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ピグマリウス | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 68 Comments
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ピグマリウス

投稿日時:2003年12月13日 21:32
投稿者:楽人(ID:N3kISRA)
楽人(ガクト)と申します。今年(2003年)の夏に、千住真理子さんのコンサートを聴きに行きました。千住さんは、TVや雑誌で報道されたように、2002年に、幻の名器と言われるストラディヴァリウス「デュランティー 1716年製」を入手されています。そのコンサートでは、デュランティーの音色が聴けると期待して行ったのですが、ピグマリウスというヴァイオリンを使用されていたわけです。
コンサートの後、質問コーナーがあり、舞台上の千住さんに会場のお客さん数人が質問した時のことです。
1人のお客さんが、「千住さんは幻の名器と言われるデュランティーを入手されたわけですが、弾き心地はいかがでしょうか?」と質問しました。「弾けば弾くほど魅力的な楽器で、練習するのが楽しくなりました。これからもっともっといい音が出るようになると思います。」
続いて次のお客さんが、「今日お使いのヴァイオリンは、非常に新しいので、デュランティーではないとお見受けしますが、どんな楽器なのでしょうか?」と尋ねると「これはですね~、東京の文京楽器が作っているピグマリウスというヴァイオリンです。10年くらい愛用しています。これは知る人ぞ知る名器なんです。練習だけではなくて、今日のように本番でも時々使ってます。」
そのコンサートでは、ベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」の他、小品が何曲か演奏されました。伴奏者が非常に若かったせいか、元気良く弾き過ぎてピアノ伴奏がうるさいくらいでしたが、それでも私が座っていた後方の席までピグマリウスの音は、ピアノ伴奏に負けずに、はっきりと聞えてきました。(ピアノはスタインウェイのフルコンサートグランドでした)
でも、デュランティーのようなストラディヴァリウスの名器を手に入れてしまったら、もう他のヴァイオリンなど弾きたくなくなるのではないか(他のヴァイオリンでは満足できないのではないか)、と思うのですが、どうなんでしょうか?他のヴァイオリンを弾く暇があったら、その時間をストラディヴァリウスを弾くために使いたいと思うのが自然だと思うのですが。
時々は、サブの楽器も、練習のときくらいは弾いてやらないと調子が悪くなって鳴らなくなったりするでしょうから、練習で時々使うというのなら理解できますが、本番でまで使うというのは何か特別な意図があるのでしょうか?
私もヴァイオリンを弾きますが、50万円のヴァイオリンから150万円のヴァイオリンに移行したとき、最初のうちは、50万円のヴァイオリンも何かあったときの予備として持っていよう、ということで時々練習に使っていましたが、150万円のヴァイオリンの音に耳が慣れてしまうと、もう50万円のヴァイオリンの音では満足できなくなって全然使わなくなってしまいました。
150万円と50万円でもこんな具合ですから、まして数億円はするというストラディヴァリウスの名器に耳も体も慣れてしまったら、とても他の楽器では満足できないと思うのです。
TVや雑誌などを見た限りでは、千住さんは、デュランティーに惚れ込んでおられるようなだけに、他の楽器を使っておられることが不思議でたまらないのです。
例えば、五嶋みどりさんは、毎年、小学校・中学校などの体育館での無料レクチャーコンサートを盛んにされていますが、そうした条件の悪い場所でのコンサートでも、必ず、ストラディヴァリやガルネリの名器を使用されています。(みどりさんは、以前はストラディヴァリウス「ジュピター」を、現在はガルネリ・デル・ジェス「エクス・フーベルマン(ギブソン)」を使用されています。)
空調設備の整っていない体育館で、大勢の生徒の前で演奏する場合、気温や湿度の点では、オールドの名器にとっては良くないコンディションの場合(特に雨の日など)もあると思いますが、それでも、みどりさんは、本格的なコンサートと同じくオールドの名器を使用されています。
この辺の考え方は、演奏家によって違うとは思いますが、素人的に考えると、みどりさんのように、名器を入手した以上は練習でも本番でも常に名器だけを使用するのが普通だと思うのですが、どうなんでしょうか?
実際に聴いてみて、千住さんのピグマリウスがコンサートで使えるだけの素晴らしい楽器だということは理解できましたが、どう考えたって、300年近くが経過したストラディヴァリウスの名器には及ぶはずがないだろうと思います。
どなたかこの疑問を解決していただけませんか?よろしくお願いします。
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【ご参考】
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Re: ピグマリウス

投稿日時:2003年12月13日 22:34
投稿者:mm(ID:NANHAng)
宣伝だったんじゃないでしょうか?
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Re: ピグマリウス

投稿日時:2003年12月13日 23:10
投稿者:天音のパパ(ID:EVOTFVU)
どちらの楽器もいろんな意味で宣伝なのでは?
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Re: ピグマリウス

投稿日時:2003年12月13日 23:20
投稿者:こあら(ID:GYNBlJA)
宣伝であることには違いないと思いますが、普段工場製のヴァイオリンや
弓で弾いている人がストラディバリウスを弾いても弾きこなせないが、
その逆に普段名器で弾いている人が工場製の道具を弾くといい音が出る
というのも、当たっているような気がします。
無駄な力が抜けたりして、楽器の能力をより引き出せるんでしょうね。
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Re: ピグマリウス

投稿日時:2003年12月14日 00:22
投稿者:楽人(ID:ICKGl1U)
楽人です。素晴らしいストラディヴァリウスを手に入れることができたら、その名器から最高の音を引き出すことに専念したくなるのが普通だと思います。他の楽器など弾いている暇などないのではないかと思うのです。あとストラディヴァリウスでなければ出せないような音とかストラディヴァリウスでなければできないような表現もあるはずですから、他の楽器のときにはそういうことができなくて不満を感じるのではないかと思います。実際、ストラディヴァリウスを使用しているソリストの方々がストラディヴァリウスについて語るのを読むと、ストラディヴァリウスは表現の可能性を広げてくれる、などと書いています。
ですから、ピグマリウスを本番で使う理由が、単に宣伝などとは思えません。ヴァイオリンや弓の性能にとことんこだわるプロが、たとえ頼まれたとしても、宣伝のために、音色や表現を犠牲にするとはとても考えられません。
ストラディヴァリウスのような名器が、数億円もするのは、骨董的価値によるものが大半を占めているのは理解していますが、それでもやはり音色の素晴らしさ、表現の多彩さ、弾き易さなどもあるからこそ数億円出してでも手に入れたいと思うヴァイオリニストが多数いるわけでしょう。
せっかく数億円も出して念願のストラディヴァリウスを手に入れた人が、どうして、本番で時々ピグマリウスを使用するのでしょうか?
ストラディヴァリウスの力(ちから)など借りなくても、新作楽器で素晴らしい演奏をしてみせるという演奏家が、いつも新作楽器を使っているというのは、それはそれで理解できます。実際そういうヴァイオリニストが何人かいます。
そこで、もう一度お尋ねしますが、ストラディヴァリウスのような名器を持っている人で、(ピグマリウスに限らず)新作楽器を使っている例は何人か挙げられますが、どうして彼らはせっかく入手したストラディヴァリウスを常に使わずに、時々「本番で」新作楽器を使用するのでしょうか?
名器を持っているソリストクラスの人で新作楽器をサブで持っているという例はいくつか知っていますが、本番で実際に新作楽器を使用するのを聴いたのは、千住さんが始めてだったので、非常に驚いたのです。
タイトルは「ピグマリウス」ではなく「ストラディヴァリウスの所有者があえて新作を本番で使うのはなぜか?」くらいにしておけば良かったです。改めてよろしくお願いします。
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Re: ピグマリウス

投稿日時:2003年12月14日 04:17
投稿者:pochi(ID:EHMSE0E)
良い楽器だと思いますが、私が試した物は板が少しだけ薄めだと思いました。小柄で非力な人には弾きやすいと思います。

「ストラディヴァリウスの所有者があえて新作を本番で使うのはなぜか?」との事ですが、弾き慣れていない楽器を弾きこなすのには少なくとも半年は掛かります。しかも デュランティーは永く眠っていた楽器なので、弾き難いでしょうね。

所有者の技量については、ぷーたさんにお尋ね下さい。
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Re: ピグマリウス

投稿日時:2003年12月15日 12:32
投稿者:ピグマリオン(ID:KIdwEA)
以前NHK教育テレビで放映された「バイオリンは友達」という番組の中で、ピグマリウスを製作している文京楽器の工房の様子と職人さんのインタビューが3分位映ってました。昔ながらの内枠式の製作方法が採用されており、ノミやカンナを使って手作りで製作されていました。価格の安いものはコストの関係から一部を機械に頼って製作してると思われますが、高級品は完全手工品だと思います。友人が定価150万円のガルネリ型のピグマリウスを持ってるので弾かせてもらったことがありますが、とてもいい楽器です。特に音が大きくてパワフルです。自分はクレモナの有名製作者S.C.の楽器を持ってますが、音量では全然かないません。友人の所属する弦楽合奏団のコンマスはモダンイタリーにガット弦のオリーヴを張ってたのですが、彼のピグマリウスの音量に脅威を感じたのか、最近弦をオブリガートに替えました。
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すとらど

投稿日時:2003年12月15日 15:25
投稿者:けいちゃん(ID:aFE3MhA)
その時は単に調整中(メンテナンス中)だったんじゃないですか?
すとらどの調整ができるところは、東京に1カ所、アメリカに1カ所、他に世界に数カ所しかないと諏訪内氏が何かに書いていたのを憶えています。それにおととし共演した時、合宿の練習に参加してくれたんですが、外で演奏するコンサートとスケジュールが重なっていたため、日光に照てるのは御法度なので、替わりの楽器しか持ってこなかったということもあります。
来年の定演でまた千住さんと共演します(シベコン)が、楽器の調子が悪くなければ聴かせてもらえるんじゃない、ぐらいのつもりでいます。
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Re: ピグマリウス

投稿日時:2003年12月15日 18:12
投稿者:つけたし(ID:NSOCAWU)
なるほど調整中、ウォームアップ中って事もありますね。
今後の演奏会では使って下さるでしょうかね。名器の持ち主はなるだけその楽器を使う責任があると思いますよ。聴衆はその演奏家の演奏とともに世間に知れ渡った名器の音も聴きに行ってるわけだから・・・。
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Re: ピグマリウス

投稿日時:2003年12月15日 21:09
投稿者:情報通(ID:GUiTiAk)
ピグマリウスは20万円以下のは中国製だけどそれより高いのは日本製です。30から60万円のは半手工の楽器ですが,100万円を超える高級品は1人の職人が最初から最後まで一貫して作る手作り楽器です。手作りとは言ったけど,多くの製作家と同じように電動糸ノコなどの必要最小限の機械は使っていると思います。リバースってのもあるけどこちらはオールドイミテーション(擬似オールド楽器)です。擬似オールド処理に手間がかかる分値段はちょっと高めになってます。ピグマリウスは擬似オールド処理の施されてない新作らしい新作で,ラベルを見なければクレモナの新作と見間違う人がいるかもしれない。変な個性というか変なクセがない素直な楽器なのでとても扱い易いと思う。イタリーの新作だとストラディヴァリの型(フォルム・イメージ)を真似ていても,楽器の様々な場所に個々の職人の個性が色濃く反映して,結果的に音にも職人の個性が強く反映されてますが,ピグマリウスには個々の職人の個性のようなものがほとんど反映されてません。このためストラディヴァリ型のイタリアの新作は,職人の個性とストラディヴァリの個性がうまい具合に調和したときには非常に良い結果が出ますが,たいていはそうでないこと(個性の合成に失敗している例)が多いように思います。ストラディヴァリのように非常に完成度の高い個性には,たとえ優れた個性であっても余計な個性を混ぜ合わせるとバランス(調和)が崩れてしまうのでしょう。特にイタリア人は日本人よりも良い意味でも悪い意味でも個性が強い(個性が濃い)ですからなおさらでしょう。一方ピグマリウスは職人が自分の個性を抑えてまで(独自性を殺してまで)ストラディヴァリの型に忠実であろうとするのでストラディヴァリに近いところに到達できるのでしょう。プロのように自分独自の音を持っている人にとっては,楽器に余計な個性がない分,自分の音が出し易いと感じられるでしょう。また個性(アク)が強くないのでサブの楽器として常時使用してもメインの楽器を演奏する際に支障が出ないでしょう。このあたりがプロにも重宝される理由ではないかと思います。その他の特徴としてはイタリーの新作と違って出来不出来の差が少ないのが特徴です。品質のバラツキが少ないので,価格の高いピグマリウスが安いピグマリウスに性能や美観で負けるという逆転現象はありません。このように値付けが合理的で価格と品質が比例している点は多いに評価できると思います。あと日本で製作して調整しているため最初から糸巻きの調子がいいです。高音多湿な日本の気候に対する調整が十分でないイタリー製新作のように糸巻きがキコキコ(ギシギシ)いったりすることはありません。総合的に評価するとピグマリウスは,一般には入手できないようなイタリー製新作(真作)の極上品(プロだけが入手できるような極上の逸品)よりも優れていると言うのは難しいでしょうけど,一般に店頭で市販されているイタリー製新作の大半よりも優れていると言っても過言ではないと思います。ピグマリウスを多数試奏した経験を基に客観的に書かせていただきましたが,ピグマリウスの愛用者やピグマリウスを製作している職人さんのご意見などもぜひ伺ってみたいものです。(弓についての掲示板にも同じ文章を掲載させていただきました)
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