 12:15
投稿者:ソンナノ(ID:OYAGkYA)
録音した音楽もりっぱな芸術ですよ。ただ、現在のところ、生演奏と比べると圧倒的に情報量が少なく、ホールの響きとは全く違う家庭での響き、ダイナミズムもひどく劣るので、生演奏のみ重視するひとにはなんでこれ(CDなど)が芸術なのとなるのでしょう。将来的には録音技術、映像の技術、再生の技術が進歩して条件のよい部屋で鑑賞する限り生の芸術にひけをとらないほどまで近づいていくと信じています。なにしろ今でもDVDもCDも演奏者はミスをしないので(しないところだけ切り取って繋いであるので)聴きやすいものとなっています。ミスは美しい絵についた汚れのようなものです。人によっては非常に気になるでしょうね。
[44909]
Re: レコード録音は芸術で有り得ないか
投稿日時:2012年07月31日 22:34
投稿者:catgut(ID:MxhxmTY)
偉大なるヴァイオリニスト付属CD-ROM(約8時間分)の曲目一覧がネット上にありました。
ttp://www.elargonauta.com/libros/les-grands-violonistes-du-xxe-siecle-tome-i-de-kreisler-a-kremer/978-2-283-02508-6/
ttp://www.elargonauta.com/libros/les-grands-violonistes-du-xxe-siecle-tome-i-de-kreisler-a-kremer/978-2-283-02508-6/
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Re: レコード録音は芸術で有り得ないか
投稿日時:2012年08月01日 00:59
投稿者:父娘Vn(ID:KJSGcgg)
catgut氏、例の本、拝読。面白かったです。添付のmp3もなかなか興味深いものあり。想像を、かき立てられました。
江戸川氏、例のCD、如何でした?
俺の藝術は生で聴かないと解らんなんて、偉そうなことを申し上げる気持ちは毛頭ございません。
俺の藝術はこのCDに録音したものだ!これを聴け!なんて思っている演奏者はいないと思いますがね。
「今回の録音は私の理想が実現した」と思っている演奏家がいたらそれは新興宗教か詐欺師のようなもの(極端?)。
今回出来上がった録音はこれだけど、自分としては、まだまだ未熟なものがある、もっと修行して、もっと理想に近づきたい、というのが、普通の演奏者の気持ちだと思います。
レコードを作りたいというのは、今の自分の演奏を、出来る限り精一杯やってみて、そのここまでやって来た成果を記録に残したいというだけのこと。
この辺が平行線なんですよね。。。
まえのスレッドで江戸川様に平行線、と言われたのが結構、ショックでした。ゴメンナサイ。
江戸川氏、例のCD、如何でした?
俺の藝術は生で聴かないと解らんなんて、偉そうなことを申し上げる気持ちは毛頭ございません。
俺の藝術はこのCDに録音したものだ!これを聴け!なんて思っている演奏者はいないと思いますがね。
「今回の録音は私の理想が実現した」と思っている演奏家がいたらそれは新興宗教か詐欺師のようなもの(極端?)。
今回出来上がった録音はこれだけど、自分としては、まだまだ未熟なものがある、もっと修行して、もっと理想に近づきたい、というのが、普通の演奏者の気持ちだと思います。
レコードを作りたいというのは、今の自分の演奏を、出来る限り精一杯やってみて、そのここまでやって来た成果を記録に残したいというだけのこと。
この辺が平行線なんですよね。。。
まえのスレッドで江戸川様に平行線、と言われたのが結構、ショックでした。ゴメンナサイ。
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Re: レコード録音は芸術で有り得ないか
投稿日時:2012年08月01日 10:41
投稿者:pochi(ID:EyRIKDA)
ttp://www.youtube.com/watch?v=sz0CuwJX6ZM
演奏を他人に聴いて貰う場として、グレン・グールドのように、舞台ではなく、録音・録画、それも、youtubeを主体とする演奏家が現れないとは限りません。
ミハエル・ナナサコフは、その嚆矢ではないかと思っています。
至高のものを求める気持ちがあれば、電気の音を芸術だと言うのには無理があると個人的には思うのですが、人それぞれでしょう。
圧縮音源に耳が慣れてしまうと、実際の演奏で、ペラっとした厚みの無い音しか出せなくなるのではないかと、危惧します。
絵描きがモニターの色に慣れてしまうと、絵画にも影響するのではないか、とも思っています。
演奏を他人に聴いて貰う場として、グレン・グールドのように、舞台ではなく、録音・録画、それも、youtubeを主体とする演奏家が現れないとは限りません。
ミハエル・ナナサコフは、その嚆矢ではないかと思っています。
至高のものを求める気持ちがあれば、電気の音を芸術だと言うのには無理があると個人的には思うのですが、人それぞれでしょう。
圧縮音源に耳が慣れてしまうと、実際の演奏で、ペラっとした厚みの無い音しか出せなくなるのではないかと、危惧します。
絵描きがモニターの色に慣れてしまうと、絵画にも影響するのではないか、とも思っています。
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Re: レコード録音は芸術で有り得ないか
投稿日時:2012年08月01日 14:35
投稿者:ソンナノ(ID:OYAGkYA)
ご紹介のリパッティのCDを聴いてみました。まじめな 素朴な演奏ですね。ミスもけっこうある。があまり気になりません。あまりに周波数特性も悪く、ダイナミックレンジが狭い透明感のない録音なので、この点失望しました。分かる範囲内でリパッティのテクニックや音楽性がどうかというと、これ以上(はるかにこれ以上)の演奏家は現代にはたくさんいます。このCDはリパッティの生を聴いた人が思い出のために買うもの、または伝説を聞いた人がどうだろうと興味を持って買うものですね。生音は消え去りましたが、芸術の一部が残存しているものと考えます。
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Re: レコード録音は芸術で有り得ないか
投稿日時:2012年08月01日 17:25
投稿者:ヴァイオリンとフルートのRio(ID:ExiIWRA)
例の最後のリサイタルのものでしょうか。1950年の録音で、ホールや機材の条件も劣悪としか言いようがありません。何本も注射を打たれての出演だそうで、体調も最悪なのでしょう。これはリパッティの遺作のようなもので、先入観なしに聞く人も恐らく稀です。私はオムニバスレコードに偶然収録されていた子犬のワルツを聞いて注目し、数枚のCDも持っています。
この人の演奏では、「主よ人の望みの喜びよ」や「シチリアーナ」をときどき聞きます。もう少し録音のマシなケンプ、ワイセンベルクでも聞きますが、個人的にはリパッティの演奏に歩があるように思います。
ま、お年寄りが、歌舞伎俳優を語る際に、先代の○○は良かったと言うのに似ていますがね。
この人の演奏では、「主よ人の望みの喜びよ」や「シチリアーナ」をときどき聞きます。もう少し録音のマシなケンプ、ワイセンベルクでも聞きますが、個人的にはリパッティの演奏に歩があるように思います。
ま、お年寄りが、歌舞伎俳優を語る際に、先代の○○は良かったと言うのに似ていますがね。
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Re: レコード録音は芸術で有り得ないか
投稿日時:2012年08月02日 09:06
投稿者:ソンナノ(ID:OYAGkYA)
どうやって作っているのか解りませんが、ナナサコフ とやらのサンプルを初めて聴いてみました。スイッチトオンバッハのほうがユーモラスでよかったです。同じようにすぐ飽きると思います。デジタルデータからの自動ピアノ演奏のようにも聞こえました。人間が弾いてる感じがしないので、クラシックを初めてこれで聴くひともこれから出てくるでしょうが、そのひとは入門しなくなるのではないでしょうか。
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