ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web
ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web

ストリング誌で連載開始 | ヴァイオリン掲示板

ヴァイオリン好きのための情報サイト ヴァイオリン・ウェブ
雑談・その他 106 Comments
[5184]

ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年08月28日 10:23
投稿者:玉木宏樹(ID:JkN2cEU)
玉木です。
今月号の「ストリング」誌に
「音階と音程、その歴史と謎」という
タイトルで新連載を開始しました。
みなさんの感想をお待ちしています。

絶対音感のことが話題になっているようですが、
いずれその辺のことも書くことになるでしょう。
結論だけ言いますと、平均律での音当てクイズは
ヴァイオリンにとっては、悪い面の方が多いと思います。
ヴァイオリン掲示板に戻る
2 / 11 ページ [ 106コメント ]
[5262]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年08月31日 09:11
投稿者:かもめ(ID:GRUnmHM)
バイオミンさん
よく言われていることですが、ピタゴラスはメロディーを弾くのに適していますが、和声は犠牲にされます。
99%という数値はともかく、単旋律はピタゴラスで弾くのが定石なので、玉木さんが仰ることは間違いではないと思います。

ご指摘のE線のFとAの開放弦は、ピタゴラスではハモりません。
これを重音で弾くならば、Fを高めに取らなくてはなりません。
バイオリンは、基本的にはメロディーをピタゴラスで弾き、和声は純正にハモるよう弾く楽器だと思います。
その音の使い分けが難しいのですが、そこがまた、奥の深いところではないでしょうか。

また、ピタゴラスや純正律では、同音異名はありません。
だから、ド#=レ♭ではないのです。
ピタゴラスで言うなら、ド#とレ♭には24セントもの音高差があります。
したがって、、、
ド←90セント→レ♭←24セント→ド#←90セント→レ
・・・となり、全音は丁度204セントになります。
[5268]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年08月31日 11:53
投稿者:普通のViolin教師(ID:NAIGiAE)
玉木先生にお尋ねいたします。
先生はヘマン女子の著作に言及されました。
和音の場合と旋律の場合で音程が違うのはヘマンの本にあります。
ところがグリュミオーのような大家でも和音をかなりの部分ピタゴラスで弾いているというのは私の偏見(偏聴?)でしょうか。
安永徹さんも、そうしたほうが良いとおっしゃったと記憶します。
「舞台の上で弾いている本人は和音は結合音が鳴ると気持ちよいが聞き手にはそれはわからない」
どうやら安永さんの師シュヴァルベさんの教えかと推測されます。
ハムレットの心境になりますが、私は生徒には結合音で純正な和音は必ず練習させます。いずれにしても純正和音は身についていなくてはまずい。
ただし発表会などでバッハのプレリュードなど弾かせるときは大体ピタゴラスで通すことに(結果的に)なる、これは演奏効果としてそれが勝る。
この考え方は間違っておりますか。
[5269]

普通のViolin教師様へ

投稿日時:2003年08月31日 12:17
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
忙しいので簡単に。
あなたの考えは間違っていません。
みなさん、結論を急ぎすぎないように。
少なくとも連載は1年は続けようと思っています。
もっとも、みなさまの応援がないと、即打ち切りになるかもしれませんが。

来月はヘマン女史の本を話題にします。(とっくに入稿済みです)
それから、私の連載の骨子は、歴史的見地です。それは、ヴァイオリンの
音程の世界にはとどまりません。
これからの展開をお待ち下さい。
[5270]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年08月31日 12:27
投稿者:pochi(ID:WHRWFAA)
所謂横レスですが、

>ところがグリュミオーのような大家でも和音をかなりの部分ピタゴラ
>スで弾いているというのは私の偏見(偏聴?)でしょうか。

グリュミオーさんの音程の取り方は、安永徹さんがそうしたほうが良いとおっしゃったかどうかに関わらず、和音をかなりの部分ピタゴラスで弾いています。偏見(偏聴?)ではありません。

グリュミョーさんの演奏の中には、音程で明らかに矛盾をきたしている部分もありますが、それはそれで良いと思います。それが一種の雰囲気を醸し出しているのです。音程は、ある程度の精度以上は個性で雰囲気を醸し出す道具ですから、有効に使ったほうが良いと思います。グリュミョーさんは、雰囲気を醸し出すのが上手な人でした。一方、音程で雰囲気を醸し出そうと考えない奏者も沢山居ます。だからといってその奏者が非難されるべきでもありません。

音程マニアになってもヴァイオリンが上手になるとは限りません。しかし、マニアの方々の御意見は専門的分野に限って貴重ですから、多いに参考にさせてもらっています。但し、音感のない人が知識を振り回しても滑稽なだけです。
[5691]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年09月27日 16:25
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
玉木です。
連載の2回目はヘマン女史の「弦楽器のイントネーション」
という音程に関する本についての考察で、
ピタゴラス律と純正律について述べています。
みなさんの御意見をお待ちしています。
[5908]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月12日 18:39
投稿者:バイオミン(ID:GRdVAYI)
ストリング誌10月号の玉木先生の譜例1(ソ・ミ・ド・ミ)は純正律オルガンならば綺麗に響くのでしょうけど、GDAEを完全5度で調弦したヴァイオリンではどうしても響かないですね。

玉木先生は、この譜例1のようなC-durを純正律で弾く場合は、D線A線(レラ)の調弦は完全5度(3/2)ではなく狭く(40/27)調弦するのですか?
また、一般的に純正律で演奏する時は、演奏する調によって調弦のやりかたを変えるのですか?
[5910]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月12日 23:04
投稿者:玉木宏樹(ID:cnGHNDA)
現代のヴァイオリン奏法で、単音、単旋律の場合はピタゴラスですし、
また、ヴァイオリンのソノリティからして、純粋五度調弦を拒否するのは
考えられません。あくまで、ハモることを考えずメロディを優先するなら、
ピタゴラスでいいのだから、五度調弦でいいのです。それでも、開放弦じゃなく、
押さえた方が音はふくよかですよね。
さて問題は和声的、純正律の場合ですが、譜例のソミドミという形はほとんどなく、
形としては、下からソソドミが圧倒的に多いでしょう。CーDurの四六の形です。
この場合、私は上のドミをピタゴラス3度にするか、純正3度にするか、大抵、
テンポによって決めます。ゆったりと遅い場合は純正3度にしないと気持ち悪い、
しかし、下のソソドを犠牲にするなんてとんでもない、か、その時は私は
下のソソに合わせた完全4度から次の開放弦のミに向かって瞬間的にドを22セント
上げます。ピアノ伴奏がある場合、少しはぶつかりますが、ピアノは音が減衰するし、
ヴァイオリン自身がハモっていないことの方がつらいわけですから、これで問題ないです。
C-Durに限らず、F-Dur,B-Dur,みんなつらいです。いずれ、ストリング誌で書くつもりです。
それから、ソソドミをピタゴラスで弾いた方がいいのはタンゴですね。ピアノやバンドネオン
相手ではハモる必要はなく、マッシヴな方が快感ですから。
[5920]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月13日 11:17
投稿者:明っかる度ー(ID:NAIGiAE)
>理論大好きのみなさん
紙の上の計算で音楽割り切ろうとするの無理なんです。
ちょいまともな先生(今の時代)は導音高くしろって誰でも言います。
ソ ラ シ(高い)⇒ド
これを理論家はピタゴラスって言っているだけでしょう。
三度の練習曲(フレッシュのスケールシステムにある)は結合音です。
ソ+シ(低い)=綺麗
これ和声の純正っていうんです。
平均律からすればどっちも外れている。先生によっては両方を「純正」
とか「自然」とか呼んでいる。一緒くたですが、名前なんて関係ないです。
文字で説明するのは先生方は苦手です。
レッスンでじかに教えるから大丈夫なんですよ。
耳が育てば、生徒はちゃんと区別して美しく弾けますよ。
それにものすごい早い曲だと振動数比なんて解るはずないでしょう。
流れで正しい音をとれるかどうか、ってことでしかありません。
玉木先生、連載ご苦労さま。続くように応援しています。
お体大切に。
[5923]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月13日 19:38
投稿者:バイオミン(ID:NnkkZGE)
玉木先生、直々のご回答ありがとうございます。
譜例1(ソミドミ)は、C-durの主和音(ドミソ)を用いていながらヴァイオリンではハモらないという、とても興味ある例だと思います。

2週間悩んだ私の解決法は、「レラ」を完全5度ではなく、純正律の弱点である「レラ」の幅を素直に採用して、幅の狭い5度でDAを調弦する方法でしたが、やはりこれはヴァイオリンのソノリティからして採用は不可ですか。

玉木先生は、完全5度調弦を推奨されていますが、元・新日フィルのビオラ主席奏者の藤原義章先生は彼の著書「新しいアンサンブル入門」のP.104~106で、調弦は完全5度よりも若干狭くするように薦めています。藤原先生はビオラ弾きですので、Aから、D、G、Cと完全5度で取ったCは低く、アンサンブルには低すぎて適さないことを身をもって体験されているようです。

今回の譜例1(ソミドミ)が響かないのは、G線の開放の音がそもそも低いことも原因にあると思いますが、このことに触れられていなかったのは、ちょっと残念な気がします。
[5926]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月13日 23:13
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
あなたの言いたいことはわかりますが、結論を急がないで下さい。
いずれ、ストリング誌に書きますが、なにしろ、連載は始まったばかりです。
来月は「半音」がテーマです。ピタゴラスの半音は難しくないのですが、
純正律の半音は煩雑です。
そしてもうひとつ、ヴィオラとチェロの音程も問題にします。

>明っかる度ー さん。
私もセント値という数字はキライです。しかし、なんとなく差はわかるわけですから、
その目安にして下さいということです。
しかし、数字に捕らわれていては、いい音楽が逃げてしまうことも多いと思います。
ヴァイオリン掲示板に戻る
2 / 11 ページ [ 106コメント ]

関連スレッド