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現代のヴァイオリニストの音楽性は明らかに退化している
投稿日時：2006年02月02日 15:26
投稿者：玉木宏樹(ID：GIMlEwk)
「革命的音階練習」の解説文の最後に重要なことが書いてあるので紹介しておきます。
また刺激的な小見出しですが、トータルに音楽を俯瞰しない現代のヴァイオリニストの練習の仕方では、いつでも誰かに教わらないと新しい曲が奏けない人が増えています。シューマンも言っています。「単なる肉体練習は指を回さない。知性こそが指を回す」と。まるで強迫観念のような体育会系練習では、覚え込んだことしか奏けません。何時間もさらうより、譜面をよく見ること、ソナタならピアノパート、協奏曲ならオケスコアを穴の開くほど見つめ、アナリーゼしていけば作曲家が何を重要とし、どう奏くべきかは自ずとわかってくるはずです。もちろん見ているだけでは駄目で、必ず頭の中で音を鳴らす、つまりソルフェージすることが重要です。これは今はやりのイメージトレーニングでもあるわけです。そしてどんな作曲家の作品でも、自分が作曲したものだと思いこめるようになれば、何をどう奏くべきかは自分で決定できるわけです。そのためにも私はみなさんに作曲をすすめます。そうすれば、重要なテーマ、フレーズ、パッセージは分かってくるものです。現代のヴァイオリニストの99％は作曲をしませんから、トータルに音楽を読む能力が欠如している場合が多いと思います。歴史をさかのぼると、ずっと昔からヴァイオリニストの多く（有名なひとはほとんど100％）は作品を残しています。ちょっと名前を列挙してみましょう。バッハ以前のコレルリ、バッハと同時のヴィヴァルディ、タルティーニをはじめ、近代奏法の始祖となったヴィオッティ、バイヨー、ローラ、パガニーニ、シヴォリ、パリではアブネック、マザー、ダンクラ、アラール、サラサーテ、ヴィエニャフスキー、その他、ドイツではエルンスト、ドント、シュポーア、ヨアヒム、ヘルメスベルガー、ベルギーのベリオ、ヴュータン、その他、バッツィーニ、ドルドラ、シェフチーク、フーバイ等々、多々済々です。
しかし、クライスラー以後、最近では作曲するヴァイオリニストが全く減りました。その原因のひとつはコンクール用の画一的反復練習もあるでしょうが、演奏曲がせいぜい後期ロマン派どまりでリズム感も希薄ときては、作曲をやったとしても時代遅れの曲しか書けないからだろうと思われます。ぜひこの教本が今までの意識革命の一助となればたいへんよろこばしいことです。
また刺激的な小見出しですが、トータルに音楽を俯瞰しない現代のヴァイオリニストの練習の仕方では、いつでも誰かに教わらないと新しい曲が奏けない人が増えています。シューマンも言っています。「単なる肉体練習は指を回さない。知性こそが指を回す」と。まるで強迫観念のような体育会系練習では、覚え込んだことしか奏けません。何時間もさらうより、譜面をよく見ること、ソナタならピアノパート、協奏曲ならオケスコアを穴の開くほど見つめ、アナリーゼしていけば作曲家が何を重要とし、どう奏くべきかは自ずとわかってくるはずです。もちろん見ているだけでは駄目で、必ず頭の中で音を鳴らす、つまりソルフェージすることが重要です。これは今はやりのイメージトレーニングでもあるわけです。そしてどんな作曲家の作品でも、自分が作曲したものだと思いこめるようになれば、何をどう奏くべきかは自分で決定できるわけです。そのためにも私はみなさんに作曲をすすめます。そうすれば、重要なテーマ、フレーズ、パッセージは分かってくるものです。現代のヴァイオリニストの99％は作曲をしませんから、トータルに音楽を読む能力が欠如している場合が多いと思います。歴史をさかのぼると、ずっと昔からヴァイオリニストの多く（有名なひとはほとんど100％）は作品を残しています。ちょっと名前を列挙してみましょう。バッハ以前のコレルリ、バッハと同時のヴィヴァルディ、タルティーニをはじめ、近代奏法の始祖となったヴィオッティ、バイヨー、ローラ、パガニーニ、シヴォリ、パリではアブネック、マザー、ダンクラ、アラール、サラサーテ、ヴィエニャフスキー、その他、ドイツではエルンスト、ドント、シュポーア、ヨアヒム、ヘルメスベルガー、ベルギーのベリオ、ヴュータン、その他、バッツィーニ、ドルドラ、シェフチーク、フーバイ等々、多々済々です。
しかし、クライスラー以後、最近では作曲するヴァイオリニストが全く減りました。その原因のひとつはコンクール用の画一的反復練習もあるでしょうが、演奏曲がせいぜい後期ロマン派どまりでリズム感も希薄ときては、作曲をやったとしても時代遅れの曲しか書けないからだろうと思われます。ぜひこの教本が今までの意識革命の一助となればたいへんよろこばしいことです。
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【ご参考】
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Re: 現代のヴァイオリニストの音楽性は明らかに退化している
投稿日時：2006年02月06日 02:37
投稿者：kokukirin(ID：lEYDWRA)
Geigerinさま>
> 「素人は音楽がわかっとらん」と思っているプロの演奏家はいません！
そうですよね。1万円は、私があげるべきか？
じゃ、今度日本に来たら食・・・（わっ、何してるんだ～！）
旅のお帰りをお待ちしています。
このスレッドは音楽性というのをどう捉えるかっていう問題もあるような。
例えば、芸術にはすべて時代の流れというのがあるわけで、今の時代は天才がいるとかいないという話にもなるかもしれませんが、実際問題、それよりも大切なのは、現代の演奏家は何のために演奏しているか、ってことではないかと思います。抽象論のようですが、演奏にもろに出ます。
例のオケの話でいえば、あるオケがシューマンの交響曲第4番をやったことがあって、モーツァルトやべートーベンで痛い目を見ている私は期待していなかったのですが、これがなかなか良かったのです。会場は大拍手です。それに応えて指揮者はスコアを取り上げ、上に掲げて指揮棒で拍手しました。私が思うに、シューマンの偉大さを示したかったのだと思います。
プロの演奏家で自分は作曲家より偉大であると思っている人はいないと思いますが、そういうふうに見える演奏はあるように思います。演奏を聴いて曲の本質に触れる、その体験からまたその演奏家を好きになる。そうではなく上手な演奏家だというのが先にきて曲のすばらしさが後ろに隠れてしまう、これは逆ではないか、と思います。
クラシック音楽に限らず、自作自演する演奏家も自分の偉大さを示そうとか、金儲けしようとしている限り、ミューズの神は決して舞い降りて来ないと思うのです。（長くなりそうなので、いきなり結論です。）
もちろん、釈迦に説法ですので、失礼なことを書いていると思いますが、一部の有名な演奏家が一度でもそういう演奏をしてしまうと、それが普通のことなのだと思ってしまいます。だから、真摯な音楽家が、下手じゃないのよぉっておっしゃるのは、正当な権利です。（いまさら、遅いか？）
> 「素人は音楽がわかっとらん」と思っているプロの演奏家はいません！
そうですよね。1万円は、私があげるべきか？
じゃ、今度日本に来たら食・・・（わっ、何してるんだ～！）
旅のお帰りをお待ちしています。
このスレッドは音楽性というのをどう捉えるかっていう問題もあるような。
例えば、芸術にはすべて時代の流れというのがあるわけで、今の時代は天才がいるとかいないという話にもなるかもしれませんが、実際問題、それよりも大切なのは、現代の演奏家は何のために演奏しているか、ってことではないかと思います。抽象論のようですが、演奏にもろに出ます。
例のオケの話でいえば、あるオケがシューマンの交響曲第4番をやったことがあって、モーツァルトやべートーベンで痛い目を見ている私は期待していなかったのですが、これがなかなか良かったのです。会場は大拍手です。それに応えて指揮者はスコアを取り上げ、上に掲げて指揮棒で拍手しました。私が思うに、シューマンの偉大さを示したかったのだと思います。
プロの演奏家で自分は作曲家より偉大であると思っている人はいないと思いますが、そういうふうに見える演奏はあるように思います。演奏を聴いて曲の本質に触れる、その体験からまたその演奏家を好きになる。そうではなく上手な演奏家だというのが先にきて曲のすばらしさが後ろに隠れてしまう、これは逆ではないか、と思います。
クラシック音楽に限らず、自作自演する演奏家も自分の偉大さを示そうとか、金儲けしようとしている限り、ミューズの神は決して舞い降りて来ないと思うのです。（長くなりそうなので、いきなり結論です。）
もちろん、釈迦に説法ですので、失礼なことを書いていると思いますが、一部の有名な演奏家が一度でもそういう演奏をしてしまうと、それが普通のことなのだと思ってしまいます。だから、真摯な音楽家が、下手じゃないのよぉっておっしゃるのは、正当な権利です。（いまさら、遅いか？）
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Re: 現代のヴァイオリニストの音楽性は明らかに退化している
投稿日時：2006年02月06日 09:26
投稿者：wakaruwakaru(ID：FTJWUJg)
いいお話ですね。
＞音楽性というのを、どう捉えるか
そうそう、これをはっきりせねば…
絵画において、画材は『道具』、技法は『手段』、表現は画家の『思想』
小説において、本は『道具』、文章は『手段』、内容は小説家の『思想』
音楽においては、楽器は『道具』、技巧は『手段』、音楽性は演奏家の『思想』じゃないかしら？
どなたかが『感性の共有』とおっしゃってましたが、作曲家の意図を知るというのは、言い換えれば作曲家と『感性の共有』するということだと思います。なぜ、名曲がいつの時代にも受け入れられるかといえば、やはり、聴衆は作曲家の思想と『感性の共有』を覚えるから。
例えば、人の自伝を聞くとき、擬似体験をしたことのある人は、未経験の人とは感じ方・受け取り方が当然違いますよね。疑似体験できなくても、それほど感性豊かに人の心が読めるかどうか、そこが音楽性の有無につながるのではないでしょうか。
名曲には、作曲家の思想がつまっています。
『何故作曲家は亡命したのか？』
この命題を考えてみるとき、今の恵まれた日本人で、そこまでの衝動にかられる人がいったいどれほどいるでしょう？『亡命する』…自分の置かれた境遇に疑問、不満を感じたとき、国政を考え、おいては、世界情勢に目を向けるでしょう。そこまで考えることができたとき、巨匠の思想に近づけるのかもしれません。
＞音楽性というのを、どう捉えるか
そうそう、これをはっきりせねば…
絵画において、画材は『道具』、技法は『手段』、表現は画家の『思想』
小説において、本は『道具』、文章は『手段』、内容は小説家の『思想』
音楽においては、楽器は『道具』、技巧は『手段』、音楽性は演奏家の『思想』じゃないかしら？
どなたかが『感性の共有』とおっしゃってましたが、作曲家の意図を知るというのは、言い換えれば作曲家と『感性の共有』するということだと思います。なぜ、名曲がいつの時代にも受け入れられるかといえば、やはり、聴衆は作曲家の思想と『感性の共有』を覚えるから。
例えば、人の自伝を聞くとき、擬似体験をしたことのある人は、未経験の人とは感じ方・受け取り方が当然違いますよね。疑似体験できなくても、それほど感性豊かに人の心が読めるかどうか、そこが音楽性の有無につながるのではないでしょうか。
名曲には、作曲家の思想がつまっています。
『何故作曲家は亡命したのか？』
この命題を考えてみるとき、今の恵まれた日本人で、そこまでの衝動にかられる人がいったいどれほどいるでしょう？『亡命する』…自分の置かれた境遇に疑問、不満を感じたとき、国政を考え、おいては、世界情勢に目を向けるでしょう。そこまで考えることができたとき、巨匠の思想に近づけるのかもしれません。
[a16840]
Re: 現代のヴァイオリニストの音楽性は明らかに退化している
投稿日時：2006年02月06日 15:37
投稿者：尚(ID：GTiHI5Q)
確か先週末には店頭に並ぶと聴いていたのに
「革命的音階練習」は店頭にでているのですか？
今日（2月5日）、大阪の大型店舗で調べてもらったところ、新刊のリストにはありませんでした。
セブシックでうんざりしているので革命的に旨くなろうと思い期待していたのに残念。
「革命的音階練習」は店頭にでているのですか？
今日（2月5日）、大阪の大型店舗で調べてもらったところ、新刊のリストにはありませんでした。
セブシックでうんざりしているので革命的に旨くなろうと思い期待していたのに残念。
[a16841]
Re: 現代のヴァイオリニストの音楽性は明らかに退化している
投稿日時：2006年02月06日 18:08
投稿者：山田(ID：J5hCknQ)
そもそもヴァイオリニストがどういうものを求められているか、時代によってあまりに違います。
現代の聴衆の耳は実に厳しいと言っても、さて、厳しさの内容が問題ですね。今の聴衆のほとんどは、表面的な「見事さ」しか求めてないでしょ。それもおそろしいほど完璧な「見事さ」をね。そういう聴衆を相手にしてるんですよ。マネージメント側も売れる子を見つけるのが第一。仕事上当然のことですよ。そして弾き手は良いマネージメントにのれるかどうかでだいたい先が決まる。そして、それぞれがバラバラ。
昔はどうでした？聴衆と弾き手とマネージメントがとても親密な関係にあった。そして聴衆は今より断然高レベルの「音楽性」をもってましたよ。
現代の聴衆の耳は実に厳しいと言っても、さて、厳しさの内容が問題ですね。今の聴衆のほとんどは、表面的な「見事さ」しか求めてないでしょ。それもおそろしいほど完璧な「見事さ」をね。そういう聴衆を相手にしてるんですよ。マネージメント側も売れる子を見つけるのが第一。仕事上当然のことですよ。そして弾き手は良いマネージメントにのれるかどうかでだいたい先が決まる。そして、それぞれがバラバラ。
昔はどうでした？聴衆と弾き手とマネージメントがとても親密な関係にあった。そして聴衆は今より断然高レベルの「音楽性」をもってましたよ。
[a16842]
Re: 現代のヴァイオリニストの音楽性は明らかに退化している
投稿日時：2006年02月06日 19:22
投稿者：ばよりんひき(ID：dSCHcmA)
革命的・・・ですが、昨日銀座のYAMAHAにはありました。
手にとって見ている方もいたので、このスレを見ている人かな？
と想像してしまいました・・・
手にとって見ている方もいたので、このスレを見ている人かな？
と想像してしまいました・・・
[a16843]
Re: 現代のヴァイオリニストの音楽性は明らかに退化している
投稿日時：2006年02月07日 00:28
投稿者：玉木宏樹(ID：GIMlEwk)
[a16840]
尚さんへ。
普通の本屋さんにはありません。レッスンの友社に訊きましたが
大阪なら楽器店問屋に卸してあるので楽器店には必ずあるはずとの
ことです。なお、地方で楽器店のない場合、私に直接メール下さい。
対処致します。
[a16840]
Re: 現代のヴァイオリニストの音楽性は明らかに退化している
投稿日時：2006年02月06日 15:37
投稿者：尚(ID：GTiHI5Q)
確か先週末には店頭に並ぶと聴いていたのに
「革命的音階練習」は店頭にでているのですか？
今日（2月5日）、大阪の大型店舗で調べてもらったところ、新刊のリストにはありませんでした。
セブシックでうんざりしているので革命的に旨くなろうと思い期待していたのに残念。
「革命的音階練習」は店頭にでているのですか？
今日（2月5日）、大阪の大型店舗で調べてもらったところ、新刊のリストにはありませんでした。
セブシックでうんざりしているので革命的に旨くなろうと思い期待していたのに残念。
普通の本屋さんにはありません。レッスンの友社に訊きましたが
大阪なら楽器店問屋に卸してあるので楽器店には必ずあるはずとの
ことです。なお、地方で楽器店のない場合、私に直接メール下さい。
対処致します。
[a16844]
Re: 現代のヴァイオリニストの音楽性は明らかに退化している
投稿日時：2006年02月07日 16:44
投稿者：尚(ID：GCB0J1g)
「革命的音階練習」楽器店にありました。
これから、飛躍的な進歩を期待して練習します。
これから、飛躍的な進歩を期待して練習します。
[a16845]
Re: 現代のヴァイオリニストの音楽性は明らかに退化している
投稿日時：2006年05月30日 23:57
投稿者：てれ(ID：FDViiCc)
進化してるよね
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