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ニスの色 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 60 Comments
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ニスの色

投稿日時:2003年10月17日 23:15
投稿者:青りんご(ID:NyWUcQ)
昨日弦楽器専門店でクレモナの有名製作家のバイオリンを試奏したんです。音は気に入ったんですが、ニスの色が真っ赤でしかもピカピカ・テカテカで見た目は好みではありませんでした。ニスのこういう色ツヤは好きじゃないんです、と言ったら、店長さん曰く「5年から10年もすればテカテカはなくなるし、ニスの色も赤みが多少抜けてオレンジっぽくなるよ。20年もすれば部分的にニスが薄くなって多少黄色っぽくなるし、演奏しながら徐々にニスの色が変化するのを楽しむのもいいもんだよ。」
5年とか10年という期間でニスの色がそんなに変わるとは思えないんですがいかがなもんでしょうか?例えば有名なファニョーラだと作られてから80年ぐらいたってるのに依然としてニスは赤いままです。
スズキの30万円くらいのバイオリンを7年くらい弾いてますが、ニスの色はほとんど変化してません。
高級な新作バイオリンってのは5年とか10年という単位でニスの色が変化するもんなんでしょうか?体験談などありましたら教えてください。
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Re: ニスの色

投稿日時:2003年11月05日 00:49
投稿者:ド素人(ID:M0MJFQY)
Geiger1951さんご回答ありがとうございます。コンサートとかテレビとかでストラディヴァリウスを見てるとニスが飴のように柔らかそうに見えるので、実際にもかなり柔らかいのだろうと想像してたのですが違うみたいですね。ニスはいつまでも柔らかければ良いというほど単純なものではないとのことですが、素人的には柔らかいニス=高級な楽器、硬いニス=安物とイメージしてしまいます。でもニスが柔らかければ柔らかいでいろいろと気をつかわなければならないので大変そう・・・。でも気をつかえる人が羨ましかったり・・・。
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Re: ニスの色

投稿日時:2003年11月05日 11:06
投稿者:pochi(ID:NWFSOWM)
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やわらかいニス

投稿日時:2003年11月04日 02:13
投稿者:Geiger1951(ID:UBdABxA)
反対の順序でお答えします:
無量塔蔵六さん
(東京ヴァイオリン学校校長、ドイツマイスター資格保持者)が(2)のことを否定する発言をしていた記事を以前読みました(ラジオ技術誌上でした)。
無量塔さんによれば、オールド楽器のニスは乾いています。彼は沢山ストラディヴァリを見て歩いた経験からそう発言していました。
(1)に関しては、たしかに数年たっても乾かないニスという話を以前聞いたことがあります。だから良い、ということではないとも聞きました。
どういう配合なら乾きやすいか、という技術面は専門家に聞く必要があるのではないでしょうか。このサイトのマスターの解説がほしいところです。私は新作を相当沢山見ましたが、やわらかすぎるニスというのはあまり目にしていません。
やわらかい場合は[6351]
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Re: ニスの色

投稿日時:2003年11月02日 15:44
投稿者:クレモーナ(ID:OBUXCAY)
クレモーナの新作を持ってます。ラベルは2000年で2000年冬に購入しました。今年が3回目の夏でしたが、30℃を超える日にはケースの跡がニスにつきました。今年の春にケースを替えたので昨年とは違ったところに跡がつきました。毎年秋冬になると跡は徐々に消えて目立たなくなるのですが、夏場は近くで見ると跡がついているのがわかってしまいます。
楽器の定期点検をしてもらったときに、楽器屋の店長に「3シーズン目でもまだ跡がつくんですけど、いつになったら跡がつかなくなるんでしょうか。」と聞いたら、「来年か再来年になったらほとんどつかなくなると思いますが、この楽器のニスは非常に柔らかいので、完全に跡がつかなくなるにはまだ数年かかるでしょう。」と言われました。
アルコールニスですが、オイルニスに近い柔らかさがあるようで、秋冬になると徐々に跡が消えていくのは、ニスの柔らかさのおかげだそうです。練習の後はクレモネーゼというすごく柔らかいクロスで丁寧に拭いていますが、ニスが柔らかいので拭いているうちにニスがなめらかになって跡が消えていくのです。
かなり暑い日でもケースの布にべったりとへばりつくようなことはありませんが、ニスの表面にケースのシルクプラッシュの跡がついてその部分だけツヤ消し状態になります。
ところでCremonaオーナー さんの楽器はどんなニスでしょうか?やっぱり夏場はケースの跡がつきますか?
のクレモーナさんなどのように慎重な扱いが必要になると、私も聞いています。
に関して、
無量塔蔵六さんは、岩波新書の青本「バイオリン」で同じことを書いています。あの本は絶版だったと思います。

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Re: ニスの色

投稿日時:2003年11月02日 15:44
投稿者:クレモーナ(ID:OBUXCAY)
クレモーナの新作を持ってます。ラベルは2000年で2000年冬に購入しました。今年が3回目の夏でしたが、30℃を超える日にはケースの跡がニスにつきました。今年の春にケースを替えたので昨年とは違ったところに跡がつきました。毎年秋冬になると跡は徐々に消えて目立たなくなるのですが、夏場は近くで見ると跡がついているのがわかってしまいます。
楽器の定期点検をしてもらったときに、楽器屋の店長に「3シーズン目でもまだ跡がつくんですけど、いつになったら跡がつかなくなるんでしょうか。」と聞いたら、「来年か再来年になったらほとんどつかなくなると思いますが、この楽器のニスは非常に柔らかいので、完全に跡がつかなくなるにはまだ数年かかるでしょう。」と言われました。
アルコールニスですが、オイルニスに近い柔らかさがあるようで、秋冬になると徐々に跡が消えていくのは、ニスの柔らかさのおかげだそうです。練習の後はクレモネーゼというすごく柔らかいクロスで丁寧に拭いていますが、ニスが柔らかいので拭いているうちにニスがなめらかになって跡が消えていくのです。
かなり暑い日でもケースの布にべったりとへばりつくようなことはありませんが、ニスの表面にケースのシルクプラッシュの跡がついてその部分だけツヤ消し状態になります。
ところでCremonaオーナー さんの楽器はどんなニスでしょうか?やっぱり夏場はケースの跡がつきますか?
に関して、
私は伊太利新作を相当沢山見ましたが、日本の気象条件に合わないニスも沢山見ました。友人曰く、柔らかい布できつく擦って、だんだん緩くしていくと、裏板のケースの後が消えるんだそうです。表板の布の跡は怖くて出来ないと言っていました。
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日光浴は…

投稿日時:2003年11月10日 18:11
投稿者:ruu(ID:F4dgUYc)
日光浴させている方の話題が出ていましたが、そ、それはお止めになった方が…(焦)
私は演奏は全く出来ませんが、楽器そのものに興味があり、以前バイオリンを作ってみことがあります。バイオリンは、精巧な形の割には、材料は木材&ニカワという至極シンプルな『天然材料』で出来ているので、材料の性質からいくと、日光・水・湿度・気温などにはできるだけさらさない方が良いと思います。
試しにそのへんにある木材を日光に当てて見ると判りますが、新しければ新しいほど、反ります。ただの板ぺらでもコワイくらい反りますから、それがあのバイオリンの複雑な形に於いて起きたら、考えるだけでも恐ろしく…バイオリンに使われる木材は、新作と言ってもかなりの年月乾燥させてあるはずですが、それでも水分はそれなりに残っていますし。
それに、バイオリンはニカワ(早い話がゼラチンのようなもの)をとろとろ煮て、糊状にしたもので貼り合わせてあるだけですから、余計な熱や日光をあてると、ゆるんだりひからびたりして、バラけるんじゃないかと。。バラけたら貼り直せばいいだけの話なんですけど、その時に、板が反ったり歪んでしまっていると、上手く貼れません。(歪んでいるのを無理に貼ると、変な力がかかって、割れの原因になりかねません。人間で言うと『姿勢の悪さが原因の肩凝り状態』です。)
ニスについては正式な成分はよく知らないのですが、新しくてやわらかいなら、熱で塗りの厚みが微妙に狂うんじゃないかなあ…
素人意見で恐縮ですが、着物などと同じで、楽器はメンテナンス次第で親子孫3代くらいは軽く使えますでしょうから、気を長く持って、あまり性急な仕打ちはしない方が良いと思います。。。
失礼致しました。
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Re: ニスの色

投稿日時:2003年11月10日 18:38
投稿者:tf(ID:I0dHF5c)
ニスはベースとなる樹脂質と、色んな成分で構成された色素の組み合わせです。手製の良い楽器だと天然の染料を使うことが多いでしょう。安楽器だと顔料を使っちゃってるのも有るようですが(染料と顔料の違いは皆さんご存知ですね)。

身近な色素だとサフランなんかも使われます(もちろん黄色)。麒麟血って漢方薬にも使われる化石化した樹脂だと、それはそれはキレイな赤色が出ます。こういった色素をアルコールや揮発油で溶いて蒸留し、ニスのベース(樹脂、油、その他高分子化合物)に加えて色ニスを作っていくわけです。

ベースの調合は、錬金術並みに色んな手法があるので(元々Violinも錬金術の産物といえます)、見ただけで成分や耐性を判断するのは難しいですね。なので、高価な楽器を買う場合は専門家に調べてもらうのがいいでしょう。紫外線ランプの下で調べたり、スペクトル分析するだけでも、いろんなことが分かりますから。

将来的な退色やニス自体の強度は、その成分や塗り方によっても全然変わりますから、一概に判断することも無理でしょう。日に当てて全然大丈夫なのもあれば、何年経っても柔らかいままってのもあります。


あと、トピックとしてはズレますが、Violinってノーブルなイメージが浸透しちゃってますね。実際には手軽に持ち運べて何でも弾ける民衆楽器として世界中に広まってたりもします。むき出しのまま馬の背中に積まれて砂漠を渡っていったViolinだってあったことでしょう。

何百年経っても基本的な構造が変化しないのは、Violinって楽器が本質的に完璧で頑丈だという証拠です。チョッとやそっとでおかしくなる楽器は、アンマリ価値がないと判断したほうがいいのでは。もちろん、高価なオールド楽器はそういうわけにもいきませんがね。
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Re: ニスの色

投稿日時:2003年11月10日 20:39
投稿者:ルビイ(ID:KIg1SBQ)
先日友人がバイオリンを日光浴させているところを見せてもらいました。直射日光ではなく、白いレースのカーテン越しに夕日を当てていました。およそ10分ごとにバイオリンの位置や角度を変えていました。それをだいたい2時間くらいやってました。日光浴中のバイオリンを触ってみましたが、日の当たっている面がほんの少し温かいかな、という程度でした。こんな風に、朝か夕方の弱い太陽光線を時々当てているようです。バイオリンを日光浴させている部屋は、湿度が40%に保たれていました。前に見たときより多少赤みが弱くなっていますが、それでも十分に赤かったです。派手な赤さが落ち着いた赤さに変化した、という感じでたしかに見栄えは良くなったとは思いますが、日光浴をさせなくてもこうなったのではないか、と思う程度の微妙な変化です。冬は日光が弱いということでしばらく日光浴を続けるようなので、何ヶ月後かにまたそのバイオリンを見せてもらったら書き込みします。
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Re: ニスの色

投稿日時:2003年11月10日 20:41
投稿者:Geiger1951(ID:UBdABxA)
この問題について製作者の岩井孝夫さんが面白い試みをしています。
「弦楽器フェア」に書き込みます。
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Re: ニスの色

投稿日時:2003年11月15日 19:59
投稿者:ルビイ(ID:OSggRRY)
友人によると、バイオリンの日光浴のアイデアを思いついたのは、ある弓の製作者の工房を訪ねたときに、「完成したばかりの弓の色を落ち着かせるために、カーテン越しに時々夕日を当てる。」という話を聞いたからだそうです。「完成したばかりの弓は、高級品であれば鮮やかなオレンジレッドのペルナンブコを使うので、テカテカとした派手な仕上がりになる。でも、それだといかにも新作弓という感じで貫禄が出ない。そこで、注文主の要望にもよるが、落ち着いた色を望まれた場合には、完成した後3~4週間工房に置いておき、時々夕日に当ててやると落ち着いたいい色に仕上がる。鮮やかな色がちょっとくすんだ感じになる。」とのことです。それを聞いた友人は、バイオリンにも同じことをすればニスの色が落ち着いていくのではないか、と思い実際にやってみたようです。
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Re: ニスの色

投稿日時:2003年12月06日 20:26
投稿者:ド素人(ID:GTOTVjA)
博識なみなさんの書き込みを興味深く読ませていただいております。さて先日、弦楽器展示会に行ってお店の方が話されていたことに素朴な疑問があります。

バイオリンの裏板の横方向には杢(モク)が入っていますが、お店の方がおっしゃるには、年月の経過とともに杢も美しく見えるようになっていく、とのことでした。最初のうちはあまり杢がハッキリしていなくても、年月が経過するにつれて徐々に杢がハッキリしてきて美しくなっていく、とのお話でした。1・2年では気がつかない程度の変化だが、10年・20年の単位で見るとハッキリとわかるくらい変化をする、とのことでした。

(1)本当のところ、杢というのは年月の経過とともに見映えが良くなるものなのでしょうか?

(2)またこれは、裏板の楓自体が変化するからなのか、それとも、使っているうちにニスが薄くなって杢が見え易くなるからなのか、どちらなのでしょうか?

素朴な疑問ですみませんが、ご教授お願いします。
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カエデの木理は変化しない

投稿日時:2003年12月06日 23:55
投稿者:Geiger1951(ID:Fxk4BJE)
ヴァイオリンの表板は「スプルース」といって、松科の材木ですが、背板と側板は楓です。
++++
楓の杢(もく)には
「波状木理」(はじょうもくり)や
「鳥目杢」(birds' eye maple)
などの種類があります。
木の成長層の状態や細胞の配列で決まるので、後から変わることはあり得ません。
あまり杢が目立たない材質の楓を使えば、模様は見えにくいです。
http://www.inh.co.jp/~hayasida/top11.html
+++++
波状木理は人気があるので、そういうヴァイオリンの方が価格が高くなる傾向があります。
鳥目杢は一風変わった美しさに弾かれるヴァイオリニストがいるようですが、人によってはマダラが気味悪いと感じるので、価格が不利というジンクスがあるそうです。

木理がはっきりしないヴァイオリンは音が劣っているとは言えないというのが専門家の意見だと聞いています。ただし、波状木理は光のあたる方向によって明るい部分と暗い部分が交代するなど、見た目に魅力的なため、木材も値がはり、それを使うということは、高く売れる前提で作っているはずだということです。
+++++
波状でない楓が何時の間にか「波状木理」楓に変質することは、無いというのが技術者の意見でした。
[7732]

Re: ニスの色

投稿日時:2003年12月07日 19:07
投稿者:ド素人(ID:Q3EpQA)
Geiger1951さん、詳細なご回答ありがとうございます。 楓の杢自体は変化しないようですね。ただ、杢自体は変化しなくても、ニスが木に染み込んで行くとか、染み込んだニスが変化していく(ニスと木が化学変化を起こす)ことによって、杢の見映えが多少良くなるということはないのでしょうか?
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