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20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2009年09月26日 23:23
投稿者:catgut(ID:QhNBB4k)
20世紀前半の奏法といっても非常に漠然とした話ですが、レオポルド・アウアーやカール・フレッシュの弟子、指導書の影響力が大きかった20世紀前半の奏法と、ジュリアード出身者のソリストが増えた20世紀後半以降のヴァイオリン奏法では傾向の違いがあるように思われます。このスレッドでは、両者にどのような違いがあるか、あるとすればその原因がどこにあるかといった点について議論させて頂きたいと思います。
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【ご参考】
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年02月01日 13:35
投稿者:通りすがり(ID:FINJlSk)
>かえってカーボン弓のARCUSがトゥルテの軽い弓に近い重量を実現しているのは皮肉です。
これは皮肉でもなんでもなく、以前コゲ様が指摘されていた、
>材料のせいで細く(軽く)作ったら使い物にならないから、
太く(重く)作っているに過ぎないのではないか?
使う人はそれしか選択肢が無いから仕方なく使っているだけなのではないか?と疑問に思ったまでです
という推論を支持する内容のものと思われます。
何か反論となる証拠がおありならお示しください。
これは皮肉でもなんでもなく、以前コゲ様が指摘されていた、
>材料のせいで細く(軽く)作ったら使い物にならないから、
太く(重く)作っているに過ぎないのではないか?
使う人はそれしか選択肢が無いから仕方なく使っているだけなのではないか?と疑問に思ったまでです
という推論を支持する内容のものと思われます。
何か反論となる証拠がおありならお示しください。
[42331]
Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年02月01日 19:53
投稿者:pochi(ID:KFYpcJE)
Tourteが鯨、Simonが銀糸、残りは銀巻きです。巻きを代えて重くするとバランスが変わるので単純には行わないでしょう。相対的に先を軽くすると噛みが甘くなってしまいます。
[42333]
Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年02月01日 21:25
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
pochiさま、ご回答ありがとうございます。
「楽器の事典 弓」p118には「最近では次第に重くて強い弓が要求される傾向が大きく浮かび上がっている。つまり名弓といわれたヴォアランの57g程度の弓は次第にすたれ、これに代わって60g程度の重い弓が広く愛好され始めている。」とあります。
ちなみに「楽器の辞典 弓」には、ラッピングについて「(1)絹糸に銀線を覆せたもの これはフランスのほとんどのオールド・ボーに用いられていたもの(略)(4)鯨骨を巻きつけたもの この形式のラッピングを最初に作りだしたのはフランスのパノルモ Panormoであると伝えられ」と書かれています(p102-p103)。Tourteもオリジナルとは別の素材で巻きなおされているのかもしれません。
「楽器の事典 弓」p118には「最近では次第に重くて強い弓が要求される傾向が大きく浮かび上がっている。つまり名弓といわれたヴォアランの57g程度の弓は次第にすたれ、これに代わって60g程度の重い弓が広く愛好され始めている。」とあります。
ちなみに「楽器の辞典 弓」には、ラッピングについて「(1)絹糸に銀線を覆せたもの これはフランスのほとんどのオールド・ボーに用いられていたもの(略)(4)鯨骨を巻きつけたもの この形式のラッピングを最初に作りだしたのはフランスのパノルモ Panormoであると伝えられ」と書かれています(p102-p103)。Tourteもオリジナルとは別の素材で巻きなおされているのかもしれません。
[42337]
Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年02月02日 00:42
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
ストリング誌に連載されていた神田侑晃氏 弓の見方・選び方から弓の重さ・毛の重さに関する部分を引用します。
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2004年6月号 p90より
できた当時、目方の軽かった150年前の同じ弓が、現在重たいのは何故でしょうか。クライスラーが戦後しばらくしてそのことに気づき、「Why!」と大騒ぎしたエピソードが残っています。
2004年10月号 p72より
すなわち、「良い馬毛」とは、「張力の強い(切れづらい)、中程度の同じ太さの一本一本をバルクの中から抽出した弓一本分(目方で5g前後、本数では200本前後)の束のこと」を言います。
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ここでの「200本前後」は言うまでもなく現在の一例に過ぎないという意図で神田氏は書かれたのだと思いますが、「1927年にフランスのパリーのコンセルヴァトワールで出版された楽器の専門書」に書かれた「馬毛が
2~3g」と比べるとかなり毛の量も増えたということでしょう。
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2004年6月号 p90より
できた当時、目方の軽かった150年前の同じ弓が、現在重たいのは何故でしょうか。クライスラーが戦後しばらくしてそのことに気づき、「Why!」と大騒ぎしたエピソードが残っています。
2004年10月号 p72より
すなわち、「良い馬毛」とは、「張力の強い(切れづらい)、中程度の同じ太さの一本一本をバルクの中から抽出した弓一本分(目方で5g前後、本数では200本前後)の束のこと」を言います。
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ここでの「200本前後」は言うまでもなく現在の一例に過ぎないという意図で神田氏は書かれたのだと思いますが、「1927年にフランスのパリーのコンセルヴァトワールで出版された楽器の専門書」に書かれた「馬毛が
2~3g」と比べるとかなり毛の量も増えたということでしょう。
[42338]
Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年02月02日 07:31
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
クライスラーは当時のヴァイオリニストとしては例外的に弓に無頓着だったそうですが、それにしてもあの博識なクライスラーさえ弓が重くなっていることを知らなかったのであれば、現代の一部のヴァイオリン奏者が弓の重さの変化について知らなくても無理はないのかもしれません。
しかし現実には、20世紀前半のヴァイオリニストは平均して見れば、現在より軽い弓、少ない毛を使用し、高級プレーンガット弦やオイドクサのような現在よりは柔軟な弦を使用していたわけです。
しかし現実には、20世紀前半のヴァイオリニストは平均して見れば、現在より軽い弓、少ない毛を使用し、高級プレーンガット弦やオイドクサのような現在よりは柔軟な弦を使用していたわけです。
[42339]
Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年02月02日 08:20
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
[42338]
の下記ですが、
====
>しかし現実には、20世紀前半のヴァイオリニストは平均して見れば、現在より軽い弓、少ない毛を使用し、高級プレーンガット弦やオイドクサのような現在よりは柔軟な弦を使用していたわけです。
====
僭越ながら、私の思う正しい日本語表現を、お知らせいたします。
「しかし文献等を読む限りでは、19世紀のヴァイオリンの弓の多くは、現在より軽い弓、少ない毛を使用していたようです。一方、19世紀のヴァイオリニストは、現在一般的に使われる弦に比較して、高音弦において張力の弱いプレーンガット弦を使用していたようです。」
それであれば、ほとんどの人は賛同するでしょう。
「20世紀の前半」でなく、「20世紀の初頭」という表現であれば、上記の「19世紀の」の後に付け加えてよいと個人的には思います。
[42338]
Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年02月02日 07:31
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
クライスラーは当時のヴァイオリニストとしては例外的に弓に無頓着だったそうですが、それにしてもあの博識なクライスラーさえ弓が重くなっていることを知らなかったのであれば、現代の一部のヴァイオリン奏者が弓の重さの変化について知らなくても無理はないのかもしれません。
しかし現実には、20世紀前半のヴァイオリニストは平均して見れば、現在より軽い弓、少ない毛を使用し、高級プレーンガット弦やオイドクサのような現在よりは柔軟な弦を使用していたわけです。
しかし現実には、20世紀前半のヴァイオリニストは平均して見れば、現在より軽い弓、少ない毛を使用し、高級プレーンガット弦やオイドクサのような現在よりは柔軟な弦を使用していたわけです。
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>しかし現実には、20世紀前半のヴァイオリニストは平均して見れば、現在より軽い弓、少ない毛を使用し、高級プレーンガット弦やオイドクサのような現在よりは柔軟な弦を使用していたわけです。
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僭越ながら、私の思う正しい日本語表現を、お知らせいたします。
「しかし文献等を読む限りでは、19世紀のヴァイオリンの弓の多くは、現在より軽い弓、少ない毛を使用していたようです。一方、19世紀のヴァイオリニストは、現在一般的に使われる弦に比較して、高音弦において張力の弱いプレーンガット弦を使用していたようです。」
それであれば、ほとんどの人は賛同するでしょう。
「20世紀の前半」でなく、「20世紀の初頭」という表現であれば、上記の「19世紀の」の後に付け加えてよいと個人的には思います。
[42340]
Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年02月03日 20:04
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
ついでにハイフェッツが使った弦を調べてみましたが、AとDのプレーンガットはいまいちよく分かりません。
G線はTRICOLOREブランドというアメリカ製の金属巻ガット弦を使ったそうですが、現在そのメーカーは廃業し、製造機械をGAMUTが引き取って同等品を製造しているそうです。
ttp://www.gamutstrings.com/
TRICOLORE G線を使った経験がある人によると、オイドクサのG線に似ているそうです。E線は1920年頃まではガットだったのでしょうが、後にゴールドブラカット0.26を使用しています。
問題のA,D(プレーンガット)ですが、人によって太かったという人、普通だったという人、細かったという人に分かれていて、はっきりしません。当時は現在のナイロン弦と同様に、プレーンガットといってもイタリア製の高級弦から普及品までいろいろなレベルのものがあったので、柔軟性のある
良い弦を使っていたのではないかと思います。
G線はTRICOLOREブランドというアメリカ製の金属巻ガット弦を使ったそうですが、現在そのメーカーは廃業し、製造機械をGAMUTが引き取って同等品を製造しているそうです。
ttp://www.gamutstrings.com/
TRICOLORE G線を使った経験がある人によると、オイドクサのG線に似ているそうです。E線は1920年頃まではガットだったのでしょうが、後にゴールドブラカット0.26を使用しています。
問題のA,D(プレーンガット)ですが、人によって太かったという人、普通だったという人、細かったという人に分かれていて、はっきりしません。当時は現在のナイロン弦と同様に、プレーンガットといってもイタリア製の高級弦から普及品までいろいろなレベルのものがあったので、柔軟性のある
良い弦を使っていたのではないかと思います。
[42341]
Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年02月03日 21:17
投稿者:通りすがり(ID:FINJlSk)
>ついでにハイフェッツが使った弦を調べてみましたが、
ハイフェッツの弓の件はどうなったんですか??横道にそれないで!!
以下の仮説に反論されないのですね。
同意されたとみなします。
>>かえってカーボン弓のARCUSがトゥルテの軽い弓に近い重量を実現しているのは皮肉です。
>これは皮肉でもなんでもなく、以前コゲ様が指摘されていた、
>>材料のせいで細く(軽く)作ったら使い物にならないから、
太く(重く)作っているに過ぎないのではないか?
使う人はそれしか選択肢が無いから仕方なく使っているだけなのではないか?と疑問に思ったまでです
>という推論を支持する内容のものと思われます。
>何か反論となる証拠がおありならお示しください。
ハイフェッツの弓の件はどうなったんですか??横道にそれないで!!
以下の仮説に反論されないのですね。
同意されたとみなします。
>>かえってカーボン弓のARCUSがトゥルテの軽い弓に近い重量を実現しているのは皮肉です。
>これは皮肉でもなんでもなく、以前コゲ様が指摘されていた、
>>材料のせいで細く(軽く)作ったら使い物にならないから、
太く(重く)作っているに過ぎないのではないか?
使う人はそれしか選択肢が無いから仕方なく使っているだけなのではないか?と疑問に思ったまでです
>という推論を支持する内容のものと思われます。
>何か反論となる証拠がおありならお示しください。
[42342]
Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年02月03日 21:24
投稿者:江戸川凡人(ID:I4FjNAU)
42339→42440
を読むと、
[42180]
通りすがり氏の喝破は至言です。
>>c氏から反応がない場合は、
>>肯定しているか、
>>分からないか
>>理解できなかった場合です。
を読むと、
[42180]
[42180]
Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年01月13日 00:14
投稿者:通りすがり(ID:GHYzKJc)
c氏から反応がない場合は、
肯定しているか、
分からないか
理解できなかった場合です。
肯定しているか、
分からないか
理解できなかった場合です。
>>c氏から反応がない場合は、
>>肯定しているか、
>>分からないか
>>理解できなかった場合です。
[42343]
Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて
投稿日時:2010年02月04日 00:14
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
通りすがりさま、
すでに述べた通り、20世紀初頭までの弓は平均的にスティック自体は軽めで、後日ラッピング等で重くしています。しかし20世紀前半以降、弓により重さが求められるようになると、弓の製作者はスティック自体をやや太く重くしていると考えられます。このため現在から見ると同程度の重さの弓
でも古い弓は細身に、最近の弓は太めに見えるので、最近の弓は材料が悪いので太くしていると思ってしまうのではないでしょうか。
すでに述べた通り、20世紀初頭までの弓は平均的にスティック自体は軽めで、後日ラッピング等で重くしています。しかし20世紀前半以降、弓により重さが求められるようになると、弓の製作者はスティック自体をやや太く重くしていると考えられます。このため現在から見ると同程度の重さの弓
でも古い弓は細身に、最近の弓は太めに見えるので、最近の弓は材料が悪いので太くしていると思ってしまうのではないでしょうか。
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