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日本では、大全音を教えないのか? | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 90 Comments
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日本では、大全音を教えないのか?

投稿日時:2012年12月28日 03:51
投稿者:pochi(ID:EyRIKDA)
匿名希望X氏がこのように書いています。
http://www.fstrings.com/board/index.asp?id=45174#45760
>弦を9分割すると全音だと知ること。
>全音を2つ重ねると長3度と知ること。
>9分割したときの響きを快感と知ること。

私は、9分割とは教えません。完全五度上の完全四度下と教え、長二度はメロディの中でしつこく教えます。

日本では、大全音の長二度を教えないのではないかと疑問に思っています。youtubeで少し聴いてみました。

東京音大卒
https://www.youtube.com/watch?v=Hzv_yQZdbKo
大全音の長二度が弾けていません。

たぶん、アマチュア
https://www.youtube.com/watch?v=6ZQLFNMARzQ
音程が悪く、誤魔化しています。たぶん、大全音は解っていません。

こちらが9/8大全音を習っていると思われる子供
https://www.youtube.com/watch?v=owTEAlXmyMk
狂っているけれども、教わっている跡が伺われます。

私は、大全音の長二度がヴァイオリンの音程のエッセンスだと思っています。開放弦に対して1の指の音が狂っていると、ヴァイオリンがヴァイオリンらしくきこえないと思いますが、皆さんは如何お考えでしょうか?
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日本では、大全音を教えないのか?

投稿日時:2013年01月14日 10:42
投稿者:ガチャ100(ID:F2FgJTU)
pochi様の↓とても良く解りますし、その通りだと思います。

>監督コーチに強制された、野球のバット素振り1000回は、疲れるだけで無意味です。100回で良いので、1回ずつ、チェックポイントを明確にし、目標を持って、素振りをするべきです。ゴルフクラブの素振りも同じで、録画するべきです。

単に弾いているだけでは次のレッスン時に「私はこの1週間いったい何をやって来たのだろう」になります。

先生から注意された事を思い出しながら一音一音丁寧に練習する必要があると感じます。

録音すると先生から言われた通りに弾けていないことが良く解ります。

《日本では、大全音を教えないのか?》とは違うコメント???
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Re: 日本では、大全音を教えないのか?

投稿日時:2013年01月14日 17:55
投稿者:ススキ郁子(ID:FGlHY4k)
わ) 「っ」が抜けちゃったね。

く)  pochi、 調弦が完璧でその後変化無し、かつ押えたポジションが完璧、で開放の音が間違っている場合はどうするんだったっけ?教えて。

い)  pochiが似非指導者じゃ無ければ経験済みで即答がかえって来ると思ってましたが。
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Re: 日本では、大全音を教えないのか?

投稿日時:2013年01月15日 18:22
投稿者:コクシネル(ID:F0dZdlk)
スケール練習に関して。

チェックポイントは山ほどありますので、目的のないただただ機械的な練習はあり得ないですね。

最終的な目標としては、「空気を含んだ美しい音で弾きなさい」、「楽曲のフレーズの一部と思って弾きなさい」「コンチェルトを弾くつもりで弾きなさい。ベートーベンに限らず、ほとんどのコンチェルトがスケールの組み合わせで出来ていますから」ということになると思います。(かつて、そのように習いました)

美しい音で完璧に弾くためには、音程のみならず、シフティング、ボウイング(弓圧、弓速、駒からの距離等)、さらには姿勢や呼吸なども含めたすべてが、完全にコントロールされねばならず、途方もなく難しいです。まずは録音を聴いて、どこで弓を返しているか、どこでシフトしているかわからないように弾くのもよいでしょう。例えばスムーズかつ美しいシフトとなれば、そこだけを何十回も繰り返して弾くことも、場合によっては必要になります。

それで単音、アルペジオ、3度、6度、8度、10度、フィンガーオクターブとなれば、2時間くらいすぐたってしまうので、時間がない場合は、自分で課題を絞って必要なところを練習するしかないです。
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Re: 日本では、大全音を教えないのか?

投稿日時:2013年01月15日 23:47
投稿者:pochi(ID:EyRIKDA)
流石コクシネル氏なのですが、一歩進めます。

>「コンチェルトを弾くつもりで弾きなさい。ベートーベンに限らず、ほとんどのコンチェルトがスケールの組み合わせで出来ていますから」
>(かつて、そのように習いました)
======特にベートーヴェンはどこを取ってもエチュードになります。と読み替えましょう。移調・転調・替弓・逆弾き・重音化が効果的です。コンチェルトに限らず、調性音楽はスケールの延長線上にあります。

美しい音で完璧に弾くためには、
>シフティング
===中間音(グリッサンド)を入れて、練習します。弾けるようになってから、意識的にグリッサンドを入れるのを止めます。

>ボウイング(弓圧、弓速、駒からの距離等)
===楽器の鳴りを弓(右手)で感じます。特に、弓が弦のどこに当たっているのかを意識するように心掛けます。

>さらには姿勢や呼吸など
===四拍子では基本的に、強・弱・中強・弱、小節単位でも同じ、アップが吸う、ダウンが吐く、を意識します。ヴァイオリンは基本的に旋律楽器なので、メロディーを感じないで弾く瞬間があってはならないし、メロディには呼吸があります。弓を動かす事による自然な体の動きを体得するために、体の一部分の動きを制限するのも効果的。片足を上げて弾いてみるとか、、、
http://www.fstrings.com/board/index.asp?id=795&t=2004#797
yc氏の古い投稿に呼吸についての言及があります。
yc氏?そんなヤツ、シラネーヨ、という人のために、yc氏は、この掲示板の管理人です。

>まずは録音を聴いて、どこで弓を返しているか、どこでシフトしているかわからないように弾く
===まずは録音を聴いて、どこで弓を返しているか、どこでシフトしているか、意識して明確にわかるように弾くのもよいでしょう。無意識に解るように弾いてしまうのが最悪です。

>スムーズかつ美しいシフトとなれば、そこだけを何十回も繰り返して弾く
===直前で止める、シフトした音で止める、その次の音で止める、逆に弾くことも、普通です。回数よりも効果があります。

前提条件があります。
「自分が出している音を聴く事」
「聴ける・感じられるようになる事」
です。そのために録音を勧めると言っても過言ではありません。

特に大人になってから上達しようと思うと、「意識化」することが大切です。受験勉強をする時には、まず、出来るところと出来ないところを、峻別します。勉強が不得意な人は、出来るところと出来ないところの峻別が出来ないから、勉強が出来ないのです。音楽は本質的には勉強と違うのですが、幼少期から弾いている弾いていないに拘わらず、大人になってからでも上達したいのであれば、受験勉強方式を取り入れましょう。上達しようと思わなくなった時点で、下手になっていきます。

9/8の大全音がぴったり響きで取れる事が、ヴァイオリンのエッセンスだと信じて疑いません。特に基音に対する長二度と、完全五度上の長二度上即ち長六度が、非常に大切です。これが響くように弾けると楽器が鳴りますし、楽器が鳴るようになってきます。
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Re: 日本では、大全音を教えないのか?

投稿日時:2013年01月18日 05:37
投稿者:Z(ID:OHYiBZY)
機械的な練習はあり得ます。というより、一流のプロもやっています。パールマンがいい例です。

人は注意を一つの対象にしか向けられないのです。厳密には一つにくくれるものについては、他人からは複数に向けているように見えることはありますが。

演奏するときに、意識的なスケールの練習のような弾き方をしていては、音楽の流れや自分の演奏を客観的に聞く方に注意が向けられません。ですから、自分が弾きたいと思った音に対して、無意識に体が反応できるように練習するのです。
とパールマンが言っていたかどうかは知りません。私の個人的な考えです。

ムカデに、一番最初にどの足を出し、次にはどの足を出すのか、と聞いたら、ムカデが歩けなくなったという話がありますが、意識的な運動よりも無意識の運動の方が正確です。これはスポーツでは常識。また、実際、ガンマンの打ち合いでは、意識的にピストルを抜く方よりも相手の動きに反応して無意識に抜く方が速いのです。つまり、後から抜く方が速いのです。ある科学者はおもちゃのピストルを使って、これを自分自身で証明しました。
無意識な身体運動は速く正確なのです。

バイオリン演奏においてもどこに意識、つまり注意を向け、どこを無意識にするかというのが、ちょっとしたノウハウだと思います。

テーマである9/8の大全音については、単に音程が悪いだけだと思いますが、アマチュアはオケで弾く人が多いので、純正調でとる習慣がついているかもしれません。開放弦からの長二度を隣の低い弦からの長六度でハモらせると低くなりますが、これでとっているアマチュアもいると思います。そういう場合、9/8でとるのは隣の開放弦とは汚い重音になるのでなかなか難しい感じです。単音で弾けばむしろ9/8の方が響くのでわかるのですが。ですから、私はこういう問題はイントネーションで説明するよりもより楽器が響く音として考える方がいいと思っています。
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Re: 日本では、大全音を教えないのか?

投稿日時:2013年01月18日 08:01
投稿者:pochi(ID:EyRIKDA)
楽器演奏は、技術を意識して弾いてはならない。技術を意識して演奏すると、その意識が音に表れてしまいます。技術を意識する必要がなくなるまで練習する必要があります。

逆に、大人は、技術を意識しないで練習してはならない。

大人になってからの学習法と、子供の時の学習法は違うと思います。

子供は真似から入って、感覚として体現していきます。しかし、大人は意識して行い、それを無意識化していく必要があると思います。大人になってからの第二言語習得の考え方です。

大人の場合は、技術的欠陥を解析し、解析された1つ1つを意識して正しく弾くように習慣付ければ、少しはマシになります。狂ったリズム・音程でいくら繰り返しても、上手になる事は有り得ません。

件の大全音は、意識して、常々9/8の響きを感じる様にすれば、マシになるでしょう。特に、1st.position、1の指のHやFisがポイントになると思います。

響きの大全音である、D線に共鳴させたA線Dと、E線に共鳴させたA線Eは、結構広いものです。ピアノとは明らかに違います。

大人の学習者の問題は、意識化できない、何が狂っているのか解らない点にあると思います。また、狂っている事を直す意義を見いだせない人もいると思います。そんな人が「音楽性」という言葉を使う強い傾向がある様に思います。
http://www.fstrings.com/board/index.asp?id=44072#44089
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日本では、大全音を教えないのか?

投稿日時:2013年01月18日 09:48
投稿者:ガチャ100(ID:QSWJcBQ)
>大人の場合は、技術的欠陥を解析し、解析された1つ1つを意識して正しく弾くように習慣付ければ、少しはマシになります。狂ったリズム・音程でいくら繰り返しても、上手になる事は有り得ません。

↑の通りです。
指を脳からの指示通りに動かさなければいけないと先生から言われています。
自分が今どの弦を弾いているのかを考えながら弾く。
普段あまり弾かないので不得意なポジション、例えば第二や第四の偶数ポジションの音階練習では、ドレミを歌いながら、今どの指で弾いているのか指が覚えるまで繰り返し練習するなど。

大人に成ってからはじめたので子供のことは解かりません。

意識しながら弾くと大分違います。
綺麗な音を出すことにも意識が行くようになります。
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Re: 日本では、大全音を教えないのか?

投稿日時:2013年01月21日 13:30
投稿者:silv(ID:QAJlSDE)
pochi様に質問
下からDHGというごくありふれたコードを弾く場合、Hを長2度でとるとDiに対しては高くなり3弦のコードとしては濁ると思います。どうするのでしょうか?
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Re: 日本では、大全音を教えないのか?

投稿日時:2013年01月22日 01:06
投稿者:pochi(ID:EyRIKDA)
silv氏、

DHGというごくありふれたコードを曲の中で弾いた時、silv氏がどの様に感じるかですね。

私は、HをAに対する小全音(10/9)で弾いた時、落ち着いた感じがして、大全音で弾いたらエキセントリックで緊張感が強い感じがします。

弾く場所によって違うように思います。石造りの教会のように残響が多いところでは、HをAに対する小全音で弾いた方が美しく、比較的デッドなところでは、大全音で弾いた方が格好良い様に思います。

実は、調弦を必ずしも3/2(純正完全五度)にするとは限らなくて、少し狭めに合わせる事があります。そんな場合は、Hを大全音で取る事はありません。

その場その場に応じて、どの様に感じるのか、が先にあって、理論的に正しい音程だから、というのが先にあるのでは無い、のが音程です。

初心者向けには、Hを大全音、HをEの開放弦との完全四度で合わせる事をおすすめします。出来れば、開放弦Dと長六度との響きの音程との違いを感じておいて欲しい。それが、楽器の響きを聴く、最初です。

ピタゴラス音階とか、純正律とか、理屈を言う前に、ヴァイオリンを弾いた時の響きをイメイジ出来る事が大切で、名称・理屈を知っている事が、大切だとは思えません。

A線Cも、D線G(開放弦Gに対するオクターブ)に対して、完全四度で取る場合と、開放弦Eに対して長三度の和音で取る場合では、音程が違います。

この掲示板にもよく登場した、故玉木宏樹なら、DHGのHは、小全音で取る、と言ったと思います。
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Re: 日本では、大全音を教えないのか?

投稿日時:2013年01月22日 07:33
投稿者:jack(ID:QWeWQDg)
>故玉木宏樹なら、DHGのHは、小全音で取る、と言ったと思います。
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ジェミニアーニなら、DHGのHは、中全音で取る、と言ったと思います。

ジェミニアーニの教本を調べた結果、彼の全音は大全音(204セント)より狭かったということが判明しました。Op.9にその証拠を見ることが出来ます。

ttp://javanese.imslp.info/files/imglnks/usimg/4/42/IMSLP05501-Geminiani_art-of-playing.pdf

p 4/61の説明文とp. 12/61 ExampleⅡを参照下さい。

全音をI,半音は2種(広いmaと狭いmi)とすると、
1オクターブ= 7ma + 5mi = 5I + 2ma = 1200セント

と書いています。ここから、全音Iは200セント以下であったことが容易に導けます。(証明略)

古楽アンサンブルで、古典調律された鍵盤楽器に弦楽器の開放弦を一本づつ合わせるのをよく見ます。そこでジェミニアーニの調弦をミーントーン5度(696.6セント)と仮定すると、全音I = 193.2セント(中全音)が導けます(計算略)。

大全音が響くように弾けると楽器が鳴るのは確かだと思いますが、ジェミニアーニは中全音でも響くように弾けたのではないでしょうか?

音程に絶対的なものはないと思います。それは時代とともに変り、また回帰するかもしれません。
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