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「移動ド」と「固定ド」 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 29 Comments
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「移動ド」と「固定ド」

投稿日時:2003年09月05日 16:17
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:EzcxYjY)
 市民オケでチェロを弾いているレイトスタータ(鍵盤の経験は皆無)です。
 「移動ド」と「固定ド」、それぞれの得失・習得方法などにつき皆様のご意見お聞かせ頂けますか?

 小生としては、「音階は音楽(本質)」、「固定ド唱法は技術(あれば便利)」という気がします。あるいは、「話す・聞く」と「読み書き」みたいな関係でしょうか。
 なお、小生の音感は専ら移動ド(階名唱)です。固定ド唱法はできません。チェロを弾くときは譜面をドイツ音名で読みますが、これはソルフェージュしている訳ではなく、左指の概略位置を決めるだけです。音程はあくまでも階名(前後関係や和音から聴き取った階名)で判断しています。なので、知らない曲を譜面だけで弾くことは非常に苦手です。オケの曲はCD等で音を覚えてから練習します。年に1~2回の本番で自分のパート譜だけなら、これで何とかついて行けます。
 本当は、もうちょっと深く楽しむために総譜の勉強(それと、選曲の前に楽譜の立読みとか)もしたいのですが、殆ど歯が立ちません。やはり複雑な譜面を読むには「固定ド」能力が(絶対音感である必要はないが)必須なのかな、と思ったりします。
 一方、娘(小学生でVn.)はどうも固定ドで譜読みしているらしく、先日、宿題のDes-durだかGes-durだかの音階練習を凄まじい音程で弾いていたので、「お前は『ドレミファ』が解らんのか~?!」と怒ったら泣いてしまいました(反省)。恐らく指だけを頼りに弾くのが先ずは問題だと思うのですが、固定ドの人はどうやって調性感を掴んでいるのでしょうか。

 以上が、本件投稿の直接の背景ですが、あまりこれに拘って頂かなくても結構ですので、皆様の自由な御意見・アドヴァイスなど頂けると幸いです。よろしくお願いします。
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Re: 「移動ド」と「固定ド」

投稿日時:2003年09月10日 15:34
投稿者:TH(ID:IGREUog)
私はよくピアノバーに寄ります。そこにはジャズピアニストがいてお客の歌伴をしているんですが、時々Vnのケースを持っていくと歌伴に付き合わされます。曲の譜面は大抵あるのですが、客とのキーは殆ど合いません。で、
> こうなったらむしろ、
> 「ミのフラットからはじまる長調」
> 「ソから始まる短調」
> ていう説明に切り替えたほうが混乱しませんね。
こういうのは日常茶飯事で、半音や全音上げたり下げたりはあたりまえで、3度4度の上下も譜面見ながらぶっつけ本番でやってます。ジャズでは当然のことらしいのですが、無意識でやってるこれって「移動ド」なのか「固定ド」なのかどっちなんでしょうか。
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Re: 「移動ド」と「固定ド」

投稿日時:2003年09月10日 19:09
投稿者:MAMA(ID:GEExdzI)
固定ドと移動ド、それぞれにいいところがあり、どっちがいいという話をしても仕方が無いことではないでしょうか?
私は絶対音感があるので移動ドで考える事は全くできません。
私が小学校の頃、音楽専任の先生は移動ドだったようで移動ドで歌わされる事が苦痛で仕方なかった経験があります。
しかし、その先生は歌のテストの時、ひとり一人のキーに合わせて自由自在に移調してくれるんです。
それは小学生にとってとっても良いことだったように思います。
男の子は高い音が出ないから歌えない=点数が悪いという事にはならないから。
私はカラオケに行ってもキーが原調と違うと頭の中で転調という作業を一度しなくてはいけないし、原調でないとやっぱり気持ち悪いんです。
多分普段から音楽を聴くときドレミと階名でなってるからでしょうね。
そんなわけで絶対音感があっていいときもあったけど嫌なときもあるんです。
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Re: 「移動ド」と「固定ド」どちらでも良い

投稿日時:2003年09月10日 19:29
投稿者:元ピアニスト?(ID:KWdIgSM)
「移動ド」で読みます

場末で歌の伴奏をしたことがあります

初見で演奏する場合、「移動ド」・「固定ド」なんて考えずにおたまじゃくしの位置関係で自然に指が動くものでありたいと思いました
旋律を覚えれば転調は簡単でした

現在ヴァイオリンで BWV1007のプレリュードを練習中です
「移動ド」では歌い難いと思いますが、部分的には階名を意識して弾けます(この曲の場合はこれでよいと思う、「固定ド」で読まなければならぬこともないと思います)

譜読みの段階ではどちらか必要だとは思いますが
最後は感性ではないのか(ラララーと口ずさむような感じ、...)?

ヴァイオリンの師匠曰く
「メロディーは「移動ド」のほうがいいね」(私に近い考えです)

「移動ド」でも譜読みは不自由ないんですが...

五線紙を見て、調性を確認して、主音の高さをイメージ(合ってはいないが)して
そんな具合です

総譜は、
 ハモる感覚で...
[5537]

Re: 「移動ド」と「固定ド」

投稿日時:2003年09月10日 20:08
投稿者:走り大黒(ID:FjQxJ0I)
Geiger1951さま>

具体的なアドバイス、どうもありがとうございました!
この説明を試みたところ、勿論まだふらつきはありますが、すんなり調性感を理解してくれました。本人曰く「ようやく言われていることとやっていることの意味が腑に落ちた」そうです。
楽譜も音楽もまだ初心者の段階なので、それぞれの読み方の長短はそれとして、その子のなじみやすいやり方が見つかり、良かったです。
私からも感謝しております。ありがとうございました。
[5544]

Re: 「移動ド」と「固定ド」

投稿日時:2003年09月11日 10:39
投稿者:Geiger1951(ID:KGlREiQ)
それぞれ優秀なみなさまが、自分なりの方法で譜面との折り合いをつけていらっしゃる訳ですね。
ジャズの方のアンサンブル能力には敬服します。クラシックでも巨匠クラスはその能力あるんでしょうね。
個人的には移動ドが理想(とくに旋律)とは思いますが、後期ロマン派(ブラームスやフォーレなど)を弾く機会が多く、あれは教会旋法が使われていて長調なのか短調なのかわからず、仲間内ではドイツ音名が手っ取り早くなって最近はそれ一点張りで私はやっています。Gからのフリギア調だよ、なんて具合です。
>>固定ドの方って、そうやって12の長調と12の短調を
>>別々に覚えている訳ですか?
なかなか自分のことは分析できませんが、音階とアルペッジョを長年練習するのはそのためなんでしょうね。
24の調で正しい調性感がだせないと「音定の悪いヴァイオリニスト」になってしまいます。
Ges-durだろうがgis-mollだろうが滑らかに美しく弾けなくては失格でしょう。
[6051]

Re: 「移動ド」と「固定ド」

投稿日時:2003年10月20日 15:55
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:hUMYQCA)
 皆様、貴重なご意見・アドヴァイスどうもありがとうございました。
 とりあえずその後調べて判ったことなど報告させて頂きます:

 「ドレミ」の起源: 11世紀のイタリアの僧グィドーが工夫したもので、或る聖歌で各節の頭の音が音階になっていたので、そこの歌詞を使って音階を容易に覚えられるようにした[ソルフェージュ]。現代の「ドレミの歌」とほぼ同様の発想。ただし、ここでのドレミは音名、すなわち「固定ド」が採用されていた。今でもラテン系諸国は専ら「固定ド」とのこと。

 「移動ド」の起源: 19世紀初頭にイギリスNorwich地方の音楽教師Sarah Glover女史が、元々音名だった「ドレミ」を階名に流用することによって、移動ド唱法に基づく音楽教育システムを築いた[Norwich Solfa]。 これを、イギリスの教会大臣(?)John Curwenが改造して「Tonic Solfa」として19世紀後半にかけてイギリスで普及させた。今でも英米系諸国では移動ドが多いらしい(だからブロードウェイで「ドレミの歌」なんかができる訳でしょう)。 また、コダーイが採用したことは、Geiger1951さんのご指摘[5481]
[5481]

Re: 「移動ド」と「固定ド」

投稿日時:2003年09月06日 08:51
投稿者:Geiger1951(ID:NAIGiAE)
ハンガリーの作曲家で音楽教育家のコダーイはご存知でしょう。
コダーイのメソッドは移動ドなんですよね。
日本にもコダーイシステムを実践している方がいらっしゃいます。
保育園などでコダーイシステムを指導するところさえある。
ハンガリーでは合唱が盛んですし、優れた方法ではあるのでしょう。
コダーイシステムの専門家がカキコしていただけると勉強にるでしょうが?
のとおり。 ただ、最近は欧州留学組などによる固定ドの普及も盛んで、焦燥感を持っている移動ド派もいる様子。
 なお、GloverやCurwenが目指したのは、一般児童生徒や教会会衆が聖歌を容易に覚え歌えるようにすること。 コダーイもまた、「音楽を全国民のものとする」ことを目標に、歌うこと中心の学校教育システムとして取り入れた。

出典:http://www.iks.hu/kodaly.htm
http://www.norfolkwoman.org.uk/inspire/glovercurwen.html
http://education.deakin.edu.au/music_ed/history/curwen.html
http://www.bea.hi-ho.ne.jp/m-ogura/kodaly/main.htm
http://www.artlevine.com/
http://www.heathertrail.com/music_tips.html など

 移動ド(Tonic Solfa)は最近の、理論的な工夫の成果であり、文献も豊富らしく、Web上でも「移動ド」派の薀蓄が多数見られます。一方、固定ドの発展史や理論はよく判りませんでしたが(固定ドは機械的なシステムなので、理論など不要のようにも思えますが)、近・現代では器楽、特に鍵盤楽器(のメーカーのマーケティング戦略?)とも密接に結びついているようです。

 うんと乱暴にまとめると
   移動ド: 英米系~新興合理派~歌~大衆教育~ジャズ、ポップス、カラオケ(?)
   固定ド: 欧州大陸系~歴史的正統派~器楽~英才教育(?)~クラシック(?)
といった図式(偏見?)が見えてきます。固定ドのそこはかとない優越感も故無きには非ず?
[6052]

Re: 「移動ド」と「固定ド」

投稿日時:2003年10月20日 15:58
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:hUMYQCA)
 もう一件。 知り合いのピアノ弾き(アマチュア)の話ですが:

 彼女は固定ド派です。頭の中に鍵盤が入っていて、譜面を見るときはその鍵盤を鳴らすのだそうです。聴くときも、音程から相当する鍵が判る由。 ただし絶対音感は無いので、譜面や基準音が無いところでは、本人の表現を借りると「何でも先ずはハ長調で聞こえる」そうです。 例えば「運命」の冒頭なら「ミミミド~」。 で、一旦その場での基準音を決めるとあとは転調しようがお構いなしに相対音感で頭の中の鍵盤を追って行けるそうです。 ですから、そのまま第二楽章(As-dur)に入ると、「ド~ファラ、ラ~ソファ~ラレ~」。
 譜面があればちゃんと(?)「ソソソミ~」、「ミ~ラド、ド~シラ~ドファ~」と歌います。
 一方、気を抜いて聞き流す場合は、頭の中で鍵盤を追うことをやめてしまうので、その場その場の調性で聞くらしい。つまり、第二楽章なら「ソ~ドミ、ミ~レド~ミラ~」。

 よくよく話を聞いていくと:
 ピアノは白鍵から習い始めるので、C-durでの「ドレミ」が先ず身に付き、これが音楽を理解するときの基礎的な枠組みとなった。 (音階と音名の違いは意識されない。) 次いで、黒鍵を使うようになると、「ド」以外の鍵から始めても「ドレミ」と同じ音形が弾けることが解ってくる。しかし、この頃までには「鍵盤~譜面~音名としてのドレミ」の結びつきが強まっているので、例えば「G-durのドレミ」といった発想は出てこない。ただ、「等価」であることは解るので、移調することに抵抗感は無い。 一方、鍵盤・譜面から解放された場面では、最初に身につけた音楽理解の枠組み(本人はハ長調と言うが、たぶん階名としての「ドレミ」)が顔を出す。
 ということのようです。

 意識してこういう使い分けができるとしたら、或る意味「理想の音感」とも思えるのですが、本人は薀蓄や分析には興味がなく、「移動ドなんて知らない。何故そんな難しいことをするの?」と言います。 多分、我々が日本語を話すのにいちいち文法のことなんか考えないのと同じなんでしょうね。 羨ましい。
 小生の如きレイトスタータには遥かに遠い道です....。
[6071]

Re: 「移動ド」と「固定ド」

投稿日時:2003年10月22日 00:03
投稿者:pochi(ID:KHcXMXQ)
主音を常に意識できれば、どのような読み方でも構わないと思います。
[6104]

Re: 「移動ド」と「固定ド」

投稿日時:2003年10月22日 16:48
投稿者:KS(ID:IVeWUEg)
管の人は無条件ですごいと思う。
[9878]

Re: 「移動ド」と「固定ド」

投稿日時:2004年02月12日 16:41
投稿者:pochi(ID:OJgXGFA)
「あれれのレー?」って、名言ですね。
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