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変イ長調 | ヴァイオリン掲示板

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変イ長調

投稿日時:2024年06月17日 13:17
投稿者:asdf(ID:NyUTUwU)
18世紀の音楽家 Schubart により 変イ長調は ”墓の調性であり、死、墓、朽ち果てること、審判、永遠がその範疇にある” (ウィキ)とされたらしいのですが、その理由についてご存知でしたらご教示いただけないでしょうか。全ての可能な調性の試みはそのころから始まったと認識しています。そして確かに、5度の調弦を前提として、弦楽器にとっては気を遣う調性ですが、広く音楽家の立場から上の引用のように規定してしまうには、もう少し曲の例等々、他にもいろいろ動機があるような気がしています。よろしくお願いいたします。
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Re: 変イ長調

投稿日時:2024年06月17日 17:43
投稿者:QB(ID:SFZxNVA)
単純に共感覚が理由だと思います。

https://www.bri.niigata-u.ac.jp/research/result/docs/171219pressrelease.pdf
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Re: 変イ長調

投稿日時:2024年06月17日 18:29
投稿者:asdf(ID:NyUTUwU)
QB 様  早速のコメントありがとうございます。いただきました論文によると、As から始まる音階には C (赤)以外は寒色が対応しているようですね。日本語のダイジェストでも注意されているように、ソ(空)は青いというような言語的関係も考えられるのかな?? 本論文を精読しないとナンとも言えませんが、論文中の15人の被験者はどのような母語の方々なのか興味が湧きます。ふと思うことですが、論文の前提となっていると思われること;色はピッチクラスによって決まる(オクターブの音程差は色の違いがない)ということも、わたしはまだ半信半疑ですが、興味深いです。
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Re: 変イ長調

投稿日時:2024年06月18日 11:59
投稿者:pochi(ID:I5IhQzU)
asdf氏、初めまして、今晩は。

音の色に関しては色んな感じ方があるみたいです。
「Thomastik-Infeld」は、
C:赤 D:緑 A:青 E:紫
です。

開放弦の半音下の調は長調だと弾きにくいですよね。Ges-durで音を取るのが難しい事で有名なのが「ユーモレスク」でスズキ・メソード以外では「正確な音取りの練習」に使われるほどです。一方、Es-mollはよくあります。

難しいのは開放弦の半音上の方ではないでしょうか?
Gis-dur、Dis-dur、Ais-dur、Eis-dur
運指をあんまり考えたくありません。
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Re: 変イ長調

投稿日時:2024年06月18日 16:45
投稿者:asdf(ID:VihjdpA)
QB 様 pochi 様

手元に見つけられませんが、Thomastik-Infeld の G は黄色みたいですね。にわか勉強ですが、音が色と結びつくのは Chromesthesia (共感覚の一種)というのだそうですね。音を聞くと色が見える、と。一方、この逆のこと、”色を見ると音が聞こえる” は耳にしたことがないので、一方通行かな。音(ピッチクラス)は連想できても、音高が自動的に決まらないのかな? プルースト現象(匂いから記憶)は双方向のようなきがします。ご存知の方、お聞かせいただけると参考になります。
英文の Wiki には、QB氏紹介の論文の色とは異なる Chromesthesia graph があります。そこでは、Cは赤、Dは黄色あたりが同じである一方で、F、G が異なっています。このあたりは Scriabin の グラフ(同wiki) とも一致しています。ですので、論文は、何かの基本部分が言語、文化によらず普遍性を持ち、それ以外の部分が別の要因により決まることを示唆しているのでしょうか。
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Re: 変イ長調

投稿日時:2024年06月18日 20:34
投稿者:QB(ID:ExAyhUA)
共感覚は先天的なもののほか、後天的な要因もあることがわかっていますので、その人の言語や文化圏、あるいは環境などによって結びつきが異なるあるいは影響を受ける可能性が大いにあります。
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Re: 変イ長調

投稿日時:2024年06月19日 09:02
投稿者:pochi(ID:I5IhQzU)
https://caduviolin.vn/storage/img-2291.JPG
「Thomastik-Infeld」
C:赤 G:黄 D:緑 A:青 E:紫
です。書いた心算が抜けていました。

「Pirastro」はペグ側で、
C:紫 G:茶 D:赤 A:黒 E:緑

ヴァイオリン属弦楽器は、開放弦の縛りで調整によって鳴りが違うので雰囲気が違って当然です。
(C)・G・D・A・(E)
開放弦が多く使える調では楽器が鳴り易く「開放感」があります。
調整感の根源だと思います。

音(調性)⇔色
は「共感覚」というよりも「共通意識」の様な気がします。「意識」は必ずしも共有出来るとは限らないでしょう。

ヴァイオリンの場合はピッタリのピタゴラス音律より高めに取れば明るく、低めに取れば暗い感じになり、普通に弾き分けていると思います。

「G.麻辣の交響曲」を聴くと、和音がピッタリ成立している演奏が無く、合わせればもっと色彩豊かになると思っています。

「ユーモレスク」の練習法は、休符にも音を入れて刻んで正確な音程で弾く練習をします。
GesGesGesDesGesGesGesDesEsEsEs・・・・・
この様に練習すれば「休符が無い」演奏にはならないし、刻むと音を修正するので正確な音程になります。リズムと音程の正確性をどちらとも担保する為の練習です。

リズムがいい加減で休符が無いと「かに道楽」
https://youtu.be/dw72d_WT1Xo?t=21
https://youtu.be/_CAxxw6F5Sc?t=19
みたいになります。
「キダ・タロー」が亡くなりました。
「黙祷!」

私は通常「Wilhelmij」のG-durで弾きます。
https://s9.imslp.org/files/imglnks/usimg/e/ee/IMSLP66370-PMLP22848-Dvorak_Wilhelmj_Humoreske_Piano.pdf
https://ks15.imslp.org/files/imglnks/usimg/b/bc/IMSLP66371-PMLP22848-Dvorak_Wilhelmj_Humoreske_Violin.pdf
下手糞だから派手に弾かないと演奏効果が薄く成って仕舞います。
私のヴァージョンは、最初のHGのGはフラジオです。
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Re: 変イ長調

投稿日時:2024年06月19日 09:04
投稿者:asdf(ID:VihjdpA)
いろいろありがとうございます。
で、本題ですが、変イ長調で書かれた曲はかなり少ないですが、Bach平均律はじめそれなりにあって、みな幸せな曲ですね。ところが、カプリースの12番はややこしいし、プロコフィエフ Op80 の音階とか、ショスタコヴィッチ Op 118 の四重奏とかは、美しいけれども何か違う、何か違うけど美しいものがでてきたような気がします。変イ長調の墓場の悪夢を見るのは弦楽器奏者だけということ?Schubart に影響を受けたといわれている Beethoven も全然そんなではありませんね。で、なぜ Schubart は?というのが私の疑問です。
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Re: 変イ長調

投稿日時:2024年06月20日 18:17
投稿者:asdf(ID:NyUTUwU)
この板に書くと怒られると思いますが、一般的立場では ”調性と色彩(Timbre)” は、”鍵盤楽器の調律法と色彩” と言い換えてもよいかも、とここ数日考えています。でもまたすぐに気持ちが変わるでしょう。

以下は、pochi 様のコメントにある調性に関連する、Schubart の著書 Ideen zu einer Ästhetik der Tonkunst (1784-5) の(ネットで拾った)断片の chatGPT 和訳(原著は当たっていないので要注意)です。(翻訳のたびに変わるのであまり細かいことは気にしないで下さい。)

Ges-dur: 困難における勝利、越えた丘での自由な息吹、強く戦って最終的に勝利した魂の残響がこの音に含まれる。
Es-moll: 最も深い魂の苦悩、沈み込む絶望、最も黒い憂鬱、暗い魂の状態の感情です。心臓が震えるすべての恐怖、すべての怯えがこの恐ろしいEs mollから息づいています。もし幽霊が話すことができたなら、彼らはおそらくこの音で話すでしょう。
Gis-dur(As-durとして): 墓の音です。死、墓、腐敗、裁き、永遠がその範囲。
Dis-dur(Es-durとして): 愛の音、信仰の音、神との親しい対話の音です。その三つのBにより、聖なる三位一体を表現します。
Ais-dur(B-durとして): 陽気な愛、良心の安らぎ、希望、より良い世界への憧れ。
Eis-dur(F-durとして): 親しみやすさと安らぎ。

また
Gis-moll: 悩み、息を詰まらせるような圧迫された心;悲痛な嘆き、重い戦い、一言で言えば、苦労して進むすべてがこの調の色。
B-moll: 奇妙な人で、主に夜の衣装を着ています。彼は少し不機嫌で、めったに好意的な表情を見せません。神と世界に対する嫌味、自分やすべてに対する不満、自殺の準備がこの音に響きます。
F-moll: 深い憂鬱、葬儀の嘆き、悲しみのうめき声、墓を求める切望。

でも、これら、弦楽器的感覚と似ていませんか?

そしてなんと B-moll の和訳について、chatGPT から次の恐ろしい注意を受けました:  This content may violate our terms of use or usage policies.

ちなみに、この R-18 指定の B-moll で書かれたのが ショパンの葬送ではありませんか。

一方で、Chartantier によると
Es-dur: 残酷で峻厳な調子
Es-moll:恐ろしくておぞましい調子

以上の比較から、Es-dur について、Charpantier(1653-1704), Mattheson と Schubart (1739-1791) の間に大きな違いが見られます。これは、校正者(息子のLudwig Schubart) のミスか、100年間の調律法の進歩によるものかもしれません。これから逆算して、当時の調律を知ることができるかもしれませんね。

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