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駒をいたわりましょう(駒を長持ちさせるコツ)
投稿日時:2016年08月23日 20:55
投稿者:オールドイタリー(ID:NHWSFTA)
意外と知らない人が多いことがわかったので、ヴァイオリンの駒を長持ちさせるコツについて書きたいと思います。
①駒の溝に4~6Bの柔らかい鉛筆を塗る。
②時々、駒を正しい角度(直角)になるように調整(修正)する。
③駒の前後での弦のテンション(張力)を均一化させることによって、駒の歪みを防止するため、駒の「指板寄り」と「テールピース寄り」の部分で弦を1ミリほど空中に持ち上げる。時間的には、0.5~1秒ほど弦を持ち上げる。
頻度としては、練習のたびごとにやると良い。練習が終わった後に調弦して、弦についた松脂をふき取った後に、駒の前後を持って弦を持ち上げる、という一連の流れを「習慣化」すると良い。
上記の①や②は知っている人が多いと思います。(ただし、知ってはいるものの、実際には自分ではやっていない人も多い。)
しかしながら、③の「駒の前後で弦を持って持ちあげる」=「弦のテンションの均一化」=「駒の歪み防止(歪んだ状態を元に戻す)」については、知らない人が多いです。
女性や子供だと指の力が弱いので、②や③を自分でやるのは難しいかも知れませんが、正しいやり方を教えてもらってコツを覚えれば、できないことは無いかと思います。
僕は弦楽器専門店の職人さんやヴァイオリンの先生から教えていただいたので、③の弦を持ちあげる作業を練習の後に必ずやっていますが、今の駒は20年ほど経過していますが、全く歪みがありませんし、溝も深くなったりしていません。
あと、オリーヴやオイドクサといったガット弦は、弦の伸びが多いため駒の角度が変化しやすく、駒の歪みも生じやすいです。上記③のように、毎回の練習の後、弦を持ち上げることで、駒の歪みを防止できるだけでなく、ガット弦自体にかかるテンションの不均衡(不均一)を練習のたびごとに是正できるので、弦(正しくは弦の巻き線や弦のコア)が長持ちするようになります。
駒や弦の歪み(弦のテンションの不均衡)を防止することによって、完全5度がピッタリと(完璧に)合うので、長期間、良い弾き心地と良い音を維持できます。
このように、とても大きなメリットが得られますので、練習が終わった後、③のように駒の前後で弦を約1秒持ちあげることをルーティン化してみて下さい。
①駒の溝に4~6Bの柔らかい鉛筆を塗る。
②時々、駒を正しい角度(直角)になるように調整(修正)する。
③駒の前後での弦のテンション(張力)を均一化させることによって、駒の歪みを防止するため、駒の「指板寄り」と「テールピース寄り」の部分で弦を1ミリほど空中に持ち上げる。時間的には、0.5~1秒ほど弦を持ち上げる。
頻度としては、練習のたびごとにやると良い。練習が終わった後に調弦して、弦についた松脂をふき取った後に、駒の前後を持って弦を持ち上げる、という一連の流れを「習慣化」すると良い。
上記の①や②は知っている人が多いと思います。(ただし、知ってはいるものの、実際には自分ではやっていない人も多い。)
しかしながら、③の「駒の前後で弦を持って持ちあげる」=「弦のテンションの均一化」=「駒の歪み防止(歪んだ状態を元に戻す)」については、知らない人が多いです。
女性や子供だと指の力が弱いので、②や③を自分でやるのは難しいかも知れませんが、正しいやり方を教えてもらってコツを覚えれば、できないことは無いかと思います。
僕は弦楽器専門店の職人さんやヴァイオリンの先生から教えていただいたので、③の弦を持ちあげる作業を練習の後に必ずやっていますが、今の駒は20年ほど経過していますが、全く歪みがありませんし、溝も深くなったりしていません。
あと、オリーヴやオイドクサといったガット弦は、弦の伸びが多いため駒の角度が変化しやすく、駒の歪みも生じやすいです。上記③のように、毎回の練習の後、弦を持ち上げることで、駒の歪みを防止できるだけでなく、ガット弦自体にかかるテンションの不均衡(不均一)を練習のたびごとに是正できるので、弦(正しくは弦の巻き線や弦のコア)が長持ちするようになります。
駒や弦の歪み(弦のテンションの不均衡)を防止することによって、完全5度がピッタリと(完璧に)合うので、長期間、良い弾き心地と良い音を維持できます。
このように、とても大きなメリットが得られますので、練習が終わった後、③のように駒の前後で弦を約1秒持ちあげることをルーティン化してみて下さい。
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[ 5コメント ]
【ご参考】
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Re: 駒をいたわりましょう(駒を長持ちさせるコツ)
投稿日時:2016年08月23日 22:42
投稿者:QB(ID:KZRUZ5A)
静止摩擦力と動摩擦力をご存知でしたら、①と②が為されていれば、その時点で③で目的としていることは達成されていると思います。
ちなみに、①に於いてしばらくまえに議論が有りましたが、私はFaber Castelの銀色鉛筆を塗っています。
ご参考:http://www.fstrings.com/board/index.asp?id=18671&page=21&sort=&t=2005
ちなみに、①に於いてしばらくまえに議論が有りましたが、私はFaber Castelの銀色鉛筆を塗っています。
ご参考:http://www.fstrings.com/board/index.asp?id=18671&page=21&sort=&t=2005
[51715]
Re: 駒をいたわりましょう(駒を長持ちさせるコツ)
投稿日時:2016年08月23日 23:10
投稿者:オールドイタリー(ID:GQAFhkI)
①と②で十分ではないので、③が必要なわけです。
駒の角度が目で見てわかるぐらい明らかに狂ってきたら(駒が指板方向におじぎしてきたら)、そのときは、駒の角度を直角になるように戻す(修正)してやる必要があります。ヴァイオリンを太ももの上に置いて、両手でしっかりと駒を持って、自分に向かって駒を戻す作業です。
この駒の角度を修正する作業は、A線当たる駒の部分をこれだけ修正して、D線当たる駒の部分をこれだけ調整して・・・、という具合に弦ごとに微調整することは(厳密に言うと、「ほとんど」)できず、指板方向におじぎしている「駒全体」を「垂直に起こす」作業です。
駒の角度を正しく垂直に修正しても、駒の前後での弦のテンションは不均一(不均衡)なままなので、駒が歪みやすくなるリスクを抱えたままと言えます。
目で見た限りでは駒が直角に立っているが、駒を真上から見た時に微妙に歪んでいる感じがする、というような場合、あるいは、駒が歪んでいるようには見えないが駒の前後で弦のテンションが不均一な状態である、という場合は、③の駒の前後で弦を持ち上げるという方法が極めて有効です。
ヴァイオリンのE線、A線、D線、G線は、各弦ごとに伸び具合が違いますし、調弦の頻度や調弦の際の音程の調整幅も異なります。このため、例えば、A線とG線を比較すると、A線の駒の溝付近とG線の駒の溝付近では、駒の指板側への「引っ張られ具合」が異なることになります。その結果、駒に歪みが生じます。
駒に歪みが生じたときに、駒の前後で弦を真上に1ミリ、1秒ほど持ちあげてやると、駒が弦との接触(摩擦)から解放されて、駒が元の形に戻ろうとして駒の歪みが解消します。それと同時に、弦のテンションが上駒~駒のテンション=駒~テールピースのテンション、という具合に「テンションを均等化」します。
本当に耳の良い人であれば、駒の前後で弦を持ちあげて「駒の歪みを解消」すると、音(音質、音色、音量)が良くなることがハッキリと実感できるでしょう。
なお、③を全くやらない場合と比べて、毎回の練習後に③をやった場合は、駒の溝におけるヴァイオリン弦の巻き線(アルミ巻きや銀巻き)が痛みにくくなり、結果的に弦の寿命が長くなりますので、そういう意味でも大いにメリットがあります。
駒の角度が目で見てわかるぐらい明らかに狂ってきたら(駒が指板方向におじぎしてきたら)、そのときは、駒の角度を直角になるように戻す(修正)してやる必要があります。ヴァイオリンを太ももの上に置いて、両手でしっかりと駒を持って、自分に向かって駒を戻す作業です。
この駒の角度を修正する作業は、A線当たる駒の部分をこれだけ修正して、D線当たる駒の部分をこれだけ調整して・・・、という具合に弦ごとに微調整することは(厳密に言うと、「ほとんど」)できず、指板方向におじぎしている「駒全体」を「垂直に起こす」作業です。
駒の角度を正しく垂直に修正しても、駒の前後での弦のテンションは不均一(不均衡)なままなので、駒が歪みやすくなるリスクを抱えたままと言えます。
目で見た限りでは駒が直角に立っているが、駒を真上から見た時に微妙に歪んでいる感じがする、というような場合、あるいは、駒が歪んでいるようには見えないが駒の前後で弦のテンションが不均一な状態である、という場合は、③の駒の前後で弦を持ち上げるという方法が極めて有効です。
ヴァイオリンのE線、A線、D線、G線は、各弦ごとに伸び具合が違いますし、調弦の頻度や調弦の際の音程の調整幅も異なります。このため、例えば、A線とG線を比較すると、A線の駒の溝付近とG線の駒の溝付近では、駒の指板側への「引っ張られ具合」が異なることになります。その結果、駒に歪みが生じます。
駒に歪みが生じたときに、駒の前後で弦を真上に1ミリ、1秒ほど持ちあげてやると、駒が弦との接触(摩擦)から解放されて、駒が元の形に戻ろうとして駒の歪みが解消します。それと同時に、弦のテンションが上駒~駒のテンション=駒~テールピースのテンション、という具合に「テンションを均等化」します。
本当に耳の良い人であれば、駒の前後で弦を持ちあげて「駒の歪みを解消」すると、音(音質、音色、音量)が良くなることがハッキリと実感できるでしょう。
なお、③を全くやらない場合と比べて、毎回の練習後に③をやった場合は、駒の溝におけるヴァイオリン弦の巻き線(アルミ巻きや銀巻き)が痛みにくくなり、結果的に弦の寿命が長くなりますので、そういう意味でも大いにメリットがあります。
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Re: 駒をいたわりましょう(駒を長持ちさせるコツ)
投稿日時:2016年08月24日 00:54
投稿者:オールドイタリー(ID:GQAFhkI)
駒の前後での弦の持ちあげ方のやり方がわからない方のために以下の情報を提供します。
ttp://www005.upp.so-net.ne.jp/yoga/viola/2.html
の2.3 駒(ブリッジ),指板(フィンガーボード),アジャスターの「駒に乗っている弦の張力バランス」に掲載されている写真のような方法で、③の駒の前後での弦の持ち上げを実施します。
「②の駒の角度を調整すること」と「③の駒の前後で弦を持ちあげること」は、そもそも全く違う作業(手順)ですし、目的も異なります。
よって、②と③を組み合わせることで、大きなメリットが得られるわけです。
弦を張り替えた直後~2週間ぐらいは、②を数回繰り返す必要がありますが、弦の伸びが落ち着いてきた後は、③を毎回の練習の後に必ずやるようにしていれば、②は1~2か月に1回で十分です(もっと少ない頻度で済む場合もあります)。
ttp://www005.upp.so-net.ne.jp/yoga/viola/2.html
の2.3 駒(ブリッジ),指板(フィンガーボード),アジャスターの「駒に乗っている弦の張力バランス」に掲載されている写真のような方法で、③の駒の前後での弦の持ち上げを実施します。
「②の駒の角度を調整すること」と「③の駒の前後で弦を持ちあげること」は、そもそも全く違う作業(手順)ですし、目的も異なります。
よって、②と③を組み合わせることで、大きなメリットが得られるわけです。
弦を張り替えた直後~2週間ぐらいは、②を数回繰り返す必要がありますが、弦の伸びが落ち着いてきた後は、③を毎回の練習の後に必ずやるようにしていれば、②は1~2か月に1回で十分です(もっと少ない頻度で済む場合もあります)。
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Re: 駒をいたわりましょう(駒を長持ちさせるコツ)
投稿日時:2016年08月24日 18:07
投稿者:nn(ID:OQFlSBY)
文体が何年か前のズカラボットさんに似ていますね。
[51724]
Re: 駒をいたわりましょう(駒を長持ちさせるコツ)
投稿日時:2016年08月25日 23:16
投稿者:オールドイタリー(ID:NHWSFTA)
「駒の前後での弦の持ち上げ方」について強くご紹介したのは、以下のような理由です。
先日、弦楽合奏の練習が終わった後に僕がヴァイオリンを拭いて、最後に、駒の前後で弦を持ち上げていたところ、それを見ていた20代のヴァイオリン奏者が「どうして、そんなことをしているんですか?」と尋ねてきたからです。
そこで、周りの人にも尋ねてみたところ、駒の前後で弦を持ち上げることやそのメリットを知らない人が多数居たので、こちらの掲示板をお借りしてお知らせすることにした次第です。
良心的な弦メーカーは、駒の前後で弦を持ち上げることを周知していますが、それでも、知らない人の方が圧倒的に多いのが実情です。
・駒が歪みにくくなり、駒が長持ちする。
・弦の巻き線が痛みにくくなり、弦が長持ちする。
・音量や音質や正確な5度など音の面でメリットが得られる。
ということで、明らかにメリットがありますので、ぜひお試し下さい。
先日、弦楽合奏の練習が終わった後に僕がヴァイオリンを拭いて、最後に、駒の前後で弦を持ち上げていたところ、それを見ていた20代のヴァイオリン奏者が「どうして、そんなことをしているんですか?」と尋ねてきたからです。
そこで、周りの人にも尋ねてみたところ、駒の前後で弦を持ち上げることやそのメリットを知らない人が多数居たので、こちらの掲示板をお借りしてお知らせすることにした次第です。
良心的な弦メーカーは、駒の前後で弦を持ち上げることを周知していますが、それでも、知らない人の方が圧倒的に多いのが実情です。
・駒が歪みにくくなり、駒が長持ちする。
・弦の巻き線が痛みにくくなり、弦が長持ちする。
・音量や音質や正確な5度など音の面でメリットが得られる。
ということで、明らかにメリットがありますので、ぜひお試し下さい。
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