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♪ヴァイオリン演奏を簡単に(楽に)するコツ♪
投稿日時:2006年09月22日 22:55
投稿者:モグラ(ID:VZRjNZA)
ヴァイオリン演奏を簡単にするコツについて語るスレッドです。
さて私事になりますが、大人になってヴァイオリンを始めてかれこれ数年が経過したところで、カベにぶつかり、上達速度が停滞気味になってきました。ショパンの「ノクターン(遺作・ミルシテイン編曲)」、チャイコフスキーの「メロディー」、マスネの「タイスの瞑想曲」などのゆったりした歌うような曲、あるいは、バッハの無伴奏ソナタ第1番ト短調の「アダージョ」や無伴奏パルティータ第2番の「サラバンド」などを、パーティーや友人宅などで演奏して、それなりに喜んでもらえるレベルまで順調に来たのですが、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」や「ディヴェルティメントニ長調K136」の速い楽章(アレグロの楽章)などが苦手で、一定の期間、集中的に練習したものの、なかなか思うように弾けるようになりませんでした。CDのテンポより20~30%遅いテンポで弾くのがやっとという感じでした。
初級の頃に習ったヴィヴァルディーのイ短調の協奏曲(作品3-6)の第一楽章を、久々に弾いてみましたが、以前よりも音程もボウイングも正確に弾けるようになったと思いますが、テンポは以前と比べてそれほど速く弾けません。CDに比べるとやはり10~20%ぐらい遅いです。
普通に考えると、ショパンの「ノクターン(遺作・ミルシテイン編曲)」とかチャイコフスキーの「メロディー」の方が難易度は高いと思うのですが、自分には、ヴィヴァルティーのイ短調コンチェルトの第一楽章の方がずっと難しく感じられます。難しくて苦手、という感じです。
そこで2オクターヴや3オクターヴの音階を練習したり、シュラディークの教本に取り組んだりしたのですが、音程の正確さは向上したものの、なかなかスピードアップにはつながりませんでした。
ところが、ここ数日、ヴァイオリンを持たずに、どうやったらヴァイオリンを速く弾けるか、テニスの素振り(シャドウ・テニス)ならぬ、シャドウ・ヴァイオリンをやりながらいろいろ考えたところ、1つの妙案が浮かびました。
これまではどうやって弦を押さえたら指が速く効率的に動くかを考えて試行錯誤していたのですが、それを一旦忘れて、演奏中の左手首の形をいろいろ変えてみることにしました。一般的には、手の甲と手首と前腕が一直線になる、つまり、手首は手のひら側にも手の甲側にも曲がらないで真っ直ぐ、というのが左手首の良い形とされています。自分もずっとその形に忠実に弾いていたわけですが、実はそれよりももっと弾き易い形があることを、シャドウ・ヴァイオリンをしながら偶然発見しました。
弓もヴァイオリンも持たずに、あたかも実際にヴァイオリンを弾いているかのように、ヴァイオリン演奏の「素振り」のようなことをやってみます。(これを私はシャドウ・ヴァイオリンと称しています)曲でも音階でも何でも良いので、シャドウ・ヴァイオリンで何かを弾いてみます。当然音が出ないので頭の中でその音を歌います。
このとき、左手の手首の形(角度)に注目します。左手首をどういう角度にすると、左手の指が楽に動くか、自由に独立して動かせるか、をいろいろ試してみます。空気の中に弦があると思って、仮想の弦に向かってトリルをしたりすると、左手の指の動きをチェックすることができます。
いろいろな左手首の角度を試すと、真っ直ぐな状態よりも少しだけ手の甲側に曲がった状態のときに、左手の指が速く楽に動かせることがわかります。手のひら側に手首を曲げると明らかに左手の指の動きが悪くなりますが、少しだけ、手の甲側に手首を曲げてやると、指が速くなめらかに(柔らかく)動かせることがわかります。
このとき、左手の手のひらに注目してみると、手の平は天井の方を向いています。手首を真っ直ぐな状態にすると、手のひらは自分の顔の方を向きますが、手首を少しだけ手の甲側に倒すと、手のひらは真上ではないにしても、ほぼ天井の方向を向きます。手の平に、例えば消しゴムを置いても、落ちないような感じです。
そして、これも大事なことですが、手首がこういう形だと、手首でかけるヴィブラートが非常になめらかに(柔らかく)、かつ、意のままの速さ・幅(振幅)でかけ易くなるのです。シャドウ・ヴァイオリンの状態で、歌うような曲をヴィブラートをたっぷりかけて弾いてみると、手首がどういう角度のときにヴィブラートがかけ易いかがわかります。
ここで、ようやくヴァイオリンを手にとって、実際に弾いてみます。左手首の角度を変えると最初は明らかに違和感があり、弦を押さえにくく感じますが、しばらく我慢してゆっくりと弾いていると、明らかに左手の指の動きが楽になり、以前よりもずっと速く動かせることに気付きます。そして、ヴィブラートをかけてみると、細かいヴィブラートから幅広いヴィブラートまで、遅いヴィブラートから速いヴィブラートまで、以前よりも自在にヴィブラートをかけられるようになることに気付きます。
手首をどの程度手の甲側に倒すかは、実際に弾きながらいろいろ試して、「自分にとって」弾きやすい状態を模索すると、自然と弾きやすい左手首の角度がみつかります。自分の場合は、手のひらに消しゴムを置いたら、丸い消しゴムならコロコロと転がって落ちるような、四角い消しゴムならなんとか手のひらにとどまるような、手のひらが真上でなく、手のひらは上を向いていながらも少しだけ自分の方も向くような、手のひらの状態がそういう感じのときに、最も弾きやすく感じます。
先生について習っていたときも、ヴァイオリンの上手な友人・知人に速く弾くコツを尋ねたときも、なかなか有効なコツを教えてもらえず、1人で悩み試行錯誤してきましたが、とうとう自分の力で、解決策(ソリューション)を見つけ出しました。
左手首の角度を変えて、もう1つメリットがありました。10度のように広く指を拡げるのがずっと楽になったことです。以前は、第1、第2ポジションでの10度はかなりキツかったのですが、左手首の角度を変えると楽に押さえられるようになりました。
なお、第3ポジション以上に上がっていくと、左手首の角度は、手のひら側に傾いていきます。手のひらは、低いポジションでは天井の方を向いていますが、高いポジションに移行するにつれて、徐々に手のひらが自分の顔の方を向いてきます。
少しだけ手首の角度を変えただけで、こんなに楽に弾けるようになって、ほんとビックリしています。左手の指が速く動かないで悩んでおられるレイトスターターの方々の参考になれば幸いです。
以前は、パガニーニの「カプリース」を弾けるようになるなんて夢のまた夢、どんなに練習したってあんな難しい曲を弾けるわけがない、と諦めていましたが、左手が楽に動かせるようになった今は、カプリースの中の1曲か2曲ぐらいは、時間さえかければ、なんとかマスターできるのではないか、という気持ちになってきました。一番有名で技巧的に派手で素人受けが良い「第24番」を練習してみようと思い楽譜(ガラミアン版)を買ってきました。ちょっとしたことで、こんなにも気持ちが前向きになるなんて、自分でも驚いています。カプリースのような難曲を練習しながら、指の回りを早くするコツをさらに磨いていこうと思います。それでは、また。
さて私事になりますが、大人になってヴァイオリンを始めてかれこれ数年が経過したところで、カベにぶつかり、上達速度が停滞気味になってきました。ショパンの「ノクターン(遺作・ミルシテイン編曲)」、チャイコフスキーの「メロディー」、マスネの「タイスの瞑想曲」などのゆったりした歌うような曲、あるいは、バッハの無伴奏ソナタ第1番ト短調の「アダージョ」や無伴奏パルティータ第2番の「サラバンド」などを、パーティーや友人宅などで演奏して、それなりに喜んでもらえるレベルまで順調に来たのですが、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」や「ディヴェルティメントニ長調K136」の速い楽章(アレグロの楽章)などが苦手で、一定の期間、集中的に練習したものの、なかなか思うように弾けるようになりませんでした。CDのテンポより20~30%遅いテンポで弾くのがやっとという感じでした。
初級の頃に習ったヴィヴァルディーのイ短調の協奏曲(作品3-6)の第一楽章を、久々に弾いてみましたが、以前よりも音程もボウイングも正確に弾けるようになったと思いますが、テンポは以前と比べてそれほど速く弾けません。CDに比べるとやはり10~20%ぐらい遅いです。
普通に考えると、ショパンの「ノクターン(遺作・ミルシテイン編曲)」とかチャイコフスキーの「メロディー」の方が難易度は高いと思うのですが、自分には、ヴィヴァルティーのイ短調コンチェルトの第一楽章の方がずっと難しく感じられます。難しくて苦手、という感じです。
そこで2オクターヴや3オクターヴの音階を練習したり、シュラディークの教本に取り組んだりしたのですが、音程の正確さは向上したものの、なかなかスピードアップにはつながりませんでした。
ところが、ここ数日、ヴァイオリンを持たずに、どうやったらヴァイオリンを速く弾けるか、テニスの素振り(シャドウ・テニス)ならぬ、シャドウ・ヴァイオリンをやりながらいろいろ考えたところ、1つの妙案が浮かびました。
これまではどうやって弦を押さえたら指が速く効率的に動くかを考えて試行錯誤していたのですが、それを一旦忘れて、演奏中の左手首の形をいろいろ変えてみることにしました。一般的には、手の甲と手首と前腕が一直線になる、つまり、手首は手のひら側にも手の甲側にも曲がらないで真っ直ぐ、というのが左手首の良い形とされています。自分もずっとその形に忠実に弾いていたわけですが、実はそれよりももっと弾き易い形があることを、シャドウ・ヴァイオリンをしながら偶然発見しました。
弓もヴァイオリンも持たずに、あたかも実際にヴァイオリンを弾いているかのように、ヴァイオリン演奏の「素振り」のようなことをやってみます。(これを私はシャドウ・ヴァイオリンと称しています)曲でも音階でも何でも良いので、シャドウ・ヴァイオリンで何かを弾いてみます。当然音が出ないので頭の中でその音を歌います。
このとき、左手の手首の形(角度)に注目します。左手首をどういう角度にすると、左手の指が楽に動くか、自由に独立して動かせるか、をいろいろ試してみます。空気の中に弦があると思って、仮想の弦に向かってトリルをしたりすると、左手の指の動きをチェックすることができます。
いろいろな左手首の角度を試すと、真っ直ぐな状態よりも少しだけ手の甲側に曲がった状態のときに、左手の指が速く楽に動かせることがわかります。手のひら側に手首を曲げると明らかに左手の指の動きが悪くなりますが、少しだけ、手の甲側に手首を曲げてやると、指が速くなめらかに(柔らかく)動かせることがわかります。
このとき、左手の手のひらに注目してみると、手の平は天井の方を向いています。手首を真っ直ぐな状態にすると、手のひらは自分の顔の方を向きますが、手首を少しだけ手の甲側に倒すと、手のひらは真上ではないにしても、ほぼ天井の方向を向きます。手の平に、例えば消しゴムを置いても、落ちないような感じです。
そして、これも大事なことですが、手首がこういう形だと、手首でかけるヴィブラートが非常になめらかに(柔らかく)、かつ、意のままの速さ・幅(振幅)でかけ易くなるのです。シャドウ・ヴァイオリンの状態で、歌うような曲をヴィブラートをたっぷりかけて弾いてみると、手首がどういう角度のときにヴィブラートがかけ易いかがわかります。
ここで、ようやくヴァイオリンを手にとって、実際に弾いてみます。左手首の角度を変えると最初は明らかに違和感があり、弦を押さえにくく感じますが、しばらく我慢してゆっくりと弾いていると、明らかに左手の指の動きが楽になり、以前よりもずっと速く動かせることに気付きます。そして、ヴィブラートをかけてみると、細かいヴィブラートから幅広いヴィブラートまで、遅いヴィブラートから速いヴィブラートまで、以前よりも自在にヴィブラートをかけられるようになることに気付きます。
手首をどの程度手の甲側に倒すかは、実際に弾きながらいろいろ試して、「自分にとって」弾きやすい状態を模索すると、自然と弾きやすい左手首の角度がみつかります。自分の場合は、手のひらに消しゴムを置いたら、丸い消しゴムならコロコロと転がって落ちるような、四角い消しゴムならなんとか手のひらにとどまるような、手のひらが真上でなく、手のひらは上を向いていながらも少しだけ自分の方も向くような、手のひらの状態がそういう感じのときに、最も弾きやすく感じます。
先生について習っていたときも、ヴァイオリンの上手な友人・知人に速く弾くコツを尋ねたときも、なかなか有効なコツを教えてもらえず、1人で悩み試行錯誤してきましたが、とうとう自分の力で、解決策(ソリューション)を見つけ出しました。
左手首の角度を変えて、もう1つメリットがありました。10度のように広く指を拡げるのがずっと楽になったことです。以前は、第1、第2ポジションでの10度はかなりキツかったのですが、左手首の角度を変えると楽に押さえられるようになりました。
なお、第3ポジション以上に上がっていくと、左手首の角度は、手のひら側に傾いていきます。手のひらは、低いポジションでは天井の方を向いていますが、高いポジションに移行するにつれて、徐々に手のひらが自分の顔の方を向いてきます。
少しだけ手首の角度を変えただけで、こんなに楽に弾けるようになって、ほんとビックリしています。左手の指が速く動かないで悩んでおられるレイトスターターの方々の参考になれば幸いです。
以前は、パガニーニの「カプリース」を弾けるようになるなんて夢のまた夢、どんなに練習したってあんな難しい曲を弾けるわけがない、と諦めていましたが、左手が楽に動かせるようになった今は、カプリースの中の1曲か2曲ぐらいは、時間さえかければ、なんとかマスターできるのではないか、という気持ちになってきました。一番有名で技巧的に派手で素人受けが良い「第24番」を練習してみようと思い楽譜(ガラミアン版)を買ってきました。ちょっとしたことで、こんなにも気持ちが前向きになるなんて、自分でも驚いています。カプリースのような難曲を練習しながら、指の回りを早くするコツをさらに磨いていこうと思います。それでは、また。
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【ご参考】
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Re: ♪ヴァイオリン演奏を簡単に(楽に)するコツ♪
投稿日時:2006年11月22日 15:13
投稿者:めだの(ID:IxdUk2Y)
モグラさま、ロングボーイングやってみました。
すぐに気づかされた点があってびっくりです。
弓の元のほうって、中心から先よりも支えるのに
力が要るものだったんですよね。
当たり前ですが。
元のほうは、意識的に弓を摘むように支えて、
先に行くに従ってだんだん脱力していくと、同じような
音質が保たれるようですね。
今まで、単純に「弓を持つときは変な力を入れず、
脱力しなきゃ」と思い込んでいたのですが、間違い
だったことに気づかされました。
ありがとうございました。
すぐに気づかされた点があってびっくりです。
弓の元のほうって、中心から先よりも支えるのに
力が要るものだったんですよね。
当たり前ですが。
元のほうは、意識的に弓を摘むように支えて、
先に行くに従ってだんだん脱力していくと、同じような
音質が保たれるようですね。
今まで、単純に「弓を持つときは変な力を入れず、
脱力しなきゃ」と思い込んでいたのですが、間違い
だったことに気づかされました。
ありがとうございました。
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