ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web
ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web

日本ではあまり有名ではないが凄い演奏家 | ヴァイオリン掲示板

ヴァイオリン好きのための情報サイト ヴァイオリン・ウェブ
雑談・その他 25 Comments
[16848]

日本ではあまり有名ではないが凄い演奏家

投稿日時:2004年10月17日 21:54
投稿者:リコシェ(ID:SIAVBTA)
日本ではあまり有名ではないが「凄い」演奏家を紹介するスレッドです。では、まず私から、3名紹介します。
1 アレクサンドル・ドゥバッハ
HMVで入手したパガニーニのヴァイオリン協奏曲全集を聴いてビックリしました。3枚組で2,000円未満という廉価版のCDなのであまり期待してなかったのですが、聞いてみたらエレイ凄さに参りました。キビキビ・ハキハキと弾くかと思えば、思い入れたっぷりに歌いまくるなど、自由自在で伸びやかなパガニーニを聞かせてくれます。良い意味でオーヴァアクションで、これぞパガニーニ!といったところです。とにかくものすごく上手くて、聞いていてとっても楽しいパガニーニです。解説書が付いてないので、経歴等は不明ですが、間違いなく凄い演奏家と言えるでしょう。あと面白いことに、このパガニーニ協奏曲全集におけるカデンツァは、ドゥバッハの手によるもので、これがまた聞き物です。有名なエミール・ソーレのカデンツァに勝るとも劣らない超絶技巧満載で楽しめます。これは絶対にお買い得です。
2 マッシモ・クァルタ
1958年イタリア生まれの中堅です。パガニーニコンクールの覇者ということで、パガニーニが得意です。パガニーニが所有していたガルネリ「カノン砲」によるパガニーニ協奏曲全集が聞き物です。クァルタも一部の協奏曲で彼自身のカデンツァを披露してくれています。クァルタの方が、ドゥバッハよりも隙が無く磨きぬかれた上手さがありますが、その分ドゥバッハに比べると少しおとなしい演奏に聞こえるかも知れません。信じがたいほどの完成度で、アッカルドの協奏曲全集がもはや過去の物と感じさせてしまいます。(私は個人的には、アッカルドは好きな演奏家なのですが、クァルタの余裕のある演奏を聴いてしまうと、もはやアッカルドの演奏には戻れません)クァルタのなめらかな音の出し方とクセの無いイントネーションは、いつ聞いても、とっても心地良いです。パガニーニのガルネリ「カノン砲」も、他のCDで聞かれる音(例えば、アッカルドの演奏など)よりもずっと良い音で収録されていて、ガルネリならではの太くたくましい音が楽しめます。
3シュテファン・ミレンコーヴィッチ
1977年ユーゴスラヴィア生まれの新鋭。パガニーニの「無伴奏曲集」CD2枚組が凄い!名曲カプリースだけでなく、有名無名の無伴奏曲を収めています。ミレンコーヴィッチは身長が190センチ近くある巨漢の2枚目ヴァイオリニストです。体の大きいヴァイオリニストは、優しい音を出す人が多いですが、このミレンコーヴィッチもその例に漏れず、押し付けがましさの無い優しい音を出します。押しが弱い、とか、おとなし過ぎるという人がいるかも知れませんが、長く聞いていて心地良い音なのでいいと思います。パガニーニの超難曲を弾いていても、音の出し方がなめらかで、全然無理の無い演奏です。パガニーニにしては真面目過ぎるかも知れませんが、一点一画おろそかにせずにすべての音を正確に弾き切っているので、輪郭のクッキリしたクリアなパガニーニを聞かせてくれます。通常は省略されることの多い繰り返しも、全曲すべて、きちんと弾いてくれています。パッと聞いたときの凄みは少ないかも知れませんが、楽譜に書かれたことをひたすら忠実に再現していて、凄いと思います。ネル・コル・ピウやゴット・セイヴ・ザ・キング変奏曲では、左手のピチカートとアルコ(弓奏)を組み合わせるという超難技巧を、楽譜に限りなく忠実に再現していて、まるで、ヴァイオリンとギターの二重奏を聴いているような気分にさせてくれます。まだ20代半ばの若いヴァイオリニストですが、既にバッハの無伴奏も録音しているのなので、それも聴いてみたいと思います。

上記のCDは、すべて輸入盤で、いわゆる海外マイナーレーベルのCDで、どれも格安です。HMV、タワーレコード、カデンツァなどのネット通販で入手できます。みなさんも聞いてみて下さい。
ヴァイオリン掲示板に戻る
2 / 3 ページ [ 25コメント ]
【ご参考】
[18149]

Re: 日本ではあまり有名ではないが凄い演奏家

投稿日時:2004年12月25日 00:33
投稿者:東海林(ID:NEEilBY)
新譜情報です。
CHANDOS
CHAN 10276
パガニーニ: 24 のカプリースOp.1
マッシモ・クァルタ(Vn)
[18150]

Re: 日本ではあまり有名ではないが凄い演奏家

投稿日時:2004年12月25日 01:47
投稿者:匿名(ID:QBZkACk)
テディ・パパヴラミというヴァイオリニストが凄いらしい、という噂を聞いたことがあります。パガニーニの24のカプリス全曲を、実演で聞かせられるというからかなりのテクの持ち主なのでしょう。
[18157]

はい!はい!はい!

投稿日時:2004年12月26日 05:42
投稿者:パッションフルーツ(ID:J4ZVliQ)
私も、ミレンコヴィッチの大ファンです。ここに書き込もうと思って開いたら、リコシェさんが早速名前を挙げられていたのですごく嬉しいですね~!

私は3回生演奏を聞きました。(そのうちリハーサル1回)私は、逆に日本で有名な演奏家の方たちを聞く機会が無いので、比べて、と言うより率直な自分の感覚による感想でしかないのですが、もうすばらしいかただと思いました。曲はチャイコフスキーと、べートーベンのバイオリンソナタです。
アンコールで、バッハの無伴奏から、最初のコンサートでは「サラバンド」を、2回目のでは「アルマンド」を披露してくださいました。このバッハも、今まで聞いた中で、一番心に残る演奏でした。

「1世紀に数人」と言うくらい良かった、とアマオケの友人に言ったら、彼は「あれくらい上手な人は、世界に千人はいるよ」と言いました。でも私は、
その千人を比べたわけではないのですが、紛れも無い「美」がある演奏ができる人はそういないような気がします。その前に聞いたジョシュア・ベルも上手で綺麗な演奏でした。しかしこちらはもっとありふれた、通俗的な「美」でした。ミレンコヴィッチの紡ぎ出す「美」はもっと驚きと発見に満ちたもののような気がします。正統派と言う感じでした。
繊細、と言うにはちょっと当てはまらない、でもとても丁寧で音と音色への愛情に満ちた演奏でした。確かに迫力のあるタイプではありません。でもその正確さ、丁寧さが、音楽を愛でる者という感じがして私は非常に好感が持てます。

オケや、観客と言葉を交わす様子からして、素朴で擦れていない、優しい方に見えました。ユーゴスラビア生まれなので、なまりのある英語がほほえましかったです。確かに長身で手も指も大きい方ですね。現在はジュリアードやニューヨークの大学で指導されていらっしゃるようです。fiddlin' economist さま、自宅に伺ったなんて、羨ましすぎる!!

CDはまだ聞いていませんが、購入しようと思っています。
[18162]

Re: 日本ではあまり有名ではないが凄い演奏家

投稿日時:2004年12月27日 00:16
投稿者:リコシェ(ID:NgVCgwc)
マッシモ・クァルタが、いよいよパガニーニのカプリス全曲のCDをリリースしてくれるんですね。この人がこの難曲をどう料理してくれるか非常に期待しています。東海林さん、情報ありがとうございました。
[18206]

Re: 日本ではあまり有名ではないが凄い演奏家

投稿日時:2004年12月30日 02:59
投稿者:これはすごい(ID:WHB4OQA)
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/t-suzuki/s_and_p/reviews.html
ご紹介のこのサイトすごいですね。かなりオタクチックでおもしろい。
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/t-suzuki/s_and_p/reviews.html#kubota1
への評価が高く。ここ最近では、私も久保田版が気に入っています。ジャニー?ジャンセン?は、もう有名ですか?
[18223]

Re: 日本ではあまり有名ではないが凄い演奏家

投稿日時:2005年01月01日 00:54
投稿者:fiddlin' economist(ID:MhFZBZE)
パッションフルーツさん、こんにちは。
Milenkovichさんの家に行ったことはあるのですが、ちゃんとした生演奏は聴いたたことがないのです。パッションフルーツさんはどちらでお聴きになられたのですか?
是非、コンサートを聴きに行きたいのですが、NY周辺でのコンサート予定がなかなかないみたいです。NYは有名演奏家のコンサートが多すぎて、実力があっても有力なプロモーションのコネを持たない若手が入り込むのは大変難しいみたいですね。まあ、Milenkovichさんは芸能人を目指しているわけではないし、今はPerlmanの弟子(扱い)なので、先生としての格もあげながら地道に演奏活動、レコーディングを重ねていかれるのかな、と思います。
[18235]

Re: 日本ではあまり有名ではないが凄い演奏家

投稿日時:2005年01月04日 06:19
投稿者:パッションフルーツ(ID:EQhxdCA)
fiddlin' economist さま

あけましておめでとうございます。

私が聞いたのは、アメリカの地方都市です。ロスやシカゴのような大都市ではありません。ニューヨークからは、ちょっと遠いところです。ニューヨークでコンサート開くのは、大変なのですね。確かにミレンコヴィッチさんは、プロモーションを派手にして芸能人になろうと言う感じではありませんよね。
私は彼がまだそんなに有名でないうちに、生で聞けてラッキーだったと思っていました。

コンサート情報を探してみたのですが、上手く見つかりませんでした。地方のオケと共演なさることもあるようなので、地方のほうがチャンスがあるかもしれませんね。

http://education.nyu.edu/music/faculty/milenkovich_stefan.html

ここのファカルティーをなさっているようなので、もしかして問い合わせると、情報を教えてくれるかもしれません。
私もまたぜひ生で聞きたいと思っています。
あまりお役に立てなくてすみません。

私としてはあまり有名にならないで欲しいような気も。わがままですが。
[18835]

Re: 日本ではあまり有名ではないが凄い演奏家

投稿日時:2005年02月04日 17:56
投稿者:リコシェ(ID:FFdAVEU)
久々に凄い人をディスカヴァーしたので書き込みます。

4 ルドルフ コールマン(Rudolf Koelman)
 1959年オランダ生まれとのことですので、中堅といったところでしょうか。私は今回CDを買って初めて知りました。
パガニーニのカプリース全曲のCDを買ったのですが、ハッキリ言って驚きました。なんと曲の合間に拍手が入っているではありませんか(1曲終わるごとに拍手が入っているわけではありません)!要するに、これは「ライヴ」レコーディングというわけです。拍手がなかったら、撮り直しのできるスタジオ録音としか思えないでしょう。コールマンのカプリース全曲はパワフルで直線的で、変な小細工がなくて好感が持てます。特に3重・4重の和音を一気にかき鳴らすときの迫力や、どんな難しいところでもグイグイと突き進む推進力は、なかなかの聴きものです。
ヴァイオリンは、1829年製のJFプレッセンダを使用しているとのことです。これは1996年の録音なので、コールマン37歳のとき、ということになります。このCDは、輸入盤で格安です。HMVで入手できます。みなさんもぜひ聞いてみて下さい。
[18844]

Re: 日本ではあまり有名ではないが凄い演奏家

投稿日時:2005年02月05日 14:16
投稿者:リコシェ(ID:k0gQIYA)
この人も凄い!

5 テディ パパヴラミ(Tedi Papavrami)
 1971年アルバニア生まれ。パガニーニのカプリースのCDを買ってみましたが、思わず「ウーム、スゴイ」と唸ってしまいました。1曲ごとに曲の雰囲気・曲調に合わせて、緩急自在に弾き分けています。この難曲を「柔軟に」弾き切ってます。リキミとか硬さとか神経質さを感じさせません。1784年製のJBガダニーニ(トリノ)を使用しているとのことです。このガダニーニは低音から高音まで、とってもいい音で鳴ってます。パパヴラミが鳴らし切っているといった方が適切かも知れません。
3重・4重の和音は、良くあるような「タイムラグのある和音」ではなく、ほぼ同時に鳴っているように聴こえる和音です。この人のバッハとかイザイの無伴奏曲を聴いてみたいと思いました。前述のコールマンのカプリスのCDも驚きでしたが、このパパヴラミはまだ十分に若いので今後がますます期待できると思います。
なお、このCDでは、パパヴラミは、基準となるA(ラ)を、現代の一般的な高さである440Hzとか442Hzではなく、438Hzにして弾いています。そのため、聞き始めの1分くらいは、少し音程が低く感じられますが、聞いているうちに、パパヴラミの音楽にひきこまれて、何の違和感も感じなくなります。私はHMVでこのCDを入手しましたが、パパヴラミの音楽性と音色が非常に気に入ったので、さらにプロコフィエフの協奏曲のCDを追加で注文しました。
それにしても、世の中には凄いヴァイオリニストがたくさんいるものですね。
[19997]

Re: 日本ではあまり有名ではないが凄い演奏家

投稿日時:2005年04月02日 10:31
投稿者:AK(ID:EUJmIAI)
有名でない、と言えないかもしれませんが
ヨーロッパのヴァイオリン狂の人たちに
薦められて、ぜひ生で聞いてみたいと思って
いる女性ヴァイオリニストが二人います。
どちらも正統派で奇を衒うタイプではなく
室内楽にも特に関心が深いそうです。
日本でも何回か演奏していますから既に
聞かれている方も多いかもしれません。

1)エリザベス・バティアシュヴィリ
グルジア出身でドイツ在住。95年16才
の時シベリウスコンクールで最年少2位。
プロムス・デビューのベートーヴェンは
語り草になっているそうです。
放送録音しか聞いたことがありませんが、
すばらしいテクニックで音はやや硬質ですが
正統派の堂々とした演奏でした。
今は日本音楽財団貸与のストラディヴァリ
「エングルマン」を使っているそうです。
昨年ベートーヴェンの協奏曲でベルリンフィル・
デビュー、今年3月にニューヨークフィル・
デビューしています。

http://www.nmf.or.jp/instrument/batiashvili.html

2)山崎貴子
ここで話題になったミレンコヴィチが2位、
ワディム・グルツマンが3位だった94年の
ティボール・ヴァルガ・コンクールで優勝、
95年ヴィットリオ・グイ室内楽コンクール優勝、
98年パガニーニ・コンクール3位。
こちらは放送録音も聞いていないのですが、
4月に熊本、岐阜、東京(17日)で
リサイタルがあるので初めて聞けるのを
楽しみにしています。

http://akwis.tripod.com/takako.html
ヴァイオリン掲示板に戻る
2 / 3 ページ [ 25コメント ]