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楽器・付属品 4 Comments
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自分の幸せと楽器の幸せ

投稿日時:2017年06月18日 23:06
投稿者:マルコとアメデオ(ID:ECATBZM)
お世話になっています、マルコとアメデオです。
いろいろな立ち位置にいらっしゃる皆さまから、広くお話を伺えたらと思います。

ある工房で聞いた話です。

そのバイオリンは、飛び込みでやって来ました。
仮にその楽器の持ち味をAとすれば、持ち主さんの要望は、Aとは反対方向のBでした。持ち主さんは、経済的な理由で買い替えができないので、いろいろな工房を回って、楽器に手を加えていたようです。職人さんは、力ずくでBに調整したものの、バイオリンがかわいそうで仕方なかった、ということです。

皆さまは、持ち主さんと職人さん、どちらに共感しますか?

ここで、私が関わった三つの楽器についてお話します。

①2年前に買い替えたバイオリン
暴れ弓のあまりの酷さに、先生から「どうしてできないのか分からない」と言われた私は、「道具が替われば何とかなるかもしれない」と、バイオリンの買い替えに挑みました。

ところが、楽器選びの過程で、先生のお金に対するブラックさが目について、テンションは下がる一方。新しい楽器でボーイングもスッキリ解決!だったのに、何とも後味の悪いお買い物になりました。「あの時、先生に屈していなければ・・・」と、今でも思ったりします。

②周囲が羨む三味線
別スレで触れましたが、私は三味線をやっていて、いわゆる期待の新人さんと呼ばれる時期がありました。先生が、その時々に見合った楽器を用意してくれました。最後に来たのは、私の背格好や雰囲気に合わせたオーダーメイドの楽器です。

ところが、私は演奏するだけで精一杯で、楽器に向き合うことはありませんでした。「この三味線は、本当はどんな音が出たんだろう」と、今でも思ったりします。

③来週、我が家にやって来るビオラ
(アワビノステーキさま、ありがとうございました。一歩前進です。)
このビオラを見つけたのは1年ほど前です。たまたま弾いてみた時に、「深い!」と感動した楽器でした。しかも、このビオラでは、ほとんど弓が暴れなくて、魔法の楽器に見えました。

しかし、バイオリンを買い替えた時のブラックな経験があったので踏ん切りがつかず、いろいろな楽器店を回って、結果、自分の直感を信じて、このビオラに決めました。

この楽器は新作ですが、海外のバイオリニストが来日した時、楽器の点検などの待ち時間に、暇つぶしで弾いていたものだそうです。凄腕のベビーシッターさんにあやしてもらって、この響きを身につけたのか、「でも私の代で、がっかりな楽器になってしまうのかも・・・」と、思ったりします。

では、工房にやって来た持ち主さんです。
バイオリンは「自分で選んだつもりでも、実は、楽器が奏者を選んでいる」と、聞いたことがあります。「その人に見合った楽器にしか巡り会えない」とか、他にもありますが、状況によっては、よくも悪くも聞こえる呪文です。持ち主さんが解決したかったのは、何だったのか。楽器が変われば、解決することだったのか。

皆さまは、自分の楽器と、どう向き合っていますか?
【ご参考】
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Re: 自分の幸せと楽器の幸せ

投稿日時:2017年07月07日 11:18
投稿者:じじ(ID:NpAjEhM)
一生物にたどりついたら、一緒に生きていくだけ。
信頼できる職人さんに会えるのが楽しみで、
何より楽器が喜ぶよ。

私より、ずーっと長生きしてほしい。
それでも救命ボートに、あと一人、
そんな事態には人間が先だと思う。
[52885]

Re: 自分の幸せと楽器の幸せ

投稿日時:2017年07月07日 16:36
投稿者:匿名で(ID:GTECFhM)
道具として考えています。
購入する際は、良く選定しますが、鳴らし切れるようになると買い換えを考えます。
私が所有するのは数百万円の楽器なので追加購入の場合も多いです。

購入する際は、「潜在能力はあるが鳴らしきれない」と感じる楽器を購入しているのですが、数年使用すると楽器に慣れるのか鳴るようになってきます。
三十年以上前の初めてのフルサイズの楽器は当時60万円でした。現在は数百万の価格設定になっていますが、私の感覚では百万以下の楽器です。しかし、現在購入する人にとっては数百万円の音なのでしょうね。
多くの人は価格の高い楽器に愛着を持つようで数百万円の楽器は一生物として大切に使用しているようですが、購入時に価格が安ければ、たいした愛着を持たずに道具としてしか見れないのではないでしょうか。
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Re: 自分の幸せと楽器の幸せ

投稿日時:2017年07月08日 15:15
投稿者:テストレッチ(ID:IEc0gTU)
教授から演奏者の力量90%、楽器の力量10%と言われています。
そして自分の楽器への不思議なご縁を感じています。楽器と結婚は同じくらい不思議な出会いがあります。
[52935]

Re: 自分の幸せと楽器の幸せ

投稿日時:2017年07月22日 12:39
投稿者:マルコとアメデオ(ID:c4AAiA)
じじさま
匿名でさま
テストレッチさま

ありがとうございました。

私は、楽器の持ち味を生かして弾くのが、腕の見せ所でしょ!と思っていたので、楽器に手を加えるはNGだったのですが、我が家にビオラが来てから、ちょっと考えが変わりました。

というのも、このビオラ、なぜか安心感があります。
2年前に買い替えたバイオリンは、いくら練習しても、どこか不安があって、ハラハラしながら弾いていたのですが、このビオラだと、何かうまくいきそうで、勇気が出ます。演奏者の力量10%、楽器の力量90%、って感じです。

工房にやって来た持ち主さんは、「楽器の肌触り的な部分は気に入っている」けど「音に関する部分はイヤ」、でも「両方を兼ね備えた楽器は高すぎる」から、楽器に手を加えたのかもしれません。

周囲が羨む三味線は、日本人向け、しかも私の背格好に合わせたものなので、フィット感はOK。伴奏楽器という性格から、楽器にあれこれ言うほど、音に、こだわらなくていい気がしてきました。

バイオリンは、主役を張る楽器なので、考えることが多いですね。

そこで思ったのですが、
①この楽器ありきで、自分が楽器に近づく
声楽のように、ソプラノの人はソプラノの役、と、決まったイメージで、「楽器の持ち味を生かす曲を選ぶ」とか。例えば、この楽器はビバルディが合うから、ビバルディ用。あれはバッハ用と、目的に合わせて楽器を換えるのは、ありですか?

②演奏スタイルをキープして、楽器を自分に近づける
匿名でさまは「自分を成長させる楽器」と受け取りました。
自分の要求に応える楽器を見つけるには、時間がかかると思いますが、探し始めて、やっと見つかった時に、自分の技量が予想以上に上がっていて、楽器と自分の感覚にズレが生じる、ということはありませんか?

そんなこんなを繰り返しているうちに、不思議な縁で、一生ものが見つかるのでしょうか。

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