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まるで分らなくなりました | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 61 Comments
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まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月16日 13:57
投稿者:yori(ID:FImGdmE)
大人から始めて頑張ってきたつもりでしたが、長年習った先生から
突然「長調か短調かで指の間隔が広いのか狭いのか譜面を見て瞬時に判断できないと駄目」と言われました。

家に戻りあわてて長調、短調を調べましたが、譜面を見て瞬時に判断できるものではない気がしています。

今までは♯や♭の数で2,4指が開き、とか1指が下がるとか、無意識にやっていました。

意識的に調を気にしなければいけないなんて初めて知り愕然として、煮詰まってしまっています。
♯や♭の数だけで指の間隔を決めているだけでは駄目なのでしょうか?
自分が何が分っていないのか分らない事態になってしまいました。
何かアドバイス頂けると有難いのですが・・・
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【ご参考】
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Re: まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月19日 02:07
投稿者:kokukirin(ID:lEYDWRA)
Hiroさん、こんにちは。

ここには詳しい方は参加されていないか、発言されていないかもしれませんので、私の発言は参考程度になさってください。

ところで、Oxfordの定義は、わかりやすいですが、専門的にはどうなのかな、と思いました。これをそっくり日本語に訳して説明しているサイトもあるようです。
ギリシャ旋法などもありますし、tonicは、音階の中で終止となる音であるとすべきのように思います。そうすると、dominantは支配的な音となるでしょうから、なんのことかさっぱりですが。
みなさんはどう思いますか。
[25834]

Re: まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月19日 03:57
投稿者:Hiro(ID:FpMjkAU)
kokukirinさんへ

>>わかりやすいですが、専門的にはどうなのかな、と思いました。

私が転用して誤解があるといけないので、この本をおすすめします。

http://www.amazon.co.uk/exec/obidos/ASIN/0198165080/qid=1140286321/sr=8-1/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/202-6609815-9078255

(”A Guide to Musical Analysis” Nicholas Cook著 Oxford University Press 初出1987 1994版)

この本には「なぜ音楽を(楽典によって)分析することが必要なのか?」からはじまり調におけるそれぞれの音の重要性を図解で説明してあります。

第二章(1994年版では27ページ)ではその説明に対する証拠、例としてバッハのハ長調プレリュード(ピアノ)コード進行併記図解(図は34ページ)で分析してあります。

>>旋法などもありますし

旋法は”mode”にはいるのでこの本ではカバーされてません。
中世音楽の分野の本に詳しくでていますが(私見ですが)図解が全くないので必要以上に複雑に書いてある気がします。興味がおありでしたら私の(独断と偏見に満ちた?)お勧めをまたご紹介します。

ちなみにベートーベンなどが借用した曲全体のつくりではない音階だけの旋法は調にはいるので上記Cook氏の使われる分析方法”Schenkerian Analysis”で説明できます。

シェ-ンベルグくらいの年代になってくるとシリアリズムなどがはいってくるので”Schenkerian Analysis”は使えなくなります。

基礎的なことが一通り書いてあるので、Cook氏の本はぜひ読まれたら良いと思います。今RILM(世界大学図書館検索)でしらべてみたら古い出版版なら日本では同志社女子大学にあるそうです。厚くはありませんがちゃんと読むと結構時間がかかる本なのでamazon.co.ukなどが結局便利かもしれません。
[25835]

Re: まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月19日 05:21
投稿者:Hiro(ID:FpMjkAU)
P.S.
紹介させてもらった本に日本語訳が出てないかと思って、今YahooでSchenkerian Analysisでサーチをかけてみたんですがそしたら桐朋の必読書リストがひっかかりました。

みてみたら”A Guide to Musical Analysis”が入ってるので桐朋の大学図書館にもこの本あるみたいですね。RILMに入ってないだけで他の図書館にも探せば実はあるのかも知れません。
[25836]

Re: まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月19日 05:31
投稿者:MHO(ID:kDFlKWA)
日本語って曖昧性が高く難しいですね。

hiroさん、
私が気になっていたのはこの文です。
[25790]
[25790]

Re: まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月16日 19:40
投稿者:Hiro(ID:GRQ1Rlk)
すみません。打ち間違いです

誤り
>パーフェクト・ケイデンスなどは「ドミナント」の和音が「トニック」の和音を追うことによって作られる


パーフェクト・ケイデンスなどは「ドミナント」の和音を「トニック」の和音が追うことによって作られる

すみませんでした

>>正
パーフェクト・ケイデンスなどは「ドミナント」の和音を「トニック」の和音が追うことによって作られる

Spring follows winter. は「春は冬を追う」というよりも「春は冬の後に来る」と言うのが一般的ですね。従ってこの意味は「パーフェクトケイデンス(完全終止形)はトニックの和音がドミナントの和音の後に来ることによって完結する」ですね。でもShenker流に考えると逆なのかもしれません。彼はトニックの前後にドミナントを置くことを基本にしていたように思います。

Schenkerの理論は比較的新しい。今米国ではやりのようです。発想の転換なので既存の教育を受けた人にはとっつきにくいかもしれません。Netでも概要はつかめます。
http://www.schenkerguide.com/


kokukirinさん、

私もトニカ、ドミナント等は和音を指すものと思っていましたが手持ちの2,3の文献を見ると元々はHiroさんの言うようにⅠやⅤの音度を指していたが、後に機能や和音そのものに転義したようです。訳本は先入観で読むといけませんね。

前出のコルネダーの定義では
トニカ=主音(Tと略記)
ドミナント=属音(Dと略記、主音についで有力であり、支配すると言う意味のdominareを語源とする)。
となっています。ドミナントを支配者とするとトニカはその上に立つGodかも知れませんね。

私も勉強になりました。ありがとうございました。
MHO- in my humble opinion
[25840]

Re: まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月19日 09:11
投稿者:Hiro(ID:ggYGkiA)
MHOさんへ

そうですね。
実はその文、考えてるうちにどちらがすっきりした説明になるのか分からなくなってきてしまったので25792の欄では(V-I)と併記にしました。 

>Schenkerの理論は比較的新しい。
そうですね。書籍の出版を見ているとここ20年で地位を得た感じです。著者のクック氏もまだ現役でUK、サウザンプトン大学で教授職にあるらしいですし。(最近移動してなければ)。

>Netでも概要はつかめます。

この掲示板をみている方々へのお勧めでもちろん私見ですが、やはりNetでは例が手短で要素がはしょってあるので一度本も読まれるとよいかと思います。 本にはSchenker以外の分析の種類、やり方、そしてそれを最終的に何に対して使うのかも例をあげて書いてあります。

>今米国ではやりのようです。
アメリカでもはやってるんですか・・・すごいですね。

従来の分析方法だと根拠が曖昧にされてきた音楽における社会学影響論に具体的な証拠を楽譜に書かれた情報の中からを与えることが出来るようになったことがSchenkerian Analysis が広まった理由だと書いているひとが多いですね。

具体例としてはベートーベンの後期(亡くなる直前)の弦楽四重奏Schenkerian Analysisでデータをとり、それらを理由の一つとしてTheodor W. Adorno氏の論説をサポートし当時の社会背景の変化の影響を音楽のなかに見たりするのがあります。(たしかDaniel Chua 著の’Galitzin Quartets of Beethoven’・・・読んだの大分前なんでちがったらすみません。手元にこの本ないもので)

音楽を社会学と繋げて考える発想は昔からあったようですが音楽を数学的にとらえた時のほうがその影響に説明がつく、というのは面白い要素だと思っています。

ほんとうは楽典なども(大人からはじめる場合は特に)”ピタゴラスの宇宙と音階のつながり”などの理論からはじめると演奏とのつながりが自然に納得できるのではないかと思うのですが残念ながらそういう楽典の本は見かけませんね。(参考までに。”The Music of the Spheres” Jamie James著 ABACUS Press、 1993 33ページ)

このような音楽の方面を知る事によって音楽の意味を曲のなかに見ると演奏にもまた深みがでると感じるので、やっぱりその基礎の基礎である楽典は大人でも子供でも関係なくやっておくと良いとわたしは思っています。

yoriさん。最初の質問から外れてしまってすみませんでした。でも楽典も奥が深い世界なんです・・・ がんばってくださいね。
[25843]

Re: まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月19日 09:52
投稿者:Hiro(ID:ggYGkiA)
P.S.
>ドミナントを支配者とするとトニカはその上に立つGodかも知れませんね。

この表現、ロマンチックでいいですね!

実は気になってTonic,Dominantの音楽的な位置の発祥を調べてみたんですが、まだ見つかりません。音の重要度と関係があるならピタゴラスの音の間(インターバル)が比で算出できる説明のあたりで見つかるかと思ったんですが・・・もっと後からつけた言葉みたいです。
[25846]

Re: まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月19日 12:10
投稿者:pochi(ID:EHMASYE)
コピー機が普及してから、写譜をする習慣がなくなったのでは無いかと思います。楽典の勉強をする前に、写譜をすれば、効果が高いと思います。理論は実践の裏打ちだと思います。長短で指の開きの違いが解る様になりますよ。
[25851]

Re: まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月20日 05:07
投稿者:kokukirin(ID:lEYDWRA)
人の立てたスレを乗っ取ろうとしているわけではありませんが。
有意義な情報交換、感謝しています。

長短の音階は教会旋法から出てきたわけで、当然、ドミナントはそのまま残っていますが、終止音は主音に変化したわけです。ですから、主音は1番目、属音は5番目というのはわかりやすいですが、あまり意味のある説明とは思えないもので。ハサミで紙を切っている人に「何してるの?」って聞いて、「うん、紙切ってるの。」って答えられたような。
[25852]

Re: まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月20日 06:24
投稿者:Hiro(ID:ggYGkiA)
kokukirinさんへ

>>長短の音階は教会旋法から出てきたわけで、当然、ドミナントはそのまま残っていますが、終止音は主音に変化したわけです。

教会旋法(Church mode)は数ある”Mode”のひとつでしかありません。主にグレゴリアンチャントなどに使われていたもので8世紀から9世紀ごろを中心に発達しました。

Modeには他に、Dorian, Hypodorian, Phrygian,Hypophrygian, Lydian, Hypolydian, Mixolydian, Hypomixolydianなどがあります。これだけ数がある理由のひとつに中世初期にはシャープ、フラットなどが使われなかったことがあげられます。

Modeは調の前身というよりは、あるメロディーのなかで音と音の間をどれだけ開けるか(インターバル)の指示でした。例えばレの音からピアノの白い鍵盤だけをひいて1オクターブ上のレまでを弾いたときのメロディーがDorianのスケールです。ミから白鍵のみで1オクターブひけばPhrygianです。当時はラが440HZなどというはっきりとしたきまりはなかったのでこうして曲に違いをだしました。ですから”Finals”終止音が主音に変化したわけではありません。(重要だという発想はにていますが)
15世紀になるとシャープ、フラットが使用され始めます。拍子記号も定着し小節ができます。17世紀になって調が発達します。調が発達するとどの曲も移調することができるので音の間(インターバル)だけが問題ではなく音程にあるていど共通の認識がもとめられるようになりました。すると、それぞれの調でCadenceなどに共通した認識が必要になるのでTonic、Dominantなどが使われるようになりました。

>>ですから、主音は1番目、属音は5番目というのはわかりやすいですが、あまり意味のある説明とは思えないもので。

Tonic Dominantなどの言葉は正確に分析をするための道具に過ぎません。本当の意味は分析によってはじめてもたらされます。

それらの説明は例などをあげないとできないのでどうかお勧めした本”A Guide to Musical Analysis”を読んでください。ネットでの会話では言葉もたらず誤解も多いですし、わたしの言葉などよりよほど分かりやすく説明してあります。

>>ハサミで紙を切っている人に「何してるの?」って聞いて、「うん、紙切ってるの。」って答えられたような。

ものごとは理解をしたければ手間を惜しんではいけないってことかもしれませんね。

本をお読みになったら是非、感想、疑問点、また私の意見に対する否定点などを書き込んでください。きっと有意義なディスカッションになることと思います。
[25858]

Re: まるで分らなくなりました

投稿日時:2006年02月21日 04:32
投稿者:kokukirin(ID:lEYDWRA)
個人名で書き込みがありましたので、返事をいたします。

Hiroさん>
> 本をお読みになったら・・・

ご意見ありがとうございます。
私がすっかりこのスレを乗っ取ったな、と感じました。
(スレ主さん、ごめんなさい。pochiさんが戻そうとしていましたが。)

読む本がたまって仕方ないのですが、まあ、アナリーゼ関係はもういろいろ読みましたし、音楽関係ならその前にゲーテの音楽論を読みたいと思っているものですから、しばらくは順番が回って来ないかなと思います。また、読んでも絶対に鵜呑みにはしないたちなので、私の読書感想はつまらないです。
(読書感想以外もつまらないですけど。)
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